#車両・重装備 (車輛·重裝備)
目次
権威。 本文書は変形規則(Variant)である —— 本巻のすべての変形がそうであるようにGM許可を前提とし、fcは
co正典(Canon)を覆せない。そしてもう一つ明示する —— 本文書のすべてのカードはGM専用である。 車両はPCの開始漂流物にはなり得ず(漂流の原理の背嚢一つの原則)、装備ではなく動くシナリオとしてのみ登場する。§法 3 運用論のみ Scene Tool。この本は現代人を強くする本ではない —— 消耗してゆく未来のドラマを与える本だ。その一文が最も大きな文字で記される場が、まさにこの文書である。
#香 — 道のない国の車
#導入断片 — 村の入口の鉄塊
音が先に来た。雷なのに、止まぬ雷だった。
街道の果て、朝霧を裂いてそれは丘を越えてきた。家ほどもある鉄塊が —— 引く牛も、押す人もなく —— 自ら転がってきた。車輪が道より広くて、道の両側の土手を削りながら来た。
「鉄の妖魔だ!」誰かが叫び、村の半分は這いつくばり、半分は逃げた。
村長だけが道の真ん中に残った。老いて速く逃げられず、老いて見たものが多かったからだ。
鉄塊は村の入口、道が二人分の幅に狭まる場所で止まった。雷が鎮まり、脇腹が開いて、人が降りた。奇妙な衣の男 —— 噂にだけ聞いた、神隠しされた者だった。
「城が動くのは初めて見る。」村長が言った。
「城ではありません。荷車です。」男が答えた。「米を積んで来ました。峠の向こうの陣まで行く道ですが —— 道が。」
男は村の向こうへ続く道を長く見た。荷を担いだ二人がかろうじてよけて行き違う幅。その向こうの峠。そこから先、道は一人とその人の影のものになる。
「……ここまでですね。」
男は鉄塊の脇腹を手のひらで一度撫でた。馬の首筋を撫でる手だった。それから村から背を借りた。米俵は四十の背に分けられて峠を越えた。
鉄塊は村の入口に残った。男は半月に一度来て雷を短く一度鳴らして去ったが、ある半月からか雷が鳴らなくなった。男はそれでも来て、首筋だけ撫でて去った。
翌年から村の人々はその前に小さな壇を築き餅を供えた。わけを問う旅人に村長はこう答えた。
「妖魔であれ城であれ、村の入口に居座ったなら —— 祀るのが道理よ。」
#香 — 動くシナリオ
車両は本巻で最も大きな文物であり、それゆえ最も稀な文物だ。神隠しは身に帯びたものだけを持って渡ってくる —— 一人の背にトラックは載らない。車両がこの時代に現れるのは一人ではなく複数が共に隠された日だ。陣地一つが、工事場一つが、乗客を乗せたバス一台が丸ごと —— そういう事件の傍らにのみ、この文書のカードが置かれる。
それゆえ設計の立場を冒頭に記す。車両はPCの装備ではなく、動くシナリオだ。 小銃はPLの懐の中で擦り減るが、車両は卓の真ん中で擦り減る。登場した瞬間から止まる日が定まっている客 —— 燃料という自然の時限装置が、どんなGMの宣言よりも確実にその終わりを保証する。この文書がGMに与えるのは乗物の性能表ではなく、一時的な奇跡の設計図だ。
そしてこの国には車が走る道がほとんどない。その話から始める。
#法 1 — 二つの時計 (カード共通特則)
#二重時計 — 標準の唯一の例外
消尽システムの標準は単一の[消尽時計]だ。車両のみがその例外として予告されていたが、ここでその例外をカード特則として隔離し確定する。この二重時計は車両カードにのみ適用される —— 標準の枠へ持っていくな。
二重時計 — 車両カード限定特則
燃料時計: カードの[消尽 N・時計]。走った場面が終わるたびに1減少。
変質時計: カード別の開始値 —— ガソリン3 / 軽油6。
月が変わるたびに1減少。走ろうと、止まっていようと。
沈黙: どちらであれ0になる瞬間、車両は沈黙する。
