日本語版 v1.3.3

#第15話: 般若会の攻防

人間が人間を作れなくなったとき、彼らは魔人を作り始めた。

この話は、魔人12種のうち四種が一つの研究所に集められている光景と、そこへ潜入したパーティの物語である。

  • セッション参加者: クロ(GM)、ハナ(PC — 忍び/潜入専門)、メイ(PC — 陰陽師/結界・呪い)
  • パーティNPC: エンクウ(密教僧、7段)、レンゲ(浄土僧、5段)

#香 -- 獣ではなく、人が作った獣

The Hannya Society workshop: a bronze Hannya-mask door, green lantern glow, shelves of dark specimen jars, an empty surgical table

伊賀北の山中に、誰も入らない谷がある。木こりも狩人も、この辺りでは獣が鳴かないと言う。そこには般若会(般若會)の第2工房がある。工房。彼らは本当にそう呼ぶ。 妖魔を削り、貼り合わせ、もう一度立たせる作業場だからだ。

門の上に般若の面が刻まれた銅門をくぐって下へ降りると、緑色の灯が道を照らす。壁ごとに棚があり、棚には硝子瓶が整然と並んでいる。瓶の中には妖魔の目、舌、指、心臓が透明な油に沈んでいる。「観察標本」と書かれた札が付いているが、そのすぐ隣の棚には人間の臓器もある。札には同じ筆跡で同じ言葉が書かれている。「観察標本。」

工房には四つの存在がいる。すべて、かつては人だった。

一つ目は食人鬼。手術台の上で革紐に縛られている。腹が開いているのに、苦しがっていない。腹の中で何かが蠢く。研究員がその上に新しく切った肉の塊を載せると、蠢きが止まり、口がひとりでに開いた。「腹が減っていた。」食人鬼が言った。「すまないが食う。」

二つ目は修羅道。壁にもたれて立っている。動かない。血色の鎧、両手に斬馬刀。顔は見えない — 兜が顔のすべてだからだ。研究員が近づいて「今日は訓練はない」と告げると、修羅道の体がほんの少しぴくりと動いた。戦いがなければ、この者は正気を失う。 だから研究員は急いで付け加えた。「今夜はある。」修羅道の体が再び固まった。待つ。それができるすべてだ。

三つ目は祟り神。工房奥の祭壇に座っている。白い衣を着ているが、首には逆さに掛けた数珠を巻いている。念仏を唱えているが、言葉が裏返っている。「南無阿弥陀仏」ではなく「仏陀弥阿無南」。その声だけで、部屋の香火が緑色に燃え上がる。レンゲがこれを見たなら、すぐ泣いただろう。この者はかつて浅草神社の神官だった。ある日、自分の娘が病にかかったが、祭壇に百日伏しても仏は答えなかった。だから彼は決めた。仏を罰する。 その日から、彼の祈りは裏返った。

四つ目は血花。部屋の中央の円の中で踊っている。他の三つがいても、誰も彼女を見ない。見られない。彼女の裸足は血に濡れ、その血は円の床に黒く乾いた地図のような模様を作っている。彼女が一歩踏むたび、工房全体の空気が少しずつ押し寄せてくる。食人鬼も大きく息を吸い、修羅道の斬馬刀もほんの少し重くなった。観客がいる限り、血花は踊りを止めない。 観客がいなければ死ぬ。この部屋に観客がいなければ — 彼女は自分の腹を刀で裂き、血を流しながら踊る。いま彼女の脇腹にある赤い線が、その痕だ。

工房の上階から、石が転がる音がした。四つの存在はすべてその音に反応した。食人鬼が笑った。「客だな。」修羅道の目穴に初めて光が入った。祟り神の逆さ念仏が速くなった。血花の踊りが新しい楽章へ移った。

四人の侵入者が階段を降りてきている。カゲが先頭に立った。その後ろにエンクウ、レンゲ、そしてセイカの代わりに今回はハナの生徒であるメイ(PC)がいる。メイはまだ若い。5段陰陽師。符を一枚手に握って降りてくる間、彼女の手は震えていた。工房の中から流れ出す気が — 妖魔のものでもなく、人間のものでもないからだ。その両方であるものだった。

