#第2章妖魔図鑑 — 黒縄の顔たち
目次
「この森のすべては鎖から始まる。鎖が育てば草となり、草が集まれば獣となり、獣が夢を見ると兵士となる。」
本編参照
- 必須: 妖魔図鑑テンプレート・戦闘進行・区域ギミック
この補充内参照
- 必須: 黒縄地獄ガイド・黒縄流流派・11-00 章概要・11-05 NPC・11-04 4幕
- 参考: 霊界知性体一般論
#この章の妖魔要約
| # | 名前 | 等級 | 登場幕 | 特殊ギミック |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 生鎖 | 雑 | 1·2幕 | 地形型捕縛装飾・技法なし |
| 2 | 縛魂 | 卒 (分隊) | 2·3幕 | 精神攻撃・交渉誘導 |
| 3 | 黒縄兵 (黑繩兵) | 練 (分隊) | 2·3·4幕 | 押し出し捕縛・分隊突撃 | | 4 | 黒縄使 (黑繩使) | 将 | 3·4幕 | 鎖操作・自前活力・免許所持 | | 5 | 黒縄大母 (黑繩大母) | 主級 | 4幕 | ボス・交渉可能・三元選択 | | ボーナス | 雑魚プール4種 | 雑 | GM自由 | 装飾用・技法なし |
#黒縄共通ギミック
#1. 捕縛
黒縄妖魔の特定技法が命中すると、ダメージの代わりに捕縛が発生することがある。捕縛されたPCは1 間合移動不可。行動は可能。
解除: 自分の小康に 2d10 + 體 >= 13 成功で解除。失敗するとさらに1 間合維持。
#2. 鎖裂け (維持累積ダメージ)
捕縛が2 間合連続で維持されると、鎖が引かれて対象の肉を裂く。各間合開始時に1 戦力。捕縛が解ければ裂けも止まる。
#3. 契約の糸 (交渉成立時)
黒縄妖魔との交渉が成立すると、双方の手首に見えない黒い糸が巻きつく。
- 約束維持: 双方の心変動なし。同盟維持。
- PCが違反: PC三道六心
魔方向へ1段階移動。三道六心 参照。 - 妖魔が違反: 妖魔側の結束 -2、次の遭遇時PC側交渉 +3 (裏切り者の烙印)。
GM原則: 契約を軽く許可するな。一度糸が巻かれたら、セッションが終わるまでプレイヤーの手首にその感覚が残らなければならない。
#妖魔 1 — 生鎖 (雑)
#香
地面が黒い。黒い土の間から、腕ほど太い鉄輪が稲のように生えている。先端は生えたばかりの幼い輪 — 細く、濃い鉄色。歩くたび、足元からじゃらりという音が聞こえる。だが動きはしない。風だけがある。
PCのひとりが腰をかがめて幼い鎖の輪をつかもうとすると、幼い輪はひとりでにうごめく。生きているわけではない。感知もない。ただ近づくものへ反射的に伸びる。
鎖の母は一行がこの場面に出会った時、静かに言う:
「それらは私が植えたものではないの。この土地が自分で育てる。私がしていることは — 刈らないことだけ。」
この森のすべての命は、この「草」から始まる。食われた虫は溶けて鉄粉となり、鉄粉はまた地面に染み込み、新しい鎖を育てる。草を踏むな。だが踏まずにこの森を通ることはできない。
#法
生鎖 — 雑 戦力 0、防備 —、活力なし。 支配力 +0.5 (個体) / +1 (群落 3~5筋装飾)。
技法: なし。自前行動なし。区域の地形装飾として扱う。
特殊:
- 伸び反応 (地形ギミック): 生鎖が配置された区域で移動 +1 活力消費。「草が足首に絡みつく」。回避するには自分の小康に
2d10 + 技 >= 11成功。 - 根の浄化: その区域の鎖をすべて切断・焼却するには、自分の小康に
2d10 + 勇または智の高い方 >= 131回が必要。成功時、区域地形ギミックを除去。失敗時、次の間合開始時に新しい幼い鎖が再生(1 間合復元)。
交渉可能可否: 不可。知能なし。
捕獲素材:
- 幼い鉄輪 (1~3個/群落): 黒縄流伝授条件媒介。22-02 黒縄流 参照。
- 黒い樹液 (1瓶/群落): 薬草代用1回分。領地倉庫積載。
GM運用: この妖魔は戦闘ではない。区域の雰囲気と支配力装飾、移動コスト調整用。PCが「これは殺せるのか?」と尋ねたら — 「殺すものがない」と答えよ。育てることと刈ることの違いを、PC自身に感じさせよ。
#妖魔 2 — 縛魂 (卒)
#香
鎖の森の奥深く。何百筋もの鎖が垂直に垂れる中、それぞれの鎖に人の形が一つずつ巻かれている。半跏趺坐、あるいは立った姿勢。頭を下げていたり、目を閉じていたり、薄く笑っていたりする。性別も、年齢も、服装もさまざまだ。
