#第8章 兵装と装備
目次
武器が戦法を決める。同じ「刀」でも、形によって全く別の戦いをする。君のキャラクターが何を手に握るかは、そのまま「どの区域、どの戦術で活躍するのか」の選択だ。この章は、その選択に必要なぶんだけを絞る — 標準武器八振り、身を守る甲冑四種、道の上の所持品、そして名を持つ刀の存在だ。一つの武器で全ての状況をまかなおうとするな。キャラクターごとに一つから二つの輝く区域があれば足りる。
#武器の等級 — 技法の数
| 番号 | 意味 |
|---|---|
| 1 | 普及品 — 3技法 |
| 2 | 業物 — 4技法 |
| 3 | 名品 — 5技法 |
| 4 | 基本技法 (攻撃A・攻撃B・防御) |
| 5 | 免許技法 (業物以上で開放) |
| 6 | 名品技法 (名品専用) |
武器は三つの等級に分かれる。等級が上がるほど、使える技法が一つずつ増える。
| 等級 | 説明 | 技法の数 |
|---|---|---|
| 普及品 (普及品) | 量産型。足軽の標準。市場で購入可能。 | 攻撃A + 攻撃B + 防御 = 3 |
| 業物 (業物) | 職人の手を経た良質の武器。依頼または戦利品。 | 3 + 免許技法 = 4 |
| 名品 (名品) | 名のある武器。固有の物語。シナリオ報酬・遺産。 | 4 + 名品技法 = 5 |
君の最初のキャラクターは、たいてい普及品を持つ。[免許]が付いた技法は、その武器が業物以上であるときのみ使える。
出典: co-07-01 §武器の等級
#標準武器8種
以下は八系統を代表する標準武器だ。各武器は攻撃A・攻撃B・防御の三技法を基本として持ち、[免許]技法は業物以上でのみ開く。判定式は常に2d10 + 修正値 >= 防備の一形であり、防備を迂回するタグ([貫通]・[直撃]・[霊体])は効果欄に明記される。「活力」はその技法を使うのに要する活力費用、「戦力」は命中時に敵へ与える戦力の減少だ。
予約防御技法の「予約中は防備 +1」は武術の構えから生じる非甲冑ボーナスであり、
[直撃]で無力化される(甲冑・盾ボーナスは残る)。
#1. 打刀 (打刀) — 標準刀
最もありふれた刀。万能だが傑出はしない。使い手の技量が刀の価値を決める。受け流しの予約活力が1で最も安いのが強みだ。
| 技法 | 種別 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| 横斬り (橫斬り) | 攻撃A (勇) | 2 | 2d10+勇+剣術 >= 防備 | 1戦力。標準攻撃。 | — |
| 突き (突き) | 攻撃B (技) | 2 | 2d10+技+剣術 >= 防備 | [貫通 2]。1戦力。 | — |
| 受け流し (受け流し) | 防御 | 予約1/即興2 | 2d10+技+剣術 >= 敵攻撃 | 被撃無効。 | — |
| [免許] 一閃 (一閃) | 攻撃 | 3 | 2d10+勇+剣術 >= 防備 | 1戦力。次の被撃時(防御・回避で被害を無効化した場合を含む)自動反撃+2d10+勇+剣術。攻防一体。 | 間合1回 |
区域ボーナスなし(どこでも同一)。価格: 金貨5。
#2. 斬馬刀 (斬馬刀) — 斬馬刀、大型刀
騎馬武者を馬ごと斬るための大型刀。重くて連打が不可能だが、会心時に極大の被害を出す。
| 技法 | 種別 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| 斬馬 (斬馬) | 攻撃A (勇) | 3 | 2d10+勇+剣術 >= 防備 | 1戦力 + 騎馬対象時追加1戦力。 | — |
| 切上げ (切上げ) | 攻撃B (體) | 3 | 2d10+體+剣術 >= 防備 | 1戦力 + 敵無防備(次の呼吸)。 | 呼吸1回 |
| 刀身受け (刀身受け) | 防御 | 予約2/即興3 | 2d10+體 >= 敵攻撃 | 被撃無効。防御が会心時、敵の武器を1間合封印。 | — |
