日本語版 v1.3.3 · fc-data

#日本の大神 — 神性4

目次

Canon — 大神の数値。 この8柱は日本神話において国家・領域単位の守護・災厄を担う存在である。侍キャンペーンで最も頻繁に遭遇する等級。


#香 — 国を覆う名々

一つの村が暮れる音は小さい。国が揺れる音は大きい——その大きさに耐えられる名が大神である。

スサノオが泣けば夏が長雨になる。 オオクニヌシが眠れば出雲の稲が実らない。イナリが顔を背ければ市場の米価が十倍に跳ね上がる。ハチマンが名を呼ばなければ侍の弓は的を外す。

彼らは国の一部である。人々は彼らの名で畑を耕し、刀を研ぎ、子の名をつける。本社の屋根が崩れれば国のどこかの隅も共に崩れる。

「大神は土地の名であり、その土地を守る名である。」——『神祇百篇』


#法 — 大神共通規則

  • ベース職業の主経路: 現人神・天人8〜10段。
  • 断片・代理の場合: 任意の段 + ドメイン1個に縮小 + 神性1〜2。
  • 再臨: 季節の大祭。そのうち一つは本社で必須。
  • 日次恩恵: ドメインごとに3回。
  • 大権能: ドメインごとに月1回。

#ツクヨミ — 月読

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イザナギの右目から生まれた月。アマテラスの妹であり兄。神話で最も静かな神——言葉がほとんど記録されていない。

一つの逸話が彼を物語る。食事の女神ウケモチ(保食神)が口から食べ物を取り出してもてなすと、ツクヨミは不浄と見なして彼女を殺した。 この知らせを聞いたアマテラスが怒り、その日から昼と夜は永遠に分離された。

「同じ場に居られぬ者たち。だから日と月は出会えない。」

彼の性格は潔癖。妹に似た光を持つが、妹が包容であれば彼は排斥である。不浄を見れば退くか、取り除く——対話はしない。

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#基本数値

  • 神性: 4 大神(境界級 — 神性4〜5の間。本補足では4に割り当て)
  • ドメイン数: 3

#ドメインと権能

ドメイン権能
月相固定 — 夜の時間を長く伸ばすか縮める(一区域、一夜)。
隠し — 区域の対象を闇が覆い、探知難易度が大幅上昇。
不浄排斥 — 汚染・祟り存在1体を区域の外へ押し出す(被害ではない)。

#ベース職業(推奨)

  • : 天人9〜10段 + 大神。
  • 断片: 月祭の巫女6〜8段 + 神性2〜3。

#GMノート

ツクヨミは「言葉のない神」として演出するのが最も良い。登場してもほとんど口を開かない。プレイヤーが一線を越えれば静かに去る(次の満月まで)。直接対決よりも不在の不安で脅かすキャラクター。


#スサノオ — 須佐之男

Susanoo over Yamata-no-Orochi: a storm-shouldered warrior, one raised blade, eight serpentine shadow-coils with eight sake jars below; serpent as abstract mass

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イザナギの鼻から生まれた嵐。三神のうち末子。乱暴さと英雄性が一身に宿った複合神。

妹アマテラスの天界で畑を踏み荒らし、神聖な宮殿に糞を撒き、神職の女神を死なせた——この騒ぎに妹が天岩屋に隠れ、彼は天界から追放された。舌を切られ髭を抜かれて地上に落ちた荒くれの兄弟。

しかし地上で彼は英雄となった。出雲の川辺でヤマタノオロチ(八岐大蛇)——八つの頭と八つの尾を持つ大蛇——に捧げられそうになった姫クシナダヒメに出会った。スサノオは八桶の酒でオロチを酔わせ、一つひとつ斬った。尾から出たクサナギノツルギ(草薙剣)——三種神器の剣——を妹に捧げて和解した。

「世を乱しもし、世を救いもするものが一つの名に宿る。」——スサノオ伝承

彼は出雲の王となり、その血統からオオクニヌシが出た。出雲系(地上系)の始祖。

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#基本数値

  • 神性: 4 大神
  • ドメイン数: 4

#ドメインと権能

ドメイン権能
雷雨の叫び — 区域内の騒動・混乱を大幅強化。敵の指揮・士気判定にペナルティ。
波の壁 — 海岸・水域に区域遮断1個。
英雄怪獣退治者 — 神話級の妖魔を相手とする判定に片目固定10。彼の固有領域
儀礼の刀クサナギ一閃 — 一つの判定を自動会心(大権能)。