警告: 変質時計が最後の1に至れば燃料は死につつある中だ ——
以後すべての始動が故障トリガーとなる。
燃料残量は残量記録紙に記す —— 燃料はPLが数え、歳月はGMが数える。そして二つ目の時計がこのカードたちの本質だ。火器は撃たなければそのままだが、車両は据え置くだけでも死ぬ。 我らの時代の燃料は季節を幾度も越えられずに変質する —— ガソリンは三月もすれば死に始め、軽油はその倍を持ちこたえるだけだ。
それゆえGMの設計の問いは「この車を与えるか」ではない。この車はどのみち止まる —— いつ、どこで止まらせるか。 それがこの文書全体がGMに問う、ただ一つの問いだ。
#補給はない —— 断固として
この時代に精製油はない。荏胡麻油も、鯨油も、最も強い焼酎もエンジンを食わせられない —— 黒色火薬が小銃に入った抜け道(火器)すら、車両にはない。代替燃料の道を問うPLにGMは一文で答えればよい。ない。
ただ一つの道は移し替えだ。他の漂流車両・燃料缶の燃料を抜いて合わせられる —— 燃料時計を足す(上限はカード開始値)が、変質時計はより死につつある方に従う。死につつある燃料は生きた燃料を引きずり下ろす。移し替えは補給ではなく相続だ —— 先に止まった車が、まだ走る車に残りの日を譲るのだ。
#道が定めるもの — 道の等級
この国の道は車をほとんど知らない。荷は人の背と馬の背で行き、道はその背の幅に合わせて通っている —— 道と旅が記したそのままだ。本文書の道の等級も、その本の算をそのまま借りる。
| 道の等級 (道と旅の算) | 幅の感覚 | オートバイ | 乗用車・SUV | トラック |
|---|---|---|---|---|
| 大きな街道 | 馬上の武士二人が並んで | 走る | 走る | 走る —— 向かって来る行列が問題だ |
| 良い道 | 荷を担いだ二人がよけて行き違う | 走る | 這って行く —— その場面丸ごと故障トリガー | 行けない |
| 山路 | 一人とその人の影 | 引いて越える —— 峠一つが一日を食う | 行けない | 行けない |
高機動車・装甲車とヘリコプターはこの表の外にある —— 道にあまり縛られないか、道をそもそも知らない物たちだ。それぞれのカードが己の道を別に記す(法 2)。
その上に三つが更に重なる。
- 路面 —— 土だ。雨が降れば道が粥の器になる。雨上がりの走行は全て「泥濘」トリガーであり、GMはそもそも走行不可を宣言できる。
- 川 —— 橋のない水の前で車両の旅は終わるか、大きく回る。瀬の強行はGM専決であり、浸水は過酷トリガーだ。
- 関所 —— 人にとって関所は社会障害物だが、車にとっては壁だ。門は車の幅を知らない。
速さはこうだ。大きな街道が続く間、車両は身軽な速い足が一日かけて行く八里を一刻のうちに行く —— 里と刻の感覚は用語・度量衡辞典に。ただし大きな街道は続かない。平野と海岸で車両は奇跡であり、峠の入口では荷だ。この国で車両の航続距離を定めるのは燃料ではなく道だ —— 燃料時計が回り切る前に、道が先に終わる。
#操縦と故障
この時代の技能一覧に「運転」はない。最も近い手は乗馬だ —— 走るものをなだめ、止まる場所を選ぶ技能。本文書の操縦判定は全てこの軸の上に立つ。
- 操縦判定:
2d10+技+乗馬 >= 目標値—— 険しい操作(急制動、狭い幅、泥濘、走破・突破)にのみ振る。大きな街道の穏やかな走行には判定がない。乗馬熟練の恩恵のうち馬そのものに結びついたもの(駅站での馬の引き継ぎなど)は適用しない。 - 誰が操るか: 神隠しのみが最初から扱える。この時代の人物は火器と同じ文法で —— 神隠しの教えの下で幕間一つを過ごす前までは非熟練扱いとする(乗馬の保有とは無関係)。
- 故障判定 (車両式):
