日本語版 v1.3.3 · fc-doc

#流鏑馬侍

目次

Scene Tool (fc04 内部限定). 本文書は co-04-07-01-samurai.md 侍職業の上に乗せる 平安変形である。co 侍職業の本体は変更しない — 本巻はその上に時代補正のみを追加する。衝突時は co 優先。


#導入断片 — 弓の上の礼法

武士は馬を駆った。しかし矢を放つ前に、彼はまず自分の名と相手の名を心の中で整えた。平安の戦闘は体が先に動いても、名が後に続かなければ完成しなかった。

若い騎馬武者が問うた。「妖魔にも名乗らねばなりませぬか。」

師は手綱を握ったまま答えた。「妖魔に礼を尽くせという意味ではない。お前が誰として戦うのかを忘れるなという意味だ。名なく放った矢は、盗賊の矢と変わらぬ。」

「戦国の侍はそれほど遅くないと聞きました。」

「我らは戦国ではない。」師が言った。「ここでは戦闘も視線の下で繰り広げられる。朝廷が見て、家門が見て、死んだ先祖が見る。」

矢が飛んだ。妖魔は倒れなかったが、馬上の若い武者は自分の呼吸が変わったのを知った。平安侍の力は単なる騎馬と弓ではなく、自分がどの立場で戦うのかを最後まで意識することにある。

#本文書の位置

平安侍は戦国・江戸侍とは異なる — 弓と馬が本業であり、剣は付随である。本文書は co-04-07-01-samurai.md 侍職業の 平安変形を定義する。

  • 新規職業ではない。 co 侍職業 + 平安時代補正。
  • 平安キャンペーンのPC侍が使用する。
  • 他の時代のキャンペーンのPC侍は使用しない。

平安武士文化の背景の詳細は fc04-01-03-warrior-dawn.md


#香 — 一騎打ちの宣言

平安中期のある日。二人の武士が川辺の平原で対峙する。一人は黒い甲冑、もう一人は赤い甲冑。二人とも馬上で弓を構えている。

黒い甲冑が先に叫ぶ。

源の [姓名]、摂津の民を守る者である。家門は清和天皇の後裔であり、家風は弓と馬の道である。お前は誰か。」

赤い甲冑が答える。

平の [姓名]、伊勢の民を守る者である。家門は桓武天皇の後裔であり、同じ弓と馬の道に従う。受けて立つ。」

二人が馬を駆りながら弓を構える。距離は30歩。最初の矢が放たれる。

これが平安武士の決闘である。誰が誰を殺したのかが明白でなければならない。他の者が割り込むのは — 二人の名誉の双方を汚す。


#平安侍の五つの特徴

#1. 弓馬 (弓馬) の道

弓と馬が本業。剣は付随。平安武士の標準的な訓練は剣術ではなく 弓馬 (弓馬) — 馬上で弓によって的を射る技芸である。本変形ではこの弓馬中心の戦闘をゲーム用語で 流鏑馬 (流鏑馬) と呼ぶ。

#2. 一騎打ち (一騎打ち)

名誉の決闘。一人 vs 一人。分隊戦術が弱い時代 — 一武士の武功が一家門の名誉となる。

#3. 大鎧 (大鎧) の甲冑

巨大で華やかな甲冑。弓矢の防御に優れるが、徒歩の移動には重い。黒い漆の上に赤い糸・青い糸で編んだ荒々しい華やかさ。

#4. 名乗り (名乗り)

戦闘前に自分の家門・名・官位を叫ぶ儀式。「誰が誰を殺したか」が明白でなければならない。

#5. 分隊戦術の弱さ

後世、戦国の「方陣 (方陣)」のような分隊戦術は平安には発達しなかった。一武士の決闘、一家門の矜持。


#平安変形ルール — 五つ

#1. 流鏑馬 (弓 + 馬)

本巻の流鏑馬は平安の弓馬を指すゲーム用語である。

項目補正コスト
弓使用時の命中+2活力コスト同一
馬上での弓使用距離 +1区域、移動ペナルティ無効活力コスト同一
弓 → 剣の換算co 侍の剣技法を弓技法として使用可能 (選択)活力コスト同一

#弓の一撃の効果 (例示)

「弓の一撃」自体の活力コスト・戦力被害は co-04-07-01-samurai.md 侍職業の標準「弓攻撃」そのまま。平安変形はその一撃に命中 +2、距離 +1区域のみ追加。

