#武器と主の関係
目次
Campaign Module ― 所有者結束. 本文書は名品武器を 装備 ではなく 主と関係を結ぶ物 として扱う手順を提示する。本編
co-07-02 § 名品ルール要約の入手原則(シナリオ報酬・遺産・戦利品)の上に ― 報酬後にPCと武器が関係を作る段階を追加する。
神器の関係は別個. 神器とPCの関係は
co-07-03 § 献身技法の献身構造 ― 三道六心一致 ― が優先する。本文書は名品の関係のみ扱う。
#導入断片 ― 抜けない刀
新しい主は柄を握りしめた。刀は少しも動かなかった。鞘が錆びているわけでもなく、結が結ばれているわけでもなかった。ただ動かなかった。
「力が足りないのか。」彼が歯を食いしばった。
傍らの老婆が首を振った。「力が足りないのではありません。まだあなたの名を知らないのです。」
「刀が名を知るのですか。」
「刀は手を知ります。手が何を守り、何を捨て、何を虚言したかを知ります。」老婆は鞘の上に手を置いた。「まず言いなさい。この刀で何をしないのかを。」
新しい主はしばらく沈黙した。ついに彼は言った。「この刀で降伏した者を斬りません。」
そのとき刀がほんの少し動いた。完全には抜けなかった。だが関係は始まった。武器と主の縁は所有宣言ではなく、守るという制限から開かれることが多い。
#§ 香 ― 刀が主を試す
刀が主を試す。一般的ではない ― 普通の刀は持てば持たれる刀であり、振れば振られる刀である。しかし名品は違う。名品は持たれるその手を見る。その手が自分の名に耐えるか、自分の逸話を次の行に継いでいけるか、それを見た後にこそ ― 刀が自分の真価を開く。
この試しは一度では終わらない。初めて持ったとき、次のシナリオで、その次のシナリオで ― 刀は毎回主を見直す。主が自分の名の重みに耐えられなければ刀はゆっくり応答を減らす。耐えれば刀はゆっくり自分の深い所を開く。
名品を持ったPCと名品の間のそのゆっくりした関係が ― 本巻の核心である。
#§ 法 ― 関係段階
#五段階
本巻は名品とPCの関係を五段階に置く。各段階はシナリオ単位で進行。一つのシナリオに一段階以上は進行しない。
| 段階 | 名称 | 進行条件 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 0 | 所持 | 武器を手に入れる | 基本データ(攻A・B・防・免許)。名品技法未発動。 |
| 1 | 認定 | 最初のシナリオで武器にふさわしい逸話1個のRP | 名品技法発動。活力正常。 |
| 2 | 呼吸一致 | 一つのシナリオの中で名品技法の会心1回または名品と関連したシナリオ報酬達成 | 祝福(素養)発動。 |
| 3 | 名の重み | 武器の逸話に直接関連した事件をPCが解決 | 呪い1段階緩和または名品技法の活力 -1(素養)。 |
| 4 | 継承の資格 | 武器を他のPC/NPCに渡すか奉納 ― または生涯持って死ぬ | 武器がPCの名を自分の逸話に刻む。次の主にその名が伝承。 |
段階は強化の梯子ではない. 段階2〜3の効果は元データの祝福・呪いを活性化する手順である。新しいボーナスは追加されない ― 本編名品データにすでにある効果の発動時点を本巻が段階化したにすぎない。
#段階と本編データの整合
co-07-02 の名品たちはすでに祝福・呪いがすべて記されている。本巻段階はその祝福・呪いを いつ 発動させるかを定める。
- 段階1未満 = 祝福・呪いいずれも発動しない。武器は一般業物水準。
- 段階1 = 名品技法発動。祝福・呪いはまだ。
- 段階2 = 祝福発動。
- 段階3 = 呪い緩和または活力 -1(どちらか一つのみ)。
- 段階4 = 武器の逸話にPCの名が追加。次の主に伝承される名声。
