#第2幕 — 捕縛迷宮
目次
"どの道が正しいと言えるのだろう。ある者は解かれたいと望み、ある者はすでに静けさを見つけているのに。"
本編参照
- この補充内: 11-00 · 11-01 · 第2章 NPC図鑑 · 第2章妖魔図鑑 — 黒縄の顔たち
#香 — 迷宮の肌理
森の入口を越えて内側へ二、三間合。鎖はさらに太く、さらに密になり始める。そしてある瞬間、風景が変わる。
垂直にだけ伸びていた鎖が、水平にも 伸び始める。横へ、斜めへ、あるものは丸い輪を描きながら。それらが絡み合い、格子 を作る。格子の大きさはさまざまだ — 人が通れるほどの区画もあれば、指一本入れる隙間もない区画もある。
光が変わった。今は上から薄い灰色の光が シャフトのように 落ちてくる。格子の隙間で光が砕けて降りる。床には格子の影が網のように敷かれる。
息を整えると — 何かが見える。格子の交点ごとに、誰かが座っている。
彼らは動かない。鎖に巻かれたまま、目を閉じているか、あるいはとても静かに開けたまま。息をしている者もいれば、息をしていないように見える者もいる。彼らは 捕縛された魂 たちだ。この森の住民であり、この森を訪れた者たちが自ら残ることを選んだ痕跡である。
君たちの誰かが近づいて声をかければ、彼はゆっくり目を開く。そして笑う。歓迎ではない。諦念でもない。認定だ。「ああ、君が来たのか」という目つき。
そして彼は君たちに問うだろう。ある者は「解いてくれ」と、ある者は「そのままにしてくれ」と、ある者は 「君もここにいていい」 と。
この迷宮こそ、黒縄がPCに与える試験だ。解くのか、置くのか、自ら縛られるのか。
#法 — 第2幕ゲームデータ
#幕メタ
| 項目 | 値 |
|---|---|
| セッション番号 | セッション 6 (第2章の二回目のセッション) |
| 実プレイ時間 | 3~4時間 |
| 主要場面数 | 5個 (迷宮進入 / 迷える魂 3~4遭遇 / ジレンマ地点 / 中間戦闘 / 祠到達) |
| 主要判定 | 精神耐性, 感知, 交渉, 解除, 地理 |
| PC成長期待値 | 3段序盤 → 3段後半 |
| 主要NPC | 迷える漂流民 3~4人 (第2章 NPC図鑑) |
| 主要妖魔 | 捕縛された魂(主役), 黒縄兵(遭遇戦闘) |
#結界HP変動
| 時点 | 変動 |
|---|---|
| セッション開始 | 0 (1幕終了状態を継承) |
| 迷宮中盤イベント | -3 ~ -5 (もし長く滞在した場合) |
| セッション終了時 | 帰還時 ±0, 霊界野営時 -2 |
#遭遇 — 場面別進行
#場面 1. 迷宮進入 — 格子の始まり
位置: 黒縄の森の内側。1幕終了地点から 1 間合進入。
#描写
森が変わる瞬間ははっきりしている。垂直の鎖の間を進んでいると、ある瞬間、空が閉じる。頭上に横鎖が編まれ始めたのだ。その向こうから薄い灰色の光が落ちてくる。
足元を見ると、床にも鎖が敷かれている。だが、この鎖は固定されていない — 足が触れると少し動き、通り過ぎた後また整列する。まるで柔らかな織物のようだ。
#進入判定
地理/感覚判定 目標値 11:
| 結果 | 意味 |
|---|---|
| 7 以下 | 方向喪失。戻ろうとしても同じ場所へ戻る。1 間合追加消費。 |
| 8~11 | どうにか移動。ただし次の場面で不利 -1。 |
| 12~15 | 順調。目的地方向を維持。 |
| 16 以上 | 格子の論理を把握。以後の迷宮移動判定に +2。 |
鎖の母が1幕で同行を受諾していたなら、この判定は自動成功。ただし母は迷宮の深い場所でしばらく席を外すと言う — 「あなたたちだけで見なければならないものがある」。
#場面 2. 最初の捕縛された魂遭遇 — 「聞け」
位置: 迷宮進入後、最初の交点。
#描写
格子の交点にひとりの人が座っている。男だ。中年。武士だった痕跡が鎧の残骸に見える。全身に細い鎖が数十筋巻きつき、そのうち何筋かは格子の骨組みとつながっている。目を閉じている。
PCが近づくと、彼が目を開く。そして話す — 穏やかに、長く語り続けてきた者のように。
"君たちもここまで来たのか。どれほど時が流れた?"
