日本語版 v1.3.3
#怪仏 (怪佛, Monstrous Buddha)
即身成仏(卽身成佛)。熊野の山中で数十年座禅し、人間でありながら仏になった者。生きているミイラ。
- 役割: 静的領域防衛、自己区域浄化、結界支援、退魔儀式
- 核心能力値: 体(體)、智
- 心府進入: 不可
- 基盤職業: 密教僧 × 現人神
- 三道六心: 空道 慈の極限 — 「仏は動かない。」
- 名人可能技能: 退魔、結界、強健、闘志、呪術、風格
- 開始自動技能: 強健習得、退魔入門、結界入門、闘志入門
魔人職業共通: GM許可が必要。悪役プレイガイド参照。
#香 — 山の中に座る仏
熊野の深い山。人が届かない場所に、ずっと昔から座っているものがある。僧侶の姿。袈裟は苔に覆われ、髪は地面に届くほど伸びている。目は閉じているが死んではいない。唇は動かないが、経文は途切れない。これが怪仏 — 即身成仏を成し遂げた者。
密教の極限修行 — 木食、土食、漆食を経て、身体から水分と脂肪をすべて取り除き、最後には座禅したまま入定へ入る。普通は死ぬ。だが極めて稀に、死なない者がいる。肉体はミイラのようだが心臓はまだ鼓動し、経文はまだ響き、結界はまだ広がっている。現人神の神格が密教の修行と合わさり、「人間でありながら仏」である存在が生まれるのだ。村人はこれを山の神として祀り、妖魔はこれを避けて回る。
怪仏は戦わない。いや、戦えない。数十年の座禅で四肢は固まり、筋肉は干からびた。立てず、歩けず、話せない。だが — 動かなくても、その存在自体が戦場である。怪仏が座る場所を中心に聖火の光が広がり、妖魔の力が弱まり、結界が自動で展開される。戦力は無限である。退魔技法だけが怪仏の戦力を削ることができる。だから怪仏を倒すことは「戦闘」ではなく「退魔儀式」になる。
- 推奨武器: なし(移動不可、攻撃不可)
- 推奨流派: なし(戦闘行為そのものを行わない)
- 推奨陣営基盤: 熊野山中(孤立した聖地)、比叡連廃寺(捨てられた寺に残った仏)
#法 — 特技一覧
#1段: 即身成仏 (卽身成佛) [素養]
[素養] 即身成仏 (卽身成佛)
効果: 生きている仏。常時効果:
- 戦力無限。通常攻撃/技法で戦力を減らせない。
- 退魔技法だけが戦力を減少させる(退魔1回命中 = 戦力 -1)。
- 基本戦力20。退魔で0になると入寂 — 魂が成仏して消滅。
- **移動不可**: 怪仏は自力で移動できない。一般的な強制移動も無効。
- **発話不可**: 怪仏は話せない。交渉、威圧、扇動など言語基盤行動不可。
- **心府進入不可**: 怪仏は心府に入れない。
- 退魔儀式やシナリオ条件で座から離されると戦力が即座に5へ減少し、即身成仏状態が解除される。その後は一般的な密教僧+現人神合算ステータスで戦闘する。
#3段クラス特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 聖火領域 | [素養] | — | — | 怪仏が位置する区域に常時聖火効果。該当区域の妖魔は防備 -2。小康ごとに、その区域に残っている妖魔は戦力1減少。 |
| 自動結界 | [素養] | — | — | 怪仏が位置する区域に常時結界自動生成。結界内の対象は[霊体]攻撃を受ける時、退魔機能が1段階高いものとして扱う。結界破壊には退魔>=17が必要。 |
| 苦行第3段階 (苦行三段) | [素養] | — | — | 永久的な苦行状態。怪仏へのすべての物理攻撃の被害 -2(最小0)。火炎/冷気/電気など属性攻撃に完全免疫。「ミイラの肉体に刀は意味がない。」 |
#5段クラス特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 無言の経文 (無言の經文) | [姿勢] | 0 | 維持 | 小康時、怪仏区域の味方1体戦力1回復。姿勢維持中は2活力で同じ区域の味方1体戦力1回復。区域を離れると効果消滅。「口が動かなくても経文は響く。」 |
| 霊的反射 (靈的反射) | [素養] | — | — | 怪仏に呪術/呪い技法が命中した時、自動で反射 — 術者へ同じ効果が命中。怪仏の霊的防壁が攻撃を返す。 |
| 熊野の守護 | [型] | 3 | 間合1回 | 怪仏区域の味方全員に防備 +3(1間合持続)。「山の仏がそなたらを守る。」 |
#7段高級特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 曼荼羅顕現 (曼荼羅顯現) | [型] | 5 | 戦闘1回 | 戦場全体に曼荼羅が出現。3間合の間: 戦場のすべての妖魔、戦力 -3。すべての味方退魔判定 +3。「仏の世界が戦場に重なる。」 |