GM決定: キャンペーンのトーンによって段階システムをオンにしたりオフにしたりできる。即時効果 ルール ― 持てばすべての効果が即時発動 ― も本編整合。本巻段階は 長期キャンペーン で名品とPCの関係をゆっくり解きたいときに使用。
#§ 法 ― 関係類型七つ
名品と主の間の関係は七類型のうち一つに分類される。一つの名品が二つ以上の類型を同時に持ちうる。
#1. 血統継承 (血統繼承)
条件: 特定家門の直系・後裔またはその家門の認定。
例: 髭切・膝丸・薄緑 (源氏)。小烏丸 (平家)。大典太光世 (前田)。源氏の鎧。
シナリオ: 家門の宝を回収するか、家門の認定を受けることがシナリオ目標。認定手順は儀式・決闘・戦闘同行など多様。
#2. 武功認定 (武功認定)
条件: 特定の段数・技能点数・免許・勝戦記録。
例: 圧切長谷部 (本職段数5以上または大名認定)。示現流師範剣 (示現流免許)。宝蔵院宝槍 (宝蔵院流免許)。
「威名」表記の注意: 本ルールブックの 威名 は10段達人キャップストーンの単一称号である。本巻で「名ある者」の意味で威名を能力値修正値のように使わない。PCの名声段階は 本職段数・技能名人・流派秘伝 のような既存ルールで表記。
シナリオ: PCが資格を作っていくキャンペーン。名品入手自体がキャンペーン目標。
#3. 怨恨承継 (怨恨承繼)
条件: 特定の敵・家門に対する怨み、またはその敵の残滓の近く。
例: 童子切安綱 (酒吞童子)。膝丸/蜘蛛切 (土蜘蛛)。須佐之男の剣 (オロチ ― 神器)。
シナリオ: 敵の残滓が復活する事件。PCがその敵と一度直面してこそ武器が応答。
#4. 信仰契約 (信仰契約)
条件: 特定宗教一致(神道/仏教/陰陽道/カムイなど)。本格的な献身は神器領域。
例: 数珠丸恒次 (仏教)。毘天 (毘沙門信仰)。イオマンテ (カムイ)。
シナリオ: 信仰の試し。PCが他の信仰へ移動すると武器が応答しなくなる。
#5. 敗れた主の遺言 (前主の遺言)
条件: 名品の以前の主が敗北・死亡しながらPCに刀を委託。
例: シナリオで作られる事例。本編データの笹の雪 (医師家門) と同じパターン。
シナリオ: 以前の主の最後の頼み。PCがその頼みを履行しなければ武器が拒否。
#6. 刀工の遺言 (刀工の遺言)
条件: 刀工が死にながら刀・道具をPCに残す。
例: 刀工の最後の槌 (§03-02)。
シナリオ: 刀工PCの正体性道具。他のPCも入手可能だが真価は刀工のみ。
#7. 武器が主を拒否する (拒絕)
条件: 武器がPCの心・三道六心・過去を拒否。
例: 薄緑 (自分の戦力2以下時にd100で拒否)。村正 (徳川家)。義経の刀が自分の柄から出ない逸話。
シナリオ: PCが拒否の理由を突き止めねばならない。謝罪・再研磨・真名回復 (次の § 04-02)。
#§ 法 ― 関係類型のデータ表現
各類型は本巻の名品データに次のスロットで表現される。
#所有条件 (Required Conditions)
名品データの 所有条件 行。満たさなければ名品技法使用不可(元データの名品技法はそのままだがPCの手で発動しない)。
名品の所有条件は PCを封鎖する障壁ではなくシナリオ目標 にならなければならない。一つのシナリオの中で充足可能な条件を置く ― 生涯充足できない条件は使用しない。
#祝福・呪い (Blessing / Curse)
素養スロット。武器を持つだけで常時適用。本編 co-07-02 の一部の名品(村正・天狗の羽団扇など)にすでにある。本巻新規名品もこのスロットに効果を置ける。
#段階効果 (Stage Effects)
本巻段階システム使用時。段階2 ― 祝福発動、段階3 ― 呪い緩和または活力 -1。
#§ 法 ― 所有条件カタログ
名品作成時によく使われる所有条件の事例。
