日本語版 v1.3.3

#混世霊妖譚とはどんなゲームか?

目次

刃と妖魔の戦国時代。二つの10面体に込められた、一呼吸のTRPG。


#一呼吸の世界

橋は狭かった。両側に二人ずつ、ようやく並んで立てるだけの幅。政宗はその中央に立ち、刀を抜いた。霧の向こうから五つの影が近づいてくる。赤い肌。ねじれた角。山から下りてきた小鬼。

背後では若い槍兵が五人、槍を構えた。妖魔を見るのは初めての者たちだった。橋の下の川辺では、ハヤメが岩陰に息を潜め、対岸へ回り込んでいた。

先頭の小鬼が棍棒を振り上げた。政宗は一歩も動かなかった。動けば、橋が破られる。いま、この一呼吸の中で — 受け止めるのか、斬るのか、受け流すのか。

その一呼吸がすべてだった。


#これはどんなゲームか

混世霊妖譚は、戦国時代の狭い橋の上で吐き出される一呼吸のTRPGである。

  • 時代: 織田信長と徳川家康が生きていた15~16世紀の日本。ただし、この世界では霊界の門が開いている。鬼が山から下り、天狗が塔の上から見張り、戦死者の怨念が怨霊となって戦場をさまよう。
  • 規模: 巨大な合戦ではなく、少数精鋭部隊の交戦。主人公2~4人 + いくつかの分隊 vs 妖魔の群れ、または敵の別働隊。
  • 道具: 10面体二つ。ポケットにd10が二つあれば、このゲームのすべての判定を振ることができる。ダメージダイスはない。
  • 問い: 「この呼吸で何をするのか」。移動と攻撃の反復ではなく、十の枝へ伸びる可能性から一つを選び取る、選択の連続。

#他のTRPGと何が違うのか

世界で最も有名なあのRPGが「剣と魔法」なら、混世霊妖譚は「刃と妖魔」である。

有名ファンタジーTRPG混世霊妖譚
ダイス複数種類の多面体d10 x 2 のみ
ダメージ別途ダメージロールダメージロールなし (当たったかどうかがすべて)
戦場グリッド / 5ftマス区域単位 (前列・後列・心府・外郭)
スケール英雄1人が中心英雄 + 分隊 (一人では戦線を守れない)
悪役理解不能な恐怖あまりにもよく知る感情 — 怒り・怨み・貪欲が形を持ったもの
性向善/悪、秩序/混沌三道六心 (忠・覇・慈・虚・真・魔 — 六つの心)

妖魔を「斬る」ことは一時しのぎでしかない。感情が残れば、妖魔はまた戻ってくる。本当の解決は、怨みをほどくこと、封印すること、浄化すること。だから武士と僧侶と陰陽師が共に戦う。


#このゲームが約束するもの

#一呼吸の中の選択

自分のカウントで連続して使える活力は、基本的に五つ。その五つの中に、移動、攻撃、防御、指揮、運命のねじれがすべて入る。刀を持つ武士にとって、横薙ぎ、突き、受け太刀はまったく別の瞬間に光る。敵が重い鎧を着ているなら突く。敵が駆け込んでくるなら受ける。この選択の連続が戦闘を作る。

#分隊と共に戦う英雄

侍は前列を守る。その前で足軽槍兵が壁を作り、背後から弓兵分隊が矢の雨を降らせる。英雄は強い。だが、兵なしに戦場を守ることはできない。分隊が崩れれば、戦線は破られる。

#運命をねじる一手

2d10の二つの目が同じ数字を示した瞬間 — 平凡な一撃は会心となり、些細な失敗は破滅へ変わる。運の能力値を持つ者は、ダイス一つを±1ねじることができる。使うべき時に使わなければ惜しく、早く使いすぎれば本当に必要な時には残っていない。 この緊張こそが、運の本質である。

#読む味のあるルールブック

このルールブックは辞書ではない。すべての規則は、香と法 という二つの層で構成される。

  • は、その規則が世界の中で何であるかを語る。
  • は、その規則が判定の場でどう動くかを語る。

剣術の免許を受けた者がどのような構えで刀を握るのか、名人の域に達した弓手の目に戦場がどう映るのか — 数値だけを読んでも、その姿が浮かぶように書かれている。


#あなたが担える役割

戦国時代の身分社会で、あなたは何にでもなれる。基本6職業、拡張12職業、魔人12職業、そして時代の外から来た3種の異邦人 — 合計33職。

  • 武士系: 侍、浪人、忍び
  • 霊的系: 陰陽師、密教僧、浄土僧、修験者、風水師
  • 後方系: 学者、商人、工人、芸人
  • 外部系: 外人(南蛮銃士)、野人、半妖、現人神、自律機人、傀儡師
  • 魔人系: 修羅道、血花、祟り神、食人鬼ほか8種
  • アウトサイダー: 現代人、英霊、天人

大名の命を受けた武将。主君を失った浪人。山寺の退魔僧。異国から渡ってきた銃士。戦場を駆ける忍び。— 何者であれ、橋の上の一呼吸を担う。


#選択の名

キャラクターは戦うだけではない。選択をする。

領主の命に従うのか、自分の信念に従うのか。

妖魔を斬るのか、理解するのか。

仲間を守るのか、任務を果たすのか。

その選択が積み重なり、三道六心を動かす — 忠、覇、慈、虚(虛)、真(眞)、魔。六つの心。心が変われば、物語も変わる。


#始めるには


橋は狭い。霧はまもなく晴れる。 刀を抜く時が来た。