2d10+技+乗馬—— その瞬間に操っていた者が振る。トリガー・目標値・場面につき1回の限界は消尽システム法 2 のままだ。 - 整備: 消尽システム法 3 のまま(
2d10+智+解除、半日+工具)。技術者がパーティにいれば車両の寿命が目に見えて長くなる —— そちらのセット特技を参照。
#戦場の車両 — 区域文法
車両はユニットではない。等級も結束力も活力もない —— 分隊を相手にする処理は全て正典ユニット等級の文法に委ね、車両自身は運転者のメニューバで動く大きな物としてのみ扱う。時間は間合、距離は区域 —— 区域戦術の文法から外れない。
- 始動 —— 一呼吸。そしてその瞬間、騒音が始まる(下の戦場価値)。
- 操縦 [型] —— 活力2(運転者)、間合1回: 車両と搭乗者全員が隣接区域一つへ移動する。心府へは入れない —— 入る道は突破のみ。高所・水中・外部進入不可。
- 加速 [型] —— 活力3(運転者)、間合1回: 大きな街道・開けた野の直線でのみ、2区域を続けて移動する。
- 突破 [型] —— 活力3(運転者)、間合1回: 隣接区域へ車両を突っ込ませる。正典の騎馬突撃が前列でのみ輝くように(区域戦術)、車両の突破も前列・開けた野でのみ許される。操縦判定
2d10+技+乗馬 >= 13—— 成功すれば進入しつつその区域の卒・雑分隊に1〜3名の死傷(命中強度表)と結束力判定 -1 を強いる。失敗すればその区域に止まり立つ —— 耐久1戦力減少 + 「酷使」トリガー。将・主級の個人ユニットに突破は被害を強いられない —— 彼らはよける。車両が削るのは頭数であって、名ではない。 - 耐久は戦力で数える。 0になればその場で沈黙。矢・槍・刀は車体の耐久を削れない —— 車輪と硝子と搭乗者を狙うだけだ(車輪を狙った命中は場面につき1回、故障トリガーを発生させる)。鉄砲・現代火器・火攻・大筒は削る。
- 車上の射撃 —— 走る車の上では全ての射撃 -2。停車したトラックの荷台は後列扱いだ(区域戦術の後列文法 —— 遠距離 +1、整備技法の活力 -1)。
#戦場価値 — 四つの軸
車両カードには標準七欄に加えて八番目の欄戦場価値が付く —— 本文書限定の追加欄だ。四つの軸を要約する。
| 軸 | 共通規則 |
|---|---|
| 突破 | 上の突破 [型]。騎馬突撃に対比される、鉄の突撃。 |
| 輸送 | 積載は枠ではなく背で数える —— この国の荷は本来人の背で行くからだ。カードの荷の行は「荷担ぎ何背分」と記す。 |
| 威圧 | 始動音・警笛・突進を初めて経験する卒・雑分隊は、その場面の結束力判定に -2。同じ分隊には二度通じない —— 威圧は目新しさの値だ。 |
| 騒音 | 始動した車両は火器の銃声規則を準用する —— 隠密終了、そして走った場面が終わるたびに遭遇誘引d10。エンジンは引き金より長く鳴く。 |
#法 2 — データカード
カードは消尽システム法 4 の七欄標準様式に戦場価値欄を加えて従う。再び明示する —— 五枚すべてGM専用だ。 開始漂流物として与えられず、シナリオの事件としてのみ登場する。そのうち後の二枚は更に一段深い —— PCの手に触れること自体がキャンペーンの頂点となるよう惜しめ。
燃費の数字は本巻にない。時計の大きさが燃費だ —— 小さな体が大きな時計を受ける。
| カード | 搭乗 | 基本 [消尽] (燃料) | 変質時計 | 走る道 | 耐久 |
|---|---|---|---|---|---|
| オートバイ | 2 | 8・時計 | 3 (ガソリン) | 良い道まで | 2戦力 |
| 乗用車・SUV | 5 | 6・時計 | 3 (ガソリン) | 大きな街道 | 4戦力 |
| トラック | 3+分隊 | 4・時計 | 6 (軽油) | 大きな街道 | 6戦力 |