ハナ(忍び7段)が彼女の肩を掴んだ。「震えるな。震えれば手が滑る。お前の符はお前の正気だ。」メイはうなずいた。震えは完全には消えなかったが、カゲが前扉を静かに開けたとき — メイの符は定位置にあった。

そして四人の魔人は歓迎した。


#法 -- セッション実録

クロ: 15話。今回は魔人職業四種類を一部屋に詰め込んだ。般若会第2工房潜入ミッション。雰囲気から言っておくけど — 今回はホラーだ。プレイ中に忘れないで。

メイ: もう嫌なんですけど。

クロ: よし。シートから確認。

ハナ: 今回のセッションはカゲ(忍び)で行く。7段まで上げた潜入・突破セットアップ。

[PC]
カゲ (忍び7段): 勇+2、技+3、智+2。活力12、戦力5。
  1段 影渡り — 外部↔任意区域 0活力 (間合1回)
  3段 奇襲 — 潜入初攻撃自動会心
  5段 急所一撃 — 奇襲会心被害 2→3戦力
  7段 消失 — 外部瞬間移動 1活力 (呼吸1回)
  武器: コテツ (霊界鬼物小太刀、名品技法「[貫通 4]」、間合1回)

メイ: 私は陰陽師5段。結界と呪い中心。

[PC]
メイ (陰陽師5段): 智+3、美+2、運+1。活力10、戦力3。
  式神使役(1段) + 呪い(3段) + 呪殺(5段)。流派 安倍流。

クロ: NPCはエンクウ7段密教僧(金剛杵、阿修羅)とレンゲ5段浄土僧(阿弥陀の盾、念仏)。声は僕が取る。

ハナ: 今日レンゲがいる理由、あるよね?

クロ: ……ある。そしてそれは悲しい理由だ。

メイ: 何ですか?

クロ: セッションが終わったらわかる。場面に入る。


工房内部。緑色の灯。硝子瓶の中の妖魔臓器の隣に、同じ筆跡のラベル — 人間の臓器。部屋の中央には四つの存在がいる。パーティは階段の上から降りてきたばかりだ。

クロ: カゲが先頭。エンクウが後ろ。その後ろにレンゲ、最後尾にメイ。空気から — 妖魔特有の妖気とは違う、粘ついた気が流れてくる。メイ、君の符が君の手の中で勝手に震える。

メイ: ……「先生、これ……」

ハナ: (カゲの声で) 「震えるな。震えれば手が滑る。お前の符はお前の正気だ。」

クロ: かっこいいね。三道六心の振幅判定を入れる?

メイ: 大丈夫です。無心維持。進みます。

クロ: 工房内配置。

[工房外部(階段)]
      ↓
[工房入口(狭い道、上限3)]
      ↔
[中央ホール(広い)] ← 血花が踊っている。修羅道待機。
      ↔
[心府(祭壇)] ← 祟り神。食人鬼は手術台から解放済み。
      ↕
[外部(地下排水溝)] ← 脱出路

クロ: そしてこの四つの存在。

[敵配置]
修羅道 (主級、戦力6、防備14) — 中央ホール前列
  特殊「戦闘中毒」: 被害を与えるたび活力 +1 (間合内最大 +3)。
        被害を与えられなかった間合 → 狂乱 (自/他を問わず最も近い存在を攻撃)。
血花 (将級、戦力4、防備12) — 中央ホール後列
  特殊「血色の舞」: 毎間合開始時、同じ区域全員(味方含む) +1攻撃。
        被害を受けるたびスタック、3スタックで広域1戦力放出。
祟り神 (将級、戦力4、防備13) — 祭壇心府
  特殊「信仰逆転」: 治癒効果を被害に変換。
        結界・霊物・死体吸収で戦力 +1回復。
食人鬼 (将級、戦力3、防備11) — 祭壇心府
  特殊「捕食」: 戦闘不能の敵(味方含む)を摂食時、戦力全回復 + 活力 +3。
        命中時出血 (次の2間合 -1戦力ずつ)。

ハナ: 4対4じゃん。

クロ: 等級を見て。

ハナ: ……主級一つ、将級三つ。うーん。

メイ: 祟り神が一番怖いです。レンゲの治癒が逆転するってことですよね?

