#食人鬼 (Jikiniki)
戦場は食卓である。倒れた者の肉は私の糧であり、その骨は私の鎧である。
- 役割: 近接戦闘、戦力吸収、持久戦支配
- 核心能力値: 勇、体(體)
- 心府進入: 強行突破
- 基盤職業: 半妖 × 野人
- 三道六心: 魔方向(変動可能だが忠/慈不可)
- 名人可能技能: 体術、生存、威圧、強健、潜入、偵察
- 開始自動技能: 体術習得、生存入門、強健入門、威圧入門
魔人職業共通: GM許可が必要。NPC悪役として設計されているが、プレイヤーが望むなら「堕落の道」としてプレイ可能。悪役プレイガイド参照。
#香 — 食人の業
人間が人間を食う。それはあらゆる文化で禁忌であり、あらゆる宗教で地獄行きの条件である。しかし混世霊妖譚の戦場では、飢えは善悪の問題ではなく生死の問題だ。飢饉に苦しんだ一人の侍が戦死者の肉を食った。最初は生存だった。次は習慣だった。三度目からは — 快感だった。般若会(般若會)は彼を発見し、「変異実験」の成功体として記録した。人間の肉体に妖魔の因子を移植する実験 — ほとんどは狂って死んだが、この者は生き残った。いや、生き残ったのではなく変わった。
食人鬼は半妖でも野人でもない、その間の存在である。人間だった記憶は残っているが、肉体はすでに妖魔のそれだ。歯は鋼を噛み砕き、爪は鎧を裂き、胃はどんな毒でも分解する。戦場で倒れた者 — 敵であれ味方であれ — の肉体を呑み込めば、その戦力は食人鬼へ吸収される。食えば食うほど強くなり、強くなるほどさらに食いたくなる。般若会はこれを「完全な自給自足型兵器」と呼んだ。戦場が長引くほど、死体が積み上がるほど — 食人鬼は止められないほど強くなる。
しかしその力には代償がある。食人鬼の身体は人間の肉を絶えず要求する。戦闘中に食えなければ、身体は自分自身を消化し始め、戦力は急激に落ちる。人間社会に食人鬼の居場所はない。比叡連は食人鬼を「地獄から這い上がった餓鬼」と分類し、カグラ藩(神樂藩)は発見次第処刑する。般若会でさえ、食人鬼を「道具」として扱うだけで、仲間とは認めない。食べることがすべてである存在 — それが食人鬼の業である。
- 推奨武器: 素手(妖魔化した爪/歯)、棍棒(骨製)
- 推奨流派: 餓鬼道(般若会実戦流)、野獣格闘流(野人伝統)
- 推奨陣営基盤: 般若会(実験体管理)または戦場放浪(独自行動)
#法 — 特技一覧
#1段: 屍体吸収 (屍體吸收) [素養]
[素養] 屍体吸収 (屍體吸收)
効果: 同じ区域の戦闘不能ユニット1体を**捕食**。
捕食時、自分の戦力 +1(最大値超過可能、上限なし)。
捕食したユニットは完全消滅 — 復活/死霊復活の対象不可。
捕食には1行動消耗。捕食後、次の間合まで攻撃不可。
捕食3回累積時、**永久変異**: 攻撃 +2、防備 +2、外見が人間から逸脱。
区域: 自分の区域のみ。隣接区域の死体は移動後に捕食。
#3段クラス特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 骨甲形成 | [素養] | — | — | 捕食累積5回以上で自動発動。呑み込んだユニットの骨で外骨格形成 — 防備 +3(重複不可)。物理攻撃への反撃: 攻撃者に1戦力被害。 |
| 妖魔嗅覚 (妖魔嗅覺) | [素養] | — | — | 半径3区域以内の戦闘不能ユニット/負傷ユニット(戦力50%以下)を自動感知。隠身無効化。負傷者へ移動する時、移動力 +1。 |
| 狂乱捕食 (狂亂捕食) | [型] | 3 | 間合1回 | 同じ区域内の戦闘不能ユニットすべてを一括捕食。各ユニットごとに戦力 +1。この間合終了まで味方識別不可(味方も攻撃可能)。 |
#5段クラス特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 内臓毒化 (內臟毒化) | [素養] | — | — | 毒/疾病に完全免疫。毒武器に被撃時、捕食と同じ効果(戦力 +1)。自分の噛みつき攻撃に毒付与(戦力 -1追加)。 |
| 魂捕食 (靈魂捕食) | [型] | 4 | 間合1回 | 非実体ユニット(魂、式神を含む)も捕食可能。捕食時、戦力 +2。捕食した魂の記憶1つを獲得(GM決定)。 |
