#諸国見聞録(諸國見聞錄)— ある外人の日本六十余州紀行
目次

権威。 本巻は読むための書である。本文全体はFiction-Only — ある外人の記録であり、事実と噂と誤解が入り混じり、その隙間はGMのものだ。各章末の§卓にてのみScene Tool、圏域交差表と六十余州一覧はSummary。本巻に法はない — 判定表がなく、数値がなく、判定の骰子は一度も転がらない。付録のd10・d100は場面を選ぶ骰子であり、判定ではない。数値が必要なら正典
coへ行く。
#はじめに
この書はこの国の土を踏んだことのない者のための書である。
混世霊妖譚のセッション卓で一行が道を発つ間、誰かが問う —— ところであの峠を越えれば何が出るのか?堺から都まで道はどちらへ曲がるのか?この地方の人々は何を食べ、いかなる神に拝み、日が暮れれば何を恐れるのか?
本巻はこれらの問いに地図で答えない。答えるのは一人の足取りである。南蛮(南蠻)商館の代理人ドゥアルテ・ピント —— 道の上では「南蛮の筆」と呼ばれた男 —— は、銀を見にこの国へ降り立ったが、国全体を見てしまった。西の西海(九州)の港から北の奥羽の最後の埠頭まで、二度の冬を道の上で過ごしながら、彼は一つの約束を最後まで守った。見たものは「私が見たものだ」と記し、聞いたものは「聞いた話だ」と記すこと。その六束の日記を編者が入手して綴じたのが、この書である。
ゆえにこの書の文章は信ずるに足るが、すべて信じてはならない。話者は外人であり、この国の言葉を通訳を介して聞き、商人ゆえに数を愛したぶん数を膨らませた。その隙間はこの書の瑕ではない —— GMが入り込む扉だ。
読むための書であるから、判定に参照しないこと。規則は本編 co と ex にある。本巻はその規則の後ろに土地をひと重ね広げておくための文。
#メタカード
| 項目 | 値 |
|---|---|
| シリーズ | fc(フォーカスシリーズ)第09巻 |
| 題名 | 諸国見聞録(諸國見聞錄) |
| 副題 | ある外人の日本六十余州紀行 |
| 性格 | ある外人の見聞録 — 土地と道の読み物資料、法なし |
| 分量 | 19文書(メタ3+総論2+見聞10+表・付録3+結びの文1)・読了時間160〜170分 |
| 依存 | co 参照可 / co なしでも独立して読める。fc02・fc08は選択参照 |
| 権威 | Fiction-Only中心(本文)・Scene Tool(各章§卓にて)・Summary(交差表・一覧) |
| 本編バージョン要件 | co >= 1.2(参照用) |
| 現在バージョン | v1.3.1(fc09-VERSION) |
#制作およびAI告知
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制作者 | シェルマン |
| 問い合わせおよびフィードバック | X(旧Twitter)@ds62hg, @trpg_ds62 |
| 生成AIの使用告知 | 本資料の相当部分は、企画・初稿作成・文章整理・校正の過程で生成AI(LLM)の補助を受けて制作された。画像生成の過程にはGPT Image 2モデルを使用した。日本語版・英語版の翻訳にはClaude CodeとCodexを使用した。最終編集と公開責任は制作者にある。AI活用著作物に関する国内外の法律変動がある場合、該当法律に従う。 |
| ライセンス | 別途表記がない限り CC BY-NC-SA 4.0 に従い配布される。 |
#地図集
| 地図 | 位置 | 用途 |
|---|---|---|
| ピントの旅程 | fc09-00-02-traveler.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 日本列島10地域概観 | fc09-01-01-archipelago.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 六十余州と五畿七道 | fc09-99-01-province-list.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 西海見聞図 | fc09-02-01-saikai.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 山陽・山陰見聞図 | fc09-02-02-sanyo-sanin.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 四国見聞図 | fc09-02-03-shikoku.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 紀伊見聞図 | fc09-02-04-kii.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 畿内見聞図 | fc09-02-05-kinai.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 近江見聞図 | fc09-02-06-omi.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 東海見聞図 | fc09-02-07-tokai.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 北陸・信越見聞図 | fc09-02-08-hokuriku-shinetsu.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 関東見聞図 | fc09-02-09-kanto.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