| 高機動車・装甲車 (GM専用) | 分隊 | 4・時計 (GM設定) | 6 (軽油) | 良い道 + 野原 | 8戦力 |
| ヘリコプター (GM専用) | 6 | 3・時計 | 3 | 道が要らない | 4戦力 |
#オートバイ (自動二輪車)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 名称 | オートバイ (自動二輪車) |
| 分類 | 車両 (GM専用) |
| 効果 | 搭乗2名(運転者+1)。荷担ぎ二背分の荷。大きな街道・良い道を走り、山路はエンジンを切って引いて越える —— 峠一つが一日を食うのは人と同じだ。耐久2戦力。操縦・加速可能。突破の代わりに走破 [型](活力3、間合1回): 敵占拠区域を横切ってその向こうの隣接区域まで抜け出る —— 2d10+技+乗馬 >= 13、失敗時はその区域で転ぶ(運転者1戦力、車両故障トリガー)。 |
| [消尽] | [消尽 8・時計] —— 燃料(ガソリン)。変質時計3。五枚の中で最も大きな燃料時計 —— 最も小さな体が最も遠くまで行く。 |
| 劣化特則 | トリガー: 泥濘走行・落差・瀬の強行。判定は車両式(2d10+技+乗馬)。摩耗: 操縦 -1、そして場面につき1回GMが始動不発を宣言できる(一呼吸消費)。 |
| 戦場価値 | 突破: なし —— 代わりに走破。輸送: 二背。威圧: 標準(-2)。騒音: 銃声準用 —— 五枚の中で最も高く、最も遠く鳴く音だ。 |
| 一握りの物語 | 主は休みの日ごとに海まで走っていた人だ。今も走るわけは同じだ —— ただ、こちらの海には、灯台が一つもない。 |
| 沈黙後の価値 | 鎖と歯車と発条 —— からくり職人が一生を計る見本一揃い。二つの車輪は紡ぎ車になり、二枚の鏡は領主の奥方の鏡台へ行く。 |
#乗用車・SUV
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 名称 | 乗用車・SUV |
| 分類 | 車両 (GM専用) |
| 効果 | 搭乗5名。荷担ぎ八背分の荷。大きな街道を走る —— 良い道に入ればその場面丸ごと「泥濘」トリガーだ(場面につき1回の限界のまま)。耐久4戦力。車内は動く小さな部屋 —— 雨と夜風を防ぎ、矢・槍は搭乗者に届かない。鉄砲・現代火器はまず車体耐久を削り、耐久が0になる前は搭乗者に届かない。操縦・加速・突破可能。 |
| [消尽] | [消尽 6・時計] —— 燃料(ガソリン)。変質時計3。 |
| 劣化特則 | トリガー: 良い道進入・泥濘・過積載。摩耗: 操縦 -1、前照灯の片方が死ぬ —— 夜間走行は過酷トリガー(目標値 +2)となる。 |
| 戦場価値 | 突破: 可能。輸送: 八背。威圧: 標準。騒音: 銃声準用。 |
| 一握りの物語 | 後部座席に小さな靴の片方が転がっている。主はそれを捨てられず —— 燃料より重いものを積んで回る。 |
| 沈黙後の価値 | 板硝子四枚と鏡三枚 —— 南蛮商人が船一艘の値を呼ぶ。柔らかい椅子たちはどこかの大名の茶室へ入り「雲を削って作った席」と呼ばれる。 |
#トラック (貨物自動車)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 名称 | トラック (貨物自動車) |
| 分類 | 車両 (GM専用) |
| 効果 | 運転席3名 + 荷台に分隊一つ(卒5〜10名)。荷担ぎ百背分の荷 —— 米にして数十石、村一つの冬だ。大きな街道のみ走る。耐久6戦力。操縦・加速・突破可能。停車した荷台は後列扱い(区域戦術の後列文法)、走る荷台の上の射撃は -2。 |