| [免許] 一刀両断 (一刀兩斷) | 攻撃 | 4 | 2d10+勇+剣術+1 >= 防備 | 2戦力。会心時3戦力。 | 間合1回 |
区域ボーナス: 前列 +1。心府では活力 +1(長柄武器扱い)。価格: 金貨7。
#3. 素槍 (素槍) — 直槍
装飾のない直線形の槍。足軽の基本武器。前列で制圧力を立て、射程で牽制する。
| 技法 | 種別 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| 直突き (直突き) | 攻撃A (勇) | 2 | 2d10+勇+槍術 >= 防備 | 1戦力。射程: 同区域+隣接前列。 | — |
| 薙ぎ (薙ぎ) | 攻撃B (體) | 2 | 2d10+體+槍術 >= 防備 | 被害なし。対象を強制移動(隣接区域)。 | 呼吸1回 |
| 牽制 (牽制) | 防御 | 予約2/即興3 | 敵移動時に自動 | 区域進入の敵に2d10+勇+槍術 >= 防備。命中時、移動中断+1戦力。 | — |
| [免許] 槍壁 (槍壁) | 構え | 2 | — | 維持中、自区域の制圧力 +3。前列では +4。移動不可。 | 維持 |
区域ボーナス: 前列での直突き +1。心府で活力 +1。価格: 金貨2。
#4. 薙刀 (薙刀) — 長刀槍
長い柄に刀身を付けた武器。刀のように斬りつつ、槍のように射程が長い。多数の敵を相手にする広域斬りに強い。
| 技法 | 種別 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| 横掃 (橫掃) | 攻撃A (勇) | 3 | 2d10+勇+槍術 >= 防備 | 同区域の敵2体に判定。各成功時に1戦力。広範囲(2体に分散)。 | — |
| 上段斬り (上段斬り) | 攻撃B (技) | 2 | 2d10+技+槍術 >= 防備 | 1戦力。射程: 同+隣接。 | — |
| 薙刀受け (薙刀受け) | 防御 | 予約1/即興2 | 2d10+技+槍術 >= 敵攻撃 | 被撃無効。射程外(隣接区域)からの攻撃も防御可能。 | — |
| [免許] 連環掃 (連環掃) | 攻撃 | 4 | 2d10+勇+槍術 >= 防備 | 同区域の敵全員に判定。各1戦力。 | 間合1回 |
区域ボーナス: 前列 +1。心府で活力 +1(長柄武器)。価格: 金貨5。
#5. 大弓 (大弓) — 長弓
長距離狙撃用の弓。後列から安全に射撃する。弓は射撃ごとに無費用で自動再装填するため、再装填が防御スロット・移動を占有しない — これが鉄砲との核心的な対比軸だ。
| 技法 | 種別 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| 直射 (直射) | 攻撃A (勇) | 2 | 2d10+勇+弓術 >= 防備 | 1戦力。射程: 2区域。 | — |
| 曲射 (曲射) | 攻撃B (智) | 3 | 2d10+智+弓術 >= 防備 | 1戦力。遮蔽無視。射程: 3区域。 | 呼吸1回 |
| 弓幹受け (弓幹受け) | 防御 | 予約2/即興3 | 2d10+體 >= 敵攻撃 | 予約中、防備 +1。防御成功時、被害-1戦力(最低1)。防御が会心時、被撃無効。近接の非常防御。 | — |
| [免許] 貫通射 (貫通射) | 攻撃 | 3 | 2d10+勇+弓術+1 >= 防備 | [貫通 2]。2戦力。後ろの敵にも1戦力。 | 間合1回 |
価格: 金貨5。長距離狙撃・後列専門。
#6. 種子島 (種子島) — 標準火縄銃
南蛮から渡ってきた火縄銃。重装甲を撃ち破る唯一の標準武器だ。再装填が防御スロットを占有するのが、強い鎧迂回の代償だ。
| 技法 | 種別 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| 直射 (直射) | 攻撃A (—) | 2 | 2d10+弓術 >= 防備 | [貫通 全体]。1戦力。射程: 隣接区域。 | — |
