#戦国・江戸の名刀
目次
Canon (fc05内部) + Fiction-Only。 本文書は戦国時代(1467~1603)と江戸時代(1603~1868)の名刀を扱う。登載された項目はリンクで、未登載の項目は本巻限定の新規データとして作成する。
異国の武器は本文書の範囲外。 幕末の洋刀(40-03-04)のような折衷武器までは扱うが、朝鮮の環刀・明の唐刀・南蛮の胸甲など純粋な異国の武器は
co-07-04-exotic-artifacts.mdとex2-45-foreign-relicsの領域へ送る。
#導入断片 — 血と埃
戦国の刀は泥と血を拭い取った。江戸の刀は畳の間の埃を拭い取った。同じ布で拭ったが、布に残る匂いは違った。
若い剣客が問うた。「どちらの刀がより重いのですか? 多くの人を斬った刀ですか、一度も抜かれなかった刀ですか?」
老人は鞘を閉じた。「殺した刀は夜に音を立てる。殺せなかった刀は昼に音を立てる。主が自分の名を呼ぶたびに。」
「抜かれなかった刀も怨みを持ちますか?」
「怨みというより記憶だ。」 老人が言った。「戦国の刀は生き残った者を記憶し、江戸の刀は耐えた者を記憶する。どちらがより重いかは主が何を後悔するかにかかっている。」
その日、若い剣客は刃がどれほど鋭いかよりも、なぜまだ鞘の中にあるのかがより恐ろしい問いになりうることを知った。
#§ 香 — 戦国と江戸の刀
戦国時代。刀が最も多く振るわれた時代。一人の武将が生涯に斬った人の数が千を超えた時代。その時代の刀は — 砕けない刀と斬り尽くす刀の二つに分かれる。砕けない刀が備前の業物なら、斬り尽くす刀が正宗・村正のような名刀だ。
江戸時代。刀が最も少なく振るわれた時代。平和の時代。しかし名刀は消えなかった — 大名家の宝物庫へ、剣術道場の表彰式へ、新選組の腰へ移っていった。刀が振るわれないとき — その刀の逸話が整理され、刀解が書かれる。本巻の名刀データの半分は江戸時代の刀解が整理した結果だ。
#§ 法 — 戦国武将の刀
#へし切長谷部 (へし切長谷部) [新規]
#香 — 織田信長の刀
織田信長の手にあった。ある日、一人の茶大将(茶大将、茶道の師範)が信長の命に逆らった。信長は彼を、机の下へ逃げた彼を — 刀の先で机を上から圧搾して(押し切り)斬った。 刀が机を切断しながら茶大将の体をその間に貫いた。それで名がへし切(押切、圧切)。
刀工は長谷部。名が二つの部分に分かれる — へし切(剣名) + 長谷部(刀工名)。本巻は両方を表記。
この刀は信長の死後、豊臣家に入り、後に黒田家に入って保管される。切断力が最も強い名刀の一つ。
#法 — 打刀基盤 + 名品技法
基本技法: 打刀と同一。
| 技法 | 類型 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| [名品] 圧切 (押切) | 形 | 4 | 2d10+勇+剣術+2 >= 防備 | 3戦力 + [貫通 2]。遮蔽物・軽いバリケードを一緒に切断 — 対象が遮蔽物の後ろにいても名品技法が届く。 | 戦闘1回 |
祝福 [素養]: 装備中、武装解除判定+2。
呪い [素養]: 名のある者だけが応答。本職の段数5以上であるか、大名・信長家の認証のRPがあるPCが手にするときのみ名品技法が発動。それ以外は活力のみ消費、効果なし。「名のない者が振るえばただ重い刀。」
所有条件: 本職の段数5以上または大名級の認証。決断力のRP。豊臣・黒田家の認証またはその家門の遺跡回収。
入手シナリオ: 大名家の宝物庫シナリオ。または fc02 (戦国風土記) と連結する信長キャンペーンの報酬。
