日本語版 v1.3.3 · fc-doc

#火器

目次

権威。 本文書のデータカード数値は狭い Canon — 本巻の中でのみ正典であり、武器図鑑のいかなる項目も覆さない。銃声規則・黒色火薬再装填など運用変形はVariant — 本巻のすべての変形がそうであるようにGM許可を前提とする。そして本文書は本巻バランスの試金石だ。ここに記された数が揺らげば、「この本は現代人を強くする本ではない — 消耗してゆく未来のドラマを与える本だ」という脊椎が揺らぐ。


#香 — 雷の傍ら

#導入断片 — 鑑定

梅雨が明けた陣場の軒下だった。男が濡れた布で小銃を拭いていると、火縄の匂いが先に来て、影が後から来て立った。

革の火薬筒を背負った鉄砲手 — 陣中の誰も名で呼ばず、ただ「南蛮」とだけ呼ぶ外人だった。

「見せてくれ。」外人が手を差し出した。

男はしばし躊躇った。弾倉を抜き、薬室を空にしてからようやく銃を渡した。

外人はそれを生まれたての赤子のように受け取った。重さを見積もろうと手のひらの上で二度ほど揺すり、銃口を軒の外の空に向けて片目を瞑った。

「銃身の中に溝が刻まれているな。」外人が言った。「真っ直ぐではなく — 捻じれて。どこの狂った職人の腕だ。」

「職人百人が作ったとでもしておこう。」

外人は答える代わりに遊底を引いた。鉄の音が水のように滑らかに滑ると、その手が初めて止まった。火縄も、火打石も、火門も見つけられぬ眼が、しばらく同じ場所を巡った。

「火薬の匂いがない。」外人が薬室に鼻を当てて言った。「……いや。知らぬ火薬の匂いだ。」

「そっちの火薬とは別の代物だ。」

「分かった。」外人は頷き、銃を膝の上に寝かせた。霊界の貴物を鑑定する職人の手つきで台尻を叩き、照星を親指で撫でた。「百年 — いや、もっと遠いな。これは百年後の鉄砲だ。俺が生涯を懸けて辿り着こうとした場所から来た代物だ。」

「……それで、値は?」

「貴物の値は鑑定する者が定める。」外人は銃を返しながら問うた。「何発残っている。」

「五十八。」

「それがこの銃の値だ。」外人は立ち上がり、己の火縄銃を肩に担いだ。「売れという者がいたら断れ。死にゆく雷は売る代物ではない。傍らで最後まで聴く代物だ。」

#香 — 百年後の鉄砲

現代火器は本巻で最も危険な代物だ — 敵にも、卓の均衡にも。だから本文書の設計命題を冒頭に記しておく。鉄砲より強い。しかし鉄砲は補給され、これは死んでいく。 外人の鑑定そのままだ — この銃の値は性能ではなく残弾であり、残弾は消尽システムが定めた通りに一方向にしか動かない。引き金を引くすべての手は、同じ手で己の未来を一発ずつ支払っている。


#法 1 — 数値設計原則 (公開宣言)

#基準点 — 鉄砲

本巻の火器は白地から描いたのではない。基準点は正典の鉄砲だ — 外人が扱う種子島と二挺砲、そして武器図鑑銃類の文法:固定目標値 11、[貫通全体]、一発 1戦力、射程は区域。現代火器はその文法の上に正確に三つの優位だけを乗せる。

鉄砲 (正典)現代火器 (本巻)
命中2d10+弓術 >= 11同じ式に補正 +1 (カード別最大 +2)
連射一発ごとに再装填 — 活力 2、移動不可弾倉が空いたときのみ交換 — 活力 1、移動可能、防御スロット占有なし
射程隣接区域 (直射基準 — 曲射 2区域)2~4区域 (カード別)

