#第2話: 心府の経文
#香 -- 蜘蛛の井戸
日が傾いていた。崩れた村には、人の痕跡だけが残っていた。壊れた戸板、倒れた甕、干上がった田。そして村の中央――石を積んだ井戸が一つ。井戸の周囲の石畳には白い糸が敷かれていた。蜘蛛の糸だった。糸は井戸の内側から伸び、周囲の柱と屋根を絡め取っていた。風が吹いても糸は切れなかった。普通の蜘蛛の巣ではなかった。
エンクウは井戸の前に立ち、手を合わせて経文を唱えた。短い真言だった。空気がかすかに震えた。井戸の中で何かが反応した――闇が蠢いた。エンクウは経文を止め、目を開いた。彼の背後には棒を持った僧兵五人が立っていた。顔は青ざめていた。
「中にいる。」エンクウが言った。
アテルイが井戸の縁に腰かけ、中を覗き込んでいた。闇だけだった。だが匂いが上がってきた。血と毒の匂い。アテルイは鼻をしかめた。
「でかい。」彼が言った。「一匹じゃない。」
レンゲが僧兵たちの間から一歩前へ出た。金剛杵を両手で握っていた。彼女の顔は穏やかだった。恐怖がないという意味ではなかった。恐怖を呑み込んでいるという意味だった。彼女は僧兵たちを振り返った。
「私がここにいるかぎり、崩れない。」レンゲが言った。「それだけ覚えていればいい。」
僧兵たちの棒がかたかたと鳴った。だが一人も後ろへ退かなかった。レンゲが立っていたからだ。彼女の存在が見えない壁だった。経文がまだ空気の中に残っているかのように――彼女が立つ場所では、揺らぎが止まった。
エンクウがカタナを抜いた。刃には経文が刻まれていた。彼は井戸の縁に片足をかけた。アテルイが向かい側で立ち上がった。二人は無言で目を合わせた。言葉は要らなかった。
エンクウが先に飛び降りた。闇が彼を呑んだ。蜘蛛糸が衣の裾をかすめた。刃が閃いた――狭い井戸の中で蜘蛛糸を斬りながら落ちていった。着地した場所は地面ではなかった。蜘蛛糸で作られた床だった。糸が足首まで絡みついた。そして闇の中で目が光った。八つ。蜘蛛の目だった。
大蜘蛛が壁を伝って降りてきた。三匹。人の腰ほどの高さの蜘蛛たちが毒牙を剥き、エンクウへ迫った。狭い空間だった。大きな動作はできなかった。エンクウはカタナを短く持ち、前へ突いた。蜘蛛一匹の目を貫いた。そいつは悲鳴を――悲鳴と呼べるなら――上げて後ずさった。残り二匹が左右から飛びかかった。
そのとき上から影が落ちた。アテルイだった。彼は蜘蛛糸をつかまなかった。素手で落ちながら、蜘蛛一匹の背に着地した。脚が折れる音がした。アテルイは着地の反動そのままに拳を振り下ろした。蜘蛛の甲殻が割れた。そいつは床に平たく押し潰された。アテルイは死んだ蜘蛛の背から降り、残る一匹へ体を向けた。素手だった。武器はなかった。だが彼の手が武器だった。蜘蛛が毒牙を立てて襲いかかった。アテルイは片足で毒牙を踏み、もう一方の手で蜘蛛の頭をつかんだ。力が入った。蜘蛛の頭が潰れた。
井戸の上では別の戦闘が起きていた。井戸の周囲の蜘蛛糸から小さな蜘蛛が這い出し始めた。大きさは小さかったが、数が多かった。僧兵たちは棒を振るって蜘蛛を叩いた。だが闇から絶え間なく這い上がるものたちに、恐怖が広がり始めた。一人の僧兵が棒を落とした。足の力が抜けたのだ。