#雷切 / 千鳥 (雷切·千鳥) [新規]
#香 — 立花道雪の刀
筑前の武将、立花道雪。本名戸次鑑連。ある日、大雨の中で大木の下に座っていた。雷がその木を打った — 道雪は本能的に刀を抜き、雷を斬った。その日以後、道雪は足を引きずるようになった(雷の残滓が足に残った)が、彼の刀は雷切(雷切、雷斬り)という名を得た。
元の名は千鳥(千鳥、千羽の鳥)だった。雷を斬った後、雷切がその座を占める。本巻は二つの名を併記 — 「雷切/千鳥」。
#法 — 打刀基盤 + 名品技法
基本技法: 打刀と同一。
| 技法 | 類型 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| [名品] 雷断 (雷斷) | 形 | 3 | 2d10+勇+剣術+2 >= 防備 | 2戦力。対象が雷・電気属性の攻撃をした直後の呼吸のとき+2戦力 + その攻撃を斬ったものとして処理(次の1間合の間、その敵の雷攻撃の使用不可)。 | 間合1回 |
祝福 [素養]: 装備中、雷・電気属性の攻撃に対する防御判定+2。
呪い [素養]: 一度雷に打たれた者だけが応答。所持者は「一度大きな衝撃(戦力4以上の一発)を耐え抜いた経験」のRPが必要。その経験がなければ名品技法が作動しない。
所有条件: 立花家または後裔。大きな衝撃を耐え抜いたRP。
入手シナリオ: 九州の立花家シナリオ。またはPCが大きな衝撃を耐え抜いた後、その経験の報酬として登場。
#村正 — 徳川の凶
co-07-02 § 村正 · ex2-40-03-01 のデータに従う。
本巻の追加解説:
| 逸話 | 時点 | 効果 |
|---|---|---|
| 徳川家康の祖父、松平清康が村正で斬られた | 1535 | 家門に凶 |
| 徳川家康の父、松平広忠も村正で自害 | 1545 | 家門に凶 |
| 家康本人が村正で自分の指を斬った | ある時点 | 「徳川に村正は凶」の風聞が固まる |
この三つが集まって徳川家の村正忌避の風習が作られる。ただし幕府後期に新選組の一部があえて村正を手にした — 徳川に凶が徳川の敵には吉になるという逆説。
GMボックス — 徳川家PCの村正 (選択): 徳川直系・後裔PCが村正を手にした時点から、毎シナリオ開始時にd100。01~20ならそのシナリオの間、PCの家族・従者NPC 1名が軽い負傷(被害1戦力)を負う事件が発生。誰を狙うかはGM決定。
#武田の赤槍
ex2-40-03-10 のデータに従う。本巻の位置は戦国。武田家の赤備えシナリオの核心小道具。
赤備えのアイデンティティ: 武田家 → 真田家 → 井伊家へ赤色の甲冑・槍の様式が継承。本巻のシナリオでPCが赤槍を手にすれば — 赤備え分隊の所属が自動で認められるか、分隊加入シナリオの始まりになる。
#§ 法 — 江戸剣客の刀
#示現流師範の剣
ex2-40-03-05 のデータに従う。
本巻の追加解説: 示現流は薩摩藩の剣術 — 最初の一撃で終わらせる。幕末の薩摩武士たちがこの剣術を使用。幕末シナリオで示現流師範の剣は切り札。PCが薩摩出身・示現流免許なら最初の呼吸で決着がつく。
#柳生新陰流の木剣
ex2-40-03-06 のデータに従う。
本巻の追加解説: 殺傷不可の思想。斬れるのに斬らない。柳生宗矩のような剣豪が徳川家の剣術師範になった後、平和の時代を迎えて剣術が「人を斬らない道具」になりうるかを試した思想。PCがこの木剣を手にして — 敵を生かす選択をするシナリオ。
#新選組の刀