| [消尽] | [消尽 4・時計] —— 燃料(軽油)。変質時計6 —— 軽油はガソリンより長く生きる。それでも死ぬ。 |
| 劣化特則 | トリガー: 過積載・泥濘・休まぬ稼働。摩耗: 操縦 -1、積載半分 —— 百背が五十背になる。 |
| 戦場価値 | 突破: 可能 —— 五枚の中で最も重い突破だ。輸送: 本領 —— 集団漂流の生命線。威圧: 標準。騒音: 銃声準用。 |
| 一握りの物語 | 荷台の幌に荷宿の文句が刻まれている —— 「どこへでも、何でも。」四百年を渡ってきた今が、その約束の最も誠実な履行だ。 |
| 沈黙後の価値 | 止まった場所で二度目の生が始まる —— 荷台は二家族の家であり、運転席は物見やぐらであり、車体の陰には市が立つ。そして歳月が行けば村はその前に壇を築く。鉄の祠(鉄祠)の誕生だ。 |
#GM専用 — 鉄の上段
次の二枚はGM専用の中でも深い段だ。登場の文法は火器の機関銃・狙撃銃と同じだ —— 敵性勢力の手に渡った悪夢として、護送依頼の貨物として、たった一度の合戦のための事件として。PCがついに手に入れたなら —— 与えよ。二重時計がすぐに取り戻すだろう。
#高機動車・装甲車 (高機動車·裝甲車) — GM専用
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 名称 | 高機動車・装甲車 (高機動車·裝甲車) |
| 分類 | 車両 (GM専用) |
| 効果 | 搭乗分隊一つ(卒5〜10名)。良い道まで走り、乾いた川辺と野原と浅い瀬を道にする —— 五枚の中で道に最も縛られない車輪。耐久8戦力 —— 矢・槍はもちろん鉄砲でも削れない。 削るのは現代火器・火攻・大筒のみ。操縦・加速・突破可能 —— 突破成功時の結束力判定は -1 ではなく-2。 |
| [消尽] | [消尽 4・時計](GM設定可能) —— 燃料(軽油)。変質時計6。 |
| 劣化特則 | トリガー: 険地強行・酷使。摩耗: 操縦 -1、ハッチ一つが固まる —— 乗り降りに一呼吸が余計にかかる。 |
| 戦場価値 | 突破: 本領 —— 騎馬突撃が憧れる突撃。輸送: 分隊一つ。威圧: 鈍らない —— 二度目の場面の分隊にも -2。騒音: 銃声準用。 |
| 一握りの物語 | これは一人の漂流物ではない —— 部隊一つが丸ごと隠された日の証だ。問うべきは、この車がどこから来たかではなく、共に渡ってきた残りは今どの旗の下にいるかだ。 |
| 沈黙後の価値 | 領主の本城の前庭で「動かぬ城」となる —— 軍議のたびにその上に旗が立てられる。百年後に子供たちがその鉄の周りで鬼ごっこをし、その内側の闇では何かが己の番を数えている。 |
#ヘリコプター (回轉翼機) — GM専用
登場そのものがシナリオだ。このカードは「与えるか否か」の物ではなく、今回のキャンペーンの空にこれを浮かべるかという決定だ。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 名称 | ヘリコプター (回轉翼機) |
| 分類 | 車両 (GM専用) |
| 効果 | 搭乗6名。道が要らない —— 山も、川も、関所も、道と旅のすべての道の文法を飛び越える。それゆえ五枚の中で最も危険なカードだ: 本巻の旅は道の上で起こるのに、この物は道を消す。移動は場面単位 —— 一度浮かべば数日の道が一場面で終わる(燃料時計1)。戦場では降りなければ戦えない —— 浮いているヘリは区域ではなく標的だ: すべての遠距離攻撃が届き、回転翼は矢一本の命中にも故障トリガーを受ける。耐久4戦力 —— 空の物にしては脆い。 |
| [消尽] | [消尽 3・時計] —— 五枚の中で最も小さな時計。変質時計3。このカードの燃料時計はすなわちシナリオの幕数だ。 |