| 曲射 (曲射) | 攻撃B (智) | 3 | 2d10+智+弓術 >= 防備 | 1戦力。遮蔽無視。射程: 2区域。 | 呼吸1回 |
| 再装填 (再裝填) | 防御 | 2 | — | 次の射撃が可能。射撃後に必須。再装填中は移動不可。 | — |
| [免許] 三段射撃 (三段射擊) | 攻撃 | 4 | 2d10+弓術 >= 防備 | [貫通 全体]。2戦力。3発連続(事前装填)。戦闘開始前に準備が必要。 | 戦闘1回 |
価格: 金貨8。
鉄砲判定規約。 鉄砲の個人単一標的射撃は
2d10 + 弓術 >= 防備で振る — 能力値は加算しない。[貫通 全体]が甲冑・盾を無力化するため、重装甲(防備16 → 有効10)も撃ち抜くが、回避・構え・結界・遮蔽など非甲冑の防備はそのまま命中に反映される(その領域は[直撃]ゆえ鉄砲では抜けない)。会心 = 2戦力 + 後ろの敵1戦力。
#7. 短刀 (短刀) — 標準短刀
万能の補助短刀。心府の乱戦で疲れない。短兵器ゆえ、心府での連撃疲労のペナルティが-2の代わりに-1に緩和される。
| 技法 | 種別 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| 突き (突き) | 攻撃A (勇) | 1 | 2d10+勇+剣術 >= 防備 | [軽量]。1戦力。 | — |
| 懐入り (懷入り) | 攻撃B (技) | 1 | 2d10+技+剣術 >= 防備 | [軽量]。1戦力。心府で[貫通 3]、心府の外で[貫通 1]。 | — |
| 緊急回避 (緊急回避) | 防御 | 予約1/即興2 | 2d10+技 >= 敵攻撃 | 被撃無効。失敗しても被害-1戦力(最低1)。相手の会心は通常成功として扱う。 | — |
| [免許] 急所貫き (急所貫き) | 攻撃 | 2 | 2d10+技+忍術 >= 防備 | [貫通 2]。2戦力。会心時に出血。 | 間合1回 |
価格: 金貨1。心府で連撃疲労-1を適用。
#8. 素手 (素手) — 体術
素手の格闘。武器を失っても、武器を禁じられても残る最後の手段。心府で特に強い。
| 技法 | 種別 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| 打撃 (打擊) | 攻撃A (勇) | 1 | 2d10+勇+体術 >= 防備 | [軽量]。1戦力。(野人=一般扱い) | — |
| 組み (組み) | 攻撃B (體) | 2 | 2d10+體+体術 vs 敵 2d10+體 | 被害なし。捕縛(移動不可1間合)。 | 呼吸1回 |
| 押し出し (押し出し) | 防御 | 予約2/即興3 | 2d10+體+体術 vs 敵 2d10+體 | 敵を強制移動(隣接区域)。被害なし。 | — |
| [免許] 連鎖技 (連鎖技) | 攻撃 | 2 | 2d10+勇+体術 >= 防備 | 1戦力+捕縛。打撃と組みを一度に。 | 間合1回 |
価格: なし(素手)。心府 +2ボーナス。
出典: co-07-01 §刀類・槍類・弓類・銃類・短兵類 (標準武器抜粋)
#武器を失ったとき — 臨時武器
刀を失ったか、それしか手がないとき、手に触れる全てが武器になる。竹槍・鎌・石・包丁・錆びた刀のような臨時武器は、名品/業物/神器にはなれず、免許技法がなく、技法は主攻撃一つと防御一つだけだ。 鍛えられておらず手に馴染まないため、すべての個人攻撃判定に命中-1が常に適用される。例えば竹槍は2d10 + 勇 >= 防備(これに常時命中-1)で1戦力を与える突き一つと、柄受け一つが全てだ。価格は0~1金貨、どこでも拾える。
出典: co-07-15 §共通仕様 (命中-1・技法2つ・免許なし)
#甲冑 (甲冑)
鎧は防備を上げるが、重い鎧は呼吸を苦しくし、動きを鈍くする。鎧の活力ペナルティは體(體)修正値のぶん相殺される。
| 鎧 | 防備 | 活力ペナルティ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 武装なし | 10 | — | 基本 |
