日本語版 v1.3.3

#傀儡師 (Puppeteer)

人形を操って戦う。本体は後ろに、人形は前に。ひとつの身体で二つの場所に存在する。

  • 役割: 遠隔戦闘/分割存在。人形が前列で、本体が後列で。
  • 核心能力値: 智、技
  • 心府進入: 人形のみ自由進入(本体は強行突破)
  • 基盤職業: 文楽(文樂)の人形遣い。または秘密結社の人形術師。
  • 三道六心: 真または慈。分離した自我の人。
  • 名人可能技能: 策術、感知、解除、変装、予言、虚偽
  • 開始自動技能: 策術習得、感知入門、解除入門、変装入門

#香 — 糸の戦争

文楽(文樂)。人形芝居。戦国時代の芸能であり — 戦術である。ある時期の文楽は、ただの興行だった。村の広場で子どもたちが拍手し、大人たちが酒を飲んだ。しかしその人形遣いの一人が自分の人形に刀を握らせた瞬間、文楽は別のものになった。芸能から — 戦争の道具へ。

傀儡師は指に巻いた糸で戦闘人形を操る。人形は人間大の木製武者。鎧をまとい、武器を握り、前列で敵と戦う。傀儡師本人は前列に立たない。後列から、または外郭から、指だけで戦争をする。一人の傀儡師が一つの区域で一体の人形を操る — まるで自分がその区域にいるかのように。9段[万機の主]に到達した名人は — 三体の人形を同時に、三つの区域でそれぞれ別の敵と戦わせる。それは一人の人間が三人になることに等しい。

傀儡師と人形の関係は、単なる「道具と使用者」ではない。糸を通じて傀儡師の意志、感覚、技量が人形へ流れ込む。熟練した傀儡師の人形は生々しい — 敵が人形と人間を区別できないほどに。だが人形が破壊されれば、傀儡師へ精神的衝撃(逆流)が返ってくる。だから傀儡師にとって最大の悲しみは — 人形の死である。自分の手が斬られるより痛い。陰陽師の式神が「使い捨ての消耗品」なら、傀儡師の人形はもう一人の自分である。人形が砕ける瞬間、傀儡師の一部が死ぬ。

傀儡師の最も深い葛藤は「私が人形なのか、人形が私なのか」である。毎回の戦闘で、傀儡師は人形の目で見る。人形の手で刀を振るう。ある瞬間、自分の本体がどこにあるのかを忘れる。本体は後列にじっと座っており、意識は前列の人形の中にある。それがあまりに長く続くと — 本体が固まってしまう。9段名人傀儡師の中には、「自分の本体」をもはや認識できない者がいる。彼らにとって本体は、ただの「もう一つの人形」である。本当に悲しいのは — その状態が平穏だということだ。分離した自我の果てで、傀儡師はすべての自我を失った平穏を見る。それは悟りなのか、それとも死の別名なのか。

  • 推奨武器: 護身用懐剣(懐中)、短刀(自己防衛)、人形そのもの(傀儡の武器)。本体は武器を持たず — 人形が刀を握る。
  • 推奨流派: なし。傀儡師は人形操作の学派を別に持つ(文楽流、秘密結社人形術など)。
  • 推奨陣営基盤: 堺座(興行ギルド + 秘密結社)、霧幻衆(天狗人形術 — 稀)、尾羽山(妖狐人形 — 最も危険)

#核心メカニクス: 傀儡 (Puppet)

傀儡師は戦闘時、傀儡(人形)1体を戦場に配置する。傀儡は独立した区域に存在し、傀儡師の活力/判定を使用して行動する。

傀儡基本ステータス(1段):

項目
戦力2(固定)
防備12(木造+軽甲)
活力なし(傀儡師の活力消費)
制圧力+1
移動傀儡師の活力2で移動

傀儡の行動: 傀儡師の呼吸で、自分のマヌーバまたは傀儡の技法を選ぶ。一呼吸に傀儡技法と本体技法を混ぜることはできない(糸を握っている間、本体は動けない)。

傀儡破壊時: 傀儡戦力0 → 傀儡師に逆流: 戦力1減少 + 無防備(1呼吸)。小康時に傀儡を再生成可能(整備マヌーバ)。

糸の射程: 傀儡師と傀儡は2区域以内にいなければならない。3区域以上離れると操作不可(傀儡停止)。


#傀儡の技法

傀儡は装備した武器によって技法が決まる。傀儡師が傀儡に武器を装備させる(別途購入)。

基本提供傀儡武器: 傀儡刀 — 木刀に鉄刃を付けたもの。

技法類型活力(傀儡師消費)判定効果限界
傀儡横斬り技法22d10+智+剣術 >= 防備1戦力。智基盤。傀儡師の知性が人形の刀を操る。
傀儡突き技法22d10+技+剣術 >= 防備[貫通 1]。1戦力。技基盤。精密な操作。
傀儡防御技法予約1/即興22d10+技 >= 敵攻撃傀儡への被撃を無効。傀儡師本人は防御不可。
[免許] 双傀儡 (雙傀儡)技法32d10+智+剣術 >= 防備傀儡2体が同時攻撃(免許時、2体運用解禁)。各1戦力。間合1回

