日本語版 v1.3.3 · fc-doc

#呪い・祝福・献身

目次

Curse and devotion on a weapon, hand paused over a sheathed blade wrapped with blank paper strips, black shadow pooling under the scabbard, no symbols.

Reference Only + Data Catalog. 本文書は名品の呪い・祝福と神器の献身データを 安全に設計 するためのガイドである。本編 co-07-02 § 名品co-07-03 § 献身技法 の数値・構造を優先する ― 本巻はその上に作成原則とカタログを加える。

呪いはペナルティではなく選択のメカニック. 本文書の最も重要な原則。呪いがPCの基本行動権を自動的に剥奪するなら、それはルール欠陥であってシナリオではない。


#導入断片 ― 代価の声

剣客は戦闘ごとに勝ち、戦闘ごとに何かを失った。初めは血であり、次は眠りであり、最後は死んだ息子の声だった。

「父上。」鞘の内側から小さな声がした。「今日は誰を斬りましたか。」

剣客は酒杯を下ろした。「お前は死んだ。お前の声はここにあるはずがない。」

刀は何も言わなかった。しかし次の戦闘でその声はまた聞こえた。斬る前には止め、斬った後には泣いた。勝利するほど声は鮮明になった。

仲間が問うた。「その刀、捨てることはできないのか。」

剣客は柄を見た。「捨てればこの声も消えるのか。それとも私が最後に息子を忘れるのか。」

呪いは破滅だけではない。ある呪いは主が返さなかった約束を聞かせ続ける。だから祝福より長く付き、献身より深く斬る。

#§ 香 ― 刀が何を受け取っていくか

A hand paused over a sheathed blade wrapped in blank paper strips, deep shadow pooling under the scabbard — the moment before a cursed bargain; no symbols

刀はただで振るわれない。一つの名刀が一人を斬れば ― 刀がその斬られた者の何かを持っていく。魂であったり、名であったり、時であったり、怒りであったり。刀がそれを持っていくとき、刀を振るった者も共に何かを失う。その失うものが ― 呪いである。

呪いは処罰ではない。取引 である。刀が持っていった分だけ刀が自分の力を貸し、貸す分だけその手は何かを刀に与える。取引が均衡を取れば刀は安定する。均衡が崩れれば ― 刀がより多くのものを持っていき始める。手が持つすべてを持っていくまで。

本巻の呪い設計はその取引の比率についてのものである。


#§ 法 ― 呪いの七類型

#1. 血を呼ぶ (血の召し)

刀が人の血を欲する。振るうたびに使用者も自分の血を少し失う。

: 死神の鎌 (毎戦闘後に -1戦力)。酒呑の盃 (戦闘不能時に小鬼化)。

作成: 毎戦闘終了時に自分の戦力 -X または 自分の戦力がN以下ならd100を振る。作成者がこの呪いを使うとき ― PCが回復する席 をシナリオの中に置く(小康・神社・治癒NPCなど)。

#2. 主を棄てる (主の棄て)

刀が主を拒否。武器が柄から出ないか、名品技法が発動しない。

: 薄緑 (戦力2以下時にd100で拒否)。刀掛の上に載せた間は名品技法使用不可。

作成: (条件)時に名品技法の費用がN活力増加 または (条件)時にd100を振る。拒否自体がシナリオの始まりになるように ― 拒否後の回復手順を明記。

#3. 殺害衝動 (殺意の操り)

刀が使用者の行動一度を決定。最も近い敵を強制攻撃、または非戦闘中に殺意表出。

: 金棒 (使用後d100で01〜15時に次の間合で強制攻撃)。不動の剣 (戦力2以下時に自動会心・強制対象)。

作成: 一呼吸の行動1個をGMが決定。PCの次の行動はPCが決定。殺害衝動がキャンペーン全体を支配しないよう一呼吸単位で制限。

#4. 特定の敵にのみ反応 (敵限定發動)

刀が自分の敵手にのみ真価を発揮。他の相手には平凡である。

: 童子切安綱 (妖魔対象にのみフル効果)。雷切 (雷攻撃をした敵に +効果)。

作成: 名品技法の効果の一部を条件付きにする。他の相手には弱化 ではなく ― この相手には強化。同じ効果を二つの表現法で違って見せる。

#5. 家門の怨み (家の怨)

