日本語版 v1.5

#技法と型体系 (技法と型, Maneuver System)

目次

「移動して攻撃」の反復ではない。すべての行動はマヌーバである。武器の技法、特技の型、構えの維持 — 戦闘は選択の連続だ。

関連項目: 活力と呼吸 · 武器総覧 · 職業 · 技能

この文書は、戦闘マヌーバの共通構造と分類を定義する。武器、特技、装備、分隊戦術はこの基準に従う。


#1. マヌーバとは

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戦闘で武士が行うすべて — 刀で斬る角度、槍を突き出す間、身をかわす足運び、配下に下す命令の抑揚まで — は、それぞれが独立した技術である。同じカタナを持っても、「斬り」と「突き」は別の動作であり、輝く状況も違う。

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マヌーバ = 戦闘中に実行できるすべての個別行動。

「移動」もマヌーバであり、「カタナ横斬り」もマヌーバであり、「煙幕弾投擲」もマヌーバである。キャラクターは自分の呼吸で、保有しているマヌーバ一覧の中から選択して実行する。


#2. マヌーバの出所: 6つの源泉

源泉名称
武器技法カタナの「横斬り」「突き」「受け流し」
防具(一部)技法大鎧の「肩受け」、黒装束の「隠身」
消耗品技法煙幕弾、火薬樽、霊薬使用
職業/背景/一般特技型 (カタ) / 素養 / 整備 / 構え不動の陣(構え)、風の刃(素養)、一騎討ち(型)
流派流派マヌーバ技能等級別の代替マヌーバ
分隊戦術 (戰術)分隊固有の戦闘行動。指揮官の分隊命令で発動。

#2.5. 分隊戦術表記 (戰術表記)

分隊戦術は、指揮官の分隊命令で発動するマヌーバである。個人マヌーバと同じ構造を持つが、分隊単位で適用される。

表記意味対応する個人マヌーバ
[戦術:型]分隊のアクティブ戦術[型] — 指揮官活力消費
[戦術:構え]分隊の維持型陣形[構え] — 同時に1つ、解除/移動時に解除
[戦術:素養]分隊のパッシブ特性[素養] — 常時適用

戦術は勢力の陣営基盤(→ 勢力図)とともに、分隊を単なる「移動可能な制圧力」ではなく、戦闘の多様な選択肢を拡張する戦術資産にする。

→ 戦術詳細: 部隊運用 §分隊戦術


#2.7. ボーナス重複規則(スタック上限)

規則説明
核心原則: 異なる名前・異なる出所の効果は重複可能。特技・武器・神物・流派から来る、互いに異なる名前の効果は共に適用する。
同じ名前・同じ類型の効果: 重複不可。同じ名前の「恐怖免疫」が複数の出所から来た場合、最も有利なもの一つだけを適用する。
スロット制限: 重複規則とは別に適用。[構え]は同時に1つなので、異なる構えも共に維持できない。[構え]と[戦術:構え]は別スロット。
防備ボーナス: 鎧基本値 + 異なる名前・出所の特技/構えボーナスを合算。重甲(14) + 鉄壁守備(+2、素養) = 16。同じ名前・類型なら最高値だけ適用。
攻撃ボーナス: 異なる名前・出所は合算。能力値(+3) + 熟練(+2) + 構え(+1) + 陣営基盤(+1) = +7。
制圧力ボーナス: ユニット基本値 + 異なる名前・出所の構え/特技ボーナスを合算。主(+1.5) + 不動の陣(+4) + 分隊(+2) = 7.5。心府では相殺規則(味方-敵)を適用。
一呼吸限界ボーナス: 異なる出所は累積するが、合算後は最大10。公式バランス基準は7。速度免許(+1) + 速戦即決(+1) = 6~7の標準組み合わせ。8~10は降臨・鬼物・威名・シナリオ特殊効果のような例外的頂点としてのみ扱う。

#2.8. 技法借用の共通規則

この節を直接リンクした借用・模倣・複製効果だけが、以下の契約に従う。リンクしていない同名効果まで自動では変更しない。

項目共通規則
許可対象出所となるユニット・職業ブロックに直接記載された、先天的なアクティブ[技法]または[型]1つ。借用効果が要求する目撃・選択・指定条件も満たさなければならない。
除外対象[素養][構え][整備][免許][名品][献身]、分隊戦術・命令、威名・キャップストーン、装備由来技法、召喚・変身技法、固有資源・固有状態・ボス段階・シナリオ専用権能は借用できない。
前提条件借用は装備、固有資源、状態、消耗品、召喚体を作り出さない。原本の実行に必要な前提を現在保有していなければ、その技法を選べない。
費用と判定借用効果自体の費用と原本技法の活力費用をどちらも支払う。原本の類型・タイミング・対象・射程・判定・限界をそのまま適用し、実行者の能力値と技能を使う。借用効果に判定修正が記されていれば最後に適用する。
重複制限原本の限界と借用効果の限界をどちらも守る。どちらか一方でも使用できなければ実行できない。

