#霊界気候・災害 — 五つの地獄の空
目次
霊界にも空がある。地獄ごとに異なる空である。灰が降る空、黒雹が降る空、煮えた湯気が満ちる空。PCはこの空の下で判定する。天気は背景ではなく、修正値である。
#1. 気候の構造
各地獄方位は固有の気候体系を持つ。気候はd10で振られる。一間合ごとには振らず、深度段階が変わる時、または場面が切り替わる時に一度ずつ振る。
気候ロールは次の四つを決める。
- 視覚条件 — どこまで見えるか
- 聴覚条件 — 何が聞こえるか
- 判定修正 — すべての判定にどう作用するか
- 露出度補正 — 霊界露出度上昇(03-02)にどう作用するか
各地獄の気候表はd10で振り、1~10の結果を参照する。修正値が同じ気候が複数の地獄で共有されることはあるが、感覚描写は各地獄固有である。
#2. 北・等活気候表
等活の空は刃が立っている。鉄色の雲。星の代わりに刃物のような光筋がまばらにある。風は刃の上を過ぎる音で吹く。
| d10 | 気候 | 感覚 | 判定修正 | 露出度補正 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 静銀 | 銀色の静寂 | なし | なし |
| 2 | 露 | 細い露が結ぶ | なし | なし |
| 3 | 鉄風 | 皮膚を薄く切る風 | 身体 -1 | なし |
| 4 | 曇り | 鉄色の雲 | 視界判定 +1 | なし |
| 5 | 刃光 | 一筋の鋭い光 | 精神 -1 | なし |
| 6 | 針雨 | 細い雨が刺すように降る | 身体 -1、集中 -1 | +1 |
| 7 | 傷跡風 | 風に傷が生じる痕 | 身体 -2 | +1 |
| 8 | 落刀 | まれに刀一振りが虚空から落ちる | 回避 目標値 11、失敗時身体被害 | +1 |
| 9 | 復活の虹 | 傷が自然に癒え、また開く | 回復効果反転 | +2 |
| 10 | 紅鳶 | 赤い鳶が空一面に広がる | すべての判定 -2、幻覚誘発 | +2 |
等活気候の共通テーマ: 「癒えて開く」の反復。傷がしばらく癒えたように見え、また開く感覚が気候全体に染み込んでいる。
#等活気候運用のコツ
紅鳶(10)が出た時、GMは空間全体を赤く染める描写を使う。赤い鳶が数百も空を覆うイメージは、等活の中間段階で最も印象的な場面になる。この気候は深度 3 以上でのみ出る — 深度 0~2で10が振られたら9へ再調整する。
#3. 東北・黒縄気候表
黒縄の空は太い線で分けられる。実際に空中へ黒い縄が掛かっている。その縄が雲を裂き、光を裂き、時にはPCの視界まで裂く。
| d10 | 気候 | 感覚 | 判定修正 | 露出度補正 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 松脂風 | 松脂の匂いが染みた風 | なし | なし |
| 2 | 麻色 | 黄褐色の大気 | なし | なし |
| 3 | 縛雨 | 縄のように降る雨 | 移動 -1 | なし |
| 4 | 縛霧 | 足首をつかむ霧 | 移動間合 +1 | +1 |
| 5 | 垂直線 | 虚空に垂直の黒い縄 | 視界 -1、回避 -1 | +1 |
| 6 | 結び雲 | 雲が結び目の形で固定される | 精神 -1 | +1 |
| 7 | 首縄風 | 首を巻かれる感覚の風 | 精神耐性誘発 目標値 10 | +1 |
| 8 | 黒索 | 空中のどこかに垂れた黒い縄 | 発見時イベントトリガー | +1 |
| 9 | 縛星 | 星々が線で結ばれている | すべての判定 -1 | +2 |
| 10 | 自結 | 自分の身体が自分に縛られる感覚 | 身体 -2、行動制限 1間合 | +2 |
黒縄のテーマ: 「自ら縛られる」。PCが自分の手で自分の手を縛る感覚が、この地獄の本質である。
#黒縄気候運用のコツ
首縄風(7)はPCのうち一人だけに集中してもよい。GMは「どのPCの首が締まるか」をプレイヤーへ尋ねるか、最も感情的に絡んだ人物を選ぶ。精神耐性に失敗すると、1 間合の間行動が鈍る。
#4. 東・叫喚気候表
叫喚の空は常に水蒸気で濁っている。上が見えない。音が濡れている。空気が皮膚に張りつく。