特定家門の者には凶、その家門の敵には吉。最も政治的な呪い。

: 村正 (徳川家)。§02-04 GMボックス のd100システム。

作成: 家門の怨みはキャンペーンの政治メカニックとして作動。シナリオの中で一つの家門が登場するときのみ活性化。

#6. 封印された名 (封印名)

刀の真名が封印されている。使用者が真名を知らなければ強い効果が発動しない。

: §04-01 § 真名 (眞名) の開放。薄緑(元は膝丸) ― 回帰の真名。

作成: 本編データにない追加効果を作るとき、真名 で施錠しておけば安全。PCがシナリオを通じて真名を得れば効果開放。

#7. 勝利の後の代価 (勝利の代價)

名品技法で大きな勝利を収めた直後に代価を払う。

: 金棒使用後にd100で怒り暴走。名品技法使用時に自分の戦力 -1。

作成: 一つの名品技法使用後の即時代価。次の呼吸まで代価が持続する程度が適当。一つのシナリオ全体を台無しにする代価は避ける。


#§ 法 ― 祝福の五類型

#1. 特定の場面でのみ開放 (場面條件 開放)

特定の環境・場面でのみ活性化する祝福。それ以外の場面では平凡な武器。

: 無月 (夜間/暗闇限定)。奉納薙刀 (神社・結界限定)。備前の雨弓 (決闘・儀式限定)。

#2. 主の弱点を代わりに背負う (代受弱)

PCの弱点・不足を刀が代わりに埋める。片目を失ったPCの国友義眼のような事例。

: 国友義眼 (片目を失った者)。笹の雪 (医師PC)。刀工の最後の槌 (刀工PC)。

作成: PCの正体性・弱点を強化点に転換。一般PCが持てば平凡。正体性一致時に活力 -1のようなボーナス。

#3. 亡霊との会話 (亡靈會話)

名品の以前の主の霊(靈)とPCが会話可能。情報・助言を獲得。

: 虎徹 (未来の斬られた魂の幻影)。霊界鬼物一般。

作成: 非戦闘シナリオ報酬。シナリオ1回。PCが知り得ない情報をGMが亡霊の言葉で伝える。

#4. 刀工の最後の教え (刀工の教)

刀工が死にながら刀に刻んだ教え。一度きりの奇跡のような効果。

: 刀工の最後の槌 (最後の打ち)。一つの名品の技法スロットに「この刀はこの時代に作られなかった」が刻まれている霊界鬼物。

作成: シナリオ1回の強力効果。次のシナリオには使用不可(次の刀工の儀式が必要)。

#5. 一度きりの奇跡 (一度の奇跡)

セッション1回またはキャンペーン1回の決定的効果。復活・時間の巻き戻し・運命改変など。

: 勾玉 (戦闘不能復活)。八尺瓊勾玉 (献身技法 ― 戦場全員回復)。土御門の星盤 (献身 ― すべての賽を振り直し)。

作成: キャンペーンのクライマックス報酬。頻繁に使われないよう一度使用後に刀がしばらく休む(次のシナリオの効果弱化)など。


#§ 法 ― 献身の構造 (神器限定)

#献身は名品に使わない

献身技法は神器のスロットである。名品に献身を追加すればその名品は神器に格上げされる。本巻は名品を神器に格上げしない。

献身を名品に使いたい ― それなら:

  1. 神器としてデータ再作成。神器は本編 co-07-03 領域。本巻は神器追加権限なし。
  2. 弱い条件/癖 で代替。名品スロットの中で作動。

#神器献身作成時の注意

本巻は神器を新しく作らないが、シナリオで神器献身の発動を運営するときの注意:

項目注意
三道六心一致co-07-03 § 献身技法 の表に従う。PCの現在の三道六心を確認。
心転三道六心が変われば献身使用不可。心転がシナリオの決定的事件になりうる。
セッション1回献身技法はほぼすべてセッション1回。名品技法(戦闘/間合1回)とは費用範囲が異なる。
活力5〜6献身は高費用。一呼吸の活力上限と衝突しないよう事前計算。

