日本語版 v1.3.3 · fc-glossary
#用語辞典 — 三道心鏡
目次
本辞典は 精密な学術定義 ではなく、混世霊妖譚で言葉を転がすための解説である。判定と数値は
coを見ること。
#導入断片 — 同じ文字の異なる道
若い学者は巻物に同じ音を記した。セン。最初の師はその文字を 禪 と書き、座布団を指した。二番目の師は 仙 と書き、雪に覆われた山の稜線を指した。
「どちらもセンと読みます。」学者が言った。「ならば同じ道ですか?」
禅僧は目を閉じたまま答えた。「座ってみよ。お前が掴んだ言葉が落ちれば、そのとき一つの文字の意味を知るだろう。」
山の隠者は笑いながら杖で外を指した。「歩いてみよ。お前の足が人の道を外れれば、別の文字の意味を知るだろう。」
学者は困った顔で二つの文字を並べて見た。その日彼は辞典が答えを与えないことを学んだ。辞典は門を指す。どの門に入るかは、場面が定める。
#大きな流れ
| 用語 | 漢字 | 簡単な解説 | 混世霊妖譚の連結 |
|---|---|---|---|
| 儒教 | 儒教 | 人間関係の道理。忠、孝、礼、義、仁を重んじる。 | 礼道(禮道)の核心言語。侍・学者・官僚NPCに強い。 |
| 仏教 | 佛教 | 苦痛、業、輪廻、慈悲、解脱を扱う宗教。 | 空道の核心言語。密教僧・浄土僧・修験者と直結する。 |
| 禅宗 | 禪宗 | 坐禅と直観を重んじる仏教の流れ。言葉より体得を重んじる。 | 空道内部の修行の流れ。無心、剣術、茶道、浪人RPと接点。 |
| 神仙思想 | 仙 | 長生、隠遁、山岳修行、道教的自然観、人間を超えた境地を語る思想層。 | 玄道の核心言語。風水師・陰陽師・修験者・現人神・野人RPと接点。 |
| 神道 | 神道 | カミと浄化、神域、穢れを扱う日本土着の信仰。 | 玄道の重要な基盤。現人神・野人・巫女・神官と連結。 |
| 陰陽道 | 陰陽道 | 陰陽五行、道教、神道、密教が混ざった占術・呪術体系。 | 陰陽師と風水師の学問的基盤。 |
| 神仏習合 | 神佛習合 | カミと仏を同じ世界の中で共に祀る慣習。 | 混世霊妖譚の宗教共存を説明する基本の風景。 |
#儒教用語
| 用語 | 漢字 | 解説 |
|---|---|---|
| 忠 | 忠 | 主君、家門、秩序への忠誠。礼道の明心と直結する。 |
| 孝 | 孝 | 親と祖先への道理。家門中心の叙事の核心。 |
| 礼 | 禮 | 身のこなし、儀礼、言葉の順序、身分秩序。交渉場面の表面を作る。 |
| 義 | 義 | 正しさ。忠と衝突するとき最もよく使われる言葉。 |
| 仁 | 仁 | 人を人として遇する優しさ。儒教の中で空道と出会う地点。 |
| 名分 | 名分 | 誰がどの位にあり、どの名で行動するか。政治と戦争の正当化言語。 |
| 朱子学 | 朱子學 | 宋代儒学を基とした秩序中心の学問。江戸幕府の政治言語とよく合った。 |
| 陽明学 | 陽明學 | 心と実践を重んじる儒学の流れ。日本では行動する知識人の言語になりやすい。 |
| 武士道 | 武士道 | 後代に整理された武士の倫理。戦国~江戸の実際の武士倫理を単純に一つに還元しないよう注意。 |
#仏教用語
| 用語 | 漢字 | 解説 |
|---|---|---|
| 業 | 業 | 行為が積み重なって結果を生むという観念。キャラクターの選択が心を変える言葉になる。 |
| 輪廻 | 輪廻 | 生死が巡り巡るという観念。妖魔、怨霊、転生の叙事と連結する。 |
| 解脱 | 解脫 | 苦痛の循環から脱すること。空道の究極の問い。 |
| 空 | 空 | すべては固定された実体がないという仏教思想。虚(虛)と混同してはならない。 |