#三種神器 — クサナギノツルギ

Kusanagi-no-Tsurugi as a single straight ancient sword silhouette on cloth, a faint serpent-tail coil shadow beneath (its origin)

スサノオがオロチの尾から得てアマテラスに捧げた剣。 本編 co 三種神器文書に収録。本文書はその由来のみ確認。

#ベース職業(推奨)

  • : 現人神10段 + 大神。
  • 断片: 侍7〜9段 + 神性2〜3(スサノオの怒りを受け継いだ武者)。
  • 稀に: 祟り神への転換(乱暴が過ぎて不浄の側へ反転した場合)。

#関係

  • 妹: アマテラス(和解と火花の繰り返し)。
  • 後孫: オオクニヌシ(6代孫)。
  • 配偶者: クシナダヒメ。
  • 出雲 — 現在の島根県。彼が地上に降りた地であり、後孫オオクニヌシが王国を築いた地。「出雲系」は彼の血統を指す。

#GMノート

スサノオは「信じられると同時に信じられない」神。プレイヤーを助けることもあるが、機嫌を損ねるとすぐに嵐を呼ぶ。オロチ退治の叙事はシナリオで再現しやすい——スサノオが直接、または断片を降ろす。


#オオクニヌシ — 大国主

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スサノオの6代孫。出雲の王。二度死に二度生き返った人物。

彼の兄弟たちは数知れず多く、彼を憎んだ。イクマキ(大蛇)の洞穴に彼を押し込み、跳ね起きられぬ罠を仕掛け、火の山を駆け抜けよと命じた。二度死んだ。しかし彼は鼠の助けで、蛇の助けで、母なる神の再生術で生き返った。

生命を受けた分だけ彼は生命を分けた。傷ついた白い兎を治療し、地上の病者を癒し、農業と漁業を教えた。地上に国家を築いた——出雲大国。

しかしアマテラスの後孫である天孫ニニギが地上を求めると、彼は戦わず譲った。これが国譲り——「地上の王が天界に国を引き渡した出来事」。その代償として出雲本社の永遠の奉献を受けた。

「我が築いた国を我が手で引き渡す。しかしこの地の名は我が名で残る。」——オオクニヌシ伝承

国譲りは叙事的分岐点である。地上の王権が「天界から来る」という正統性がここで確立された。そして出雲には「譲られた側の記憶」が今も残っている——ゲームで頻繁に使われる「失われた権力」のフック。

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#基本数値

  • 神性: 4 大神
  • ドメイン数: 4

#ドメインと権能

ドメイン権能
出雲(国)出雲の境界 — 出雲領域内での判定に片目固定10。
治癒二度生き返った者 — 死の直前の人物1名を回復(一季節1回の大権能)。
農業・漁業収穫の祝福 — 一季節の収穫を自動成功。
縁結び縁の糸 — 二人の人物の関係を決定的に結ぶか解く(GM裁量)。

#ベース職業(推奨)

  • : 現人神10段 + 大神。
  • 断片: 医術系の僧侶7〜9段 + 神性2〜3。

#関係

  • 祖先: スサノオ。
  • 兄弟: 大多数が彼を妬んで殺害を試みた。
  • 妻たち: 多数(縁結びドメインの化身)。
  • 本社: 出雲大社 — 今も年1回すべての神が集うという伝承の中心。

#外見・象徴

  • 温和な男性神。兎・鼠・蛇など小さな動物と親しい(特に鼠が彼を救ったことが有名)。
  • 小さな槌 — 注意: これは後代に大黒天の槌が民間信仰で結合したもの。本来オオクニヌシの象徴ではなかった。
  • 厚い布 ・ 鍬。

#GMノート

オオクニヌシは最もプレイヤーに好意的な大神。本人が苦難を多く経験したため、苦労する者に寛大。出雲領域に入るPCは一度は彼の助けを受ける。国譲りの記憶を活用したフック——「失われた地上」への未練をわずかに匂わせると叙事が深まる。