新選組(fc03-02-12-shinsengumi.md)が使用した名刀。本巻は新選組の本文をfc03に委任し、武器のみ整理する。
| 剣 | 使用者 | 登載 | 本巻の処理 |
|---|---|---|---|
| 虎徹 (虎徹) | 近藤勇 | co-07-02 | 霊界鬼物。近藤自身は未来の刀工であることを知らない。 |
| 兼定 (兼定) | 土方歳三 | co-07-02 § 兼定槍 (刀派同一) | 新規: 兼定刀 — 下の項目。 |
| 村正 | 一部の新選組員 | co-07-02 | 徳川に凶 → 徳川の敵が吉として使用。 |
#兼定刀 (兼定 刀) [新規]
#香 — 土方の刀
新選組副長、土方歳三の愛刀。兼定は本来、剣・槍の両面で名声 — 本巻の co-07-02 § 兼定槍 が同じ刀工の槍の項目。本項目は刀。同じ刀工の二つの作だが異なる武器。
土方は幕末の狂風の中でこの刀を生涯振るった。新選組のすべての決闘で彼の手にあり、箱館での最後の戦いでも彼が手にした。彼の死後、刀の行方は紛失 — 霊界鬼物候補の一つ。
#法 — 打刀基盤 + 名品技法
基本技法: 打刀と同一。
| 技法 | 類型 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| [名品] 剣槍一体 (劍槍一體) | 形 | 3 | 2d10+勇+剣術+2 >= 防備 | 2戦力。この呼吸の間に槍術技法1個を刀で使用可能(同じPCが槍術の免許を持っていなければならない)。 | 間合1回 |
兼定槍との互換: 同じ刀工の槍と刀が一堂にあれば、一人のPCが両者の間を自由に互換(剣・槍の両免許PC)。ただし同時装備は二刀流スロット規則に従う。
祝福 [素養]: 剣・槍の両免許PCの活力-1(戦闘ごとに1回)。
呪い [素養]: 幕末時代限定の強化。他の時代に登場時、名品技法の活力+1。
所有条件: 剣・槍の両免許。または新選組親和のRP。
#§ 法 — 幕末の洋刀と火縄銃の精密形
#幕末の洋刀
ex2-40-03-04 — 幕末限定。本巻の時代範囲の中では最も最後の刀。
#火縄銃の精密形
ex2-40-03-14 — 稲富家の精密火縄銃。本巻は刀工ビルドと連結 — fc05-05-03-smithing-schools.md § 稲富刀派 と一対。
火器の刀工の名品。刀ではない名品の事例。
#信念銃 (信念銃)
co-07-02 — 一向一揆の農民射手が使用した鉄砲。本巻は一向一揆シナリオの核心小道具として分類。刀ではない名品で、信仰のアイデンティティとともに輝く。
#§ 法 — 主に従って変わる刀
#変形の類型
戦国・江戸の名刀の一つの特徴: 主に従って刀が変わる。変形の類型:
| 類型 | 事例 | 効果 |
|---|---|---|
| 主に合わせて変わる刀 | 薄緑(義経の手で色が変わる) | 主が変わるたびに名品技法の表現が異なる。メカニックは同一。 |
| 主を選ぶ刀 | 村正(徳川に凶、徳川の敵に吉) | 所有者によって効果が吉凶に分かれる。 |
| 家門に従って呪いを移す刀 | 村正一族の徳川凶 | 一つの家門にのみ適用される呪い。 |
この三つは fc05-04-01-owner-bond.md の関係類型としてルール化される。
#本巻の処理
本巻は刀が変形して新しい名を得る事例を別個の項目として置く。同じ刀の異なる名でも効果が異なればデータが異なるので、名が異なれば項目が異なる。
例: 薄緑は §02-01 に別個の項目。膝丸の変形だという伝承は逸話としてのみ置く。
#参考リンク
戦国の刀は血を記憶し、江戸の刀は沈黙を記憶する。