| d10 | 気候 | 感覚 | 判定修正 | 露出度補正 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 薄湯気 | 薄い水蒸気 | なし | なし |
| 2 | 微熱 | ぬるい空気 | なし | なし |
| 3 | 濃湯気 | 視界が狭まる | 視界 -1 | なし |
| 4 | 沸く道 | 足元が熱い | 身体 -1、移動 -1 | +1 |
| 5 | 湯滴雨 | 熱い水滴 | 身体 -1 | +1 |
| 6 | 気喊 | 遠くから叫びが聞こえる | 精神 -1 | +1 |
| 7 | 水面上昇 | 足首まで熱い水 | 移動間合 +1、身体 -1 | +1 |
| 8 | 悲鳴風 | 風が語る | 精神 -2、精神耐性 目標値 10 | +2 |
| 9 | 沸騰 | 水が沸き始める | 身体 -2 | +2 |
| 10 | 大叫喚の門 | 悲鳴が空一面に満ちる | すべての判定 -2、判定不可区間発生 | +2 |
叫喚のテーマ: 「冷めない熱」。一度沸き始めたものは、ここでは永遠に沸く。
#叫喚気候運用のコツ
悲鳴風(8)の描写では、実際の悲鳴の声真似をしない。代わりに「風が文章のように語る」という抽象的な叙述を使う。PCが何を聞いたかは、各プレイヤーの想像に任せる。この解釈の余白が恐怖の密度を高める。
#5. 南・焦熱気候表
焦熱の空は灰で覆われている。太陽はなく、すべての光は灰から出る。明るくも暗くもない、灰色の正午。
| d10 | 気候 | 感覚 | 判定修正 | 露出度補正 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 灰舞い | 灰が少し舞う | なし | なし |
| 2 | 乾いた空気 | 極度に乾燥 | 身体 -0、渇き +1 | なし |
| 3 | 灰雨 | 灰が雨のように降る | 視界 -1 | +1 |
| 4 | 黒雹 | 黒い塊が落ちる | 身体 -1、回避 目標値 10 | +1 |
| 5 | 炭灰 | 炭片が混じった灰 | 呼吸判定 目標値 10 | +1 |
| 6 | 熱柱 | 空気中の熱い柱 | 身体 -1、迂回必要 | +1 |
| 7 | 火花 | 火花の破片が漂う | 火傷危険 | +1 |
| 8 | 黒天 | 空全体が黒くなる | 精神 -1、方向感覚喪失 | +2 |
| 9 | 灰嵐 | 灰が吹き荒れる | すべての判定 -1、視界 0 | +2 |
| 10 | 太陰 | すべての光が消える | 判定不可、露出度 +2 確定 | +3 |
焦熱のテーマ: 「灰以外には何も残らない」。消滅ではなく還元 — すべてが灰になる。
#焦熱気候運用のコツ
黒雹(4)は大きさがさまざまである。GMは雹の大きさを感覚で描写する — 「小さな黒い塊」、「拳ほどの黒い塊」、「頭ほどの黒い塊」。回避 目標値は大きさに応じて10から14まで。
太陰(10)は極めてまれに出るため、シナリオの絶頂近くに配置する方がよい。この状態でPCは何も見えず、GMは感覚描写だけで場面を導く。
#6. 西・無間気候表
無間には空がない。より正確には — あるが、PCにはそれが見えない。見上げれば灰色の均質な表面。雲も、星も、太陽もない。
| d10 | 気候 | 感覚 | 判定修正 | 露出度補正 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 無風 | 風なし | なし | +1 |
| 2 | 灰均 | 均質な灰色 | 精神 -1 | +1 |
| 3 | 遅い空気 | 空気が遅く動く | 移動間合 +1 | +1 |
| 4 | 時間霞み | 時間感覚喪失 | 判定不能 (時間関連) | +2 |
| 5 | 無音 | 聴覚遮断 | すべての感知判定不可 | +2 |
| 6 | 果てない平原 | 地平線が終わらない | 精神 -2 | +2 |
| 7 | 影消え | 自分の影がない | 精神耐性 目標値 11 | +2 |
| 8 | 反復風景 | 同じ風景が反復される | 方向感覚喪失 | +2 |
| 9 | 無限囁き | 聞こえない囁き | 精神 -2、幻覚誘発 | +3 |
| 10 | 無 | 感覚全体が一時的に消える | 判定不可 (1 間合) | +3 |