| 餓鬼変身 (餓鬼變身) | [型] | 5 | 戦闘1回 | 3間合の間、完全妖魔化。体格2段階増加、攻撃 +4、防備 +4、移動力 +2。変身中、言語使用不可、味方識別不可。 |
#7段高級特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 戦場の王 (戰場の王) | [素養] | — | — | 自分の区域に死体が3体以上あるとき、その区域のすべての敵に精神耐性(2d10+威圧 vs 敵2d10+智)。失敗時、敵は隣接区域へ強制後退。 |
| 逆流再生 | [素養] | — | — | 捕食時、戦力回復 +1追加(合計 +2)。戦闘不能状態でも同じ区域に死体があれば自動復活(戦力1、セッション1回)。 |
| 人肉分配 | [型] | 3 | 小康1回 | 捕食後、自分の戦力を隣接区域の味方1体に伝達(戦力1〜3選択)。受け取った味方は次の間合の間、攻撃 +1。 |
#9段高級特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 無限餓鬼 | [素養] | — | — | 捕食の戦力上限が完全消滅。捕食累積10回以上で将級妖魔扱い。防備 +6、攻撃 +6。退魔/破魔以外の手段で戦闘不能にならない。 |
| 業の連鎖 | [型] | 6 | セッション1回 | 戦闘不能にした敵を即時捕食 + その敵が持つクラス特技1個を次の戦闘終了まで使用可能。使用した特技は戦闘終了時に消滅。 |
#極端な長所
- 死体を無限資源へ転換する。戦場が長引くほど幾何級数的に強くなる。
- 戦力上限超過可能 — 理論上無限戦力。長期戦の絶対強者。
- 永久変異(攻撃 +2、防備 +2)は一度達成すれば永続。
- 毒/疾病免疫(5段特技選択時)。毒系の敵にはむしろ有利。
- 捕食した死体は消滅するため、敵の死霊復活/治癒復活を根本から遮断。
#極端な短所
- 人間との交渉 -5: 人間NPCとの平和的交流は一切不可。外見が人間を外れている。
- 飢えの呪い: 間合開始時、同じ区域に死体がなければ戦力 -1。食わなければ自滅する。
- 比叡連/カグラ藩自動敵対: 両勢力領域では即時討伐対象。交渉試行自体が不可。
- 味方識別問題: 狂乱捕食/餓鬼変身使用時、味方も攻撃することがある。制御不能の危険。
- 社会的絶滅: どの村にも受け入れられない。補給/宿泊/情報収集が極度に困難。
- 退魔/破魔に1.5倍被害: 信仰系攻撃に弱い。
#典型的呼吸パターン(5段)
カウント11 — 初呼吸:
移動(前列進入) + 通常攻撃(2) = 2
→ 敵卒戦闘不能発生
カウント7 — 二度目の呼吸:
屍体吸収(1行動) → 戦力 +1
→ 残り活力: 11 - 2 = 9
カウント4 — 三度目の呼吸:
魂捕食(4) + 移動(1) = 5
→ 残り活力: 9 - 5 = 4(保存)
→ 総捕食累積: 2回。永久変異まで1回残り。
#区域ボーナス
| 区域 | ボーナス |
|---|---|
| 前列 | 本拠地。死体が最も多く発生する場所。捕食機会最大。 |
| 後列 | 死体不足で飢えの危険。負傷した味方への攻撃衝動発生(勇判定)。 |
| 心府 | 敵大将との直接交戦可能。捕食対象は少ないが質が高い(練級以上)。 |
| 外部/霊界接面 | 妖魔死体の捕食可能。妖魔肉は戦力 +2として吸収。 |
#三道六心葛藤
食人鬼の三道六心は魔方向だが、人間だった記憶が葛藤を生む。
- 「私はまだ人間なのか?」 — 捕食するたび人間性が薄れる。鏡を見ることができない。
- 「食わなければ死ぬ。食えば怪物になる。」 — 生存本能と倫理の永遠の衝突。
- 「般若会は私を作ったが、私を認めてはいない。」 — 創造者への怒り。反逆の可能性。
- NPC対立: 比叡連は「餓鬼道に堕ちた者」として退魔対象。野人勢力は「自然の摂理」として一部受容。人間の味方は食人鬼とともにいること自体で結束 -1。
- PC堕落ルート: 半妖または野人PCが飢饉状況で人肉を食べた場合、GMは「食人鬼への転職」を提案できる。転職すると人間社会への帰還は不可能。
「腹が減った。いつも腹が減っている。お前が倒れたら — すまないが食う。」