#傀儡師 (Puppeteer)
人形を操って戦う。本体は後ろに、人形は前に。ひとつの身体で二つの場所に存在する。
- 役割: 遠隔戦闘/分割存在。人形が前列で、本体が後列で。
- 核心能力値: 智、技
- 心府進入: 人形のみ自由進入(本体は強行突破)
- 基盤職業: 文楽(文樂)の人形遣い。または秘密結社の人形術師。
- 三道六心: 真または慈。分離した自我の人。
- 名人可能技能: 策術、感知、解除、変装、予言、虚偽
- 開始自動技能: 策術習得、感知入門、解除入門、変装入門
#香 — 糸の戦争
文楽(文樂)。人形芝居。戦国時代の芸能であり — 戦術である。ある時期の文楽は、ただの興行だった。村の広場で子どもたちが拍手し、大人たちが酒を飲んだ。しかしその人形遣いの一人が自分の人形に刀を握らせた瞬間、文楽は別のものになった。芸能から — 戦争の道具へ。
傀儡師は指に巻いた糸で戦闘人形を操る。人形は人間大の木製武者。鎧をまとい、武器を握り、前列で敵と戦う。傀儡師本人は前列に立たない。後列から、または外郭から、指だけで戦争をする。一人の傀儡師が一つの区域で一体の人形を操る — まるで自分がその区域にいるかのように。9段[万機の主]に到達した名人は — 三体の人形を同時に、三つの区域でそれぞれ別の敵と戦わせる。それは一人の人間が三人になることに等しい。
傀儡師と人形の関係は、単なる「道具と使用者」ではない。糸を通じて傀儡師の意志、感覚、技量が人形へ流れ込む。熟練した傀儡師の人形は生々しい — 敵が人形と人間を区別できないほどに。だが人形が破壊されれば、傀儡師へ精神的衝撃(逆流)が返ってくる。だから傀儡師にとって最大の悲しみは — 人形の死である。自分の手が斬られるより痛い。陰陽師の式神が「使い捨ての消耗品」なら、傀儡師の人形はもう一人の自分である。人形が砕ける瞬間、傀儡師の一部が死ぬ。
傀儡師の最も深い葛藤は「私が人形なのか、人形が私なのか」である。毎回の戦闘で、傀儡師は人形の目で見る。人形の手で刀を振るう。ある瞬間、自分の本体がどこにあるのかを忘れる。本体は後列にじっと座っており、意識は前列の人形の中にある。それがあまりに長く続くと — 本体が固まってしまう。9段名人傀儡師の中には、「自分の本体」をもはや認識できない者がいる。彼らにとって本体は、ただの「もう一つの人形」である。本当に悲しいのは — その状態が平穏だということだ。分離した自我の果てで、傀儡師はすべての自我を失った平穏を見る。それは悟りなのか、それとも死の別名なのか。
- 推奨武器: 護身用懐剣(懐中)、短刀(自己防衛)、人形そのもの(傀儡の武器)。本体は武器を持たず — 人形が刀を握る。
- 推奨流派: なし。傀儡師は人形操作の学派を別に持つ(文楽流、秘密結社人形術など)。
- 推奨陣営基盤: 堺座(興行ギルド + 秘密結社)、霧幻衆(天狗人形術 — 稀)、尾羽山(妖狐人形 — 最も危険)
#核心メカニクス: 傀儡 (Puppet)
傀儡師は戦闘時、傀儡(人形)1体を戦場に配置する。傀儡は独立した区域に存在し、傀儡師の活力/判定を使用して行動する。
傀儡基本ステータス(1段):
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 戦力 | 2(固定) |
| 防備 | 12(木造+軽甲) |
| 活力 | なし(傀儡師の活力消費) |
| 制圧力 | +1 |
| 移動 | 傀儡師の活力2で移動 |
傀儡の行動: 傀儡師の呼吸で、自分のマヌーバまたは傀儡の技法を選ぶ。一呼吸に傀儡技法と本体技法を混ぜることはできない(糸を握っている間、本体は動けない)。
傀儡破壊時: 傀儡戦力0 → 傀儡師に逆流: 戦力1減少 + 無防備(1呼吸)。小康時に傀儡を再生成可能(整備マヌーバ)。
糸の射程: 傀儡師と傀儡は2区域以内にいなければならない。3区域以上離れると操作不可(傀儡停止)。