無間のテーマ: 「終わりがない」。感覚が段階的に消えていくこと、それが無間の気候である。
#無間気候運用のコツ
無間は基本露出度補正が常に +1 以上である。他の地獄のd10=1が「修正なし」であることと対照的である。無間滞在そのものがゆっくりPCを染める。
無(10)が出た時、GMは1分間沈黙する。実際の1分。この沈黙が無間の最も強力な演出である。プレイヤーは戸惑うが、その戸惑いこそが無間の経験である。
#7. 共通災害 — 全方位適用
五つの地獄固有気候とは別に、霊界全体を覆う共通災害がある。これらはd100ロールで、セッションごとに一度発生有無を判定する。
#霊的嵐 (発生: d100 01~05)
結界ドームを揺らす巨大な気流。区域と深度を問わず影響する。持続時間: 1~3 間合。
| 効果 | 修正 |
|---|---|
| 結界判定 目標値 | +4 |
| 移動間合 | +2 |
| 露出度補正 | +3 |
| 香燃焼速度 | 3倍 |
霊的嵐は満潮時間帯に発生確率が2倍になる(d100 01~10)。大潮期間には3倍。長期キャンペーンで霊的嵐はシーズンフィナーレに配置される定番イベントである。
#灰の雨 (発生: d100 06~15)
焦熱以外の方位でも灰が降るまれな気象。1 間合の間、すべての方位の気候が「灰舞い」効果を受ける。露出度補正 +1。
#黒雹 (発生: d100 16~20)
焦熱以外の方位にも黒雹が落ちる現象。焦熱気候表の「黒雹」項目と同じ効果を全方位に適用する。
#幻聴霧 (発生: d100 21~35)
最も一般的な共通災害。霧の中で、PCは存在しない音を聞く。持続時間: d10 間合。
効果:
- すべての感知判定に幻聴が混じる (GM裁量で偽情報)
- 精神耐性 目標値 10 (一度)
- 露出度補正 +1
- 結界判定修正なし
幻聴の内容はGMが即興する。慣例: 死者の声、遠くにいる仲間の声、自分の声。この三つから選ぶ。
#渦巻く気 (発生: d100 36~45)
霊界の一点で気が渦巻く。直径約 10m。この中に入ると1 間合ごとに露出度 +1、さらに判定すべて -1。外からは見えない。
PCが偶然入ったなら、d10を振り、5以下なら自力脱出可能。6以上なら香を焚くか仲間の助けが必要である。
#無風停滞 (発生: d100 46~55)
風が完全に止まる。5~10 間合の間、香煙が虚空で固定される。この状態では方位感知判定不可。PCは自分がどの方位にいるか分からない。
この停滞は深干潮にしばしば発生する(確率2倍)。
#星の雨 (発生: d100 56~60)
まれで美しい災害。青白い光の破片が空から落ちる。1 間合の間。
効果:
- 露出度補正 -2 (唯一の減少効果)
- 結界判定 目標値 -1
- 精神耐性 目標値 10 (逆説的に — 過度な美しさは怖い)
星の雨は「地獄の隙間」イベントと呼ばれる。まれに現れるが、遭遇したPCはその場面を永遠に忘れられない。
#残り (61~100)
通常気候のみ作動。共通災害なし。
#8. 気候と深度の関係
気候表は深度に応じて調整される。浅い深度では極端な気候が出ず、深い深度では穏やかな気候がまれになる。
#深度別調整
| 深度 | d10 調整 |
|---|---|
| 0 | -2 (結果最小 1) |
| 1 | -1 |
| 2 | 基本 |
| 3 | +1 |
| 4 | +2 |
| 5 | +3 (結果最大 13まで拡張、10 以上は10効果) |
深度 0 の門では、気候表は実質的に1~8範囲へ制限される。深度 5 の心では4~10が基本であり、5~10の極端気候が常時支配する。
#9. 気候判定の流れ
#ロール時点
次のいずれかが発生した時、GMがd10を振る。
- PCが新しい深度段階に進入
- 場面転換 (セッション中の「翌朝」などのスキップ)
- 一つの深度段階で3 間合以上滞在
- 共通災害発生直後
#気候持続時間
通常気候はその場面終了まで持続する。極端気候(9~10)は1~3 間合後に別の気候へ転換してもよい。GMが適切に判断する。
#気候描写の順序
気候を宣言する時、GMには次の順序を推奨する。
- 感覚描写を先に (視覚、聴覚、嗅覚、触覚)
- 次に数値影響 (判定修正、露出度)