| 慈悲 | 慈悲 | 苦しむ存在を哀れみ助ける心。空道の明心の慈と直結する。 |
| 菩薩 | 菩薩 | 自分だけの解脱より衆生救済を択んだ存在。PCの自己犠牲の叙事によく合う。 |
| 浄土 | 淨土 | 阿弥陀仏の極楽世界。浄土僧の言葉。 |
| 念仏 | 念佛 | 仏の名を呼ぶ修行。「南無阿弥陀仏」が代表的である。 |
| 密教 | 密教 | 真言、印、曼荼羅、護摩を通じて仏の力を現現させる仏教。密教僧の基盤。 |
| 修験道 | 修驗道 | 山岳修行。神道・仏教・道教が混ざった実践信仰。修験者の基盤。 |
#禅宗用語
| 用語 | 漢字 | 解説 |
|---|---|---|
| 禅 | 禪 | 心を静かにして直接悟る修行。ここでは 仙 ではなく 禪 である。 |
| 坐禅 | 坐禪 | 座って行う禅の修行。言葉より姿勢が先である。 |
| 無心 | 無心 | 執着と計算が断たれた心。co の無心と重なるが完全に同じではない。 |
| 公案 | 公案 | 論理で解けない問い。思考を断ち直観を開く道具。 |
| 直指 | 直指 | 言葉と文を経ず、まっすぐ心を指すという禅宗的態度。 |
| 一期一会 | 一期一會 | 一度の出会いは一度きりという感覚。茶道と禅の情緒に似合う。 |
| 侘び | 侘び | 不足、静けさ、素朴さの美感。江戸以前から続いた美学的感覚として使える。 |
| 寂び | 寂び | 時間の痕跡、古び、静かな寂しさ。廃寺・古い刀・古い茶碗の場面に似合う。 |
#神仙・玄道用語
| 用語 | 漢字 | 解説 |
|---|---|---|
| 仙 | 仙 | 神仙、隠者、人間を超えた自然的存在の文字。本巻では 禪 と区分する。 |
| 神仙 | 神仙 | 山と雲の中で長生と道を得た存在。歴史的には道教的想像力、混世霊妖譚では玄道的境地のイメージ。 |
| 仙人 | 仙人 | 世俗を離れ道を修めた者。道士、隠者、山岳修行者、妖魔と人間の間の中間的人物として使える。 |
| 無為 | 無爲 | 無理に作らず流れに委ねる態度。怠惰ではなく世界の理に逆らわない技術である。 |
| 陰陽五行 | 陰陽五行 | 陰陽と木・火・土・金・水の相互作用。陰陽道と風水の思想的骨格。 |
| 霊脈 | 靈脈 | 地と山を流れる見えない気運。風水師と玄道場面の核心の小道具。 |
| 長生 | 長生 | 長く生き身を保とうとする神仙的理想。仏教の解脱とは方向が異なる。 |
#混世霊妖譚連結語
| 用語 | 出典 | 本巻での使い道 |
|---|---|---|
| 礼道 | 三道六心 | 儒教的秩序と忠義の道。 |
| 空道 | 三道六心 | 仏教的慈悲・空・解脱の道。 |
| 玄道 | 三道六心 | 神道・道教・自然霊性・神仙思想の道。禅宗の 禪 とは異なる。 |
| 忠 | 三道六心 | 秩序を守る。 |
| 覇 | 三道六心 | 秩序を強要する。 |
| 慈 | 三道六心 | 苦痛を抱く。 |
| 虚 | 三道六心 | すべてを放す。 |
| 真 | 三道六心 | 世界と一つになる。 |
| 魔 | 三道六心 | 本能に従う。 |
| 無心 | 三道六心 | まだ道を定めていない、または道から外れた状態。禅宗的無心と場面上重なりうる。 |
#口調参考
儒教的人物は「道理」「名分」「恩義」「家門」「主君」「礼」を語る。
仏教的人物は「業」「苦痛」「慈悲」「往生」「空」「因縁」を語る。
禅宗的人物はあまり語らない。語るなら短い。「座れ」「見よ」「断て」「その刀を下ろせ」のような言葉が似合う。
神仙的人物は「流れ」「山」「星」「気」「時」「器」「空(むなしさ)」を語る。説得より比喩が多く、人間の秩序を自然の長い時間の中の小さな事と見る。
用語は門ではない — 取っ手だ。掴んで開くときにのみ世界が開く。