日本語版 v1.3.3 · fc-guide
#GM場面道具
目次
暗面の場面は、暗い描写よりも、プレイヤーに自分の選択を見直させる問いによって強くなる。
#導入断片 — 三つの小道具
GMは戦闘の前に三つの小道具を卓上に置いた。
一つ目は血の付いた命令書だった。二つ目は名のない位牌だった。三つ目は空の帳簿だった。
「今日の敵は誰ですか。」とプレイヤーが問うた。
「まだ決めていません。」とGMが言った。「皆さんがどの小道具を先に取るかを見て決めます。」
修羅道のPCは命令書を見た。浄土僧のPCは位牌を見た。雑貨商のPCは帳簿を開いてみた。
その日の敵は一つだったが、各々が見た暗面は違った。戦闘が始まる前から、場面はすでに分かれはじめていた。
#暗面の場面の基本形
暗面の場面は次の四行で作れる。
選択: PCが得られる実質的な利益。
代価: その選択で誰が何を失うか。
鏡: 同じ状況で別の答えを出す人物。
痕跡: 選択の後に残る物、噂、場所の変化。
この四行があれば、場面は暗いだけでなく、選択になる。
#暗面別の場面の問い
| 暗面 | 問い |
|---|---|
| 覇 | この秩序の外の人をどう扱うか。 |
| 虚 | 皆を救えないなら、誰の名を掴むか。 |
| 魔 | 自然と本能を口実に何を許すか。 |
| 無心 | どの側にも付かなかった結果、誰が捨てられるか。 |
問いは一つだけ選ぶ。一つの場面に暗面をすべて入れると、ぼやける。
#小道具表
| 小道具 | 似合う暗面 | 使い方 |
|---|---|---|
| 血の付いた命令書 | 覇 | 名分と被害を一つの手に持たせる。 |
| 名のない位牌 | 虚 | 具体的な苦痛が数字へ消えたことを見せる。 |
| 折れた注連縄 | 魔 | 神聖な自然と人間の欲望の境界を揺らす。 |
| 空の帳簿 | 無心 | 値として記録されなかった損失を露わにする。 |
| 閉じた城門の鍵 | 覇 | 安全と排除を同時に象徴する。 |
| 消えた香 | 虚 | 祈りが止まった瞬間を残す。 |
| 血の付いた牙 | 魔 | 捕食と生存の境界を見せる。 |
| 半分の契約書 | 無心 | 合意と裏切りの隙間を作る。 |
#鏡NPCを作る
鏡NPCは、PCを叱るための人物ではない。同じ問いに別の答えを出す人物である。
三行で十分である。
同じ傷: PCと似たものを失った。
別の選択: しかし別の仕方で耐えている。
揺らぎ: 彼もまた完璧ではない。
完璧な聖人は鏡になりにくい。弱くとも持ちこたえる人のほうが、より強い鏡になる。
#セッション構造の例
#1幕: 利益
暗面の選択が実質的な利益を与える。情報、道、勝利、信者、金貨、安全のうち一つが開く。
#2幕: 痕跡
その選択の痕跡が予想より早く戻ってくる。救った村が恐れたり、捨てた人が敵へ行ったり、売り渡した情報が無辜の者に届いたりする。
#3幕: 鏡
同じ状況で別の答えを出す人物が登場する。その人物はPCより弱くてよい。重要なのは問いである。
#4幕: 再選択
PCが同じ種類の選択に再び出会う。今度は最初よりも多くを知っている。
#セッション後の問い
暗面のセッションの後は、長い議論よりも短い確認がよい。
- 今日の暗面の問いは鮮明だったか。
- 不快な素材のうち、次に減らすか外すべきものがあるか。
- PCの選択は次のセッションにどんな痕跡として残るか。
- まだ掴んでおきたい名や関係があるか。
- 次の場面で見たい鏡は誰か。
この問いはキャンペーンの保守である。悪役プレイであるほど、次のセッションに皆が戻ってくる構造が重要である。
#避けるべき使い方
- 悪役PCを罰するために暗面を使わない。
- 不快さを強い場面と錯覚しない。
- 被害者を小道具としてのみ使い、名を与えない状態を長く続けない。
- 英雄NPCをGMの正解の伝達者としてのみ使わない。
- 魔人職の強さだけを強調し、堕落の経路を省略しない。
暗い場面とは、灯を消すことではなく、何を照らすかを選ぶことである。