日本語版 v1.3.3

#イタコ (Spirit Medium)

奥羽(奧羽)の口寄せ。死者の魂を借りてまとい、死者の技で戦う。

  • 役割: 万能技法借用、情報収集(魂との会話)、変則的マルチクラス
  • 核心能力値: 智、美
  • 心府進入: 強行突破
  • 基盤職業: 現人神 × 陰陽師
  • 三道六心: 現道 真/虚 — 「私が従うのは誰の意志なのか?」
  • 名人可能技能: 呪術、退魔、交渉、予言、風格、感知
  • 開始自動技能: 呪術習得、退魔入門、交渉入門、予言入門

魔人職業共通: GM許可が必要。悪役プレイガイド参照。


#香 — 死者の口

奥羽(奧羽)地方、恐山の麓。硫黄の匂いが立ちのぼる荒涼とした地に、盲目の巫女たちが暮らしている。イタコ — 死者の魂を呼び、自分の口でその言葉を伝える者。遺族が訪れ、「死んだ父の言葉を聞きたい」と言えば、イタコは呪文を唱え、鈴を振って魂を呼ぶ。するとイタコの声が変わり、表情が変わり、話し方が変わる。死んだ父がイタコの身体を借りて語るのである。これが口寄せ。

普通のイタコはここまでである。だがこのイタコはさらに一歩進んだ。死んだ侍の魂を呼び — 剣術を借りる。死んだ密教僧の魂を呼び — 経文を唱える。死んだ忍びの魂を呼び — 潜入する。イタコのか弱い肉体に戦士の魂が宿れば、その瞬間だけイタコは戦士となる。同時に最大2名の魂をまとうことができる — 侍の剣と密教僧の退魔を同時に使うことも可能である。

代償は大きい。魂をまとうと、イタコ自身の技法は使えない。強い魂はイタコの身体を完全に支配しようとする — 失敗すれば1間合の間、魂に憑依されて制御を失う。そしてイタコの身体は弱い。体 -1。魂の力で刀を振るっても、その反動はイタコのか弱い腕が受け止めなければならない。恐山の巫女は言う — 「死者の力を借りることは、死者に借りを作ることだ。」

  • 推奨武器: なし(魂が使う武器によって変動) — 魂が侍なら刀、密教僧なら金剛杵
  • 推奨流派: なし(魂の流派を借りる)
  • 推奨陣営基盤: 恐山(イタコの聖地)、奥羽地方独立勢力、放浪

#核心資源: 魂目録 (靈魂目錄)

イタコは戦闘前に「接触した魂」の目録を管理する。

項目規則
魂獲得戦闘不能になったユニット(味方/敵問わず)の魂を捕捉(美>=11判定)。成功時、目録に追加。
非戦闘獲得死者の墓/遺品から魂接触(美>=13判定)。GMと相談して職業/技法を決定。
魂目録上限智数値と同一。智4なら最大4個の魂を保持。
同時装着最大2個の魂を同時に「まとう」。

#法 — 特技一覧

#1段: 口寄せ [型]

[型] 口寄せ
活力: 2 | 限界: —
効果: 魂目録から1体を選び、「装着」する。
  - 装着した魂の元のクラスから**1段クラス特技**1個を使用可能。
  - イタコ自身のクラス特技(口寄せを除く)は装着中使用不可。
  - 装着解除: 自由行動(活力0)。
  - 同時装着最大2体。2体装着時、各魂の1段特技をすべて使用可能。
  - 魂と会話可能(情報収集)。戦闘中でも自由行動で1問1答。

#3段クラス特技(1つ選択)

特技類型活力限界効果
深層降霊 (深層降靈)[型]3間合1回装着した魂の3段クラス特技1個を使用可能(1間合持続)。強い魂ほど反発が大きい — 使用後、美>=13判定、失敗時1間合憑依(行動不可)。
二重降霊 (二重降靈)[素養]2体同時装着時、両方の魂の1段特技を同じ呼吸に使用可能(それぞれ活力消耗)。「二つの魂が一つの身体で同時に動く。」
魂会話 (靈魂對話)[素養]魂との会話が深化。戦闘不能ではない死者(戦闘以前に死亡したNPC)の魂も呼び出して会話可能(美>=13)。非戦闘情報収集に卓越。

#5段クラス特技(1つ選択)

特技類型活力限界効果
戦士の魂 (戰士の魂)[型]3間合1回侍/野人/密教僧の魂装着時、特殊効果: 攻撃判定 +2、防備 +1(魂の戦闘本能が肉体を補強)。1間合持続。
術者の魂[型]3間合1回陰陽師/風水師/修験者の魂装着時、特殊効果: 呪術判定 +2、結界自動展開(魂の霊的力量が発現)。1間合持続。
記憶探索[型]2小康1回装着した魂の生前記憶を閲覧。GMはそのNPCが知っていた情報1個を公開。「死者だけが知る秘密。」