#職業・免許条件
| 条件 | 強度 | 報酬制限 |
|---|---|---|
| 剣術免許 (4点) | 弱 | ほとんどない |
| 剣術名人 (4点) | 中 | 剣士PC限定。名品技法発動資格。 |
| 特定流派免許 (例: 示現流) | 強 | その流派PCのみ真価 |
| 特定流派秘伝 (例: 宝蔵院流秘伝) | 非常に強 | 名品の活力 -1など強力ボーナス同伴 |
| 忍術名人 + 潜入状態 | 非常に強 | 忍びPC限定 |
| 真言宗本山認定 | 非常に強 | 真言宗キャンペーン頂点 |
#家門・身分条件
| 条件 | 強度 | 報酬制限 |
|---|---|---|
| 直系後裔 | 強 | その家門PC限定 |
| 家門認定(血統無関) | 中 | 家門親和RP |
| 家臣・下人資格 | 弱 | その家門陣営PC |
| 直系死亡後の譲位 | 強(シナリオ依存) | 譲位シナリオ報酬 |
#RP・三道六心条件
| 条件 | 強度 | 報酬制限 |
|---|---|---|
| 特定三道六心 (例: 慈) | 中 | 神器献身スロットと別個。名品RP試し。 |
| 特定決断 (例: 最初の一撃に入る者) | 弱 | RP満足時に発動 |
| 非暴力誓約 | 強 | 攻撃技法使用不可のような大きな制約同伴 |
#環境・小物条件
| 条件 | 強度 | 報酬制限 |
|---|---|---|
| 夜間/暗闇 (無月) | 中 | 環境制限 |
| 水中 (蛟の鱗) | 中 | 環境限定 |
| 神社・結界の中 (奉納薙刀) | 中 | 限定された席でのみ真価 |
| 酒杯に酒が注がれた状態 (酒呑斬り) | 弱 | 消耗品1 |
#§ 法 ― 関係が深まるとき開かれる段階
#真名 (眞名) の開放
名品の一部は 封印された名 を持っている。段階3または4に到達したときその名が現れる。真名を知った者だけが武器の最後の効果(戦闘1回またはセッション1回の最強技法)を発動。
本巻で真名を持つ名品の候補:
- 薄緑(元は膝丸) ― 段階4に到達すれば膝丸へ回帰できるか。
- 圧切(元は長谷部の別名) ― 真名を知れば活力 -1。
- 奉納薙刀 ― 真名は神社儀式でのみ聞ける。
この真名効果は本編データに記されていない 選択効果 である。GMがキャンペーンに追加するときのみ作動。
#逸話の継ぎ書き
段階4に到達したPCの名が武器の逸話に追加される。シナリオ報酬として ― 武器データにPC名が明記。その後その武器を持った次のPCはPCの逸話を知ることになる。
これはゲーム効果はないがキャンペーンの情緒的効果 ― 一つの名品の逸話に自分の名が刻まれることがPCの最も大きな報酬。
#§ 法 ― 関係ルールの注意
#キャラクター成長ルールを迂回しないこと
名品の段階効果は 名品データの中でのみ 作動。段階効果でPCの技能点数・段数・マヌーバを無料で上げられない。PC成長は co-04-02-progression.md の正常手順に従う。
#職業・流派ロックは強い分だけ報酬制限
特定の職業・流派のみが持てる名品は強い。強い分だけ報酬は制限 ― 同じキャンペーンで他の職業のPCが似た強度の報酬を受ける席を作る。一人のPCだけが強力にならないように。
#神器の関係は献身優先
名品関係ルールを神器に適用しない。神器は co-07-03 § 献身技法 の献身 ― 三道六心一致 ― が優先。神器に本巻の段階システムを追加で載せない。
#拒否のRP
武器が主を拒否するとき、それを単純なペナルティではなくシナリオの始まりとして置く。拒否の理由 → 謝罪・真名回復 → 再び応答。拒否 → ペナルティ → 終わり、の流れを避ける。
#参考リンク
武器が主を選ぶ瞬間、戦闘より長い縁が始まる。