レンゲが経文を唱え始めた。低く深い声だった。経文が空気に乗って広がった。僧兵たちの耳に届いた。落とした棒を拾い直す手があった。レンゲの声が止まらないかぎり――彼らの心も砕けなかった。蜘蛛が這い上がっても、毒牙が閃いても、レンゲの経文がその場を支えていた。
井戸の下で地面が揺れた。エンクウとアテルイが同時に後ろを振り返った。蜘蛛糸の床の下から――本当の地面から――何かが上がってきていた。蜘蛛糸が張り詰めた。大蜘蛛より大きいもの。脚がさらに多いもの。クモボス。井戸の主だった。人の背丈の二倍ほどある蜘蛛が、蜘蛛糸を伝ってゆっくり上がってきた。毒牙から毒液がぽたぽたと落ちた。床の蜘蛛糸が毒で溶け始めた。
エンクウはカタナを握る手にもう一度力を込めた。アテルイは拳を握った。狭い井戸の中。逃げ場はなかった。上からレンゲの経文がかすかに聞こえた。エンクウは経文の律動に合わせて呼吸を整えた。修羅の印を結んだ。
そして闇の中へ一歩踏み出した。
#法 -- セッション実録
クロ(GM) / ハナ(エンクウ + アテルイ) / メイ(レンゲ)
クロ: 第2話だ。今回は心府規則を本格的に扱う。戦場を説明するね。崩れた村だ。区域構造はこう。
[外郭: 屋根/木] --- [味方前列: 村の入口] --- [敵前列: 村の奥] --- [心府: 井戸の中]
ハナ: 心府が井戸の中なんだ。地下区域?
クロ: そう。井戸の中は蜘蛛糸でいっぱいになっている。狭くて暗い空間。心府規則が適用される。
メイ: 心府規則を整理して。前回は心府がなかったから。
クロ: OK、整理しよう。心府規則:
[心府規則]
1. 制圧力ボーナス無効: 構え・地形・分隊などから得るボーナスは適用しない。
2. 両陣営の相殺: 残った両陣営の制圧力を互いに差し引き、負数は0として処理する。両陣営を無条件に0にはしない。
3. 短兵器: 活力 -1(最小1)。すでに1活力の技法は、代わりに連撃疲労が-2/-4/-6から-1/-2/-3へ軽減される。
4. 標準武器(カタナ・金剛杵など): 活力変化なし。
5. 長兵器(ヤリ・野太刀・長棒など): 活力 +1。
6. 心府の外から心府内への遠隔攻撃が外れた場合、d100 01~30で味方への誤認射撃。
ハナ: 待って。じゃあ標準武器のカタナは、心府でも判定も活力も変わらないの?
クロ: そう。だから修羅の印がある。修羅の印の効果:
[修羅の印]
- 心府自由進入: 判定なしで2活力を払い進入。離脱には別途、心府離脱規則を適用。
- 心府近接技法活力 -1 (最小1): 心府内で近接技法を使う時、活力消費 -1。
メイ: つまり心府には誰でも入れるわけじゃないの?
クロ: 自由進入クラスは、判定なしで2活力を払って入る。それ以外の主・将は3活力と2d10+勇 >= 13の強行突破が必要だ。自由進入クラスは、浪人、忍び、密教僧、修験者、野人、半妖の六クラス。
ハナ: アテルイは野人だからカムイの手。素手1活力で、心府自由進入?
クロ: そう。カムイの手を整理すると:
[カムイの手]
- 素手攻撃活力1: 武器なしで1活力で攻撃可能。
- 命中時、間合1回、押し出しまたは組みつきを選択。
- 野人の素手は標準攻撃として扱う: 会心時2戦力。
- 心府自由進入/離脱。進入自体には2活力を消費。
ハナ: でも素手だとダメージ弱くない?