#イナリ — 稲荷(ウカノミタマ ・ 宇迦之御魂)

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穀物の神。本名はウカノミタマだが、イナリという名がはるかに広く知られている。彼女の守護動物は白狐(キツネ)

農民が祀り、鍛冶が祀り、商人が祀り、さらに遊郭も祀る。神社数の三分の一がイナリという言葉があるほど。民間信仰の最も広い顔。

「赤い鳥居の長い列に沿って行けば、どこにでもイナリがいる。」

彼女は顔が多い。あるセッションでは商業神として、別のセッションでは鍛冶の女として、また別のセッションでは狐の姿で現れる。裏切りと気まぐれが彼女の一面——イナリの助けには常に条件がある。代償のない加護はない。

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#基本数値

  • 神性: 4 大神
  • ドメイン数: 4

#ドメインと権能

ドメイン権能
穀物・米収穫調節 — 一つの村の豊凶をGM裁量で移動。
狐(キツネ)・変化変化の仮面 — 一人の人物の外見を一時変更(ドメイン内の判定)。
商業・金物価操作 — 一つの市場の一品目の価格を入れ替える。
鍛冶・手工鍛えの火 — 武器1挺に一時的な利点を付与(会心範囲 +1)。

#ベース職業(推奨)

  • : 現人神8〜10段 + 大神。
  • 断片: 商人の民衆5〜7段 + 神性1〜2(狐神の加護)。
  • キツネ変化体: 妖魔の変種がイナリの許しの下で活動する場合もある。

#外見・象徴

  • 男女両性(地域ごとに異なる)。白狐を従える。
  • 赤い鳥居、油揚げ(アブラゲ)、宝珠。

#GMノート

イナリは最も顔が多い神。あるセッションでは商業神として、別のセッションでは鍛冶の女として、また別のセッションでは狐として現れても矛盾しない。裏切りと気まぐれを演出に混ぜると良い——イナリの助けには常に条件がある。


#ハチマン — 八幡

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第15代応神天皇が死後に神格化された神。英霊が大神に昇格した特殊事例。

彼は侍の神である。戦国時代に侍の家門で彼の名を祀らない家はない。出陣前に祈り、弓を引くとき彼の名を唱え、勝利の後に頭を下げる。宇佐神宮が本社、全国に4万を超えるハチマン神社の分社がある。

「弓を引くとき、ハチマンの名を忘れるな。その名があってこそ矢が的に届く。」——侍の格言

彼は公正である。しかし誰の味方でもない——二人の侍が同じ神社で祈り、明日互いを斬るとき、彼は両方に断片を降ろす。その結果がどうであれ彼の務めではない。彼は弓を射る者すべてを見守るだけである。

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#基本数値

  • 神性: 4 大神
  • ドメイン数: 4

#ドメインと権能

ドメイン権能
戦争戦場の勝報 — 味方の分隊一つの士気判定を自動成功。
弓術一矢一閃 — 弓攻撃1回を自動会心。
武者守護強健な魂 — 一人の侍の戦力を一時 +1。
皇室正統性(2次)旗印の証明 — 旗の真偽・正当性を自動判定。

#ベース職業(推奨)

  • : 現人神10段 + 大神。
  • 断片: 侍5〜9段 + 神性1〜2(典型的「ハチマンの一部」状況)。

#外見・象徴

  • 甲冑をまとった壮年の男性。弓・矢・神馬。
  • 白い旗、鳩(使者)。

#GMノート

ハチマンは最も頻繁にゲームへ乗せられる大神。戦国時代の侍なら出陣前にハチマンへ祈る。その祈りが時に応えられる——これが「侍 + 神性1〜2」の状態。シナリオシード: 戦場のハチマン 参照。


#タケミカヅチ — 建御雷

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雷と剣の神。 イザナギが火の神カグツチを斬ったとき流れた血から生まれた存在——血から湧き出た神格。

国譲りのとき天界の使者として地上に派遣された。彼が出雲の浜辺に突き立てた剣の上に胡座をかいて座り、オオクニヌシに譲渡を求めた場面が有名。武力の象徴——しかし暴力を使わずに圧倒する種類の武力。