| 劣化特則 | 飛行場面ごとに「酷使」トリガーが自動発生する(場面につき1回の限界のまま)。整備判定は目標値 +2 —— 技術者の特技でもこの +2 は消えない。この時代にこの物を知る手は、一つもない。 |
| 戦場価値 | 突破: なし。輸送: 六名 —— 重さではなく距離で計る。威圧: 威圧の上段 —— 初めて見る卒・雑分隊に対しGMは結束力判定の代わりに即時退却を宣言できる。騒音: 銃声準用 —— ただし遭遇誘引d10を二度振る。空の雷は野原じゅうが聞く。 |
| 一握りの物語 | その音が過ぎた村は三晩灯火を消さなかった。空を飛ぶものの中でそれほど大きなものは —— 神であるか、神を食らうものだけだから。 |
| 沈黙後の価値 | 降り立った、あるいは落ちた場所に注連縄が張られる。曲がった翼一枚は神社の宝物庫に「天魔の骨」として祀られ、百年後その神社の祭りには風を裂く音を真似る舞が残る。 |
#法 3 — 運用論 (Scene Tool)
Scene Tool。 この節は規則ではなくGMの場面道具だ。車両シナリオは結局三つのうちの一つだ —— まだ走る車、止まれば終わる車、すでに止まった車。 消尽ダイヤルとの兼ね合いはGMガイドで扱う。
#1型 — 逃走劇: 燃料が擦り減る追撃戦
- 時計を公開せよ。 燃料時計を卓の真ん中に置き、場面ごとに削られるのを全員に見せよ。隠した時計は不安だが、見える時計はドラマだ。
- 追撃者は擦り減らない。 馬は駅站で乗り換える —— この時代の道が本来そう設計されている。車は乗り換えられない。車は速く、馬は擦り減らない —— この追撃戦の緊張は速度差ではなく、その非対称から来る。
- 道が脚本だ。 大きな街道が途切れる場所 —— 川、峠、閉じた関所 —— を地図に予め印しておけ。車が止まる場所がすなわち最終戦場だ。「どこで止まらせるか」は振り目ではなく設計だ。
#2型 — 輸送護衛: 止まれば終わり
- 荷に名を付けよ。 「米数十石」ではなく「峠の向こうの村の冬」、「本陣の負傷者三十」だ。トラック一台が集団漂流の生命線となる瞬間、止まりは敗北条件となる。
- 敵は道そのものだ。 軍勢より先に、橋のない川と雨と関所が来る。道と旅の旅の文法をそのまま使うが —— 人なら払える値(文書、金、時間)を車は払えないという点が、護衛行の分かれ道となる。
- 停車が戦闘の基本形だ。 止まったトラックを戦場の中心区域として敷け —— 荷台は後列、車体の陰は前列、運転席は一握りの心府だ。車を背にした戦いではなく、車がすなわち戦場である戦いを設計せよ。
#3型 — 遺跡化: すでに止まった車
- 発見はダンジョンだ。 止まった車を区域配置で敷け —— 車体の周りは外郭、荷台は後列、運転席は狭く暗い心府の文法だ。中にあるのは先に来た神隠しの痕跡 —— 残量記録紙、座席の下の地図、バックミラーに掛かった護符。荷は全て03シリーズのカードで取り出せ。
- 燃料はすでに死んでいる。 変質時計が保証する —— 発見された車はほぼ確実に再び走れない。遺跡化した車を目覚めさせるのは整備判定ではなくシナリオ級の課題だ(消尽システムの沈黙からの復活) —— 生きた燃料を抱えた他の漂流物を探す旅一つが丸ごと必要だ。
- 信仰をまず問え。 村がそれを祀っているなら、目覚めさせる仕事は技術問題ではなく倫理問題だ —— 技術者セットのフック「神になった鉄車」がその分かれ道を一篇として見せる。
- 歳月が留まったなら譲れ。 百年を耐えた鉄塊はもはやこの文書のカードではない —— 漂流貴物の領域だ。鉄の祠に本当に何かが宿る日の話は、そちらが引き受ける。
すべての車はすでに止まっている —— ただどこで止まるかを、まだ選んでいないだけだ。