そして四行目に、鉄砲にはないものが付く — [消尽]。優位三行はすべてこの一行で値を払う。

#六十発の設計

自衛官の小銃は60発内外で始まる (戦闘派遣型基準 — 自衛官セット)。これは残酷であれと選んだ数ではなく、終われと選んだ数だ。一セッションに十発を使えば六度目の冒険の入り口で銃は沈黙する — 一キャンペーンの中で必ず底をつく設計。GMはダイヤルでこの数を上げられる (GMガイド) — ただし消尽システムの「遅い」警告をまず読め。増えた弾薬は長くなった英雄譚ではなく、先延ばしにされた結末でしかない。

#新規尺度はない

  • 射撃判定は 2d10+弓術(+カード補正) >= 11 — 鉄砲と同じ軸、同じ固定目標値。
  • 被害は戦力、費用は活力、時間は間合・呼吸 — すべて正典単位。本巻が発明した尺度は[消尽]一つだけだ。
  • 射程は区域単位のみ使う。 本文書のどこにも実測射程は併記せず、法 3の鉄砲比較表も同じだ。区域がすなわち距離だ — それが何歩かはその場面の地形が定める。
  • 故障判定は火器式 2d10+技+弓術、整備は消尽システム法 3そのまま。本文書はその上にカード別特則だけを乗せる。

#誰が撃てるか

  • 機能は弓術だ。 正典機能目録の弓術は弓と鉄砲を包括する遠距離武芸 — 現代火器も同じ軸に立つ。非熟練なら非熟練ペナルティそのまま。
  • この時代の人物(正典職業のPC・NPC)が現代火器を初めて握れば、構造が手にない。神隠し(神隱し)された者の教えの下で幕間一つを過ごすまで非熟練扱いとする (弓術保有と無関係)。例外は外人 — 職人の眼は幕間を飛び越える。百年後の鉄砲でも、鉄砲は鉄砲だ。
  • 鉄砲流派は乗せられない。 正典弓・銃流派の鉄砲分流(稲富流・南蛮流)とその系譜に属するすべての鉄砲流派の技法・秘技は — 正典であれ拡張であれ — 現代火器に適用されない。火縄の呼吸と黒色火薬の重さを前提に練られた技術だからだ。速射法は弾倉を速く替えてはくれず、三段撃ちの三挺目の役割は遊底がすでにしている。流派は鉄砲のものだ — そのままにせよ。

#外人の席

現代火器は外人を押し退けない — 行く道が違う。外人の強さは銃一挺ではなく体系だ:流派と特技、鉄砲分隊、そして堺と国友の補給線。外人は段を上りながら育ち、小銃は発数を削りながら減る。自衛官の六十発が尽きた朝、パーティの遠距離火力は外人の肩へ戻る。一パーティに二人いれば — 一方は摩り減っていく雷であり、一方は育てられる雷だ。互いの終わりと始まりが噛み合うように、本文書のすべての数値がその線を守る。

#銃声規則 — 銃声は只ではない (Variant)

現代火器の銃声は雷の級だ — 我々の時代の勘定で百二十から百六十デシベル、この時代にその音と競えるものは本物の雷だけだ。そしてこの時代の野と夜は我々の時代よりはるかに静かだ。開けた野では十町先の歩哨が頭を上げ、風が助ければ一里先の村が眠りから覚める。谷、水辺、真夜中にはもっと遠くまで行く (用語・度量衡辞典)。

引き金を引く瞬間、二つのことが起きる。

  1. 隠密終了 — その場面の潜入・待ち伏せは全部破れる。区域を問わず潜入状態は解除され、その場面で再び潜入判定を振れない。
  2. 遭遇誘引 — 場面が終わるとき、GMは下の表を振るか選ぶ。銃声は外傷だ。引き金は只のように引かれ、請求書は次の場面に来る。