「剣の先に座して問う者に、王は国を差し出した。」——国譲り伝承

剣術 ・ 特に剣の一刀一刀の神。剣術流派の多くが彼を始祖とする。鹿島神宮が本社。

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#基本数値

  • 神性: 4 大神
  • ドメイン数: 3

#ドメインと権能

ドメイン権能
落雷 — 一区域に雷1回(強い攻撃判定)。
剣術一刀両断 — 剣攻撃1回を自動会心 + [貫通全体]
武勇戦線固定 — 前列1個を一時崩れないよう固定。

#ベース職業(推奨)

  • : 現人神10段 + 大神。
  • 断片: 侍の剣術流派継承者6〜9段 + 神性1〜2。

#GMノート

タケミカヅチはハチマンよりも「狭いが鋭い」神。ハチマンが戦争全般なら、タケミカヅチは一刀の勝敗。剣術流派の始祖としてもよく登場。


#ニニギ — 邇邇芸命

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アマテラスの孫。天孫降臨の主人公。三種神器を携えてアシハラノナカツクニ(地上)に降り、皇室の始祖となった。彼の系譜が初代神武天皇へとつながる。

彼の物語は「すでにすべてを成した神」の物語。地上に降りた後、彼はコノハナサクヤを妻に迎えて子孫を得た。それで彼の大きな任務は終わった。以後の神話で活躍はほとんどない——彼は皇室の血統を植えて後ろへ退いた神

「一度の降臨で世の王権が立てられた。」——天孫降臨伝承

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#基本数値

  • 神性: 4 大神
  • ドメイン数: 3

#ドメインと権能

ドメイン権能
天孫降臨地上と天界の線 — 天からの使者・物資を一度降ろし受ける。
皇室系譜(始祖)始祖の証言 — 血統に関するすべての判定に決定的証言。
三種神器神器の臨時授与 — 神器1個をPCにしばらく貸し与える(一会心または一権能)。

#GMノート

ニニギはほとんど活動しない神(すでに血統を地上に植えたため)。登場すれば「千年に一度」級の出来事。断片として登場することのほうがはるかに多い——天皇家の傍系血統を持つNPCがニニギの断片として発現。


#コノハナサクヤ — 木花開耶姫

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ニニギの妻。花 ・ 桜 ・ 出産 ・ 富士山の女神。美しいが命の短い桜のように、彼女の祝福は「美しいものの儚さ」を象徴する。

彼女はニニギを愛したが、ニニギは彼女の姉イワナガヒメ(磐長姫)——岩のように長い命の女神——を送り返した。その結果、天皇家の血統は「美しいが短い生」を持つことになった。これが記紀神話が説明する人間の寿命の起源

「花は咲く瞬間に散ることが定まっている。しかしその短さこそ美しさの条件である。」——桜伝承

富士山本宮(富士山本宮浅間大社)が本社。

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#基本数値

  • 神性: 4 大神
  • ドメイン数: 3

#ドメインと権能

ドメイン権能
花・美刹那の盛り — 区域内のすべてを一瞬最も美しく現現(士気 + ドメイン関連)。
出産安産の祝福 — 出産判定を自動成功。
富士山富士の火山灰 — 富士地域で火山性現象を誘導。

#GMノート

コノハナサクヤは叙情的トーンの神。戦闘よりも通過儀礼・結婚・出産・花見の場面で登場。期限付きの祝福が特徴——権能の効果は強力だが持続時間が短い。


#法 — 大神8柱要約表

ドメイン数主領域キャンペーン頻度
ツクヨミ3月・夜・潔
スサノオ4嵐・海・英雄・儀礼の刀高い
オオクニヌシ4出雲・治癒・農漁業・縁結び高い(出雲)
イナリ4穀物・狐・商業・鍛冶非常に高い
ハチマン4戦争・弓術・武者・皇室非常に高い(侍)
タケミカヅチ3雷・剣術・武勇中(剣術系)
ニニギ3天孫・皇室始祖・神器低い
コノハナサクヤ3花・出産・富士中(叙情)

#香 — ひと言

「国を覆う八つの名 — その名ごとに国の一部分が懸かっている。」