クロ: そう。今回は回復できない。レンゲは結束力を維持して、攻撃に回さないと。

ハナ: 浄土僧が拳を握る絵だね。

クロ: (レンゲの声を先に合わせながら) 「攻撃は私の務めではありませんが……今日は違います。」

メイ: (くすっと) レンゲかわいそう。

ハナ: 作戦を回す。カゲが影渡りで祭壇へ直行。食人鬼から奇襲自動会心 + 急所一撃 = 3戦力。食人鬼は戦力3だからワンショット。

クロ: 重要なこと。食人鬼は戦闘不能状態で同じ区域に別の戦闘不能が入ると自動捕食する。倒した後、その場からすぐ出ないといけない。

ハナ: 消失で外部離脱可能。OK。

メイ: 私は?

ハナ: 後方。結界・呪殺で祟り神を圧迫。ただし気をつけて、クロが結界・霊物を吸収すると言ったでしょ。

クロ: 式神も含む。祭壇近くに式神を置かないで。

メイ: ……わかりました。できるだけ外から。

クロ: 開始。


#間合1 — 静かな殺戮

カウント: ハナ 技(3)+活力12→12。メイ10。エンクウ11。レンゲ9。修羅道13(基本+狂戦士ボーナス)。血花11。祟り神11。食人鬼10。

クロ: 修羅道が先。中央ホール前列を先取りする。「不動」に近い構えで立ち — 兜の内側の目穴がこちらを向く。「近づけ。」

ハナ: 無視。影渡り(0活力) — 階段から祭壇へ瞬間移動。間合1回限定だから今回だけ。

クロ: 心府進入判定不要。潜入維持。カゲが祭壇裏の影から食人鬼の背を見る。食人鬼はちょうど手術台から起き上がり、腹の何かを口に入れようとしている。

ハナ: 奇襲(3段) — 自動会心。急所一撃(5段)追加適用で会心被害 2→3戦力。小太刀攻撃1活力。判定不要。

クロ: カゲが背後から — うなじを一度。

ハナ: (ささやくように) 「悪い。」

クロ: 食人鬼 戦力3 → 0。戦闘不能。出血2間合確定。食人鬼の半開きの口から、肉片が床へ転がり落ちる。

ハナ: 連続。同じ呼吸内で祟り神まで。コテツ技法(3活力、[貫通 4]、間合1回)。潜入は消費済みだから通常判定。

クロ: 振って。

ハナ: 2d10 + 技(3)+忍術(3)=+6。[7, 5]=12+6=18。防備13にコテツ [貫通 4] = 実質9。命中。2戦力。

クロ: 祟り神 4→2。逆さ念仏が一拍遅れる。逆向きに燃えていた香が一瞬だけ正常な向きに揺れ、また逆へ戻る。

ハナ: 予約防御(緊急回避、1活力)。呼吸合計: 0+1+3+1 = 5。ちょうど上限。

クロ: カゲが祭壇の脇で緊急回避姿勢。ところが — 祟り神が倒れた状態で腕を伸ばし、食人鬼の死体を掴んで祭壇の上へ引き上げる。

メイ: え?

クロ: (祟り神の声で) 「死んだ肉は私の供物だ。」

クロ: 食人鬼の死体が祭壇に吸収される。祟り神の戦力 +2回復。2→4。元通り。

ハナ: その動き — 捕食を止めるため?