#傀儡の技法
傀儡は装備した武器によって技法が決まる。傀儡師が傀儡に武器を装備させる(別途購入)。
基本提供傀儡武器: 傀儡刀 — 木刀に鉄刃を付けたもの。
| 技法 | 類型 | 活力(傀儡師消費) | 判定 | 効果 | 限界 |
|---|---|---|---|---|---|
| 傀儡横斬り | 技法 | 2 | 2d10+智+剣術 >= 防備 | 1戦力。智基盤。傀儡師の知性が人形の刀を操る。 | — |
| 傀儡突き | 技法 | 2 | 2d10+技+剣術 >= 防備 | [貫通 1]。1戦力。技基盤。精密な操作。 | — |
| 傀儡防御 | 技法 | 予約1/即興2 | 2d10+技 >= 敵攻撃 | 傀儡への被撃を無効。傀儡師本人は防御不可。 | — |
| [免許] 双傀儡 (雙傀儡) | 技法 | 3 | 2d10+智+剣術 >= 防備 | 傀儡2体が同時攻撃(免許時、2体運用解禁)。各1戦力。 | 間合1回 |
核心制約: 傀儡技法を使う呼吸では本体行動不可。本体行動(移動/自己防御)の呼吸では傀儡停止。
#法 — 特技一覧
#1段: 糸の戦争 (絲の戰爭) [素養]
[素養] 糸の戦争
効果: 戦闘開始時、傀儡1体を任意区域に配置。
傀儡基本ステータス: 戦力2、防備12、制圧力 +1。
傀儡の技法は傀儡師の活力/判定で実行。
糸射程: 2区域。
傀儡の分類と操作規則(原則2)
傀儡は個別ユニットである。分隊ではないため、分隊命令・総指揮・分隊戦術の対象にならない(学者5段「総指揮」で傀儡3体を同時命令することはできない)。
傀儡本体活力0。術者が操作アクションを通じて傀儡に行動を与える。操作アクションは0活力([型])であり、
../../co-03-core-rules/co-03-04-action-points.md規則3の一間合2回上限を共有する。傀儡が複数体でも、術者の操作は一間合最大2回。譲渡対象ではない。傀儡は固有活力を持たないため、学者の「神算鬼謀」の譲渡対象にはなれない。術者の活力を増やして間接的に傀儡行動を支援することは可能。
本原則は
../../co-99-meta/co-99-02-core-principles.md原則2参照。[明示的例外] — 傀儡師固有分隊戦術「人形部隊・糸の陣形」
下記§分隊戦術特技の[戦術:素養] 人形部隊と[戦術:姿勢] 糸の陣形は、本原則の明示的例外である。二つの特技は「傀儡を分隊命令の対象にする」ものではなく、傀儡師本人が自分の傀儡を既存分隊(卒/練)に補助合流させる能動特技である。編入された傀儡は分隊の戦力/防備にボーナスを加えるだけで、分隊命令や総指揮の「受信者」にはならない — 操作主体は依然として傀儡師であり、操作アクション一間合2回上限は維持される。
他の職業(学者・主指揮など)は、いかなる場合でもこの例外を使用できない。傀儡師本人の分隊戦術特技を通じてのみ成立する。
#3段クラス特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 傀儡強化 | [素養] | — | — | 傀儡を戦力3、防備13に強化。制圧力 +2。 |
| 同時操作 | [素養] | — | 間合1回 | 一呼吸に傀儡技法1個 + 本体移動(2活力)を同時に実行可能。(通常は不可。) |
| 偽装人形 (僞裝人形) | [型] | 2 | 戦闘1回 | 傀儡の外見を味方の主/将の姿に変更。敵は感知(>=13)失敗時、傀儡を本体と誤認。敵の攻撃を傀儡へ誘導。 |
#5段クラス特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 複数傀儡 (複數傀儡) | [素養] | — | — | 傀儡2体を同時運用。それぞれ別区域に配置可能。一呼吸には1体だけ操作可能(交代)。 |