PCが答えると、彼は笑う。彼の名は サカイ・タロウ。100年前にこの森へ入った侍だった。主君を守れなかった恥が、彼をここまで導いた。
彼は解かれることを望まない。彼にとって黒縄は 贖罪の場所 だ。
#会話および判定
PCが彼と会話する時に可能な判定:
| 接近 | 判定 | 目標値 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 感知 | 2d10 + 智 + 感知 | 12 | 彼の話をすべて聴取 |
| 交渉 (解いてほしい) | 2d10 + 美 + 交渉 | 16 | 失敗 — 彼は拒む |
| 交渉 (そのままにすると認める) | 2d10 + 美 + 交渉 | 10 | 彼は安らぎ、祝福する |
| 解除または体術 (強制切断) | 2d10 + 技 + 解除または2d10 + 體 + 体術 | 14 | 鎖を切る — しかし彼は絶望 |
#強制解放の結果
PCがサカイの意志に反して鎖を切る場合:
- 彼の身体が一瞬揺れる。そして彼は 絶望した顔で崩れ落ちる。
- "...なぜ? 私はここがよかったのに。"
- 彼はその場から動かない。2 間合後、自ら再び格子へ這っていき、新しい鎖が伸びるのを待つ。
- PC全員が精神 目標値 11 判定。失敗時、三道 仁義 -1 (意志を侵した罪悪感)。
#認定の結果
PCが「君の選択を尊重する」と言う場合:
- サカイは笑い、小さな袋をPCに渡す。袋の中には 「折れた道の欠片」(アイテム, 4幕使用) が入っている。
- 彼は言う — "君たちの旅が無事であるように。そして、君たちが君たちの『ここ』を見つけられるように。"
- 三道 侠愛 +1 (他者の縛りを認める)。
#場面 3. 二番目の捕縛された魂遭遇 — 「解いて」
位置: 迷宮中盤の交点。
#描写
今度は女だ。若い。鎖が彼女の身体にきつく巻きつき、そのうち一筋が彼女の口を覆っている。目を大きく開いている。PCを見ると、必死に身体を震わせて視線を引く。
口を覆う鎖が落ちると — 彼女は叫ぶ — "解いて。お願い。ここにいたくない。"
彼女の名は ミズキ。10年前にこの森へ入った。鎖の母に騙されて巻かれたのだと主張する。「彼女は何もかも知っている母の顔で私を休ませた。そして目を覚ますと、ここにいた。」
#会話および判定
| 接近 | 判定 | 目標値 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 感知 (事実確認) | 2d10 + 智 + 感知 | 14 | 彼女の言葉の半分は真実、半分は歪曲 |
| 交渉 (彼女を安心させる) | 2d10 + 美 + 交渉 | 12 | 彼女が安定し、正確な情報を提供 |
| 解除または体術 (鎖切断) | 2d10 + 技 + 解除または2d10 + 體 + 体術 | 13 | 鎖を切る |
#真実の重み
感知 14以上成功時、GMは次を公開:
- 鎖の母は彼女を 強制的に巻かなかった。ただし彼女の悲しみが深すぎて、自ら「ここにいたい」と言い、鎖の母はその言葉を受け入れただけ。
- ミズキは10年の間に何度も「解いてほしい」と「そのままにしてほしい」の間を行き来した。今、彼女が「解いてほしい」と言うのは本心だが、明日はまた違うかもしれない。
この真実をPCがミズキに伝えるか、隠すかがジレンマの核心だ。
#解放の結果
PCがミズキを解く場合:
- 鎖が切れ、彼女は解放される。
- 彼女は 3 間合の間 動けない — 自由の重さに適応している。
- その後、彼女はPCに「一緒に行こう」と頼む。
- 領地へ同伴可能 (ただし、領地士気 -1, 衰弱度 +0.5)。
#補足効果