例: 標準「弓攻撃」 = 活力2、命中時に敵戦力 -1。

平安変形 = 活力2 (同一)、命中 +2 補正、命中時に敵戦力 -1 (同一)。

#2. 一騎打ち (一騎打ち) ルール

項目効果
一騎打ちの宣言一人のPC侍が一人のNPC侍に宣言。両者合意時に一騎打ち成立。
一騎打ち補正両者すべての判定 +2 (命中・回避・技法効果すべて)
他の者の介入一騎打ち成立後に他の者が割り込むと — 割り込んだ者の名誉 -2 (次のシナリオまで)。一騎打ち自体は終了。
一騎打ちの拒否NPC が一騎打ちを拒否すると、そのNPCの名誉 -1 (戦闘終了時)。

#3. 大鎧 (大鎧) の甲冑

項目補正
弓矢防御敵の弓攻撃に防備 +2
徒歩移動移動 -1区域 (重い)
最大活力ペナルティ当該呼吸の間、最大活力 -1 (重い甲冑が呼吸を妨げる)

#大鎧を着ない平安侍

可能。大鎧は標準だが強制ではない。軽い甲冑・衣・戦闘服で代替できる — ただし弓矢防御 +2 補正もない。

#4. 名乗り (名乗り)

項目効果
宣言時呼吸開始時に自分の家門・名・官位を叫ぶ。活力1コスト
その呼吸の補正その呼吸の間、命中・技法 +1 (矜持ボーナス)。
宣言の拒否呼吸開始時に叫ばないと — 宣言効果なし。別途のペナルティはなし。

#名乗りの社会効果

戦闘外の状況でも名乗りには意味がある。PC が自分の名を丁重に名乗ると、NPC侍の信頼度が +1 (社会判定補正)。ただし本ルールの命中補正は戦闘呼吸開始時に限定。

#5. 分隊戦術ペナルティ

平安侍は分隊戦術が弱い。本変形使用時:

項目効果
分隊決意効果co 侍の「分隊決意」(7段選択特技) などの分隊効果は補正 -1
一騎打ち優先一騎打ち成立時、他の分隊員の行動は別途処理 (このPCが一騎打ち中 — 他の者が別の敵と)

このペナルティは平安美感の反映である。分隊戦術が弱いことをルールで表現。


#詳細ルール表 (要約)

項目平安補正コスト/効果
弓 + 馬 (流鏑馬)命中 +2、距離 +1区域活力コスト同一
一騎打ちの宣言両者 +2、他の者の介入時に名誉 -2直接の数値変更なし
大鎧の甲冑弓防御 +2、移動 -1、最大活力 -1
名乗りその呼吸 +1活力 -1 (コスト)
分隊決意ペナルティ分隊効果 -1

#適用範囲

#平安時代キャンペーン

  • PC侍 = 本変形適用 (必須)
  • NPC侍 = 本変形適用 (GM裁量)

#平安 → 鎌倉キャンペーン

鎌倉 (1185~1333) までは平安武士の美学が一部維持される — 本変形の一部適用が可能。GM合意の下、「大鎧 + 最大活力 -1」のみを維持し、他の補正は無効化するなど。

#戦国時代以降

戦国時代 (16世紀) からは本変形を適用しない。標準の侍職業 (co-04-07-01-samurai.md) をそのまま使用。


#フィクション導入

#一騎打ちの宣言

「源義家、河内源氏の嫡流。家門の弓は八幡神の加護の下にある。お前は誰か。」

「世原義明、陸奥国から来た。家門の弓はお前の家門より短いが — 矢は同じ道を行く。」

#甲冑を着て敵陣へ向かって

甲冑の重さが肩に触れる。呼吸の一度ごとに、呼吸が普段より短い。しかし彼が弓を構えれば — 甲冑の重さは忘れられる。矢が放たれる。次の矢が放たれる。

#平安侍の模範 — 頼光と四天王

本変形の適用模範は fc04-03-02-yorimitsu.md の5人のシートである。彼らのシグネチャー「統率の一陣」・「鬼斬り」・「山岳怪力」・「鷹の目」・「抜刀快撃」はいずれも本変形の上に乗った平安侍の秘技。

清盛 (fc04-03-05-kiyomori.md) も本変形適用 — ただし平安末期へ向かうにつれ剣の比重がやや増す。


#一行で

「弓と馬の道。剣は最後にこそ抜くもの。」


#参照

#co — 侍職業の本体

#fc04 内

#fc 他の巻



平安の侍は戦場へ向かって駆けたが、常に朝廷の視線を背に負った。