| 奥羽見聞図 | fc09-02-10-ou.md | 本文の空間関係を一目で確認する。 |
#書の構成
#メタ
- 00-00. インデックス — 本文書。
- 00-01. この書について — 見聞録という額縁、戦国風土記との違い、話者の記録を信じる法と疑う法。
- 00-02. 話者 — 南蛮の筆 — 日記を記した男。人物、旅程略図、記録の方式。本巻全体の声がここで定まる。
#総論 — 列島という舞台(2文書)
見聞十章に先立ち、舞台全体を一度遠くから見る。
- 01-01. 日本列島総論 — 山が7割の土地の地形・気候・海・災害、そして霊脈と地形の相関。
- 01-02. 街道と旅 — 五つの畿内と七つの道、関所と川と寝床、そして日の沈んだ後の道。
#見聞 — 上陸から終着まで(10文書)
話者の足の順そのままだ。後ろの章ほど彼の耳が開き、記録の肌理が少し生に近い。
- 02-01. 西海 — 上陸 — 火の山と煮える谷、南蛮貿易港の勘定、南の海から上がる名もなき噂。
- 02-02. 山陽・山陰 — 陽の船路と陰の道、石見銀山の勘定、神々が集うという出雲の伝承。
- 02-03. 四国 — 山が中央を塞いだ島、白い衣の巡礼者たちが環のように巡る道、狸と犬神の伝承。
- 02-04. 紀伊 — 雨の森と熊野参詣道、山上の都市、銃を売る寺と村。
- 02-05. 畿内 — 半ば灰で半ば市である都(京都)、大名なき都市・堺、城のように持ちこたえる寺。
- 02-06. 近江 — 湖という道、天秤棒の行商、国友の槌の音、水底の隣人たち。
- 02-07. 東海 — もっとも賑わう道と濃尾の野、伊勢神宮と富士、そして三つの大きな旗。
- 02-08. 北陸・信越 — 雪が道を消す半年、大名を追い払った領地、地獄を抱く山と秘仏の寺。
- 02-09. 関東 — 箱根の向こうの広い野、死んだ都・鎌倉、合戦の野と首なき神。
- 02-10. 奥羽 — 終着 — 道が終わる土地。マタギと蝦夷の末裔、北進する鬼、死者の山とイタコ。
#表 — 名の両替(1文書)
- 03-01. 圏域交差表 — 本巻の十地方 ↔ 正典の六圏域 ↔ 旧国(舊國)。本巻の区画と名称の標準。
#付録 — 卓の傍らに(2文書)
- 99-01. 六十余州一覧 — 六十六国と二島の一行の印象、見聞章への索引、任意の国 d100 表。
- 99-02. 旅路の事件 — 移動中の事件 d10 表3種と地域の薬味表。本巻で唯一まるごと卓に広げておくために作られた文書。
#結びの文
- 99-00. 結びの文 — 話者の最後の日記と編者の後記。本巻でもっとも短い章。
#読み方(推奨)
- セッション前には一地域ずつ — 次の物語が起こる土地の章を一つだけ読む。話者とともにその土地に入って出れば、準備はそれで足りる。
- セッション中は閉じておくこと — 本文は判定表ではない。卓に上がる資格で書かれたのは各章末の§卓にてと圏域交差表・六十余州一覧だけであり、付録旅路の事件は文書全体がその資格で書かれた。
- キャンペーン舞台を選ぶときは通読すること — この書が通読を勧める唯一のときだ。上陸から終着まで話者とともに歩いてみれば、たいていはどの土地が先に語りかけてくる。
- 里と町が見慣れなければ — 用語・度量衡辞典を傍らに置くこと。本巻の長さと距離はすべてその勘定を使う。
- 読んだ後に覚える必要なし — 印象が残ればそれで十分。詳しいことはいつも話者が改めて記しておいた。
#正典「戦国の地」との関係
本巻は正典戦国の地(co-02-04)の補完である。重複・代替ではない。
co-02-04 戦国の地 | fc09 本巻 | |
|---|---|---|
| すること | 定義 — 圏域と勢力と法を定める | 見聞 — その土地を歩いた一人の記録 |
| 区画 | 六圏域 | 十地方 — 六を細分・深化し、正典が空けておいた四席を補完 |
| 視線 | 舞台を設える眼 — 上から | 道の目の高さ — 一度に一か所 |
| 香・法 | 香+法併記 | 香のみ — 法なし |
| 記録の資格 | 基準 — 誤らない | 話者は誤りうる — その隙間まで風景だ |
| 衝突時 | 常に正典が正しい | 誤っているのは常に本巻 — 正確には、そう見たかそう聞いた話者だ |
十地方と六圏域がどう重なるか、どの章が正典のどの席を埋めるかは圏域交差表が専任する。名と区画が分かれればその表に従い、表が正典と分かれれば正典に従う。
#他巻との接続
正典 co との関係は上の節が記した。同じ書架の隣人たちとはこう繋ぐ。
| 巻 | 接続点 |
|---|---|
fc02 | 本巻の対 — 時間と人の軸。キャンペーンの「いつ」と「誰」は戦国風土記から、「どこ」は本巻から得る。 |
fc08 | 各章§霊異の地が噂だけで記した妖魔の本質・生態・データを具体化するときに参照。 |
fc01 | 出雲・伊勢・熊野 — 話者が門前で止まった神々の座に神性の格を上げるときに参照。 |
ex3 | 同じ道が一時代後の江戸の街道になったとき — 同じ土地の次の顔を比較するときに参照。 |
#一行の招待
「読んだら、閉じよ。閉じたら、歩け。道が地図を外れたなら —— そこからはあなたの見聞録だ。」
目次は港だ —— どの章で降りても、そこがあなたの上陸だ。