クロ: むしろ逆だ。食人鬼の捕食経路を自分が横取りしている。この者は味方の霊物も吸収する。死体でも、結界でも、式神でも。

メイ: (符を握り直して) ……カゲ様。祭壇近くに式神は置けません。

ハナ: わかった。

メイ カウント10: 式神使役(2活力) — 祭壇外郭、中央ホール側に式神1体召喚。祟り神の射程外。続けて呪殺(3活力) — 遠距離狙撃。

クロ: 振って。

メイ: 2d10 + 智(3)=+6。[8, 4]=12+6=18 ≥ 防備13。命中。2戦力。

クロ: 祟り神 4→2。この者は血を流さない — 代わりに首に掛かった数珠が一粒ずつ黒く変わる。

メイ: 式神を外郭へさらに下げます。操作(0活力 [型]マヌーバ)。原則2、一間合2回上限 — 今回1回使用。

クロ: カウント覚えておいて。次の間合に呪殺・呪いをまた使いながら式神も操作すると足りない。

メイ: 呼吸合計: 2+3+0 = 5。上限。


エンクウ カウント11: (クロがエンクウの声で) 「密教僧エンクウ。心府自由進入(阿修羅の印1段)。祭壇へ行く。」

クロ: エンクウが一息で祭壇へ。金剛杵を片手に持って。この者は仏の意志で妖魔を打つ者だが — 祟り神は仏を裏切った者だ。エンクウの表情が珍しく怒り

クロ: 金剛杵(2活力)。2d10 + 勇(2)+退魔(3)=+5。[6, 7]=13+5=18 ≥ 防備13。命中。妖魔特効2戦力。

クロ: 祟り神 2→0。戦闘不能。数珠が床にこぼれる。

エンクウ: 「……南無阿弥陀仏。お前のものではなかったこの名を、いま取り返す。」

レンゲ カウント9: 「攻撃は私の務めではありませんが — 今日は違います。」 レンゲが念仏(1活力)でエンクウに結束 +1。

クロ: 祟り神はすでに戦闘不能なので逆転対象ではない。念仏は正常発動。


ハナ カウント7: この場を離れないと。消失(1活力)で外部へ。外部から工房入口へ移動(2活力)。合計3。活力4残り。忍び外部自由移動で潜入再取得。

クロ: カゲが影から影へ染み込む。工房入口の天井梁に張り付いた。祟り神は倒れたが — 祭壇自体はまだ光っている。

ハナ: あの祭壇、本体が倒れても機能します?

クロ: 良い質問。原則1(出所独立)基準で考えよう。「効果が能動特技」なら発動者無力化で停止。「効果が区域特性」なら持続。祭壇は区域特性として扱う。持続。ただし本体が回復しない限り、結界・死体吸収だけでスタックはない。

メイ: つまり式神を祭壇近くに置けば、まだ食われる。

クロ: そう。

ハナ: あの祭壇自体を後で消さないと。

クロ: その通り。今回の戦闘の最後の課題。


#間合1終了時点

味方:
  ハナ(カゲ) — 工房入口天井。活力4。戦力5。潜入再取得。
  メイ — 工房入口。活力5。戦力3。
  エンクウ — 祭壇。活力6。戦力5。金剛不壊未使用。
  レンゲ — 工房入口。活力8。戦力4。
敵:
  修羅道 — 中央ホール前列。活力13→10。戦力6。狂乱状態進入。
  血花 — 中央ホール後列。活力11。戦力4。舞スタック2。
  祟り神 — 戦闘不能。ただし祭壇特性持続。
  食人鬼 — 戦闘不能 + 祭壇吸収で除去。

メイ: 食人鬼は倒したんですよね?

クロ: うん。吸収されたから捕食発動リスクは消えた。代わりに祟り神が回復した。

ハナ: 結果的には一体少なく相手することになったけど。

クロ: でも修羅道は被害を与えられなかった間合に入った。間合末の自制心揺らぎ確認。2d10+智。修羅道 智0。[4, 3]=7。失敗。狂乱。次の間合、最も近い存在を攻撃。

ハナ: 血花?

クロ: うん。

メイ: 味方同士で?

クロ: そう。血花は被害を受けるとスタックが上がり、3スタックで広域1戦力。現在2スタック。修羅道の攻撃が決定打になると……

メイ: その広域範囲に私たちは入ります?