ミズキを解いた後 1 間合以内に、鎖の母が感知する。3幕で鎖の母の反応が変わる。
| 鎖の母の反応 | 条件 |
|---|---|
| 諦念 | PCがミズキに真実を告げた場合 |
| 裏切られた感覚 | PCが真実を隠した場合 |
| 理解 | PCが解きながら「彼女の選択を尊重する」と言った場合 |
#場面 4. 三番目の捕縛された魂遭遇 — 「君も来なよ」
位置: 迷宮後半の交点。祠近く。
#描写
この交点は違う。巻かれた者がいない。代わりに、ひとりの人が 鎖の上に座っている — 巻かれているのではなく、鎖を椅子のように使っている。柔らかな微笑みを浮かべている。彼はPCたちに手を振る。
"ようやく来たね。待っていたよ。座って。茶がある。"
彼の名は ハルヒコ。50年前にこの森へ入った。彼は 解かれた状態でも、縛られた状態でもない。彼はこの森を選んだが、鎖には巻かれていない。彼は「中間者」だ。
彼はPCたちに一種の提案をする。
"君たち、ここがなかなか悪くない場所だとわかっただろう? もちろん初めて見る者には怖い。でも慣れれば平穏だ。一度休んでみなよ。無理に巻かれろと言っているわけじゃない。ただ、一晩。休むだけだ。"
#誘惑判定
ハルヒコの提案に応じるPCは 精神 目標値 13 判定:
| 結果 | 意味 |
|---|---|
| 7 以下 | PCは「少し休みたい」と言って座る。セッション終了まで移動不可。 |
| 8~11 | PCは迷う。1 間合の間、行動 -1。分隊員が起こせば回復。 |
| 12~15 | PCは提案を断る。だがその誘惑の味を覚える (三道 侠愛 +0.5)。 |
| 16 以上 | PCは提案の本質を見抜く。ハルヒコの追加情報を獲得 (下記参照)。 |
#見抜いた時の情報公開
目標値 15以上成功時、GMは次を公開:
- ハルヒコは実は 鎖の母の昔の恋人 だった。彼は彼女について森へ入り、巻かれずにそばへ残った。彼はこの森の 生きた証人 である。
- 彼は森の深い場所にある、封印されたもの の存在を知っている。だが彼はそれを恐れている。
- 彼から情報を得ると、4幕の黒縄大母遭遇時、先制的理解 +2。
#ハルヒコの贈り物
PCが友好的で、誘惑を断った場合、ハルヒコは去り際に小さな 鉄心(鐵心)結晶 を一つ渡す。
- 4幕で黒縄大母に対して「攻撃の代わりに対話」を選ぶ時に使用。
- 1回用アイテム。「大母よ、ハルヒコがあなたを覚えている」と伝えると、大母が 1 間合攻撃を中断。
#場面 5. 中間戦闘 — 黒縄兵
位置: 三番目の捕縛された魂遭遇後、祠の空き地へ向かう道。
#描写
道が開く。だが道の先で 鎖が動く。今度は違う。鎖が 人間の形に集まる — 腕があり、脚がある。頭は鎖の塊だが、はっきりした形だ。彼らは 黒縄兵 である。
黒縄兵はこの森を守る存在だ。捕縛された魂たちの一部が、時が流れるうちに「森の一部」となって兵士になる。彼らには知能があるが、一つの命令だけに従う — 「侵入者を追い出せ」。
「追い出す」のであって「殺す」のではない。この戦闘は死亡よりも 迷宮の外へ押し出されること を目標にする。
#戦闘設定
第2章妖魔図鑑 — 黒縄の顔たち 参照。
- 敵数: 2~3 (PC数に合わせて調整)。
- 難度: 中間 (PC 3段基準)。
- 特殊ルール: 黒縄兵はPCを倒そうとしない。代わりに「押し出そう」とする。各攻撃はPCを1マス後ろへ押す。PCが迷宮入口側へ押し出されれば戦闘終了。
#勝利条件
- 黒縄兵全員撃破、または交渉成功 (感知 目標値 15, 彼らはほとんど話さない)。
- PC全員が迷宮外へ押し出されない。
#敗北条件
- PC全員が迷宮外へ押し出される → 1幕終了地点へ戻る。セッション再開時に3幕へ進行不可、2幕再挑戦。