- 最後にPCの反応を求める
規則より感覚が先に立たなければならない。
#10. PCの気候対応
#香の役割
香を焚くと、一部の気候効果が軽減される。
| 効果 | 軽減 |
|---|---|
| 露出度補正 | -1 (常に) |
| 視界 -1 気候 | 相殺 |
| 感知判定障害 | 相殺 |
| 極端気候(9~10) | 修正値を半分適用 |
香一束の燃焼時間は1 間合。したがって気候の悪い深度で長時間滞在するなら、香の備蓄が必要である。
#防護具
特定地獄対応の防護具がキャンペーンに存在してもよい。等活対応の「鉄袍」は身体判定修正を相殺する。GM裁量で長期キャンペーンに導入する。
#回避と脱出
極端気候が振られた直後、PCは「退く」判定を試みてもよい。回避判定 目標値 10に成功すれば、1 間合の間気候効果を回避する。失敗時は通常通り適用する。
#演出のコツ
#香 — 気候ロール前
d10を振る直前、GMは香の描写を行う。香煙が気候の兆しを見せる。煙が急に立ち上るなら激しい気候、ゆっくり流れるなら穏やかな気候。GMがロール結果を知る前でも、この描写は可能である — プレイヤーの緊張感を作るためである。
#法 — 気候適用順序
気候表ロール → 深度調整 → 香・防護効果適用 → 最終修正値宣言。この四段階の順序を覚える。特に深度調整を省略すると、低い深度でも極端気候が乱発され、セッションが過負荷になる。
#演出のコツ — 気候の交替
一つの場面で気候が交替する場合、GMは「風が変わる」という一文で転換を知らせる。新しい気候の感覚を短く描写した後、修正値を宣言する。急激な交替そのものがドラマになり得る。
#演出のコツ — 微弱な気候の価値
d10が1~3で、修正値が「なし」の場合でも、GMは感覚描写を省略しない。「何も起こらない」ではなく、「今日の等活の空は銀色だ」と宣言する。平穏の明示的描写が地獄の総体的感覚を維持する。
#接続 — 潮汐との同調
潮汐満潮 + 極端気候の組み合わせはセッションの頂点を作る。逆に干潮 + 平穏気候は意図的な呼吸の時間になる。GMはこの二つの状態をリズムとして配置する。
#11. 気候組み合わせ — 災害の重複
二つ以上の気象現象が同時に発生する場合、GMは重複規則を適用する。
#地獄気候 + 共通災害
最も一般的な重複。地獄気候ロールの結果に共通災害が重なる。この場合、次を適用する。
- 修正値はそれぞれの効果をすべて加算 (上限 -5)
- 露出度補正は二つのうち大きい値を適用
- 判定修正が -4を超えると、その判定は自動失敗
例: 焦熱深度 3、「黒雹」(地獄) + 「霊的嵐」(共通)が同時発生。
- 身体 -1 (地獄) + 判定 -4要素 (共通嵐 +2下方修正) = 合計 -5
- 判定自動失敗状態、PCはこの区間を耐えるだけになる。
#地獄気候 + 地獄気候 (境界線)
方位境界線では、二つの地獄の気候が同時に作動することがある。この場合、より不利な効果だけを適用する。重複ではなく「合流」 — 二つの地獄が一つの怪異な気候へ変わる。
GMはこの合流した気候に即興名を付ける。例: 等活 + 黒縄境界の「鉄麻雨」、叫喚 + 焦熱の「沸く灰」。
#満潮 + 共通災害 + 地獄気候
三重重複はキャンペーンの絶頂でのみ発生させる。この状態はそのセッションの中心事件になる。
規則:
- すべての修正値適用 (上限 -6)
- 露出度補正自動 +3
- 結界判定不可
- PCは「耐える」判定 (精神 + 身体総合) 目標値 13が必要
- 失敗時、露出度即時 +2、気絶の可能性
三重重複はドラマの頂点である。PCの生死がここで決まることもある。
#12. 気候の逆転 — まれな有益気象
気候は概ねPCに不利だが、まれに有益な効果を出す気象もある。前述の「星の雨」がその例。以下は他の有益気象である。
#祈りの霧 (発生: d100 61~63)
通常時間帯では61~100が無事件だが、特定条件ではこの区間が「祈りの霧」に再定義される。
発生条件: 領地内部で大きな儀式が進行中。霧が結界を越えて霊界へ流れ出る。
効果:
- 露出度補正 -2
- 移動間合 -1
- 結界判定 目標値 -1
この霧は領地と霊界のまれな調和状態である。PCがこの霧に出会うと、「領地はまだ生きている」という感覚を受ける。