クロ: 卒相手なら命中すると戦力1が0になるから、武器に関係なく戦闘不能だ。練以上への素手打撃は基本1戦力で、能力値を被害に加えない。ただし野人の素手は標準攻撃扱いだから、会心なら2戦力だ。
メイ: ああ、能力値は命中判定に入り、戦力減少量には技法に書かれた値を使うのね。
クロ: そう。アテルイの強みは、カムイの手で素手を1活力の標準攻撃として扱えることだ。さて、キャラクターを確認しよう。
[味方]
エンクウ (密教僧1段): 勇+1、體+2、活力10、戦力6(3+體2+強靭1)、防備10(無甲)。体術 習得(+1)。
修羅の印: 心府自由進入、心府近接 -1活力(最小1)。短刀+素手。
アテルイ (野人1段): 勇+2、體+1、技+0、活力10、戦力5(3+體1+強靭1)。体術 習得(+1)。
カムイの手: 素手1活力、命中時に押し出し/組みつき(間合1回)、心府自由進入。
レンゲ (浄土僧1段): 美+2、體+1、技+0、活力10、戦力5(3+體1+強靭1)、防備11。槍術 入門(+0)。
阿弥陀の盾: 同じ区域の分隊結束が0になろうとした時、1を維持。薙刀。
僧兵分隊 (卒5名、棒): 結束3。
[敵]
大蜘蛛 x3 (練3体): 戦力2、防備13、勇+0、体術 入門(+0)、蜘蛛糸+毒牙。
クモボス x1 (将): 戦力4、防備14、活力10、勇+2、体術 入門(+0)。
ハナ: エンクウ防備10? 無甲だからだよね?
クロ: そう。このサンプルのエンクウは無甲で防備10だ。斬られたら大変だ。
メイ: レンゲの阿弥陀の盾をもう少し説明して。
クロ: 阿弥陀の盾:
[阿弥陀の盾]
- 同じ区域の味方分隊の結束が0になろうとした時、崩壊せず1を維持。
- レンゲが移動すると効果範囲も新しい区域へ移動し、以前の区域には適用されなくなる。
- 結束を上限まで回復する効果ではない。
メイ: 結束が0なのに崩れないってこと?
クロ: 正確には0のまま残るのではなく、1を維持する。レンゲが同じ区域にいる間は、最後の結束が切れないんだ。
ハナ: 実質的に生きている壁になるのか。
クロ: 表現いいね。そう。ただしレンゲ自身は、直接攻撃より分隊を守る役割だ。薙刀は非常時に使い、本分は最後の結束をつなぎ止めること。
メイ: よし。理解した。レンゲは味方前列に僧兵たちと一緒に配置。
クロ: OK。エンクウとアテルイの配置は?
ハナ: エンクウは敵前列に配置。井戸の近くから始める。アテルイも同じ場所。
クロ: 敵前列配置は可能。ただし敵の大蜘蛛3体が敵前列にいて、クモボスは心府(井戸の中)にいる。
ハナ: じゃあ最初に外にいる大蜘蛛を片づけて、心府へ入るわけだね。
クロ: そう。あるいは大蜘蛛を無視してすぐ心府へ入ってもいい。エンクウもアテルイも自由進入だから、それぞれ2活力だけを払い、判定なしで入れる。ただし大蜘蛛を残しておくと、後ろのレンゲと僧兵分隊が危険になる。
ハナ: レンゲの阿弥陀の盾があるから、僧兵分隊はすぐには崩れないよね?
クロ: そう。結束3だが、阿弥陀の盾が適用されている間は0まで下がらず、1を維持する。
メイ: とりあえず私は僧兵と耐える。エンクウとアテルイが心府へ入って。
ハナ: OK。じゃあ戦略整理。1間合で大蜘蛛をできるだけ処理し、小康後の次の間合に心府へ入る。
クロ: よし。間合開始。カウント整理。
アテルイ: 活力10 (技+0)
エンクウ: 活力10 (技+0)
レンゲ: 活力10 (技+0、同値は味方優先で敵より先)
大蜘蛛: 活力10 (全員同じ、同値だがレンゲの後)
クモボス: 活力10 (心府で待機)
メイ: クモボスは心府から出てこないの?