#場面 6. 祠の空き地 — 静寂の円
位置: 迷宮を抜けた中央地点。鎖が伸びない円形の空間。
#描写
迷宮を抜け出した瞬間、世界が急に 広がる。直径30歩ほどの円形の空き地。床は滑らかな黒い石。鎖はこの円には伸びない。空気は澄んでいる。上から白い陽光のようなものが降りてくる — もちろん太陽はないが。
円の中央に小さな石祠がある。高さ2m、幅1.5m。祠の前に座布団が一つ置かれている。座布団の横には、茶が一杯、まだ湯気を立てて置かれている。
鎖の母が座布団の上に座っている。君たちを待っていた。
"ここまで来たのね。座って。"
彼女の微笑みが違う。1幕での見知らぬ母の微笑みではない。ここでは彼女が 家主 だ。落ち着いている。
この場面が2幕の終結であり、3幕の開きである。詳細な会話は 第3幕 — 契約あるいは裏切り 参照。
#段階別進行ガイド
#1段階 — 迷宮進入 (0.5時間)
- 格子風景の描写。
- 進入判定。
- 方向感覚RP。
#2段階 — 最初の捕縛された魂 (サカイ) (0.5~1時間)
- 描写および会話。
- 各PCの個人反応。
- 判定および結果。
#3段階 — 二番目の捕縛された魂 (ミズキ) (0.5~1時間)
- 描写および会話。
- 感知判定 (真実把握)。
- ジレンマ選択。
#4段階 — 三番目の捕縛された魂 (ハルヒコ) (0.5~1時間)
- 誘惑場面。
- 精神耐性。
- 情報またはアイテム獲得。
#5段階 — 中間戦闘 (0.5時間)
- 黒縄兵遭遇。
- 戦闘または回避。
#6段階 — 祠到達 (0.5時間)
- 空き地描写。
- 3幕へ接続。
- セッション終了可能地点。
#成功/失敗分岐
#2幕成功条件
次のうち 2個以上 達成。
- [ ] 捕縛された魂 3人全員と会話。
- [ ] 少なくとも 1人の魂について「尊重」または「解放」のどちらかを意図的に選択。
- [ ] 黒縄兵戦闘で迷宮外へ押し出されない。
- [ ] 祠の空き地に到達。
#2幕失敗条件
- [ ] PC 1名以上がハルヒコの誘惑に屈して「休み」状態で残る (このPCは3幕からNPC化)。
- [ ] 迷宮で 8 間合以上迷う → セッション時間超過で2幕繰り越し。
- [ ] 黒縄兵戦闘敗北 → 迷宮入口へ戻る。
#中間分岐
- 尊重経路: 捕縛された魂たちの意志をおおむね尊重 → 鎖の母の好感度 +2, 3幕契約提案が好意的。
- 解放経路: 魂たちを解く選択が多数 → 鎖の母の好感度 -1, 3幕契約提案が冷淡。
- 混合経路: PCごとに異なる選択 → 鎖の母の反応が両価的になり、3幕RPが複雑化。
#GMコントロール
#解放の倫理 — 核心演出
この幕の中心主題は「解放することは正しいのか」だ。GMはPCに簡単な答えを与えない。すべての選択には両面がある。
#解放することの両面性
| 利点 | 欠点 |
|---|---|
| PCの慈悲心の表現 | 解かれた者が望んでいない可能性 |
| 士気 +1 (領地での名誉) | 鎖の母の好感度 -1 |
| 道徳的満足感 | 三道の均衡が崩れる可能性 |
#置くことの両面性
| 利点 | 欠点 |
|---|---|
| 他者の意志の尊重 | 道徳的不快 |
| 鎖の母の好感度 +1 | PC内面に罪悪感が蓄積 |
| 黒縄の哲学を学ぶ | 領地へ戻って説明しにくい |
#ペース管理
| 場面 | 目標時間 | 超過時の措置 |
|---|---|---|
| 迷宮進入 | 30分 | 進入判定を1回に短縮 |
| 捕縛された魂 3人 | 90分 | ハルヒコ場面を短縮または省略 |
| 戦闘 | 30分 | 2間合内に終結 |
| 祠到達 | 30分 | 描写だけして3幕へ渡す |