個別効果がこの共通契約の一部を変更する場合、変更する項目を効果文に直接記す。一度借用して実行できるという文言は、原本技法の永久習得や再借用の権利を与えない。


#3. 武器の技法

#基本構造

すべての武器は、下記の技法を基本搭載する:

スロット技法説明
攻撃技法A主能力値基盤攻撃例: カタナ「横斬り」(勇基盤)
攻撃技法B副能力値基盤攻撃例: カタナ「突き」(技基盤)
防御技法その武器の防御行動例: カタナ「受け流し」(予約/即興)
免許技法(条件付き)該当武器技能免許(3点)+ 時に解禁例: 打刀「一閃」(熟練者専用攻撃)
名品技法(名品武器のみ)名品級以上武器専用例: 名剣「村正」の「血光」

核心: 同じ「カタナ攻撃」でも、「横斬り(勇)」と「突き(技)」は別のマヌーバである。状況に応じて選択が変わる。

#攻撃技法の二軸

A技法(主能力値)B技法(副能力値)
カタナ横斬り(勇) — 標準損傷突き(技) — [貫通 2]
ヤリ突き(勇) — 標準、射程1区域薙ぎ払い(體) — 同じ区域全員判定(弱)
斬馬刀/野太刀斬馬(勇) — 騎馬対象に追加被害切上げ(體) — 対象を次の呼吸まで無防備にする
短刀突き(勇) — 標準懐に入る(技) — [貫通 3]
鉄砲直射(なし) — 標準、[貫通 全体]曲射(智) — 遮蔽無視、区域指定
体術打撃(勇) — 標準掴み(體) — 損傷なし、捕縛付与

#防御技法

武器防御技法効果予約費用 / 即興費用
カタナ受け流し2d10+技+剣術 >= 敵攻撃。成功時は無効。1 / 2
ヤリ牽制区域進入敵に攻撃判定。命中時、損傷の代わりに移動停止。2 / 3
斬馬刀/野太刀刀身受け2d10+體 >= 敵攻撃。成功時は被撃無効。防御会心時、敵武器を1間合封印。2 / 3
短刀緊急回避2d10+技 >= 敵攻撃。成功時は無効。失敗しても損傷 -1戦力(最低1)。相手の会心は通常成功として扱う。1 / 2
鉄砲なし
体術押し出し敵攻撃後、敵を隣接区域へ強制移動。2 / 3
盾 (手盾)盾防御2d10+技 >= 敵攻撃。成功時は無効。装備防備 +1を維持。1 / 2

防御ロール類型: 能動パリィ型(受け流し・十字防御・薙刀受けなど)は 2d10 + 能力値 + 技能値(剣術・槍術など)でロールし、信頼度が高い。純粋防御・回避型(鞘受け・緊急回避など)は 2d10 + 能力値 でロールし、予約防御の多くは予約中 防備+1を得る。臨時武器防御は防備 +1 + 被害軽減を与えるが完全無効はなく、小型盾(手盾)は防備 +1 + 成功時は無効を出す。鉄砲(火器)だけは能力値なしで 2d10 + 弓術 でロールする。

#武器免許技法(関連技能が免許以上なら解禁)

その武器の関連技能(剣術、槍術など)が免許(3点)以上のとき解禁される追加技法。 同じ刀類でも、打刀、斬馬刀/野太刀、小太刀はそれぞれ異なる免許技法を持つ。斬馬刀と野太刀は同じ武器の別名なので、同じ免許技法を使う。

武器免許技法類型効果
打刀一閃攻撃3活力。次に被撃した時(防御・回避で被害を無効化した場合を含む)、自動反撃+2d10+勇+剣術。攻防一体。
ヤリ槍壁構え2活力。維持中、自分の区域制圧力+3(前列+4)。
斬馬刀/野太刀一刀両断 (一刀兩斷)攻撃4活力。2d10+勇+剣術+1 >= 防備。2戦力、会心時3戦力。間合1回。
短刀急所突き攻撃2活力。2d10+技+忍術 >= 防備。成功時2戦力。
鉄砲精密射撃攻撃3活力。2区域距離。成功時、対象指定部位を無力化(GM裁量)。
体術連鎖技攻撃2活力。打撃+掴みを一度に。1戦力+捕縛。

