#毒虫師 (蠱毒師, Dokuchushi)
壺の中に百匹を入れ、最後の一匹が生き残ったとき — それが蠱毒である。
- 役割: 暗殺、内部浸食、持続被害
- 核心能力値: 技、智
- 心府進入: 潜入浸透
- 基盤職業: 忍び × 陰陽師
- 三道六心: 魔方向(虚方向移動可能)
- 名人可能技能: 潜入、毒術、呪術、解除、変装、策謀
- 開始自動技能: 毒術習得、潜入入門、解除入門、呪術入門
魔人職業共通: GM許可が必要。NPC悪役として設計されているが、プレイヤーが望むなら「堕落の道」としてプレイ可能。悪役プレイガイド参照。
#香 — 壺の中の地獄
蠱毒。壺に毒虫を百匹入れて密封する。互いに食い合い、最後まで生き残った一匹 — それはもはや虫ではない。百の毒を吸収した呪いそのもの。古代中国から伝わったこの呪術は、日本では禁忌中の禁忌として扱われた。しかし甲賀流の闇の中で、その禁忌を実戦へ移した者たちがいた。
毒虫師は忍びの潜入術と陰陽師の呪術を結合した存在である。扱うものは刀や手裏剣ではなく虫だ。蠱毒を通じて生まれた呪虫(蟲)は卒級サイズの使役体で、敵の体内へ潜り込み、内側からかじり食う。外からは傷ひとつ見えないが、毎間合、敵の戦力が1ずつ減っていく。解毒を試みても難易度は+5 — 虫が解毒剤そのものを食ってしまうからである。伊賀流でさえ、この技法を「卑怯だ」として破門した。忍びの道は「任務の完遂」であって、「苦痛の享受」ではないというのがその理由だった。
しかし毒虫師にとって道徳は意味を持たない。毒は自然の一部である。蛇が鼠を食い、蜘蛛が蠅を食うのと同じだ。ただその規模を — 戦場単位へ拡大しただけである。毒虫師の本当の恐怖は戦闘ではなく戦闘前にある。交渉の席の茶に虫を入れ、敵大将の寝所に虫を放ち、井戸に虫を投げる。戦闘が始まる前から、敵はすでに内側から崩れている。問題は臭いだ。毒虫師の身体には常に毒虫の悪臭が染みついており、近づくだけで吐き気がする。人間社会で毒虫師が歓迎される場所はない — 同じ忍びの間でさえ。
- 推奨武器: 吹針(毒針)、毒刀(塗布刀剣)、罠(設置型)
- 推奨流派: 甲賀流禁忌派、蟲道(独自流派)
- 推奨陣営基盤: 甲賀流(出身、ただし破門状態)または般若会(毒物研究)
#法 — 特技一覧
#1段: 呪虫使役 (蠱蟲使役) [素養]
[素養] 呪虫使役 (蠱蟲使役)
効果: 蠱毒から生まれた呪虫(卒級、戦力1、防備8)1体を常時使役。
呪虫は隠身状態で移動(潜入自動成功)。
敵ユニット1体に**寄生**: 寄生中、毎間合対象戦力 -1。
寄生は発見されない限り持続(発見: 医術15 or 呪術15)。
解毒試行難易度 +5(虫が解毒剤を消化)。
区域: 虫は全区域自由移動。寄生時、対象と同じ区域。
#3段クラス特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 毒霧拡散 (毒霧擴散) | [型] | 3 | 間合1回 | 自分の区域に毒霧散布。区域内のすべてのユニット(自分を除く)に毒状態付与。毒: 間合あたり戦力 -1、2間合持続。解毒難易度 +3。 |
| 虫卵埋伏 (蟲卵埋伏) | [型] | 2 | 戦闘3回 | 指定区域に虫卵罠設置。敵がその区域に進入すると自動発動 — 呪虫1体が進入した敵に即時寄生。発見難易度: 潜入16。 |
| 毒血強化 (毒血强化) | [素養] | — | — | 自分の血液が毒化。自分を攻撃した近接敵へ自動反撃: 毒状態付与(間合あたり戦力 -1、1間合)。自分の毒攻撃効果 +1。 |
#5段クラス特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 体内爆破 (體內爆破) | [型] | 4 | 間合1回 | 寄生中の呪虫を爆発させる。対象に戦力 -4。虫は消滅。爆発は隣接ユニットにも毒状態付与(間合あたり戦力 -1、1間合)。 |
| 毒虫増殖 (毒蟲增殖) | [素養] | — | — | 呪虫使役数を3体へ拡張。各虫は独立して寄生可能。ただし3体同時使役時、術者にも毎小康戦力 -1(虫の養分要求)。 |
| 蠱毒儀式 | [型] | 5 | セッション1回 | 戦闘前儀式。壺から強化蠱毒を生成 — 練級虫(戦力3、防備12、寄生時戦力 -2/間合)。セッション終了時消滅。 |
