#自己流と一般利得
目次
zn11 · 選択ルール(Variant)。本文書は採択した卓のみで有効。数値衝突時は正本
co優先。
#序説 — 育てる自己流とは
正本の自己流は、co-04-04 の二刀流・合戦流のように、最初から完成している。流派スロットを一つ払えば、その瞬間に免許メニューと秘技が手に入る。
本号の自己流は、同じ重さのスロットを払いながら、何も持たずに始める。
| 正本の自己流(完成品を選ぶ) | 育てる自己流(白紙から立てる) | |
|---|---|---|
| 取得費用 | 特技1スロット(不可逆) | 同じ——特技1スロット(不可逆) |
| 免許メニュー | 取得した瞬間に確定 | 空欄で始まる |
| 秘技(名人段メニュー) | 名人到達で確定 | 空欄で始まる |
| 一般利得 | 看破不可 -2(固定) | 看破不可 -2 + 己の個性の芽(下記) |
| 埋め方 | — | 観察(02)→幕間の設計(03)→実戦の試行 |
「独学・同門なし」という制約を、短所ではなく、スロットを払った重さに見合う成長の物語として作品化する。誰の型でもない一手を、一手ずつ著述していくのが本号の自己流だ。
#選択ルール — 開始セットアップ
要点. 育てる自己流は、正本の流派と同じ会計で取り扱う——特技1スロットを払い、その技能の 免許メニュー+秘技(名人段メニュー)を「自分で設計する空欄」として確保する(
co-03-07 §6の「流派は免許メニュー+秘技を代替する」と同型)。新しいスロット種は作らない。
- 取得時点。 キャラ生成(1段) または 昇段(奇数段)。前提=対象技能の 習得(2点)以上。費用=特技1スロット(クラス/一般/背景のいずれか1つ。
co-04-03準拠、不可逆)。 - 開始状態。 流派名は「無名の○○」(○○=対象技能。例:無名の剣、無名の槍)。免許メニュー欄・秘技欄は空白。ベースの一般利得「看破不可 -2」を得て、さらに個性の芽として一般利得を1つ設定する(下記・GM 合意)。対象技能が免許未満の間は、看破不可 -2 + 一般利得のみが有効で、免許技欄は空のまま——スロットは取得時にすでに消費されている(流派一般と同じ会計・機会費用)。
- 空欄の埋め方(段階ゲート)。
- 対象技能が 免許(3点) に達したとき——正本の免許メニューの代わりに、自己流の免許技を1つ設計して欄を埋める(観察(02)+幕間(03))。
- 対象技能が 名人(4点) に達したとき——正本の秘技の代わりに、自己流の秘技を1つ設計して欄を埋める。名人は
co-04-02準拠で 2段以上 & クラス指定6技能 限定。 - 設計した技は常に [形]/[構え]/[素養]/[整備] のいずれかの形を取り、武器の面許技スロット(打刀「一閃」等)や他流派のスロットを占有しない。育てる自己流は「技能の流派」であって、武器の使い方ではない。
- 対象技能が 聖人(5点) に達しても、自己流は追加のメニューを与えない(聖人=自動成功のみ。
co-04-03準拠)。また対象技能が所属クラスの 名人可6技能でなければ、秘技欄は設計できず、免許技までを運用する(秘技欄は永久に空欄)。
- 流派名。 看板技(
03)が立った瞬間に、「無名の○○」を捨てて命名できる(演出。例:「反返流」「沈み一刀」)。
スロット上限との関係。 「自己流技を
1段1・2段2・4段3・6段4・8段5・10段6の枠に収める」とは、その技能を免許/名人へ上げること自体を意味する。co-04-02のこの上限は「免許以上(免許・名人・聖人)の技能の保有個数」上限であり、育てる自己流の免許/秘技も、ふつうの免許技能と同じく この個数を1つ消費する(二重には数えない)。複数の技能に、それぞれ別個の育てる自己流を持つこともできる(技能ごとに特技1スロット+保有個数1を別々に消費。co-04-03準拠)。
#一般利得(General Benefit)
この表は Step0 の一般利得——特技・免許・秘技のスロットを消費しない自己流の「個性」であり、五手法で立てる免許/秘技とは別物だ。自分の持つ技・特技・武器、または選べる一般特技から連想される 戦闘を支配しない、フレーバー寄りの「+1級」の小効果を一つ、GM 合意で設定する。