クロ: 中央ホール + 隣接区域。祭壇(心府)が隣接で、入口も隣接。

ハナ: 私は天井だけど、どのみち入口だから隣接。メイも入口。レンゲも入口。エンクウは祭壇だけど、祭壇も隣接影響圏。

クロ: エンクウは金剛不壊で対応可能。

ハナ: よし。


#間合2

カウント: 修羅道10。血花11。エンクウ9。レンゲ8。ハナ7。メイ5。順序: 血花 → 修羅道 → エンクウ → レンゲ → ハナ → メイ。

血花: 舞ステップ(1活力)。自分の区域全員 +1攻撃。現在同じ区域に修羅道だけなので、修羅道攻撃判定 +1。

クロ: 血花が修羅道の方へ一歩。血まみれの足が床に血痕を残す。修羅道の斬馬刀が少し — 重くなる。

修羅道: 狂乱。最も近い存在 = 血花。斬馬刀(3活力) + 狂戦士の怒り(間合1回自動会心) + 血花バフ +1。自動会心2戦力 + 斬馬刀基本。

クロ: 修羅道が血花の首を — 斬馬刀の一振りでかすめる。血花 戦力4 → 2。舞スタック +1 = 3スタック広域1戦力放出。中央ホール + 隣接区域全員。

クロ: 修羅道本人も受ける。6 → 5。

ハナ: 私は入口で隣接。1戦力。5→4。

メイ: 私も入口。3→2。(メイが息を止める。)

レンゲ: 「この舞は — 阿弥陀の舞ではありません。」 1戦力。4→3。

クロ: エンクウは祭壇で金剛不壊発動(間合1回)。2d10 + 體(1)≥13。[8, 6]=14+1=15。成功。戦力減少無効。

エンクウ: 「仏の身は砕けない。」


エンクウ カウント11: 中央ホールへ移動(無防備ではない、2活力)。修羅道の前。金剛杵(2活力)攻撃。

クロ: 2d10 + 勇(2)+退魔(3)=+5。[9, 7]=16+5=21 ≥ 防備14。命中。妖魔特効……

ハナ: 修羅道は半妖魔じゃないですか? 人間出身ですよね。

クロ: よく拾った。修羅道は「妖魔化した人間」。境界。GM判定 — 半妖魔扱いで金剛杵被害1.5倍、四捨五入2戦力。

エンクウ: 修羅道 5→3。

レンゲ カウント9: 「攻撃は私の務めではありませんが。」 体術(1活力) + 結束判定。2d10 + 體(1)=+1。[5, 6]=11+1=12 ≥ 防備12。命中。1戦力。

クロ: レンゲが数珠を拳に巻き、血花の脇腹を打つ。血花 戦力2→1。舞スタック4 — 3はすでに発動後なので新効果なし。

レンゲ: 「この舞を — 止めて差し上げます。」


ハナ カウント4: もう外部移動は全部使ったので入口待機。呼吸活力不足。予約防御1 + 残りで様子見。

クロ: よし。カゲは天井で。

メイ カウント2: 呼吸ほとんどありません。式神操作(0活力 [型]、2回上限のうち今回0回使用)。式神が血花攻撃(2活力、式神自体0)。

クロ: 振って。

メイ: 2d10 + 智(3)=+6。[10, 2]=12+6=18 ≥ 防備12。命中。1戦力。血花1→0。戦闘不能。舞停止。

クロ: 血花が膝をつく。最後に彼女の裸足から血痕が消え — 床の地図模様が色を失う。広域バフも消滅。

メイ: 呪殺(3活力) — 修羅道に直接。2d10 + 智(3)=+6。[9, 5]=14+6=20 ≥ 14。命中。2戦力。

クロ: 修羅道 3→1。呼吸合計: 2+3=5。上限。メイが震える手で符を一枚打ち下ろした。

メイ: 「……何ですか、この感じ。」

ハナ: 無心、耐えてる?

メイ: ……耐えてます。


#間合3

クロ: 修羅道だけが残った。狂乱は終わっていないが — 対象がいない。最も近いのはエンクウ。

修羅道7(残り活力): エンクウに突撃。斬馬刀(3活力) + 狂戦士の怒り(すでに消費)。2d10 + 勇(3)+剣術(3)=+6。[6, 4]=10+6=16 ≥ エンクウ防備13。命中。2戦力。