#7段高級特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 万毒の身 (萬毒之身) | [素養] | — | — | すべての毒に完全免疫 + 毒攻撃の効果3倍(x3)。毒霧範囲が隣接区域まで拡大。自分の存在そのものが毒源 — 同じ区域に3間合以上いると、その区域は永続汚染(戦闘終了まで)。 |
| 寄生操縦 (寄生操縱) | [型] | 5 | 戦闘1回 | 寄生中の敵1体を操縦。技対立(2d10+技 vs 敵2d10+勇)。成功時、1間合の間、対象の行動を指示。操縦中、虫の寄生被害は一時停止。 |
| 無形浸透 | [素養] | — | — | 呪虫が結界/防壁を無視して寄生可能。結界内部の敵にも直接寄生。退魔結界の毒虫遮断効果を無効化。 |
#9段高級特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 百毒の王 | [素養] | — | — | 呪虫使役数無制限。すべての虫の寄生被害 +1。戦闘不能になった敵から虫が自動離脱→隣接敵に再寄生。戦場全体が虫の領域になる。 |
| 自己寄生 | [素養] | — | — | 自分の身体に蠱毒を寄生させて不死化。戦闘不能時、虫が身体を再構成 — 2間合後、戦力3で復活(セッション1回)。復活時、外見変化(虫の外形が一部表出)。 |
#極端な長所
- 毒効果3倍(7段特技)。毒系最強の攻撃力。
- 呪虫の寄生は発見が極めて困難 — 隠密な持続被害。
- 解毒難易度 +5で敵の医術/解毒を実質的に無力化。
- 戦闘前の虫卵埋伏で戦場制御。戦闘開始前から有利。
- 体内爆破で寄生を即死級被害へ転換可能。
#極端な短所
- 虫死亡時の逆流: 寄生中の虫が死ぬと術者に2戦力逆流被害。虫が多いほど危険増加。
- 薬草/解毒剤への接近不可: 虫が薬草を本能的に忌避/破壊する。自分も解毒剤を所持できない。
- 交渉 -2: 身体から漂う毒虫の悪臭。1区域以内のすべてのNPCに第一印象 -2。
- 火炎が劇薬: 虫は火で即死。火攻技法で虫全滅 + 寄生強制解除。
- 仲間の忌避: 味方ユニットも毒虫師と同じ区域にいることを嫌がる。同じ区域の味方結束 -1。
#典型的呼吸パターン(5段)
カウント11 — 初呼吸:
呪虫寄生指示(敵大将) + 移動(潜入)(2) = 2
カウント7 — 二度目の呼吸:
毒霧拡散(3) → 区域全体毒状態
→ 敵大将: 寄生(-1) + 毒(-1) = 間合あたり -2
カウント4 — 三度目の呼吸:
体内爆破(4) → 敵大将戦力 -4 + 隣接毒拡散
→ 残り活力: 11 - 2 - 3 - 4 = 2(隠身待機)
→ 敵大将累積被害: 寄生(2) + 毒(2) + 爆破(4) = 8
#区域ボーナス
| 区域 | ボーナス |
|---|---|
| 前列 | 毒霧拡散範囲に敵が多い。ただし本体露出の危険。 |
| 後列 | 本拠地。隠身しながら虫を前方へ送り、操る。 |
| 心府 | 敵大将へ直接寄生。虫卵埋伏を心府に設置すれば、敵大将進入時に自動寄生。 |
| 外部/補給路 | 戦闘前汚染に最適。井戸/食糧に虫を放ち、戦闘開始前に被害を蓄積。 |
#三道六心葛藤
毒虫師の三道六心は魔方向である。毒と呪いを扱う者 — しかし自然を愛する者でもある。
- 「毒は自然の一部だ。蛇が鼠を食うことを悪と言うのか?」 — 毒虫師の自己正当化。しかし壺の中の虐殺は自然ではない。
- 「伊賀が私を破門した。卑怯だと。だが任務を完遂したのは私だ。」 — 効率と倫理の衝突。
- 「虫が私を食っている。私は虫を使役しているのか、虫に使役されているのか?」 — 使役者と使役体の関係逆転への恐怖。
- NPC対立: 伊賀流は「裏切り者」として暗殺対象。甲賀流は「有用な道具」として時に雇用。医術師/薬師は「解毒不能の毒」への学術的関心と恐怖を同時に抱く。
- PC堕落ルート: 忍びまたは陰陽師PCが蠱毒呪術に接触した場合、GMは「毒虫師への転職」を提案できる。転職すると伊賀流から永久破門される。
「聞こえるか? この羽音。それはお前の腹の中から聞こえている。」