Scene Tool — d10: 銃声を聞いたのは

| d10 | 耳を傾けた者 |

|------|------|

| 1~2 | 誰も — 今回は。風が音を山へ連れて行った。 |

| 3~4 | — 数日の内に「山で乾いた雷が鳴る」という噂が領主の耳に届く。 |

| 5~6 | 野伏 — 雷を出す代物は高い。彼らは値を勘定しながら来る。 |

| 7 | 斥候 — 最も近い軍勢の斥候が音の方向を記す。鉄砲を知る軍勢なら、その音が鉄砲ではないことまで知る。 |

| 8~9 | 妖魔 — 音ではなく、音に染みついた時代の外の匂いを嗅いで来る。 |

| 10 | 知る者 — その音を聞いてそれが何かを正確に知る誰か。この時代にそうできる者は — 多くはない。 |

消音器は本巻にない。 漂流物の山からも出ず、この時代の手でも作れない。銃声は本巻が火器に付けた値であり、値を消す部品は売らない。


#法 2 — データカード

カードは消尽システム法 4の七欄標準様式に従う。六枚の共通事項をまず記す。

  • 射撃は活力 2 (カードが別に記せばそちらが優先)。判定は 2d10+弓術+補正 >= 11
  • 再装填(弾倉交換・装填操作)は鉄砲の再装填と違い防御スロットを占有せず、移動を妨げない。
  • 故障判定は火器式 2d10+技+弓術。カードの劣化特則は固有トリガーと摩耗効果だけを記す。
  • すべてのカードに [消尽 N・発数]。弾種が違えば互いに食わせられない — 残弾は弾種別に別に数える。
カード弾種基本 [消尽]射程備考
自動拳銃拳銃弾30・発数同じ区域 (隣接可)心府無ペナルティ
89式小銃小銃弾60・発数2区域点射・連射、銃剣
散弾銃散弾12・発数同じ・隣接区域分隊追加死傷
猟銃 (ボルトアクション)猟銃弾20・発数3区域黒色火薬に最も強い
機関銃 (GM専用)専用弾帯GM設定2区域区域全員 — 大筒文法
狙撃銃 (GM専用)専用狙撃弾10・発数4区域照準後 2戦力

弾種六行が全部違うことをまず見よ。拳銃弾で小銃を食わせられず、散弾で猟銃を食わせられない。「残弾合計四十二」という記録はない — あるのは「拳銃弾十二、小銃弾三十」という、互いに混ざらない四つの砂時計だ。

#自動拳銃

項目
名称自動拳銃
分類火器
効果射撃 (活力 2、1発): 2d10+弓術+1 >= 11、[貫通全体]、1戦力。射程: 同じ区域 — 隣接区域も撃てるが命中補正を失う。心府使用可能 (現代火器中唯一ペナルティなし)。弾倉 15発 — 弾倉交換活力 1。
[消尽][消尽 30・発数] — 弾種: 拳銃弾。
劣化特則自動装填機構 — 黒色火薬弾を食わせると射撃した場面ごとに過酷トリガー (法 3)。摩耗: 射撃 -1。また場面につき1回、GMは射撃一つを弾詰まりと宣言できる (弾は消耗、排出に活力 1)。
一握りの物語腰に佩いてだけ回っていた代物だ。主はこの時代に来て初めて安全装置を外す法を手が覚えているという事実に安堵した — そしてその安堵が恐ろしくなった。
沈黙後の価値懐に入る鋼鉄 — 螺子と蝶番の見本として職人に高く、大名の陣中では「南蛮の魔除け」としてさらに高い。

救難職(警察)の回転式拳銃は別個のカードだ — 5発装填、寿命が弾薬に縛られない設計。救難職セットで扱う。

#89式小銃 (八九式小銃)