| 軽甲 (革、鎖子) | 12 | — | 足軽の標準 |
| 中甲 (当世具足) | 14 | -1活力 | 體(體)で相殺可能 |
| 重装甲 (大鎧) | 16 | -2活力 | 體+2以上を推奨 |
| 盾 | +1 | — | 片手武器のみ可能 |
防備は表の値がそのまま目標値だ。攻撃命中判定は2d10 + 攻撃修正値 >= 対象防備。
體(體)で相殺する法。 中甲(-1活力)を着て體+1なら、ペナルティが0になる。重装甲(-2活力)を着て體+1なら、実質-1活力が残る。だから重装甲は體+2以上のとき推奨される。盾は防備+1を与えるが、片手武器とのみ併用できる。
甲冑の損傷と修理。 [破壊]タグを持つ攻撃に当たれば、その攻撃の甲冑減少が修理まで残る。戦闘中に整備スロットで鎧の追加分を+1だけ一時回復でき(同じ鎧に1回限り)、戦闘後の1時間の野営補修で+2(金貨1)、鍛冶場の1日修理で完全回復(鎧価格の30%)が可能だ。
出典: co-03-05 §防備、§[破壊] 修理・回復
#一般所持品の早見表
武器と鎧の他に、道の上の物たちだ。細密な経済はGMが扱うので、以下はキャラクターを仕立てるのに必要なぶんだけを絞った参照だ。
| 項目 | 値・備考 |
|---|---|
| 貨幣単位 | 金貨(金貨)。下の武器・鎧の価格が基準。 |
| 武器の価格帯 | 臨時武器 0~1 · 手槍・苦無など投擲類 0.5~1 · 標準近接 2~7 · 弓 3~5 · 鉄砲 8~20。 |
| 鎧の修理費用 | 野営補修 金貨1 · 鍛冶場修理 = 鎧価格の30% · 名品/神器修理 = 50% + 同格の職人。 |
| 投擲武器の消耗 | 手槍・苦無・石などは投げれば喪失(消耗)。セットで購入(例: 苦無5個セット金貨0.5)。 |
| 再装填の物資 | 鉄砲・弓は別途の所持品管理なしで規則上処理(弓=無費用自動、鉄砲=防御スロット消費)。 |
| 鎧の応急部品 | 野営補修用の道具・予備部品(金貨1)で鎧の追加分+2を回復。 |
精密な物価・商取引・領地経済は、このハンドブックの範囲外だ。キャンペーン進行に必要ならGM資料を参照せよ。
出典: co-07-01 (価格) · co-03-05 §修理・回復 (修理費用) · co-07-15 (臨時武器の価格)
#名品と神器 — 名を持つ刀
標準武器の上には、名を持つ武器たちがある。名品(名品)は固有の物語を持つ武器で、標準の四技法に加えてその武器だけの名品技法を一つ持つ — 村正の一刀が胸甲を真っ二つにする類の、ただその刀にのみ宿った技だ。その上の神器(神器)は神格が宿った兵装で、鎧の等級位階の最上位に立ち、名品の甲冑すら[破壊]で断ち割れる。こうした武器は市場で買えない — シナリオの報酬か、血筋を伝って降りてきた遺産か、妖魔の巣の深い所に眠る遺物だ。このハンドブックは、それらが存在するという事実だけを伝える。個別のデータは基本ルールブックでGMが扱う — 君のキャンペーンがそうした武器に触れる日、GMがシートを手渡すだろう。
出典: co-07-01 §武器の等級 (名品 = 5技法) · co-03-05 §[破壊] 等級位階 (神器の甲冑)
#要約
- 武器の等級: 普及品3技法 · 業物4技法(+免許) · 名品5技法(+名品技法)。
- 判定は常に
2d10 + 修正値 >= 防備。防備の迂回は[貫通](甲冑無視)・[直撃](回避・呪術無視)・[霊体](霊魂)のタグで表記。 - 鉄砲: 個人射撃
2d10+弓術 >= 防備(能力値未加算) +[貫通 全体]。重装甲も撃ち抜くが、再装填が防御スロットを食う。 - 甲冑: 武装なし10 · 軽甲12 · 中甲14(-1活力) · 重装甲16(-2活力) · 盾+1。活力ペナルティは體で相殺。
- 臨時武器: 技法2つ、免許なし、常時命中-1。
- 名品・神器は存在のみ紹介 — データはGM(基本ルールブック)が与える。