#三道影響
| 行動 | 三道影響 |
|---|---|
| 意志尊重 (置く) | 侠愛 +1 |
| 意志に反して解く | 仁義 -0.5, 侠愛 -0.5 |
| 意志どおり解く | 仁義 +1 |
| ハルヒコの誘惑拒否 | 善道 +0.5 |
| ハルヒコの誘惑受容 | 善道 -1 (判断力喪失) |
| 黒縄兵と交渉を試みる | 善道 +0.5 |
#付録 A — 迷宮地図 (GM用)
[祠の空き地]
|
(場面 6)
|
[中間戦闘地点]
(場面 5)
/ \
/ \
[ハルヒコ] [ミズキ]
(場面 4) (場面 3)
\ /
[サカイ]
(場面 2)
|
[迷宮入口]
(場面 1)
|
[森外郭]
(1幕終了)
迷宮の構造は一直線ではない。3人の魂すべてに会うには、分岐を何度も通らなければならない。PCが飛ばそうとするなら、GMは迷宮の「回帰効果」を使う — 分岐を避けると同じ交点へ戻る。
#付録 B — 捕縛された魂NPC要約
詳細は 第2章 NPC図鑑 にある。ここではGM運用に必要な核心だけを要約する。
| NPC | 性格 | 中心質問 | 贈り物 |
|---|---|---|---|
| サカイ・タロウ | 贖罪型。解放を拒む。 | 「罪悪感をどう手放すか」 | 折れた道の欠片 |
| ミズキ | 混乱型。解かれたいが反復。 | 「自由の重さを背負えるか」 | なし (または領地居住) |
| ハルヒコ | 中間者。選択の証人。 | 「中間の位置は可能か」 | 鉄心結晶 |
#付録 C — 道徳的ジレンマ討論ガイド
セッション中または後に、GMがプレイヤーとできるメタ討論の主題。
- "解放することは全員にとって正しいのか? 相手が望まない時は?"
- "縛りが相手の選択なら、その選択を尊重することは仁義なのか、傍観なのか?"
- "10年後に考えが変わる人を、今解くことは正しいのか?"
- "君自身は何に縛られているのか? その縛りを誰に解いてほしいのか?"
この討論は選択的である。プレイヤーが望まなければ飛ばす。ただし黒縄の主題を深く掘り下げたいグループには強く推奨。
#2幕終了チェックリスト
セッション終了時にGMが確認すること。
- [ ] 捕縛された魂 3人の状態記録 (解放/置く/強制解放/関係)。
- [ ] 鎖の母の好感度更新。
- [ ] PC別の三道変動記録。
- [ ] 結界HP更新。
- [ ] 獲得アイテム整理 (折れた道の欠片, 鉄心結晶など)。
- [ ] PC経験値支給。3段序盤 → 3段後半。
- [ ] 3幕進入条件確認 (鎖の母の反応トーン)。
#付録 D — 捕縛された魂端役プール (オプション)
GMが時間の余裕やプレイヤーの関心に応じて追加遭遇として使える捕縛された魂たち。中心3人(サカイ・ミズキ・ハルヒコ)の代わり、または補充として使う。
#D.1 ゴエモン — 寺務僧
- 30年前にこの森へ入った僧侶。
- 説法中に弟子のひとりが倒した塔を振り払えず、自ら巻かれた。
- 会話時、経典を読誦しながら話す。
- 解くよりも彼の言葉を傾聴すると 精神回復 +1 効果。
- 贈り物 (聴取時): 「破れた経文」 紙片 1枚。4幕で黒縄大母に見せると、大母の攻撃力 -1。
#D.2 オスシ — 幼い少女
- 5年前にこの森へ入った少女。最も短く囚われている魂。
- 少女は泣いている。解放されたいと言う。
- しかし感知 目標値 15成功時 — 彼女は すでに遠い昔に死んだ幻影 だと明らかになる。
- 本物のオスシはここにはいない。これは黒縄がPCの憐れみを試すための 餌 だ。
- 幻影を「解放した」PCは三道 善道 -1 (判断力失敗)。
- 幻影を見抜いたPCは三道 善道 +1。