| 由来 | 一般利得(GM 合意で1つ) |
|---|---|
| 武器:太刀系(打刀・小太刀) | [素養] 太刀筋読み — 同じ武器系の相手と対した間合、その初撃に対する自分の防御技判定 +1(戦闘1回)。火力ボーナスなし。 |
| 武器:槍・長柄(薙刀を含む) | [素養] 間積もり — 前列で長柄系の技を使う間合の最初の1回、射程判定上 先攻扱い(先攻補正 +1、1間合1回)。制圧力・戦力は変えない。 |
| 武器:短刀・苦無系(軽量タグ含む) | [素養] 軽身・懐の理 — 心府で短兵器の組み/懐入りの命中 +1(心府限定)。軽量タグ装備時、移動活力 -1(最低1、1間合1回)。火力・戦力・貫通は不変——命中値のみを上げ、会心が起きても軽量タグの会心無利得は変わらない(戦力1のまま)。 |
| 武器:鉄炮・弓系 | [素養] 風読み — 後列/高所からの最初の1射、射程区分が1段階遠くても不利を受けない(1間合1回)。被害は不変。 |
| 技能:剣術・槍術・体術 等の武芸 習得+ | [素養] 見取りの目 — 戦闘開始時、敵1体の主武器の種類と構えの有無を GM が公開(情報のみ、数値なし)。観察記録の発動を助ける。 |
| 技能:忍術(潜入)・感知 習得+ | [素養] 影目・予兆 — 戦闘最初の呼吸、最も近い(または自分を狙う)敵1体の主能力傾向(攻め型/受け型)を GM が一語で開示。先攻・被害は変えない。 |
| 技能:呪術・結界・退魔 習得+ | [素養] 気配察し — 隣接区域の呪術・式神・区域効果の発動を一呼吸前に GM が示唆(戦術情報、数値なし)。 |
| 技能:医術 習得+ | [整備] 応急の手 — 小康時、自分1体の戦力1回復(小康1回、既存の治療とは重複しない)。 |
| 技能:交渉・風格(芸人系) 習得+ | [形] 名乗り — 活力1、戦闘1回。間合の直前に流派名を叫ぶ。初対戦の相手の次の1回の判定 -1。 |
| 背景:放浪・独学系、または [構え]特技1つ以上 保有 | [素養] 我流の自負 — (背景)道場・同門なしに得た境地。他流の免許者との武芸談義に交渉 +1(戦闘影響0)。または([構え]保有者)構えの解除時、同じ間合内で別の構えを1活力で再宣言(戦闘1回)。 |
看破不可と一般利得は併存する。 ベースの自己流特性「初対戦の相手に看破不可 -2(相手の防御技選択 -2、一度きり)」はそのまま残り、一般利得はその上に乗る個性の芽だ(出処・持続・タグが異なるので
co-03-07 §2.7のスタック規則に抵触しない)。ただし「名乗り」は看破不可と同種の「初対戦妨害」にあたる。両方が同じ相手に同時に効くときは、強い方だけ(看破不可の -2)を適用し、-3 を累積しない(設計上の取り決め。GM 裁定)。
#解 — なぜ「白紙」から始めるのか
fc03 の佐々木小次郎は、師なき自己流から始めた。彼が立てた「巖流(がんりゅう)」は、野太刀(長剣・物干竿)の射程と、上下を一拍に結ぶ「燕返し」という、たった一つの看板技に結晶した。小次郎は生涯ただ一度の決闘に敗れて死んだ——だが、その一敗ですら、彼の流派の名を残した。完成された大流派ではなく、一人の生が立てた一手だからこそ、名が残る。
育てる自己流の主題はそこにある。観た技は誰かのもの、受けた傷も誰かのもの。だが、それを種に己の肉から立ち上げた一手だけは、最初から最後まで自分のものだ。白紙から始めるのは、その一手を「習った」のではなく「立てた」と言い切るためである。
用語の注意。 本号で素材として参照する「巖流(がんりゅう)」は、佐々木小次郎の野太刀(長剣)流派である(
fc03)。一方、宮本武蔵の二刀同時打ちの秘技は、正本co-04-04では「巖流」、fc03では「暗流(あんりゅう)」と表記されるが、いずれも小次郎の流派とは別物の「技名」だ。
#香 — 一文
「習った型は誰かの完成。立てた一手は、己の未完成から始まる。」