クロ: まだ出てこない。シナリオ条件だ。誰かが心府へ進入すると覚醒して行動開始。それまでは待機。
ハナ: カウント10の同値は、味方から順番を決めよう。アテルイが先。大蜘蛛Aに素手攻撃。カムイの手だから素手1活力。
クロ: 素手攻撃。2d10 + 勇(+2) + 体術(習得 +1) >= 防備13。
ハナ: 2d10... 7、5 = 合計12。勇+2、体術+1を加えて15。命中!
クロ: 命中。基本1戦力ダメージ。大蜘蛛Aは練個体だ。練個体戦力2。2 → 1。
ハナ: もう一回殴れば倒せるね。二回目の攻撃。素手1活力。活力10 → 8。最終判定値14。また命中!
クロ: 命中。1戦力追加。大蜘蛛A戦力1 → 0。撃破!
クロ: 同じカウント10。エンクウ、レンゲ、大蜘蛛の順で続けよう。
ハナ: エンクウは素手打撃2回。各1活力、活力10 → 8。2d10+勇(+1)+体術(習得 +1) >= 防備13。両方命中!
クロ: 大蜘蛛Bに2回命中。戦力2 → 0。撃破! 練1体残り。
メイ: レンゲも薙刀の上段斬り。活力10 → 8。2d10+技(+0)+槍術(入門 +0) >= 防備13。2d10 = 14。命中!
クロ: ダイス運いいね。1戦力。大蜘蛛C戦力2 → 1。もう一回当てれば倒せる。
メイ: これからは分隊支援に集中する。
クロ: 大蜘蛛Cの反撃。エンクウへ蜘蛛糸 + 毒牙。2d10+勇(+0)+体術(入門 +0) >= 防備10。2d10 = 11。命中!
ハナ: 防備10だと当たりすぎる。
クロ: 無甲の代償だ。1戦力 + 毒。エンクウ戦力6 → 5。毒は小康または1時間ごとに1戦力で、2d10+體 >= 13または2d10+智+医術/毒術 >= 13成功で解除される。それから僧兵の結束判定2d10 >= 11――2d10 = 7、失敗。結束3 → 2。
メイ: もう2まで落ちた。阿弥陀の盾がなかったらすぐ崩れそう。
クロ: カウント8。アテルイ。残った大蜘蛛Cに素手1活力。活力8 → 7。2d10+勇(+2)+体術(習得 +1) >= 防備13、最終値16。命中! 大蜘蛛C戦力1 → 0。撃破。大蜘蛛全滅!
メイ: 外は片づいた。
クロ: 敵前列クリア。ただしクモボスはまだ心府にいる。それとエンクウの毒効果を忘れないで。小康に入ったら、まず毒の1戦力を処理する。今は戦力5だ。
ハナ: 小康に行こう。敵前列に敵がいないから小康条件は満たしてるよね?
クロ: うん、クモボスは心府にいるけど、交戦中の敵がいないから小康可能。小康処理しよう。
[小康処理]
- 次の間合開始時に活力リセット: エンクウ10、アテルイ10、レンゲ10。
- 無防備解除: 該当なし。
- 毒発動: エンクウ戦力5 → 4。
- 毒解除判定: `2d10+體(+2) >= 13`。2d10が11、最終13で成功し毒解除。
- 整備: `[整備]`と明記された技法だけ使用可能。現在の三人には実行できる整備技法なし。
メイ: 整備マヌーバって何?
