日本語版 v1.3.3 · ex-doc

#吉原・芝居小屋噂網

目次

Canon. 江戸で怪談がどのように人と妖魔を動かすかを扱う。


#導入断篇 — 幕が上がる前

芝居小屋の幕の裏で、役者が一人自分の顔を探していた。化粧台の上には顔が三つ置かれていた。一つは公演用の面、一つは血が乾いていない人の顔、一つは何の表情もない白い皮膚だった。

芸人のお花がPCに手招きした。

「今日の公演は中止できません。中止すれば噂がもっと大きくなります。」

「公演すれば?」

「あの子が自分の役を見つけるでしょう。」

客席には幕府の検閲担当者が座っており、遊廓の仲介人が裏口から客を入れていた。百物会の使者は屋根の上に座って最後の台詞を待っていた。

お花は扇子を閉じた。「江戸で噂は止められません。方向を定めるだけです。」


#法 — 噂網の使い方

  • この組織網は情報収集、噂操作、百物会との接触に長けている。
  • 真実を知らせれば事件が大きくなり、隠せば妖魔が名前を得る。
  • PCに社会的移動と公演・出版の資源を与えながら、評判と興行の代償を付ける。

#組織カード

項目内容
表面遊廓、芝居小屋、芸人、出版商、怪談集会
裏面百物会接点、噂操作、情報取引、怪談興行
首脳遊廓主、芝居小屋後援者、人気芸人、出版商
現場使い走り、楽士、舞台雑役、妓女、読者集会
強み噂、変装、接触、評判、百物会との距離
弱み検閲、搾取、黒札組の浸透、恐怖拡散

#陣営基盤

[素養] 舞台裏の道

遊廓と芝居小屋、芸人と出版商は公式の門より幕の裏の通路と噂で動く。誰が見たかより誰がどんな話として覚えているかが重要だ。

効果: 芝居小屋、遊廓、茶屋、出版所、怪談集会での潜入、変装、噂調査、百物会接触の判定に +1。公演や噂がすでに進行中なら +2 に増加する。

PC習得時: セッション1回、都市の噂調査、変装、舞台裏潜入、百物会使者との交渉判定に +3。使用後、検閲、風聞、評判損傷のうち一つの余波が続く。

適用: 吉原・芝居小屋噂網所属の卒〜将ユニットと随伴分隊は固有特性として内蔵する。主級の後援者や大物芸人は一般特技1スロットに配置する。


#随伴分隊

以下の分隊はすべて陣営基盤 [素養] 舞台裏の道 を適用する。

#舞台の使い走り — 卒

: 幕の裏の通路を小走りに駆け巡り、小道具を隠して客席の視線をそらす幼い下働きたち。戦う者ではなく舞台を回す手なので、騒動一つで人々の目を別の方へ移す。

戦力 1、防備 11。制圧力 +2(分隊5名)。

技法:

  • 小道具隠し [型] — 指揮時。小さな物品を一つ隠すか届ける。
  • 客席騒動 [型] — 指揮時。同じ区域の人間NPCの注意を1呼吸の間そらす。

#遊廓情報組 — 練

: 客の名簿と枕辺の話から誰が誰に会ったかを汲み上げる妓女と情報屋たち。香の匂い一つで逃げた者の足跡を追い、刀の届かぬ場所の秘密を売り買いする。

戦力 2、防備 12。制圧力 +3(分隊4名)。

技法:

  • 客の名簿 [型] — 指揮時。特定の人物が最近接触した者を一人突き止める。
  • 香の匂い追跡 [構え] — 維持。同じ場面で逃走した人間対象の追跡判定 +1。

#首脳部NPC: お花、舞台裏の耳 — 将

: 噂は止められぬゆえ方向だけを定めるという舞台裏の耳。扇を閉じ開く間に台詞と噂に手を入れ、使い走りと情報組がどんな話を流すかを決める芸人だ。

お花 — 将
戦力 3、防備 13、活力 11
勇+0、技+2、体+1、智+3、美+4、運+2
制圧力 +4
技法種別活力判定効果限界
台詞替え[型]32d10+美 vs 対象 2d10+智失敗した対象はこの場面の噂をお花が決めた方向で覚えるセッション1回
扇子の合図[整備]0小康段階に噂網または百物会分隊1個の結束力 +1小康1回
簪突き[攻撃]22d10+技 >= 防備1戦力
幕の裏へ[技法]予約2/即興32d10+運 >= 敵攻撃被撃無効。芝居小屋・遊廓なら成功時、潜入状態

特殊:

  • 噂は死なない: お花が戦闘不能になっても、彼女が残した噂の一つは次の場面に必ず影響を与える。
  • 陣営基盤: お花は [素養] 舞台裏の道を固有特性として保有する。

#明と暗

弱者が公式記録の外で話せる道を与える苦しみが興行物になりうる
百物会と幕府の間の接触窓口になる両方から疑われる
PCに潜入と情報網を与える噂を制御しようとして恐怖を広げる

#主人公所属として使う場合

噂網所属のPCは芸人、情報商、出版商、遊廓関係者、百物会の連絡役として動く。戦闘より情報と評判、公演と怪談操作が強いキャンペーンに適している。

#主要敵手として使う場合

敵手として使うときは悪意のある芸能界ではなく、「売れる話が真実より強くなった世界」として描け。PCは公演を止めるか、台詞を変えるか、怪談になった被害者の名前を取り戻すかを選ばなければならない。


「江戸の舞台は虚偽を上げる。しかし時には虚偽の上でのみ、真実が話す場を得る。」