| 不動明王の火炎 (不動明王の火焰) | [型] | 4 | 間合1回 | 怪仏周辺1区域に霊的火炎を噴出。区域内のすべての妖魔に2d10+智 >= 防備、3戦力。人間には無害。「不動明王の怒りが邪悪なものだけを焼く。」 |
| 入定の深化 | [素養] | — | — | 退魔による戦力減少が-1から-0.5(端数四捨五入)**へ減少。退魔2回命中 = 戦力 -1。「仏の精進がさらに深まる。」 |
#9段高級特技(1つ選択)
| 特技 | 類型 | 活力 | 限界 | 効果 |
|---|---|---|---|---|
| 涅槃寂静 (涅槃寂靜) | [型] | 全体 | 戦闘1回 | 怪仏が自発的入寂を宣言。戦力が0になり成仏(消滅)。その瞬間、戦場全体のすべての妖魔は即座に戦力 -10。すべての味方戦力全回復。「仏の死が世界を清める。」キャラクター喪失。 |
| 即身成仏完成 (卽身成佛完成) | [素養] | — | — | 怪仏の存在が完全な仏へ到達。聖火領域が戦場全体へ拡張。退魔以外のすべての攻撃が完全無効(物理・呪術・呪い・[霊体]攻撃を含む)。ただし退魔命中時、戦力 -2へ増加。 |
#極端な長所
- 戦力無限: 通常攻撃では殺せない。退魔専門家がいなければ攻略そのものが不可能。
- 聖火領域: 怪仏が座る区域を浄化する。妖魔はその区域で弱まり、長く耐えにくい。
- 自動結界 + 苦行: 怪仏周辺を防衛拠点にする。結界は
[霊体]攻撃を完全に消すのではなく、退魔判定段階を高める。 - 無言の経文: 戦闘中の全員回復ではなく、小康回復と姿勢維持中の単一対象回復で味方を支える。
- 退魔儀式という物語: 怪仏攻略戦は通常の主級撃破ではなく退魔儀式 — 独特のシナリオを作る。
#極端な短所
- 移動不可: どのような状況でも動けない。戦場は怪仏を中心に形成されなければならない。
- 発話不可: 交渉、威圧、降伏勧告、同盟提案 — すべて不可。NPCとの会話がない。
- 心府進入不可: 心府の戦闘に一切関与できない。心府で戦う敵には無力。
- 移動時戦力急減: もし移動を強制されると戦力が5へ急減。仏の力を完全に失う。
- 退魔特化敵に脆弱: 密教僧、修験者が退魔を集中すれば戦力が着実に削られる。
- PC運用制約: 移動/会話がないため、PCよりNPC主級敵または環境障害物に適している。PCとして使う場合、非戦闘RPが極めて制限される。
#典型的呼吸パターン(5段)
怪仏は行動を「選択」しない。常時効果が自動で適用される。
カウント12 — 初呼吸:
聖火領域(自動) + 自動結界(自動) + 無言の経文姿勢維持 = 0
→ 区域内妖魔防備 -2。`[霊体]`攻撃を受ける味方は退魔1段階高いものとして処理
カウント8 — 二度目の呼吸:
無言の経文回復(2) + 熊野の守護(3) = 5
→ 同じ区域の味方1体戦力1回復 + 区域内の味方防備 +3
残り活力: 11 - 5 = 6(怪仏は動けないため、活力は結界内支援に集中する)
敵対応: 退魔専門家を怪仏区域へ進入させなければならない。
#区域ボーナス
| 区域 | ボーナス |
|---|---|
| 前列 | 怪仏が座る前列区域を浄化拠点にする。敵の退魔師も接近しやすくなる。 |
| 後列 | 安全だが聖火領域は後列の自区域にとどまる。後列保護と退魔儀式防衛に集中。 |
| 心府 | 進入不可。怪仏は心府に座れない。 |
| 外部 | 最も一般的な配置。山中に座る怪仏を探しに行くシナリオ。 |
#三道六心葛藤
怪仏の核心ドラマは慈悲と執着の境界。
- 「これは慈悲か、執着か?」 — 怪仏は衆生を守るために成仏を選んだ。だが世に執着して涅槃へ入れないことは — 仏教的に失敗ではないのか?
- 「仏が戦争に関与してよいのか?」 — 怪仏の聖火領域は味方を助け、妖魔を害する。だが不殺の戒律は? 仏が味方することは仏なのか?
- 涅槃寂静の選択: 怪仏が自発的に入寂(涅槃)すれば戦場を浄化できる。だがそれは「死」である。仏が自ら死ぬことは — 解脱か、自殺か?
- 味方との関係: 怪仏は話せない。味方が怪仏の意図を誤解し、怪仏の力を戦争の道具として利用しても — 怪仏は拒めない。「山の仏を兵器として使う人間」というドラマ。
- 熊野の山 vs 戦場: 怪仏を山から戦場へ移せば(移動時戦力急減)、仏の力を失う。「仏を戦場に引きずり出すこと」の倫理的問題。
「山に座り、経文を唱える。百年でも、千年でも。衆生が救われるまで — 仏は動かない。」