#D.3 無名の者 — 鎖が顔まで覆った者
- 最も長く巻かれた魂。100年超。
- 話せない。顔が鎖に覆われている。
- PCが鎖を払いのけると — その下には 顔がない。顔が溶けて鎖と同化している。
- 名前も、性別も、過去もわからない。ただ、ここにいる。
- 「解放する」という行為が意味を失う存在。
- PC全員が精神 目標値 13 判定。失敗時、1 間合「無言」(声なし)状態。成功時、三道 善道 +1 (判断保留の境地)。
#D.4 ダイスケ — 元国人武士
- 40年前、同じ国人家門出身の武士。現在の領地と 関係のある人物。
- PCの中に家門ゆかりのあるキャラクターがいれば、彼に気づく。
- 彼は領地が霊界へ落ちたことを知っている。
- 情報提供 (感知 12以上): "黒縄大母は鎖の母の『別の顔』ではない。別個の存在だ。同じ身体を共有する二つの魂。"
- この情報は4幕談判で決定的。
#付録 E — 隠されたギミック: 迷宮の「記憶の鏡」
2幕迷宮のどこかに隠された遭遇。探索 目標値 15成功時に発見。
#E.1 発見
迷宮の隅に 小さな水たまり。底は滑らかな黒色の石で、水は黒いが澄んでいる。水面に映るのはPC自身ではなく — PCの過去のある瞬間。
#E.2 機能
各PCが水をのぞき込む時、GMは即興でPCの過去の一場面を描写する。主題は「君はいつ自ら縛られたのか」。その場面はPCのバックストーリーから探すか、なければGMが創作する。
例:
- "君は五歳、父の一言で自分の夢を埋めた。"
- "君は十六歳、誰かの期待に合わせて家を出た。"
- "君は二十歳、愛した者を捨てられずに剣を置いた。"
#E.3 判定
PCは 精神 目標値 11 判定。
| 結果 | 意味 |
|---|---|
| 7 以下 | 記憶の重みに侵食される。三道 侠愛 +1、一呼吸上限 -2 (解除必要)。 |
| 8~11 | 不快感。1 間合の間、行動 -1。 |
| 12~15 | 記憶を受け入れる。三道 善道 +1。 |
| 16 以上 | 洞察。4幕黒縄大母の「試験」判定 +2 ボーナス。 |
#E.4 ギミックの意義
この遭遇は黒縄の本質を最も鮮明に示す — 「君はいつ自ら縛られたのか」という問い。PCがこの問いと正面から向き合う唯一の場面だ。GMはこの場面を逃さず、各PCに個別の時間を与える。
#付録 F — 迷宮での消耗資源
迷宮移動中に消耗する資源。
| 資源 | 消耗量 | 回復 |
|---|---|---|
| 食糧 | 1 / 2 間合 | 領地帰還時に補充 |
| 薬草 | 1 / 遭遇ごと | 3幕祠で 1 提供可能 |
| 符 | 0 (黒縄では符の効果が弱い) | — |
| 活力 | 遭遇ごと -1 | 休息不可 (鎖が伸びる) |
| 露出度 | +1 / 2 間合 | 領地帰還時に浄化可能 |
#休息の罠
迷宮で明示的な休息を試みるPCは 精神 目標値 13 判定。失敗時、鎖が足に巻きつき始める。GMはPCに警告せず、描写で見せる — 「少し目を閉じただけなのに、足首が重い。動かしてみると、何かが巻きついている」。
#次の段階
- 3幕進入準備: 第3幕 — 契約あるいは裏切り
- プレイヤーへの共有: 次セッションは 契約と選択。RP比重が大きい。
- GM記録: 3人の魂に対するPC各自の態度を要約。これが4幕で黒縄大母の「試験」に反映される。
第2幕は 倫理 の幕だ。3幕は 約束 の幕になる。倫理の試験を通った者だけが、約束の重さを知る。
最後のGMノート: 2幕終了時、プレイヤーに問え。 "君のPCはこの森を出る時、何を持って出るだろうか? 物だけではなく、心に抱えるものまで。" 答えを記録せよ。4幕でその「抱えたもの」が試される。