核心制約: 傀儡技法を使う呼吸では本体行動不可。本体行動(移動/自己防御)の呼吸では傀儡停止。


#法 — 特技一覧

#1段: 糸の戦争 (絲の戰爭) [素養]

[素養] 糸の戦争
効果: 戦闘開始時、傀儡1体を任意区域に配置。
傀儡基本ステータス: 戦力2、防備12、制圧力 +1。
傀儡の技法は傀儡師の活力/判定で実行。
糸射程: 2区域。

傀儡の分類と操作規則(原則2)

傀儡は個別ユニットである。分隊ではないため、分隊命令・総指揮・分隊戦術の対象にならない(学者5段「総指揮」で傀儡3体を同時命令することはできない)。

傀儡本体活力0。術者が操作アクションを通じて傀儡に行動を与える。操作アクションは0活力([型])であり、../../co-03-core-rules/co-03-04-action-points.md 規則3の一間合2回上限を共有する。傀儡が複数体でも、術者の操作は一間合最大2回。

譲渡対象ではない。傀儡は固有活力を持たないため、学者の「神算鬼謀」の譲渡対象にはなれない。術者の活力を増やして間接的に傀儡行動を支援することは可能。

本原則は../../co-99-meta/co-99-02-core-principles.md 原則2参照。

[明示的例外] — 傀儡師固有分隊戦術「人形部隊・糸の陣形」

下記§分隊戦術特技の[戦術:素養] 人形部隊と[戦術:姿勢] 糸の陣形は、本原則の明示的例外である。二つの特技は「傀儡を分隊命令の対象にする」ものではなく、傀儡師本人が自分の傀儡を既存分隊(卒/練)に補助合流させる能動特技である。編入された傀儡は分隊の戦力/防備にボーナスを加えるだけで、分隊命令や総指揮の「受信者」にはならない — 操作主体は依然として傀儡師であり、操作アクション一間合2回上限は維持される。

他の職業(学者・主指揮など)は、いかなる場合でもこの例外を使用できない。傀儡師本人の分隊戦術特技を通じてのみ成立する。

#3段クラス特技(1つ選択)

特技類型活力限界効果
傀儡強化[素養]傀儡を戦力3、防備13に強化。制圧力 +2。
同時操作[素養]間合1回一呼吸に傀儡技法1個 + 本体移動(2活力)を同時に実行可能。(通常は不可。)
偽装人形 (僞裝人形)[型]2戦闘1回傀儡の外見を味方の主/将の姿に変更。敵は感知(>=13)失敗時、傀儡を本体と誤認。敵の攻撃を傀儡へ誘導。

#5段クラス特技(1つ選択)

特技類型活力限界効果
複数傀儡 (複數傀儡)[素養]傀儡2体を同時運用。それぞれ別区域に配置可能。一呼吸には1体だけ操作可能(交代)。
自爆人形[型]1戦闘2回傀儡を自爆。同じ区域の敵全員に1戦力。傀儡消滅(逆流なし — 自発的破壊)。
糸の結界 (絲の結界)[姿勢]2維持傀儡師と傀儡の間の区域に「糸の網」 — 該当区域の敵移動 +1活力。制圧力 +1。

#7段高級特技(1つ選択)

特技類型活力限界効果
名人の糸 (名人の絲)[素養]糸射程無制限。戦場のどこにでも傀儡を配置可能。一呼吸に傀儡技法2回実行可能(0活力操作上限内で処理)。
霊魂移植 (靈魂移植)[型]3戦闘1回傀儡師の意識を傀儡へ完全移植。3間合の間、傀儡が主級ステータスで行動(傀儡師本体の能力値+活力をそのまま使用)。本体は無防備で停止。
傀儡劇[型]4戦闘1回傀儡全体(最大3体)が同時に同じ敵1体へ集中攻撃。各1戦力。連撃疲労を無視(互いに別の「攻撃者」なので)。

#9段高級特技(1つ選択)

特技類型活力限界効果
千機万象 (千機萬象)[素養]傀儡3体を同時運用。それぞれ別区域に配置可能。一呼吸に2体まで操作し、傀儡技法は最大2回実行。
舞台上の戦 (舞臺の上の戰)[姿勢]3維持傀儡師本体がいる区域が「舞台」になる。舞台内の味方全員、判定 +2。傀儡が破壊されても逆流なし。
人形師の秘密[素養]傀儡破壊時、逆流の代わりに敵へ逆流: 傀儡を破壊した敵に2戦力 + 無防備。「人形を壊せば、呪いが返る。」

#傀儡運用まとめ

条件最大運用数一呼吸操作対象傀儡技法実行本体行動
基本1体1体1回傀儡技法を使う呼吸には本体行動不可
3段同時操作1体1体1回傀儡技法1回と本体移動1回を同じ呼吸に実行可能
5段複数傀儡2体1体1回操作する傀儡を呼吸ごとに交代
7段名人の糸2体最大2体最大2回糸射程制限なし
9段千機万象3体最大2体最大2回操作アクション一間合2回上限は維持