#澄んだ月光 (発生: 望月 + 干潮)
望月と干潮が重なる特殊な時間帯。月光がひときわ澄んで霊界を照らす。
効果:
- 視界判定 +1
- 露出度補正 -1
- 方位感知判定 目標値 -2
澄んだ月光は霊界探索の「黄金時間」と呼ばれる。熟練した探索者はこの時間を知り、活用する。
#初霜 (特定の月の特定の日)
秋から冬へ移る最初の霜が降りる夜。霊界全体に薄い霜が置かれる。
効果:
- 移動間合 -1 (すべての地獄、一時的)
- 気候ロール修正 -1 (緩和)
- 露出度補正 -1
初霜の夜は1年に一日だけ。キャンペーン暦に記録しておき、GMはこの日を特別なシナリオとして活用する。
#13. PCの気候活用 — 逆利用
#気候を武器に
一部の上級PCは、特定気候を利用して妖魔に対抗できる。
- 等活気候の「落刀」はPCと妖魔の双方に被害。妖魔が弱った状態なら決定打になり得る。
- 焦熱の「熱柱」は特定妖魔(氷系)への弱点攻撃手段。
- 叫喚の「沸く道」は地上移動妖魔を遮る障害物。
GMはこうした逆利用を、PCの創造的判定として許可する。判定 目標値は状況に応じて10~14。
#気候を脱出手段に
不利な気候を脱出手段として使う場合もある。「幻聴霧」の中では追跡者がPCを見つけにくい。PCが意図的に霧の中へ入り視界を遮る戦術。追跡判定 目標値 +3。
「濃い影」イベント中は気が集中し、PCが結界判定 目標値そのものに -2修正を受けられることがある (影の陰を利用)。
#気候と儀式
一部の儀式は特定気候でだけ成功率が高まる。例えば「復活の虹」(等活 d10=9)の中では、身体回復儀式が二倍効果を出す (反転効果の逆利用)。こうした場合はGMがシナリオへ個別に配置する。
#14. 長期観測 — 気候パターンの学習
長期キャンペーンでPCパーティが蓄積した気候観測は、キャンペーン資源になる。
#観測記録
セッション中の気候ロール結果をプレイヤーが記録するなら (GM許可の下で)、次が可能になる。
- 特定地獄の気候頻度パターン把握
- 潮汐と気候の相関関係の感覚的学習
- まれな気候 (星の雨など) 発生条件の推論
観測記録を10回以上蓄積したパーティは「霊界鑑定家」称号を得てもよい (GM裁量)。この称号は気候ロール時に一度だけ振り直せる能力を与える (セッションごとに1回)。
#観測の限界
霊界の気候は完全にはパターン化されない。どれほど多く観測しても、霊的嵐や無のような極端は予測不可である。この不可知性もまた霊界の本質である。
#演出のコツ
#香 — 気候ロール前
d10を振る直前、GMは香の描写を行う。香煙が気候の兆しを見せる。煙が急に立ち上るなら激しい気候、ゆっくり流れるなら穏やかな気候。GMがロール結果を知る前でも、この描写は可能である — プレイヤーの緊張感を作るためである。
#法 — 気候適用順序
気候表ロール → 深度調整 → 香・防護効果適用 → 最終修正値宣言。この四段階の順序を覚える。特に深度調整を省略すると、低い深度でも極端気候が乱発され、セッションが過負荷になる。
#演出のコツ — 気候の交替
一つの場面で気候が交替する場合、GMは「風が変わる」という一文で転換を知らせる。新しい気候の感覚を短く描写した後、修正値を宣言する。急激な交替そのものがドラマになり得る。
#演出のコツ — 微弱な気候の価値
d10が1~3で、修正値が「なし」の場合でも、GMは感覚描写を省略しない。「何も起こらない」ではなく、「今日の等活の空は銀色だ」と宣言する。平穏の明示的描写が地獄の総体的感覚を維持する。
#演出のコツ — 極端気候の重み
d10が9~10の極端気候を出した時、GMは描写時間を2倍に伸ばす。急いで数値だけ宣言せず、風景を十分に広げる。極端気候はまれであるから、出た時には場面の主役でなければならない。
#接続 — 潮汐との同調
潮汐満潮 + 極端気候の組み合わせはセッションの頂点を作る。逆に干潮 + 平穏気候は意図的な呼吸の時間になる。GMはこの二つの状態をリズムとして配置する。
#接続
- 前: 03-03 霊界潮汐
- 次: 03-05 境界イベント
- 移動ルール: 03-02 移動ルール
- 位相: 03-01 霊界位相
- 地獄深化: 03-06 地獄ガイド
- 本編結界規則: 05-05 ゾーンギミック