日本語版 v1.3.3 · fc-foreign-rules

#外部神 — 進出の物語と規定

目次

Foreign gods entering the Japanese horizon, distant ship mast, unfamiliar ritual object, and shrine shoreline, no symbols, no written flags.

Canon — fc01 外部神の適用。 本文書は、日本の外部に由来する神々を日本の舞台のキャンペーンに導入する際の規則を定義する。個々の神々のデータは fc01-03-01-foreign-entries.md にある。


#香 — 客は短く留まる

ゼウスが日本に来れば、彼はゼウスではない。

東京湾に雷を落とそうとしても、この空の主は別の名を持っている。タケミカヅチが鹿島でまどろみ、スサノオが出雲で妹を見つめている。ゼウスの雷はこの空が自分のものだと知らぬ者の雷 — 落ちはするが、かつてほどではない。

これが外部神が日本にいるときの姿である。同じドメインでありながら半分しか働かない。神社がなく、奉献がなく、その名を知る者が稀だからだ。

「去ってきた者は、去ってきた分だけ小さくなる。」 — 外部神運用の原則


#法 — なぜ「一部だけ」導入するのか

混世霊妖譚本編の世界観は日本の戦国時代+霊界の震動である。外部神はその世界観の主軸ではない。しかし次の理由で限定的な導入を認める:

  1. キリシタン教会とともに入ってきた天主教の聖人 — すでに fc01-02-06-minor-divinities.md で一部を扱った。
  2. 南蛮貿易で入ってきた異文化の伝承 — ポルトガル・スペインの船員たちの物語の中の「異界の存在」。
  3. 大陸(明・朝鮮)から渡ってきた道教・儒教の神格・武人の伝説 — 一部はすでに半島渡来神として吸収済み(fc01-02-06-minor-divinities.md)。
  4. キャンペーンのトーン拡張 — GMがクロスオーバー・多文化・代替歴史のトーンで進めるとき。

ex2 にはすでに外国の流派・外国の神器が豊富である。本補足の外部神はその神格の軸を埋める役割 — ex2 にないギリシア・北欧・インド・ラヴクラフト系統ののみを収める。


#香 — 進出の四つの経路

「神々は自らの足で来はしない。人が招き入れるか、門が開くか、誤解があるか — そうしてはじめて神は渡る。」

#経路 1 — 南蛮人の船とともに

ポルトガル・スペインの商人・宣教師の船に乗せられて入ってくる。主にキリスト教の聖人がこの経路。外部神の中では稀。

#経路 2 — 霊界の震動の余波で開いた門

本編の設定上、霊界の門が開いたのち、他の文化圏の霊界・神界もときに漏れ出てくる。とりわけラヴクラフト系統がこの経路。稀であり、概ね災厄級の遭遇。

#経路 3 — 留学・貿易・移住者が奉じてきた加護

明・朝鮮の商人、シベリア・モンゴル・インド行きの商人。北欧・インドの神格はごく少数の北方・南方の貿易路で一時的に出現。当事者が個人的な祈り・加護として奉じているときのみ活性。

#経路 4 — GMの物語上の自作

クロスオーバー・代替歴史・ファンタジー拡張のトーンでGMが独自に導入。進出の物語を最低でも一段落、記録しなければならない。


#法 — 外部神の神性等級(減衰原則・Canon)

外部神は日本国内で神性等級が1段階低く働く。

理由:日本国内に神社・奉献がないか、極めて少ないため。本来は皇神級の存在も日本では大神・中神のように働く。

例:

  • ゼウス(本来は皇神 5級)→ 日本国内では大神 4
  • オーディン(本来は大神 4級)→ 日本国内では中神 3
  • クトゥルフ(本来は別体系)→ 日本国内では大神 4 固定(特殊条項参照)。

#減衰の例外

  • 当該の外部神を祀る神社・教会・寺院が日本国内に建立されていれば、減衰なしで本来の等級を適用。
  • 大名級の後援者がいる場合、GM裁量で1段階の補正が可能。

#法 — 既存の日本神とのドメイン衝突

外部神のドメインが日本神のドメインと重なる場合、fc01-01-02-domains.md の衝突規則に従う。ここに追加:

  1. 同じ領域・異なる神性 — 例:ゼウスの「雷」 vs タケミカヅチの「雷」。
  • 日本国内では日本神が優先。 外部神が本来より高い神性であっても、減衰により逆転するか同格となる。
  1. 異なる領域 — ゼウスの「空」とアマテラスの「太陽」は領域が異なるため衝突なし。互いのドメインを認め合う。

#香 — クトゥルフは特別である

「他の外部神は客だ。クトゥルフは客ではない — ただ眠っているだけだ。」

ギリシア・北欧・インドの神々は人間の姿である。客として扱えばよい。だがクトゥルフは異なる。彼は「神」の範疇で呼ぶことすら難しい異星的な存在だ。彼のドメインは狭いが、そのドメインの内に入った人間は正気が残らない。

fc01はクトゥルフを「神」として分類しつつ、他の外部神とは異なる規則を適用する。

#法 — クトゥルフ特殊条項

  1. 戦闘不可 — クトゥルフはPCが戦闘で制圧することはできない。登場すれば遭遇・回避・狂気の耐性のみを判定。
  2. ドメイン外介入禁止の強化 — クトゥルフのドメインは極めて狭い(深海・狂気・眠れる夢)。その外では働かない
  3. 再臨なし — クトゥルフは「目覚めていない」。一度眠れば年単位で動かない。
  4. 神性記内で唯一の例外 — 他の外部神は通常規則、クトゥルフ系統のみこの特殊条項。

#法 — 外部神の使用 推奨/非推奨

#推奨シナリオ

  • キリシタン関連シナリオ → 聖人系統(fc01-02-06-minor-divinities.md 参照)。
  • 南蛮貿易シナリオ → ギリシア・北欧の神格が船員の伝承として。
  • 海洋探検シナリオ → クトゥルフ系統の深海での遭遇。
  • 代替歴史・時代超越シナリオ → 自由に導入(ex2 の「時代超越の東方武侠」のトーンと互換)。

#非推奨シナリオ

  • 純粋な戦国時代の政治シナリオ → 外部神は不要。
  • 本編の主要アークの進行中 → 外部神の挿入は緊張を損なう。
  • PCが外部神を「PCの守護神」とする場合 → 本編の現人神・祟り神の構造をより推奨。

#香 — 一文で

「外部神は日本では客である。客は短く留まり、静かに過ぎていく。」