日本語版 v1.3.3 · ex-doc

#江戸道場社会

目次

Canon. 戦争が終わった時代の刀がどこへ行ったかを扱う。


#導入断篇 — 木刀が折れた後

道場の床に血はなかった。代わりに木刀が一振り、きれいに二つに折れていた。師範代の小野誠四郎は、それがより悪い兆候だと言った。

「刀ではなく名前が折れたのです。」

門弟たちは全員が同じことを言った。昨夜の稽古相手に顔がなかったと。しかし稽古の記録には相手の名が書かれていた。すでに死んだ剣豪の名だった。

PCが折れた木刀を拾い上げると、木目の間から冷たい息が漏れてきた。道場の壁に掛かった免許状が一枚ずつ揺れはじめた。

「この道場は妖魔事件を隠すつもりですか?」PCが聞いた。

誠四郎はしばらく後に答えた。

「隠すのではありません。まず勝たなければ話せないのです。」


#法 — 道場社会の使い方

  • 道場は戦闘職PCを江戸社会に結びつける所属だ。
  • 名誉、免許、復讐、門弟政治が妖魔事件と結びつく。
  • 道場戦は戦闘だけでなく噂、後援者、勝敗記録の争いだ。

#組織カード

項目内容
表面剣術・槍術・体術道場と門弟共同体
裏面名刀保管、復讐依頼、憑依剣豪隠蔽、殺鬼追跡
首脳師範、師範代、後援武士、古参門弟
現場門弟、稽古組、道場警備、復讐同行
強み戦闘訓練、名誉、決闘規則、門弟数
弱み体面、流派競争、後援者圧力、殺鬼への誘惑

#陣営基盤

[素養] 免許の名

道場所属の刀は個人の刀ではなく流派の名を賭けた刀だ。正面勝負ではその名が背を押すが、卑怯な手段は門弟全体を揺るがす。

効果: 決闘、道場戦、正面稽古、流派交渉で または 判定に +1。奇襲、暗殺、博打場の乱闘のように流派の名を賭けられない場面には適用しない。

PC習得時: セッション1回、決闘・道場交渉・剣豪調査判定に +3。同じ事件で卑怯な手段で勝利を取れば、そのシナリオの間この陣営基盤を失う。

適用: 道場所属の卒〜将ユニットと随伴分隊は固有特性として内蔵する。主級剣豪または師範は一般特技1スロットに配置する。


#随伴分隊

以下の分隊はすべて陣営基盤 [素養] 免許の名 を適用する。

#道場門弟 — 卒

: 木刀を握って道場の床に列をなして立つ若い修練生たち。流派の名を賭けて戦う術を学びはじめたばかりなので、正面勝負には勢いよく飛びかかるが卑怯な手には容易く揺らぐ。

戦力 1、防備 12。制圧力 +2(分隊5名)。

技法:

  • 木刀乱打 [攻撃] — 指揮時。2d10 + 勇(+0) >= 防備。1戦力。
  • 道場包囲 [構え] — 維持。同じ区域の敵の離脱コスト +1活力。

#熟練門弟組 — 練

: 免許に近い古参で組まれた稽古組。呼吸を合わせた連撃と間合で道場の名誉を実戦で証明し、師範の名が賭かった戦いなら退く術を知らない。

戦力 2、防備 13。制圧力 +3(分隊4名)。

技法:

  • 連撃稽古 [攻撃] — 指揮時。2d10 + 勇(+2) >= 防備。1戦力。
  • 稽古間合 [技法] — 予約1/即興2。被撃時、ダメージを無効化はできないが次の味方の攻撃判定 +1。

#首脳部NPC: 小野誠四郎 — 将

: 折れた木刀を刀ではなく名前が折れた兆候と読む師範代。道場の体面を背負った重みのある剣客で、まず勝たねば話せないという信条の下に門弟たちを自分の背後へ立たせる。

小野誠四郎 — 将
戦力 4、防備 14、活力 11
勇+3、技+2、体+2、智+1、美+1、運+1
制圧力 +4
技法種別活力判定効果限界
正面斬り[攻撃]22d10+勇 >= 防備1戦力
足元崩し[型]22d10+技 vs 対象 2d10+体失敗した対象は無防備呼吸1回
道場防御[技法]予約2/即興32d10+技 >= 敵攻撃被撃無効。成功時、自区域の門弟分隊の結束力 +1

特殊:

  • 師範代の体面: 道場内で戦えば誠四郎と門弟分隊の制圧力 +1。道場の名誉が公に崩れればこのボーナスは消える。
  • 陣営基盤: 誠四郎は [素養] 免許の名を固有特性として保有する。

#明と暗

暴力を規則と訓練の中に縛る体面のために事件を隠す
PCに仲間と戦闘基盤を与える流派競争が妖魔事件を大きくする場合がある
決闘で紛争を絞り込む復讐が殺鬼への道につながりうる

#主人公所属として使う場合

道場所属は剣戟キャンペーンの基本だ。門弟、後援者、師範の期待を通してPCの刀に社会的な重みをつけよ。

#主要敵手として使う場合

道場が敵手なら、邪悪な剣客集団より「敗北を認められない共同体」が良い。殺鬼になった剣豪を隠したり、呪われた名刀で名誉を取り戻そうとする道場を作る。


「太平の世にも刀は消えない。ただ道場の門札の裏に名前を変えて掛けるだけだ。」