#傀儡昇段時成長

傀儡師段数傀儡戦力傀儡防備最大運用数
1段2121
3段(強化素養)3131
5段(複数傀儡)3132
7段3142
9段(千機万象)4143
達人5153

#区域ボーナス

区域効果
後列(傀儡師本体)本体被撃リスク最小。安定した操作。
前列(傀儡)傀儡が前列で制圧力に寄与。牽制可能。
心府(傀儡)傀儡は心府自由進入(木なので恐怖なし)。傀儡師本体は心府の外。
外郭(傀儡師本体)本体を外郭に隠せば敵が見つけにくい。潜入+偽装可能。

#三道六心

自然な心葛藤
真(現道)「人形も世界の一部。動くものすべてに意味がある。」
無心「私は後ろにいるだけ。人形が戦う。」感情を隠す者。
葛藤: 慈↔虚「人形に宿るのは私の心か、空の器か?」(自律機人との対比)

#他クラスとの差異

比較対象傀儡師の差異
陰陽師式神は使い捨ての低戦力消耗品。傀儡は永続ユニット + 成長 + 破壊時逆流
工人工人は静的構造物(バリケード)。傀儡師は移動する分身
自律機人自律機人は自分自身が機械。傀儡師は機械を遠隔操作する。
学者学者は活力譲渡で味方を強化。傀儡師は独自戦闘ユニットを遠隔投射する。
忍び忍びは自分が直接潜入。傀儡師は人形を送り危険を負わない。

#名品傀儡

#操り姫 — 「操られる姫」

伝説の人形師が作った最高傑作。人間と区別できない人形。あまりに精巧で — 時に人形自身が動いているように見える。

  • 傀儡ステータス: 戦力5、防備15。主級に準ずる耐久。
  • 名品技法: 自律行動 — 戦闘1回。1間合の間、傀儡が独立して行動(傀儡師活力とは別に、活力8で独自行動)。その間合の間、傀儡師本体も自由行動可能。

「人形が自ら動き始めたとき — 人形師は糸を放した。」


#推奨武器

武器対象理由
傀儡刀(傀儡専用)傀儡基本提供。智基盤攻撃。
傀儡に槍装備傀儡前列牽制+制圧力+1。傀儡を前列守備に。
懐剣(本体)本体護身用。後列への敵侵入時、緊急防御。
半弓(本体)本体傀儡操作をしない呼吸で後列射撃。

#傀儡師の典型的な呼吸パターン

呼吸マヌーバ組み合わせ活力効果
傀儡交戦傀儡横斬り(2)+傀儡突き(2)+傀儡防御予約(1)5傀儡2打+防御。本体停止。
本体移動歩行(2)+懐剣緊急回避予約(1)3本体位置調整。傀儡停止。
同時操作(3段)傀儡横斬り(2)+本体歩行(2)4傀儡1打+本体移動。同時!(3段特技)
双傀儡(免許)双傀儡(3)+傀儡防御(1)4傀儡2体同時攻撃+防御。
霊魂移植(7段)霊魂移植(3)後、傀儡が主級行動33間合、傀儡自律。本体無防備。

#核心戦術: 「糸の長さ」

傀儡師と傀儡の距離(糸射程2区域)が戦術の核心。

  • 本体後列、傀儡前列: 基本配置。2区域以内。安全+交戦。
  • 本体外郭、傀儡心府: 本体を隠し、傀儡を心府へ。糸射程2。
  • 7段名人の糸: 射程無制限。戦場のどこにでも傀儡配置。

傀儡師の物語: 「私は後ろにいる。だが私の心は — 人形とともに戦場へ。」


後ろで操ることは卑怯か? そうではない。戦場で生き残る者が勝つのだ。


#分隊戦術特技(傀儡師)

スロット規則: 分隊戦術特技は該当段のクラス特技選択肢に含まれる。3段/5段クラス特技を選ぶとき、通常のクラス特技の代わりに分隊戦術特技を選択できる。

傀儡師の分隊戦術は人形を分隊に編入する独特の形である。傀儡が分隊員となり、戦力を補強する。

特技類型習得段活力限界効果
人形部隊[戦術:素養]3段傀儡1体を分隊に編入。分隊戦力 +1、防備 +1。傀儡が破壊されるとボーナス消滅 + 分隊結束 -1(動揺)。
糸の陣形 (絲の陣形)[戦術:姿勢]5段分隊命令費用+1維持傀儡師が糸で分隊員を「補助操作」。分隊の移動と攻撃が傀儡師の技ボーナスを受ける(分隊攻撃 +技修正値)。傀儡師の他行動不可(糸集中)。

三道六心(分隊戦術): 人形部隊は無心(道具的効率)。糸の陣形は真と無心の間 — 「糸がつなぐのは技術か、心か。」


「指を見る。指は私のものだ。人形を見る。人形も — 私のものだ。ならば私はどこにいる?」


#例示キャラクター

アヤメ — サンプルシート(1/5/10段 + 段階別バックストーリー)