項目
名称89式小銃 (八九式小銃)
分類火器
効果射撃 (活力 2、1発): 2d10+弓術+1 >= 11、[貫通全体]、1戦力。射程: 2区域。点射・連射可能 (法 3 射撃モード)。弾倉 30発 — 弾倉交換活力 1。銃剣装着時、正典バヨネットの銃剣突撃・銃剣突破技法使用可能。心府: 活力 +1 (長兵器扱い)。
[消尽][消尽 60・発数] — 弾種: 小銃弾。自衛官戦闘派遣型基準弾倉2個分 — セット・入手経緯別の調整は法 3。
劣化特則自動装填機構 — 自動拳銃と同じ。黒色火薬弾射撃の場面ごとに過酷トリガー、摩耗時に射撃 -1と場面につき1回弾詰まり宣言。
一握りの物語切替桿に片仮名三文字が刻まれている — 続けて読むと「アタレ(当たれ)」になる。部隊に戻れば銃番を照合して返納すべき代物だった。今やその帳簿は四百年の外にある。
沈黙後の価値国友座が見れば寝つきの悪くなる代物 — 腔線と遊底はこの時代の職人に百年分の宿題だ。丸ごとなら威勢品一挺、分解すれば見本一箱。百年を耐えれば、己の銃声を覚えている付喪神の候補。

#散弾銃(散彈銃)

項目
名称散弾銃(散彈銃)
分類火器
効果射撃 (活力 2、1発): 2d10+弓術+1 >= 11。同じ区域: [貫通全体]、1戦力、会心時 +1戦力。隣接区域: 1戦力 (貫通なし)。卒・雑分隊相手: 命中時 1~3名追加死傷 (命中強度表)。管形弾倉 7発 — 装填は活力 1で2発ずつ、途中で切って射撃可。心府: 活力 +1。
[消尽][消尽 12・発数] — 弾種: 散弾。
劣化特則手動機構 — 弾詰まり宣言なし、摩耗は射撃 -1のみ。黒色火薬弾も一般トリガーで受ける (法 3)。
一握りの物語狩猟免許証と共に農家の蔵に祀られていた代物だ。猪を防いでいた銃口が今や鬼を防ぐ — 主はどちらがより恐ろしいかまだ答えを出せずにいる。
沈黙後の価値滑らかな銃身はこの時代の炉が扱える殆ど唯一の現代銃身だ。叩いて延ばせば良い鉄であり、切り取れば良い管だ。

#猟銃(獵銃) — ボルトアクション

項目
名称猟銃(獵銃) — ボルトアクション
分類火器
効果射撃 (活力 2、1発): 2d10+弓術+1 >= 11、[貫通全体]、1戦力、会心時 +1戦力。この呼吸に移動しなかったなら補正は +2になる。射程: 3区域。毎射撃後に装填操作 (活力 1 — 移動可能。鉄砲の再装填と違い一手だ)。内蔵弾倉 5発 — 再装填活力 2。心府: 活力 +1。
[消尽][消尽 20・発数] — 弾種: 猟銃弾。
劣化特則最も単純な機構 — 黒色火薬弾を食わせても過酷トリガーではなく一般トリガーだ (現代火器中唯一)。摩耗は射撃 -1のみ。
一握りの物語山荘の壁に鹿の角と並んで掛かっていた祖父の遺品。手入れだけは一度も怠らなかった — その習慣が今この銃の寿命だ。
沈黙後の価値この時代が最も欲しがる形の銃。職人はこれならば「写せるかもしれない」と言う — その一言がどこへ行くかは漂流の原理の再現の壁が担う。

#GM専用 — 雷の上段

次の二枚のカードはGM専用だ。開始漂流物は背嚢一つであり、車両と重火器はその背嚢に入らない。この二つはPCの装備ではなくシナリオの事件として登場する — 敵性勢力の手に入った悪夢として、護送依頼の貨物として、ただ一度の攻城のための貸与物として。文法は正典大筒・迫撃砲のものを借り、上限も同じだ:区域全員 2戦力。本巻にそれを超える火器はない。 PCが遂に手に入れたなら — 与えよ。[消尽]がすぐ取り返す。

