日本語版 v1.3.3

#遭遇設計 (Encounter Design)

目次

A GM encounter seed as objects only: claw mark, blank charm, and tiny footprint around an empty center.

意味のある戦闘を作るためのGMガイド。


#難易度基準

難易度敵構成 (4人パーティ基準)想定間合
易しい将1 + 卒分隊1 + 雑4~62~3
普通将1 + 卒分隊2 + 雑6~83~5
難しい将2 + 練分隊1 + 卒分隊25~7
致命的主級1 + 将2 + 分隊多数7+

#戦闘を面白くする要素

  1. 心府に目標を配置: 単純な殲滅ではなく、「心府の祭壇破壊」のような目標。
  2. 区域変形: 狭い橋(収容上限)、燃える建物(ターンごとに1戦力)、崩れる床。
  3. 小康段階イベント: 血の匂いに引かれた妖魔乱入 (d100遭遇表)。
  4. 時間制限: N間合以内に目標を達成できなければ増援到着。
  5. 道徳的ジレンマ: 心府に味方分隊がいるのに広域攻撃を使うか?

#道徳的ジレンマ設計ガイド

道徳的ジレンマとは、「戦術的最適解が三道六心の葛藤を誘発する状況」である。下の3段階で設計する:

  1. 戦術的利点提示: 広域攻撃・分隊犠牲・暗殺のような「強い手」が明確に有利な状況を作る。
  2. 道徳費用付与: その手を使う場合、味方の命・信義・名声・信仰資源のうち一つ以上が損なわれることを叙事で示す。
  3. 代替経路開放: 道徳を守るにはより難しい戦術(例: 活力追加消費、迂回移動、交渉)が必要だが、可能にはしておく。

例3種:

  • 広域 vs 分隊犠牲: 火龍砲撃が妖魔本拠を焼くが、捕虜の味方分隊も巻き込む → 忠(救助) vs 覇(勝利)。
  • 妖魔との取引: 封印の代わりに情報提供を約束すれば、強力な妖狐が味方になる → 眞(道) vs 慈(救)。
  • 主君の密命違反: 命令は「村の焼却」だが村人は無辜である → 忠(主命) vs 慈(救)。

ジレンマの結果は三道六心移動判定へ直結する。co-02-02 §心の移動参照。


#合戦シナリオ — 戦勢の核心5類型 (合戰の核心)

大規模合戦(数千~数万名)でPC部隊が担う任務は「戦勢の核心」である。5類型のうち1~2個を選び、PCに割り当てる。5万名を追跡するな — その5万名の運命をPC部隊の任務に結びつけろ。

関連項目: 部隊運用 §合戦 · 突破 §強行突撃

#1. 敵要衝掌握

戦勢の始まりと終わりを作る地点。この一点を取れば、戦勢全体が傾く。

項目内容
橋、通路、高所、霊脈位置、霊的亀裂、敵本陣入口
PC任務「この橋を3間合守れ」 / 「高所を占領せよ」
勝利条件区域掌握 (制圧力優勢N間合)
実演一つの区域の制圧力争いが戦勢全体を決定する

#2. 指揮官捕縛または討伐

軍は頭を斬られれば崩れる。一人の死が万名の逃走になる。

項目内容
敵大名本人、前線司令官、封印師、儀式執行者
PC任務「敵副将の幕舎へ潜入せよ」 / 「大名を捕らえろ」
勝利条件特定の将/主の戦闘不能または捕縛
実演一刀が万名の士気を決定する

#3. 別働隊による本部奇襲

正面ではなく側面、前列ではなく後列。一握りの別働隊が全軍の背を打つ。

項目内容
風魔衆潜入、外郭迂回後の本陣放火、軍旗奪取
PC任務「本陣の軍旗を倒せ」 / 「補給幕舎に火を放て」
勝利条件後方核心施設破壊 (軍旗、補給、儀式祭壇)
実演風魔衆・忍び・外人など機動性職業の本領

#4. 先鋒突破

敵前列を正面から突き抜け、後列まで到達する。強行突撃がシナリオ単位で適用される形。

項目内容
騎馬隊突撃、示現流初撃、決死隊突進
PC任務「敵陣を二つに裂け」 / 「後列の補給隊を撃破せよ」
勝利条件後列分隊N個を討伐、または後列占領
実演侍・騎馬隊の本領。強行突撃ルール適用

#5. 要衝防御

援軍が到着するまで一点を守る。時間そのものが敵である。

項目内容
村入口、山城門、橋入口、援軍到着地点、儀式進行保護
PC任務「5間合の間、N区域を守れ」 / 「儀式が終わるまで防げ」
勝利条件時間経過 (援軍到着) または儀式完了
実演侍の不動の陣、工人のバリケード、浄土僧の結界

#GM自由追加

この5類型は出発点にすぎない。GMは自分のシナリオに合う新しいカテゴリを作ってよい。例:

  • 戦線分断: 敵部隊を二つに分けて各個撃破
  • 士気崩壊: 敵軍楽隊/旗手隊討伐により全軍結束崩壊
  • 信仰儀式阻止: 邪教/妖魔儀式の進行を止めて戦勢変更
  • 捕虜救出: 敵陣深くに囚われた仲間を回収
  • 封印解除: 巨大妖魔を強化する封印を順に解除 (逆説的シナリオ)

#GM運用助言

合戦を運用する時、上の5~7類型のうち1~2個を選んでPC部隊に割り当てる。PCがその任務を完遂すれば、戦勢全体に影響がある (叙事的効果: 敵軍後退、味方進撃、増援到着など)。5万名を追跡するな。その5万名の運命をPC部隊の任務に結びつけろ。

任務複合: 一つのシナリオに2個以上の任務を同時付与できる。例: 「本陣軍旗を倒す間、橋も守れ」 — パーティが二つに分割されなければならない。これは学者・陰陽師・外人のような支援型職業が輝く瞬間。