クロ: 小康時に何でも選べる共通一覧ではない。各特技や技法に[整備]と書かれたものだけを実行できる。たとえば陰陽師の式神再配置や、浄土僧の特定の高段特技などだ。
[今回の小康]
- エンクウ/アテルイ/レンゲ: 使用可能な[整備]技法なし。
- 僧兵分隊: 結束2を維持。
- 心府進入は次の間合の通常移動として処理。
ハナ: では次の間合に、エンクウとアテルイが通常移動で心府へ入る。
クロ: 二人とも自由進入だから判定はないが、それぞれ2活力を払う。
ハナ: 移動と攻撃を一つの呼吸にまとめられるから、そうしよう。
クロ: OK。次の間合開始と同時に処理する。
メイ: レンゲと僧兵は外を守る。結束は2を維持。
クロ: OK。
ハナ: よし。ここから心府戦だ。
クロ: 小康終了、2間合開始。エンクウとアテルイが心府進入を宣言すると、クモボスが覚醒する。カウント整理。
アテルイ: 活力10 (技+0)
エンクウ: 活力10
レンゲ: 活力10 (味方前列で待機)
クモボス: 活力10、技+0 (心府進入時に覚醒)
クロ: ここで心府規則が本格適用される。
[心府戦闘条件]
- 制圧力ボーナス無効後、両陣営の寄与を互いに相殺。両方を無条件に0にはしない。
- 短兵器は活力 -1(最小1)、または1活力技法の連撃疲労を軽減。
- カタナなどの標準武器は活力変化なし、長兵器は活力 +1。
- 素手は短兵器扱いだが1活力未満にはならない。野人の素手は標準攻撃なので会心2戦力。
ハナ: エンクウとアテルイは判定なしで入れるけど、進入の2活力は払うんだよね?
クロ: そう。自由進入は費用免除ではなく、強行突破判定の免除だ。エンクウの修羅の印は進入とは別に、心府近接技法の活力 -1、最小1を適用する。
ハナ: 二人とも素手打撃はすでに1活力だから、これ以上は下がらないね。
クロ: そう。その代わり、同じ間合に同じ対象を四回以上攻撃する時は、短兵器の連撃疲労軽減を受ける。
メイ: アテルイのほうが心府では有利なんだね。
クロ: 野人が心府に強い理由がこれだ。カムイの手 = 素手1活力の標準攻撃 + 心府自由進入/離脱。心府戦闘の専門家だね。
ハナ: カウント10、アテルイ。心府進入2活力に、クモボスへの素手2回で合計4活力。活力10 → 6。
クロ: クモボス防備14。2d10 + 勇(+2) + 体術(習得 +1) >= 14。最終値15、14で両方命中。クモボス戦力4 → 3 → 2。
クロ: 同じカウント10、エンクウ。
ハナ: エンクウも心府進入2活力に素手打撃2回。修羅の印があっても最小1活力だから合計4活力、活力10 → 6。
クロ: 2d10 + 勇(+1) + 体術(習得 +1) >= 14。一回目の最終値16――命中! 1戦力、クモボス2 → 1。二回目は2d10が8で最終10――外れ。
クロ: クモボスもカウント10で覚醒し反撃。毒牙。2d10 + 勇(+2) + 体術(入門 +0) >= エンクウ防備10。最終14――命中。
ハナ: 防備10だと将級の敵にはほぼ毎回当たる...
クロ: 毒牙1戦力 + 毒。エンクウ戦力4 → 3。毒は次の小康または1時間経過時に発動する。
ハナ: エンクウが柔らかすぎる。早く終わらせないと。
クロ: 心府の無甲密教僧はもともとこうだ。火力で早く終わらせるしかない。
メイ: 上からレンゲが何かできる?
クロ: レンゲは味方前列にいる。心府へ直接介入はできない。ただし僧兵分隊の維持は重要だ。クモボスが死ぬ前に、心府から追加の蜘蛛が出ることがあるから。
クロ: クモボスが生きたまま次の小康を迎えると、大蜘蛛1体を補充するシナリオトリガーがある。早く終わらせないと。
メイ: 外にも出るの?!
クロ: そう。まだ小康は来ていないから、今すぐ現れるわけではない。
メイ: 結束判定する?
クロ: ない。次のカウントに進もう。
ハナ: カウント6。アテルイ、素手1回。活力6 → 5。
クロ: 2d10+勇(+2)+体術(習得 +1) >= 防備14、最終値15――命中。1戦力。クモボス1 → 0。撃破!
ハナ: 一発だね。追加攻撃は宣言しない。
クロ: 実際に宣言した一回分の1活力だけを払い、残り活力5。クモボス撃破で戦闘終了局面。
メイ: アテルイがやった!