| 自爆人形 | [型] | 1 | 戦闘2回 | 傀儡を自爆。同じ区域の敵全員に1戦力。傀儡消滅(逆流なし — 自発的破壊)。 |
| 糸の結界 (絲の結界) | [姿勢] | 2 | 維持 | 傀儡師と傀儡の間の区域に「糸の網」 — 該当区域の敵移動 +1活力。制圧力 +1。 |
#7段高級特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 名人の糸 (名人の絲) | [素養] | — | — | 糸射程無制限。戦場のどこにでも傀儡を配置可能。一呼吸に傀儡技法2回実行可能(0活力操作上限内で処理)。 |
| 霊魂移植 (靈魂移植) | [型] | 3 | 戦闘1回 | 傀儡師の意識を傀儡へ完全移植。3間合の間、傀儡が主級ステータスで行動(傀儡師本体の能力値+活力をそのまま使用)。本体は無防備で停止。 |
| 傀儡劇 | [型] | 4 | 戦闘1回 | 傀儡全体(最大3体)が同時に同じ敵1体へ集中攻撃。各1戦力。連撃疲労を無視(互いに別の「攻撃者」なので)。 |
#9段高級特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 千機万象 (千機萬象) | [素養] | — | — | 傀儡3体を同時運用。それぞれ別区域に配置可能。一呼吸に2体まで操作し、傀儡技法は最大2回実行。 |
| 舞台上の戦 (舞臺の上の戰) | [姿勢] | 3 | 維持 | 傀儡師本体がいる区域が「舞台」になる。舞台内の味方全員、判定 +2。傀儡が破壊されても逆流なし。 |
| 人形師の秘密 | [素養] | — | — | 傀儡破壊時、逆流の代わりに敵へ逆流: 傀儡を破壊した敵に2戦力 + 無防備。「人形を壊せば、呪いが返る。」 |
#傀儡運用まとめ
| 条件 | 最大運用数 | 一呼吸操作対象 | 傀儡技法実行 | 本体行動 |
|---|---|---|---|---|
| 基本 | 1体 | 1体 | 1回 | 傀儡技法を使う呼吸には本体行動不可 |
| 3段同時操作 | 1体 | 1体 | 1回 | 傀儡技法1回と本体移動1回を同じ呼吸に実行可能 |
| 5段複数傀儡 | 2体 | 1体 | 1回 | 操作する傀儡を呼吸ごとに交代 |
| 7段名人の糸 | 2体 | 最大2体 | 最大2回 | 糸射程制限なし |
| 9段千機万象 | 3体 | 最大2体 | 最大2回 | 操作アクション一間合2回上限は維持 |
#傀儡昇段時成長
| 傀儡師段数 | 傀儡戦力 | 傀儡防備 | 最大運用数 |
|---|---|---|---|
| 1段 | 2 | 12 | 1 |
| 3段(強化素養) | 3 | 13 | 1 |
| 5段(複数傀儡) | 3 | 13 | 2 |
| 7段 | 3 | 14 | 2 |
| 9段(千機万象) | 4 | 14 | 3 |
| 達人 | 5 | 15 | 3 |
#区域ボーナス
| 区域 | 効果 |
|---|---|
| 後列(傀儡師本体) | 本体被撃リスク最小。安定した操作。 |
| 前列(傀儡) | 傀儡が前列で制圧力に寄与。牽制可能。 |
| 心府(傀儡) | 傀儡は心府自由進入(木なので恐怖なし)。傀儡師本体は心府の外。 |
| 外郭(傀儡師本体) | 本体を外郭に隠せば敵が見つけにくい。潜入+偽装可能。 |
#三道六心
| 自然な心 | 葛藤 |
|---|---|
| 真(現道) | 「人形も世界の一部。動くものすべてに意味がある。」 |
| 無心 | 「私は後ろにいるだけ。人形が戦う。」感情を隠す者。 |
| 葛藤: 慈↔虚 | 「人形に宿るのは私の心か、空の器か?」(自律機人との対比) |
#他クラスとの差異
| 比較対象 | 傀儡師の差異 |
|---|---|