エンクウ: 戦力5→3。金剛不壊は間合1回消費済み。防げない。

エンクウ反撃: 金剛杵(2活力)体術攻撃。2d10 + 勇(2)+退魔(3)=+5。[7, 9]=16+5=21 ≥ 14。妖魔特効 半妖魔1.5倍。2戦力。

クロ: 修羅道 1→-1。戦闘不能。倒れながら斬馬刀が床に突き立つ。兜の内側で息が止まる音。

修羅道: (クロが低く) 「……戦いを……望んだ……」

エンクウ: 「お前が望んだのは戦いだっただろう。だが — 戦いはお前が最初に選んだものではなかった。」

ハナ: (天井から) ……その言葉、きついな。

クロ: 般若会が彼を最初に拉致して「戦士」に作り替えたときから、本人の意志などすでになかった。いまこの瞬間が、この者にとって初めての — 停止。


#間合4 — 後始末

クロ: 工房内の敵はすべて撃破。あとは祭壇が残っている。これ自体の区域特性が消えないと本当の後始末にはならない。

メイ: 私の呪いで区域に掛けられます。

クロ: やってみて。

メイ: 呪い(3活力) — 祭壇自体に。2d10 + 智(3)=+6。[8, 8]=16+6=22。大成功。

クロ: 祭壇の石が割れる。逆さに燃えていた香が正常な向きに戻り — 消える。床の数珠玉が粉になる。

レンゲ: 念仏(1活力)。工房全体を祝う。阿弥陀の名が正常に。緑の灯が本来の色に戻る。

ハナ: 天井から降りる。潜入解除。棚の硝子瓶を調べ始める。

クロ: 瓶の中には — 人のもの。目、手、心臓。ラベルには誰かが書いた筆跡。

ハナ: (静かに) 「これらには持ち主がいた。」

メイ: ……この人たちは誰だったんでしょう。

エンクウ: 「般若会に連れ去られた者たち。あるいは隣村から消えた誰かの妻。あるいは誰かの幼い息子。家族がいるかもしれない。返さねばならない。」

レンゲ: 「返すだけでは足りません。供養もしなければなりません。……私がします。」

メイ: (あ、という顔) ……レンゲが今日いる理由が。

クロ: そう。これは戦闘シナリオではなく — 供養シナリオだ。四人の魔人を倒したのは前半。硝子瓶120個を集めて家族に返すのが後半。一人ずつ、名前を確認しなければならない。

ハナ: ……セッション続きます?

クロ: ここまで。次のセッションは供養。今日は戦闘完遂1回 + 叙事マイルストーン1回計数。般若会第2工房封鎖。

メイ: ……息をついてもいいですか? 私まだ符を放せません。

ハナ: 放すな。今日、お前の符がお前を守ったんだ。


[第15話 確認された規則]
1. 修羅道: 主級。「戦闘中毒」 — 被害を与えられなかった間合 → 狂乱 (自/他を問わず攻撃)。
2. 血花: 将級。「血色の舞」 — 同じ区域全員 +1攻撃(味方含む)。被害を受けるたびスタック、3スタック広域1戦力。
3. 祟り神: 将級。「信仰逆転」 — 治癒を被害に変換。結界・霊物・死体吸収で戦力回復。祭壇は区域特性として持続。
4. 食人鬼: 将級。「捕食」 — 戦闘不能対象吸収時、戦力全部 + 活力 +3。撃破後の死体処理注意。
5. 規則2 (原則2): 式神操作は[型] 0活力マヌーバ、一間合2回上限。式神は分隊ではない。
6. 祟り神結界吸収 vs 能動特技発動区分 — 区域特性 = 本人無力化後も持続。能動特技 = 本人依存。
7. 規則1 (原則1): 修羅道狂戦士の怒り自動会心と血花の舞 +1攻撃バフは別出所。累積。
8. 妖魔特効(金剛杵)の対象: 半妖魔扱い(修羅道など)には1.5倍、完全妖魔には2倍 (GM判定)。
9. 狂乱状態: 自制心揺らぎ確認(2d10+智)失敗時、次の間合は自/他を問わず最も近い敵を攻撃。
10. 般若会研究所ギミック: 「祭壇区域特性」 — 霊物・死体吸収。除去するには攻撃特技で区域呪い。

工房の扉を出ながら、ハナが言った。「人が人を作ろうとすれば、人ではないものが出てくる。」エンクウが答えた。「人が仏を罰しようとすれば、仏ではないものが出てくる。」メイは何も言わなかった。彼女の手にはまだ符が握られており、その符には一人の名が新たに書かれていた。今日救えなかった、ある名前。

残り八人の魔人 — 毒虫師、イタコ、怪仏、醜女の使い、天狗師、鉄身、妖理人、雑貨商 — は、それぞれ別の工房、別の山、別の港で、今も動いている。般若会は大きい。この話はその中の一夜の物語にすぎない。