クロ: クモボス撃破! 井戸の中で蜘蛛糸がほどけ始める。心府の主が死んだからだ。
ハナ: エンクウの毒は?
クロ: 毒は戦闘終了だけでは解除されない。戦闘後の小康でまず1戦力が発動し、エンクウ戦力3 → 2。続けて2d10+體(+2) >= 13を振り、2d10が11、最終13で成功して解除する。
[戦闘終了整理]
- クモボス撃破。心府クリア。
- 大蜘蛛全滅。ボスの次の小康補充トリガーは発生せず。
- エンクウ戦力2/6。毒は戦闘後の小康で解除判定に成功。残り活力6。
- アテルイ戦力5、残り活力5。レンゲ戦力5、残り活力10。
- 僧兵分隊結束2。崩壊なし。
メイ: 阿弥陀の盾を使う場面はあまりなかったね。
クロ: 今回は外の大蜘蛛を素早く処理したからだ。大蜘蛛が僧兵を集中攻撃していたら、結束0まで行ったかもしれない。その時レンゲがいなければ、崩壊 -> 僧兵戦闘不能 -> 味方前列無防備だったはずだ。
ハナ: 心府戦は確かに違うね。自由進入でも、進入費用2を行動計画に入れないと。
クロ: 密教僧が心府で強い理由は、修羅の印で近接技法の活力を1下げるからだ。すでに1活力の素手はこれ以上下がらないが、高価な近接技法を混ぜる時に差が大きくなる。
メイ: アテルイは逆だね。命中率が高くて、活力も安い。
クロ: 野人は心府の王だ。その代わり心府の外では鎧がなく、分隊指揮もできず、構えボーナスも受けられない。心府に特化したクラスだ。
ハナ: レンゲは戦闘力は低いけど、僧兵維持が核心なんだね。阿弥陀の盾がなかったら結束管理がずっと厳しかったはず。
クロ: 浄土僧の本分がそれだ。戦うことではなく、戦う者たちが倒れないようにすること。
メイ: いい言葉だね。経文が途切れないかぎり、崩れない。
クロ: よし。規則を整理しよう。
[第2話で確認した規則]
1. 心府: 制圧力ボーナス無効後、両陣営の寄与を相殺。負数は0として処理するが、両陣営を無条件に0にはしない。
2. 心府の武器修正は判定ではなく活力: 短兵器 -1(最小1、または連撃疲労軽減)、標準 ±0、長兵器 +1。
3. 心府自由進入クラス: 浪人/忍び/密教僧/修験者/野人/半妖。判定なしで進入するが、2活力は消費。
4. 修羅の印: 心府近接技法活力を追加 -1(最小1)。標準カタナ2活力 → 1活力。
5. カムイの手: 素手1活力の標準攻撃、命中時に間合1回の押し出し/組みつき、心府自由進入/離脱。
6. 阿弥陀の盾: 同じ区域の分隊が結束0になろうとした時、1を維持。レンゲの移動時、効果範囲も移動。
7. 結束崩壊: 結束0 = 分隊崩壊 (逃走/戦闘不能)。阿弥陀の盾だけが例外。
8. 小康: 次の間合開始時に活力リセット、無防備・予約解除、間合制限リセット。毒などの持続効果は個別の解除条件に従う。
9. 整備マヌーバ: `[整備]`と明記された特技/技法だけ実行。共通選択一覧はない。
10. 練個体: 戦力2 (分隊ではない独立個体)。将: 戦力3~4。主: 戦力3+體。すべての攻撃は基本1戦力 (会心2)。
ハナ: 次の話では、心府の外の戦闘ももっと複雑になる?
クロ: 3話は外部区域が核心だ。潜入と鉄砲。まったく違う雰囲気になる。
メイ: 次は私も直接戦闘したい。
クロ: 6話でレンゲがまた出るよ。非戦闘シナリオだけど。
メイ: ...また戦闘じゃないの?
クロ: 浄土僧はそういうクラスだ。
「経文が途切れないかぎり、崩れない。彼女が立つ場所こそ城壁である。」