#7段高級特技(1つ選択)

特技類型活力限界効果
霊将 (靈將) 降臨[型]5戦闘1回将級以上の強力な魂を装着。その魂の5段クラス特技1個を使用可能。ただし使用後、美>=15判定 — 失敗時3間合完全憑依(GMが魂の目的に従って行動決定)。
魂の暴走[型]4間合1回装着した魂2体を同時爆発。二つの魂の1段+3段特技を同時にすべて使用(活力消耗合算)。使用後、二つの魂は両方とも消滅(目録から削除)。
死霊遮断 (死靈遮斷)[素養]イタコの魂操作能力が防御にも適用。敵の死霊/降霊/憑依技法に対して自動対抗(美対立)。醜女の使いの死霊復活を無効化可能。

#9段高級特技(1つ選択)

特技類型活力限界効果
万霊の巫女 (萬靈の巫女)[素養]魂目録上限2倍(智×2)。同時装着上限3体へ拡大。深層降霊の憑依判定に +3ボーナス。「数千の魂がこの身に宿る。」
最終降霊: 英雄の魂 (最終降靈: 英雄の魂)[型]全体セッション1回魂目録の最も強力な魂を完全降臨。その魂の7段以下すべてのクラス特技を3間合の間使用可能。イタコの意識は完全に消滅し、魂が肉体を支配。3間合後、魂消滅 + イタコ戦力1(瀕死)。

#極端な長所

  • 万能技法借用: パーティーにないクラスの技法を魂で補う。柔軟性最強。
  • 情報収集の達人: 死者と会話する。生きている者が知らない秘密を知る。
  • 2魂同時装着: 2つのクラスの1段特技を同時運用。組み合わせの可能性は無限。
  • 敵魂活用: 敵を倒せば、その魂を奪って使う。敵の技法が味方の武器になる。

#極端な短所

  • 自己技法封印: 魂装着中、イタコ固有特技を使えない。魂なしでは何もできない。
  • 憑依危険: 強い魂を使うほど憑依確率上昇。失敗すればGMが操作 — 味方を攻撃することもある。
  • 体 -1: イタコは基本体が低い。戦闘の物理的負担に耐えにくい。
  • 魂消滅: 魂の暴走や最終降臨を使うと魂が消える。代わりの魂を確保しなければならない。
  • 倫理的問題: 死者の魂を「道具」として使うこと。魂の同意はあるのか? 密教僧と現人神はこれを「冒涜」と見る。

#典型的呼吸パターン(5段、二重装着)

カウント12 — 戦闘準備:
  口寄せ: 侍魂装着(2) + 口寄せ: 密教僧魂装着(2) = 4
  → 侍1段(剣術ボーナス) + 密教僧1段(心府自由進入)同時運用

カウント8 — 初呼吸:
  深層降霊: 侍3段技法使用(3) = 3
  → 侍の3段剣術技法で攻撃(憑依判定必要)

カウント5 — 二度目の呼吸:
  戦士の魂(3) = 3
  → 攻撃 +2、防備 +1ボーナス

残り活力: 11 - 4 - 3 - 3 = 1(危険 — イタコは活力管理が命)

#区域ボーナス

区域ボーナス
前列戦士魂装着時、前列戦闘可能。ただし体 -1の弱い身体。護衛必須。
後列安全地帯。術者魂で後方支援。魂会話で情報収集。
心府密教僧魂装着時、心府自由進入。ただし憑依失敗時、心府で孤立 — 致命的。
外部非戦闘魂会話の中心。恐山近くなら魂接触が容易。

#三道六心葛藤

イタコの核心ドラマは自我の消滅

  • 「今戦っているのは私なのか、魂なのか?」 — 魂をまとうたび、イタコの自我は少しずつ薄れていく。戦士の魂で刀を振るうときに感じる快感は — イタコのものか、侍のものか?
  • 真と虚の境界: イタコの三道は現道の真と虚の間で揺れる。死者の「真実」を伝えることは真だが、その魂を道具に使うことは虚ではないのか?
  • 魂の怨み: 捕捉した魂の中には怨みを抱く者がいる。「仇を殺してほしい」という魂の要求を聞くのか? 拒めば憑依で暴走する。
  • 恐山の戒律: 「死者の魂は安らかに送らねばならない。」だがイタコは魂を捕まえ、戦闘に使う。これは救済か、束縛か?
  • 最終降臨の意味: 最も強い魂を完全降臨させれば、イタコの意識は消える。それは「イタコの死」なのか、「魂の復活」なのか?

「この声は誰のものか。この手は誰のものか。この怒りは — 誰のものか。私はもう、私なのかわからない。」


#例示キャラクター

魔人12種統合サンプル(1/5/10段 + 堕落経路物語)