#名品技法(名品武器専用)

名品等級以上の武器は、固有技法1つを追加で保有する。この技法は、その武器の技能が名人(4点)以上のとき使用可能。

例: 名剣「村正」 — 血光: 会心発動時、追加1戦力 + 出血。間合1回。


#4. 特技の分類: 型・素養・整備・構え

職業/背景/一般特技は、下記4類型 + 技法に分類される。

#型 (カタ)

アクティブマヌーバ。 呼吸内で活力を消費して発動する。

[型] 一騎討ち宣言 (一騎討ち)
活力: 2  |  限界: 間合1回
効果: 同じ区域の敵主/将1体を指定。次の間合まで双方は該当対象だけ攻撃可能。双方の攻撃 +2。

#素養

パッシブ。 習得すること自体で常時利益を得る。

[素養] 風の刃
効果: 敵制圧力が高い区域/心府へ移動時、活力 -1(最低1)。心府へ自由に進入/離脱。

#整備

小康段階専用行動。 間合と間合の間に発動する。

[整備] 戦場の花 (戰場の花)
時点: 小康段階  |  限界: 小康1回
効果: 味方1体の戦力1回復、または分隊結束力1回復。

#構え

維持型パッシブ。 宣言すると解除するまで効果が続く。同時に維持できる構えは1つ。

[構え] 不動の陣
宣言: 2活力(牽制態勢と同時)  |  維持: 解除宣言まで
効果: 該当区域の味方制圧力 +3(前列 +4)。敵突破目標値 +2。移動不可。
解除: 自由行動(0活力)。または移動時に自動解除。

構えの核心: 同時に1つだけ。「不動の陣」を維持しながら「護衛態勢」も維持することはできない。[素養]である「修羅の印」は構えスロットと無関係。構え変更は戦術的決断である。

#技法 — アイテム由来

武器/防具/消耗品のマヌーバ。上の武器技法セクション参照。

[技法] 煙幕弾 (煙幕)
活力: 1  |  限界: 消耗(1回用)
効果: 該当区域のすべての遠距離攻撃が自動失敗。1間合持続。

#5. 使用限界体系

すべての技法と型には、使用限界が明記される。

限界表記意味
無制限限界: —活力がある限り自由使用
呼吸1回限界: 呼吸1回一呼吸に1回だけ
呼吸N回限界: 呼吸2回一呼吸にN回まで
間合1回限界: 間合1回一間合に1回だけ
戦闘1回限界: 戦闘1回戦闘全体で1回だけ
セッション1回限界: セッション1回ゲームセッション全体で1回だけ
消耗限界: 消耗アイテム消耗(1回用)

基本武器技法(横斬り、突きなど)は通常無制限または呼吸1~2回免許/名品技法は通常間合1回または戦闘N回特技型は等級に応じて間合1回 ~ セッション1回


#6. 流派体系

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戦国時代の武術には数多くの流派がある。香取神道流の剣術、宝蔵院流(寶藏院流)の槍術、柳生新陰流の剣術 — 同じカタナを持っても、流派によってまったく異なる剣を使う。

流派は、技能の熟練度段階で与えられるマヌーバを置き換える。より強いが、流派の制約に縛られる。

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#流派習得

  • 費用: 特技1つのスロット(クラス特技または一般特技の代わり)。
  • 時点: キャラクター作成時または昇段時。
  • 制限: 一技能につき一つの流派だけ。複数技能にそれぞれ別の流派を持つことは可能。
  • 効果: その技能の免許マヌーバと秘技(名人段階マヌーバ)が、流派固有マヌーバに置き換わる。

#流派の種類

流派類型特技名付加利益制約
有名門派「○○流の弟子」各地の道場/同門に交渉 +2。宿/情報提供。門派の名誉を守る必要。破門リスク。
秘人秘伝「○○の継承者」強力な師匠NPCとの縁故。危機時に助言/支援。師匠の任務を遂行する必要。師匠に敵がいる場合がある。
自己流「無名の剣」初対戦相手に「看破不可」 — 相手が防御技法選択時 -2ペナルティ。利益は初対戦だけ。以後は研究される。

#流派マヌーバ代替例

流派代替 — 技能の免許/秘技マヌーバを置き換える:

核心: 流派は技能の免許マヌーバと秘技(名人段階マヌーバ)を置き換える。武器の免許技法スロット(打刀一閃など)とは関係ない。流派は技能の伝承であり、武器の使い方ではない。

区分剣術免許マヌーバ(技能3点)剣術秘技(技能4点、名人段階)
流派なし+2 + 剣術武器防御技法予約費用 -1+3 + 0活力([型])反撃、間合1回
香取神道流+2 + 剣術武器防御技法予約 -1先の態度 [構え]+3 + 反撃無費用天地人 [型]
柳生新陰流+2 + 剣術武器防御技法予約 -1無刀 [型]+3 + 反撃無費用活人剣 (活人劍) [型]

判定ボーナス(+2/+3)は常に維持する。流派が変えるものは、ボーナス後ろの特技部分である。

打刀の武器免許技法「一閃」は、流派とは関係なく常に使用可能。一閃は技能ではなく、打刀下位分類に属する技法である。


#7. 区域とマヌーバの相互作用

#区域戦術の復活

マヌーバ体系は、区域が重要になるように設計されている。

マヌーバ属性区域影響
射程一部の技法は「同じ区域だけ」、一部は「隣接区域まで」、一部は「2区域」
区域効果ヤリの「槍壁」は前列でのみ最大効果。短刀の「懐に入る」は心府でのみ。
構えの区域バインディング「不動の陣」はその区域に縛られる。移動すると解除。
進入/離脱技法浪人の[素養]「疾風」は移動直後の次の攻撃+2。忍びの「影渡り」は外部移動技法。
区域ギミック連動高所で弓術曲射 +2。水中で体術掴み +2。森で忍術毒針 +2。

#区域別に有利なマヌーバ

区域有利なマヌーバ不利なマヌーバ
前列ヤリ突き、槍壁、牽制短刀(前列では弱い)
心府短刀懐入り、体術掴み、密教修羅の印ヤリ/斬馬刀・野太刀(長兵器活力+1)
後列鉄砲直射/曲射、弓術近接全般(敵がいなければ無意味)
外郭潜入技法、迂回移動分隊命令(分隊が少ない)
外部忍び専用技法ほとんど(進入不可)
高所弓術 +2、軽功跳躍攻撃騎馬(進入不可)

#8. マヌーバ表記規約

すべてのマヌーバは下記形式で記載する。

[類型] 名前(漢字)
活力: N  |  限界: ○○ N回  |  判定: 2d10+能力値+熟練 >= 目標
射程: 同じ区域 / 隣接 / 2区域
効果: (効果説明)
区域ボーナス: (特定区域での追加効果、あれば)

類型表記:

表記意味
[技法]武器/防具/消耗品由来マヌーバ
[型]特技由来アクティブマヌーバ
[素養]パッシブ
[整備]小康専用
[構え]維持型(同時に1つ)
[流派]流派代替マヌーバ

#9. キャラクターのマヌーバ一覧

キャラクターシートに保有マヌーバ一覧を記載する。戦闘時はこの一覧からのみ選択可能。

#1段侍(カタナ、剣術習得)例

源泉マヌーバ類型活力限界
カタナ横斬り(勇)技法2
カタナ突き(技)技法2
カタナ受け流し技法予約1/即興2
共通移動2
共通分隊命令1~2
特技不動の陣構え2維持
特技家名素養
特技強靭素養

→ 剣術が免許(3点)になると: (1) 技能免許マヌーバ「剣術武器防御技法予約費用 -1」を獲得。(2) 打刀を持っていれば打刀免許技法一閃を使用可能。 → 流派「香取神道流」習得時: 技能免許マヌーバ(剣術武器防御技法予約 -1)が先の態度に置き換わる。打刀免許技法一閃は武器技法なので併用可能。


#10. 波及影響

このマヌーバ体系が導入されると、下記が変更される:

領域変更
武器ファイル全体各武器に攻撃A/攻撃B/防御/免許/名品技法を記載
特技全体型/素養/整備/構えへ再分類
キャラクターシート「マヌーバ一覧」セクション追加
戦闘チュートリアル「何をしますか?」 → 「どのマヌーバを使いますか?」
バランスマヌーバ別活力費用/限界でDPT制御
区域ギミック区域別マヌーバボーナス/ペナルティ追加
流派新規システム。技能詳細 + 別途流派文書が必要。
装備名品等級システム + 名品技法

「何をするか」ではなく「どう行うか」だ。