| 陰陽師 | 式神は使い捨ての低戦力消耗品。傀儡は永続ユニット + 成長 + 破壊時逆流。 |
| 工人 | 工人は静的構造物(バリケード)。傀儡師は移動する分身。 |
| 自律機人 | 自律機人は自分自身が機械。傀儡師は機械を遠隔操作する。 |
| 学者 | 学者は活力譲渡で味方を強化。傀儡師は独自戦闘ユニットを遠隔投射する。 |
| 忍び | 忍びは自分が直接潜入。傀儡師は人形を送り危険を負わない。 |
#名品傀儡
#操り姫 — 「操られる姫」
伝説の人形師が作った最高傑作。人間と区別できない人形。あまりに精巧で — 時に人形自身が動いているように見える。
- 傀儡ステータス: 戦力5、防備15。主級に準ずる耐久。
- 名品技法: 自律行動 — 戦闘1回。1間合の間、傀儡が独立して行動(傀儡師活力とは別に、活力8で独自行動)。その間合の間、傀儡師本体も自由行動可能。
「人形が自ら動き始めたとき — 人形師は糸を放した。」
#推奨武器
| 武器 | 対象 | 理由 |
|---|---|---|
| 傀儡刀(傀儡専用) | 傀儡 | 基本提供。智基盤攻撃。 |
| 傀儡に槍装備 | 傀儡 | 前列牽制+制圧力+1。傀儡を前列守備に。 |
| 懐剣(本体) | 本体 | 護身用。後列への敵侵入時、緊急防御。 |
| 半弓(本体) | 本体 | 傀儡操作をしない呼吸で後列射撃。 |
#傀儡師の典型的な呼吸パターン
| 呼吸 | マヌーバ組み合わせ | 活力 | 効果 |
|---|---|---|---|
| 傀儡交戦 | 傀儡横斬り(2)+傀儡突き(2)+傀儡防御予約(1) | 5 | 傀儡2打+防御。本体停止。 |
| 本体移動 | 歩行(2)+懐剣緊急回避予約(1) | 3 | 本体位置調整。傀儡停止。 |
| 同時操作(3段) | 傀儡横斬り(2)+本体歩行(2) | 4 | 傀儡1打+本体移動。同時!(3段特技) |
| 双傀儡(免許) | 双傀儡(3)+傀儡防御(1) | 4 | 傀儡2体同時攻撃+防御。 |
| 霊魂移植(7段) | 霊魂移植(3)後、傀儡が主級行動 | 3 | 3間合、傀儡自律。本体無防備。 |
#核心戦術: 「糸の長さ」
傀儡師と傀儡の距離(糸射程2区域)が戦術の核心。
- 本体後列、傀儡前列: 基本配置。2区域以内。安全+交戦。
- 本体外郭、傀儡心府: 本体を隠し、傀儡を心府へ。糸射程2。
- 7段名人の糸: 射程無制限。戦場のどこにでも傀儡配置。
傀儡師の物語: 「私は後ろにいる。だが私の心は — 人形とともに戦場へ。」
後ろで操ることは卑怯か? そうではない。戦場で生き残る者が勝つのだ。
#分隊戦術特技(傀儡師)
スロット規則: 分隊戦術特技は該当段のクラス特技選択肢に含まれる。3段/5段クラス特技を選ぶとき、通常のクラス特技の代わりに分隊戦術特技を選択できる。
傀儡師の分隊戦術は人形を分隊に編入する独特の形である。傀儡が分隊員となり、戦力を補強する。
| 特技 | 類型 | 習得段 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|---|
| 人形部隊 | [戦術:素養] | 3段 | — | — | 傀儡1体を分隊に編入。分隊戦力 +1、防備 +1。傀儡が破壊されるとボーナス消滅 + 分隊結束 -1(動揺)。 |
| 糸の陣形 (絲の陣形) | [戦術:姿勢] | 5段 | 分隊命令費用+1 | 維持 | 傀儡師が糸で分隊員を「補助操作」。分隊の移動と攻撃が傀儡師の技ボーナスを受ける(分隊攻撃 +技修正値)。傀儡師の他行動不可(糸集中)。 |
三道六心(分隊戦術): 人形部隊は無心(道具的効率)。糸の陣形は真と無心の間 — 「糸がつなぐのは技術か、心か。」
「指を見る。指は私のものだ。人形を見る。人形も — 私のものだ。ならば私はどこにいる?」