#機関銃(機關銃) — GM専用

項目
名称機関銃(機關銃)
分類火器 (GM専用)
効果据置武器 — 設置 1間合、移動不可、射手の他に副射手1名必要 (なければすべての費用活力 +2)。掃射 (活力 5、10発): 射程 2区域内の一区域を指定、区域全員に 2d10+弓術 >= 11、[貫通全体]、各 1戦力 (彼我無関)。卒・雑分隊 1~3名追加死傷 (命中強度表)。集中掃射 (活力 5、30発、戦闘 2回): 対象区域全員 2戦力、雑・卒即死 — 正典大筒「砲撃」と同じ上限・限界。威嚇掃射 (活力 3、5発): 被害なし、対象区域敵分隊結束力 -2 — 正典大筒「威嚇射撃」文法。
[消尽][消尽 GM設定・発数] (推奨 100~200) — 弾種: 専用弾帯。同じ口径でも小銃弾と互換しない — 弾帯が違う。
劣化特則酷使が基本状態の代物 — 集中掃射を使った場面は常に「酷使」トリガーが発生する。
一握りの物語これが陣地に置かれる瞬間、合戦一つの結末が定まる。だからこの代物は装備ではなく事件であり、カードではなくシナリオだ。
沈黙後の価値どこかの宝物庫で「雷神の遺骸」として祀られる。錆びた銃身の前に注連縄が張られ — 百年後、それは本当に神になっているかもしれない。

#狙撃銃(狙擊銃) — GM専用

項目
名称狙撃銃(狙擊銃)
分類火器 (GM専用)
効果照準 (構え — 1呼吸維持) 後に射撃 (活力 3、1発): 2d10+弓術+2 >= 11、[貫通全体]、2戦力、会心時 3戦力。射程: 4区域 — 正典名品技法「極射」の限界距離と同じ。その先は本巻にない。照準なしに撃てば補正なしで 1戦力。毎射撃後に装填操作活力 1。心府使用不可。
[消尽][消尽 10・発数] — 弾種: 専用狙撃弾。
劣化特則照準鏡が先に死ぬ — 落下・浸水トリガーの故障判定に失敗すれば、GMは劣化進行の代わりに照準鏡破損(補正 +2永久喪失)を選べる。
一握りの物語一里の外の命を勘定する代物。この時代にも遠くを撃つ者はいたが、この形式の殺意はまだ発明されていなかった。
沈黙後の価値照準鏡の硝子だけで南蛮鏡十枚の値をする。それを覗き込んだ陰陽師が「遠いものが近く見えるのは縁が捻じれることだ」と呟いたという話がある。

#法 3 — 弾薬経済と再装填の夢

#残弾追跡実務

残弾記録はPLの分だ — 消尽システムが定めた記録の責任そのまま、残量記録紙に弾種別に記し撃つたびに消す。何発減るかは射撃モードが定める。

モード可能火器活力弾消耗判定・効果限界
単発(單發)全火器カード値1発カードそのまま
点射(點射)89式小銃33発カード判定そのまま — 的中時 2戦力呼吸 1回
連射89式小銃410発射程内の一区域指定。2d10+弓術 >= 11 (命中補正喪失) — 的中時1体 1戦力 + その区域卒・雑分隊 1~3名追加死傷 (命中強度表)間合 1回

点射と連射は強い — そしてその強さの単位は戦力ではなく発数だ。六十発の小銃で連射を六度撒けば、キャンペーンが一幕は短くなる。その取引をPLの手に握らせるのがこの表の目的だ。区域単位の制圧・牽制は武器ではなく訓練の分だ — 自衛官セットのセット特技で扱う。機関銃の掃射はカード特則に従う。

#開始残弾ガイド (Scene Tool)

開始残量はカード基本値が原則だが、入手経緯がその値を調整する。GMの取っ手だ。

入手経緯開始残弾
自衛官 — 戦闘派遣型小銃はカード基本値60発、拳銃は15発 (予備弾倉なし) — 詳細は自衛官セット
自衛官 — 災害派遣型小銃 0~10発 (GM) — 実弾極少。銃はあるが、未来が殆どない
救難職 (警察)回転式拳銃 5発 + 予備 0~10発 (GM) — 救難職セットのカード
民間漂流物 (散弾銃・猟銃)カード基本値
遺品・鹵獲d10×3発 (GM振り — 死んだ者がどれだけ惜しんで使ったか)
シナリオ報酬GM裁量 — ただし一度に30発を超えるな。30発はキャンペーン一幕だ