#§ 法 ― 呪い緩和の道

呪われた武器を受けたPCが呪いを緩和・解除しようとするシナリオ。五つの道。

#1. 謝罪 (謝罪)

刀が憎む者に謝罪。村正を持った徳川PCが徳川家の墓に謝罪。

費用効果
シナリオ1回の美判定(目標値 13、難しい)成功時、次のシナリオの間、呪い発動のd100範囲が半分。

#2. 奉納 (奉納)

神社・寺院に奉納。一定期間武器使用不可だがその間に浄化。

費用効果
一シーズン(3シナリオ)武器奉納シーズン後に呪い1段階弱化(永久)。一名品あたり1回可能。

#3. 再研磨 (再硏磨)

刀工に再研磨を依頼。刃の形態が微細に変わりながら呪いの一部が消える。

費用効果
刀工PCまたはNPCの再研磨儀式。金貨50 + 1シーズン呪い緩和。ただし名品技法効果の一側面が弱化することがある(GM決定)。

#4. 真名復元 (眞名復元)

封印された名を突き止め、その名を刀に再び刻む。シナリオを通じて真名を得た後に刀工の儀式。

費用効果
真名獲得シナリオ + 刀工儀式封印された名の効果開放。呪いの一部も解除されることがある。

#5. 刀工後継者の修理 (後繼者の修理)

元の刀工の刀派を継ぐ後継者が刀を修理。失われた刀工ならその刀派のマスター。

費用効果
刀工後継者NPCの依頼。元の刀工の真名・刀派を知らねばならない。呪い1〜2段階弱化。神器には適用不可。

#§ 法 ― データ作成チェックリスト

新しい名品の呪い・祝福を作成するとき、次のチェックリスト。

#呪いチェック

  • [ ] 自動処罰ではない 選択のメカニック か? PCが何を受けて何を与えるか毎呼吸選択できるか?
  • [ ] PCの基本行動権(移動・基本攻撃・小康回復)を持続的に剥奪しないか?
  • [ ] 呪いを回復する道がシナリオにあるか? (上の五つの道のうち一つ以上)
  • [ ] 活力戦力を混同していないか? 行動力費用は活力、被害は戦力。
  • [ ] 呪いがPCの職業シグネチャ(剣士の剣術、忍びの潜入)を封鎖しないか?

#祝福チェック

  • [ ] 常時適用ボーナスが本編名品の平均を超えないか? (大部分 +1〜2)
  • [ ] 祝福がPCの正体性と整合するか? 正体性強化の道具か?
  • [ ] 祝福が神器献身スロットの効果を真似ていないか?
  • [ ] 武器を捨てるか他の武器を持てば自動的に消えるか?

#献身チェック (神器作成時)

  • [ ] 三道六心一致の表が記されているか?
  • [ ] 活力費用が5〜6か? 一呼吸の活力上限の中で使用可能か?
  • [ ] セッション1回の限界か?
  • [ ] 心転時に献身が作動しないという点がPCに明確か?

#§ 法 ― 目標値と判定の整合

呪い・祝福・献身の中で追加判定を作るとき、本編 co-03-03 § 目標値基準表 の目標値基準をそのまま使用する。本巻はその表を再定義しない ― 偶数目標値(12・14・16・18)は使用しない。

本編難易度目標値本巻適合使用
標準11日常の儀式 ― 奉納申請、武器鑑定の基本
難しい13神社奉納、謝罪、刀声鑑定、痕跡追跡
非常に難しい15主合わせ、呪い緩和の初試行
極難17真名刻み、神器献身資格試し、名品製作儀式
不可能19キャンペーン級事件の決定 ― 天下五剣整列奉納

標準11未満(5/7/9) は本巻でほとんど使用しない ― 刀工儀式・呪いメカニックはすべて挑戦的でなければならない。

呪いのd100振りは 追加判定 とみなす。名品技法自体の攻撃判定とは別個。一呼吸の中でd100が二度振られないよう ― 一呼吸一d100。


#参考リンク


呪いは破滅だけではなく、返さなかった約束の別の名である。