#再装填の夢 — 黒色火薬 (Variant)

銃が沈黙へ向かう道に脇道が一つある。空薬莢にこの時代の火薬を詰めること — 消尽システム法 3が予告した代替の道だ。夢は三つの材料で見る。

  • 薬莢 — 真鍮はこの時代も知っている。撃った場所に落ちた薬莢は余裕のある射撃ならその場で拾い、戦闘中に弾き飛んだものは場面が終わった後にその区域を探って半分(切り上げ)だけ戻る。
  • 火薬 — この時代が作る。堺の火薬商、国友の職人、あるいはパーティの外人。ただしどんなに細かく挽いても無煙火薬にはならない。
  • 雷管作れない。 一度打った雷管は死んだ雷管であり、この時代のどんな手もそれを蘇らせない。生きた雷管はシナリオ報酬としてのみ入ってくる — 別の神隠しの荷、共に渡ってきた箱、先に沈黙した銃の残弾から抜き取った分。保有する雷管の数が再装填弾の上限だ。

手順: 幕間一つ + 工具 + 三材料。一束(最大10発)につき 2d10+智+解除 >= 13 — 成功すれば束が完成し、失敗すれば火薬だけ捨てる (雷管と薬莢は残る)。技術者セットはこの判定に己の特技を乗せる。

再装填弾(黒)の性能 — 記録紙には本来の弾と区分して記す。黒一文字で済む。

項目効果
命中カードの命中補正喪失 + 追加 -1
射程1区域減少 (最小: 同じ区域)
自動火器 (自動拳銃・89式・機関銃)単発のみ — 点射・連射・掃射不可。射撃した場面ごとに「黒色火薬代用」過酷トリガー (故障判定目標値 +2)
手動火器 (散弾銃・猟銃・狙撃銃)一般トリガー (場面につき1回の限界はそのまま)
清掃射撃した日の幕間に清掃しなければ、次の場面開始時に「酷使」トリガー自動発生

再装填の夢は銃を生かす道ではない — ゆっくり殺す道だ。煤が腔線を埋め、弱い装薬が機構を覚束なくさせ、それでも銃声は今一度鳴る。沈黙より遅い死を選ぶこと、それもこの時代との妥協であり、本巻はその妥協の側に立つ。

#鉄砲比較表 — 長い勘定

最後に、本巻均衡の核心を一枚の表に記す。射程はここでも区域だけで数える。

鉄砲 (種子島)現代小銃 (89式)優位
火力1戦力、[貫通全体]、隣接区域 (直射基準 — 曲射 2区域)1戦力、[貫通全体]、2区域 + 命中 +1・点射現代 (僅差)
連射一発ごとに再装填 — 活力 2、移動不可30発に一度弾倉交換 — 活力 1現代 (圧倒)
補給火薬・鉛玉・火縄 — この時代が作る。堺で買い、国友で受ける弾薬 — この時代にない。撃つほど終わりに近づく鉄砲 (圧倒)
修理国友座の職人が直す。部品もこの時代のもの直す手も部品もない — 整備は終わりを延ばすだけ鉄砲 (圧倒)

上の二行は現代のものであり、下の二行は鉄砲のものだ。そしてキャンペーンは — 下へ長くなる。

長期戦なら鉄砲が勝つ。 最初の合戦は小銃のものだ。十度目の合戦は勘定をしてみねばならない。百度目の合戦の野に立っているのは鉄砲だ。本文書のすべての数値はこの一文を守るように選んだ。

外人はそれを初めから知っていた。だから彼は百年後の鉄砲を鑑定してもなお己の火縄銃を下ろさなかった — 死にゆく雷の傍らで、育てられる雷は育ち続ける。


雷は借りてきたものだ。六十度鳴った後は、空に返さねばならない。