近づくと、そのうち一人が目を開く。彼はPCを長く見つめてから、かすれた声で言う。
「ここまで来るのは大変だったろう。……帰れ。こちらも悪くない。最初は重いが — 慣れれば温かい。」
彼の身体に巻かれた鎖は、彼が自分で巻いたものだ。この森に初めて着いた時、彼は抜け出そうとした。三日目、彼は諦めた。七日目、鎖の冷たさがむしろ安息なのだと悟った。今、彼は抜け出したいとは望んでいない。
しかしPCが鎖を強制的に解こうとしたり、彼を攻撃したりすると、彼の表情が変わる。鎖が彼の意志に応じて — 武器へ転じる。この戦闘は道徳的な重みを伴う。彼が先に戦いを仕掛けたわけではないことを、GMは必ず覚えておくこと。
#法
縛魂 — 卒 (分隊) 戦力 1、防備 11、活力なし (分隊指揮時のみ)。 分隊編成: 3~4体。 支配力 +2 (分隊), +1 (単独・放浪)。
技法 (指揮官または放浪活力消費):
| 技法 | 類型 | 活力 | 判定 | 効果 | 制限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鎖鞭 | 攻撃A | (指揮) | 2d10 + 勇(+0) >= 防備 | 1 戦力。命中時、捕縛選択可能(ダメージの代わり)。 | — |
| 囁き | 攻撃B (美) | (指揮) | 美対立(2d10 + 美(+1) vs 敵 2d10 + 勇) | ダメージなし。失敗時、対象の次の判定 -2 (恐怖・混乱)。「こちらも悪くない。」 | 間合1回 |
特殊:
- 鎖の重さ: 分隊が区域に存在する間、同じ区域内PCのマヌーバ予約スロット -1 (最低 0)。「息が重くなる。」
- 反転条件: PCが強制解縛・攻撃を始めなければ、この分隊は敵対化しない。単なる装飾状態を維持。反転発生時、即座に分隊結束 +1(怒り)。
交渉可能可否: 可能。
- 会話条件 目標値:
2d10 + 美 + 交渉 >= 13(一般会話)。 - 自由提案 (解く):
2d10 + 美 + 交渉 >= 15。成功時、彼は自発的に鎖を解いて消滅(解脱)。失敗時、沈黙後に交渉決裂。 - 情報提供:
>= 15。黒縄大母の位置、または彼女の過去の一片を提供。
捕獲素材 (分隊消滅または解脱時):
- 鎖片 (1個/体): 黒縄流1段伝授媒介。
- 彼の記憶 (非物質1件/体): 領地記録室へ収蔵可能。後続章の手がかりに使用。
GM運用: 分隊ではあるが「敵分隊」ではない。PCが先に触れなければ戦闘は始まらない。戦闘が避けられず開いた場合、そのセッションではPC三道六心 虛 または 魔 方向へ1段階移動の可能性があることを事前に警告せよ。11-05 NPCの個別英霊項目から、より深い会話フックを探せる。
#妖魔 3 — 黒縄兵 (黑繩兵, 練)
#香
迷路の道筋。両脇の鎖壁の間に、人間の形が三つ、あるいは四つ立っている。だが肉がない。骨もない。全身が鎖で編まれた造形物。腕と脚は鎖束で編まれて人の輪郭を作り、頭は絡まった鎖の塊。目はないが、PCを見ていることは感じられる。
そのうち一つがゆっくり腕を上げ、後ろを指す。言葉はない。だが意味は明白だ — 「帰れ。」
PCが退けば、彼らは動かない。PCが進めば、彼らは前進を止める。殺そうとしているのではない。追い返そうとしているのだ。彼らが受けた命令は「この道を守れ」だけであり、「侵入者を殺せ」ではない。だから彼らの攻撃は押し出しでできている。殺さない軍勢。
鎖の母がこの場面を見ているなら、少し悲しい顔で囁く:
「あの子たちは私の意志を理解できない。ただ私の言葉を覚えているだけ。……私は『守れ』とだけ言ったから。」
#法
黒縄兵 (黑繩兵) — 練 (分隊) 戦力 2、防備 13、活力なし (分隊指揮時のみ)。 分隊編成: 3~4体。 支配力 +3 (分隊), +1 (単独・放浪)。
技法 (指揮官または放浪活力消費):
| 技法 | 類型 | 活力 | 判定 | 効果 | 制限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鎖押し出し | 攻撃A (體) | (指揮) | 2d10 + 體(+1) >= 防備 | 1 戦力 または 対象を1 区域強制移動 (入口方向)。攻撃者が選択。 | — |
| 絡め縛り | 攻撃B (技) | (指揮) | 2d10 + 技(+1) vs 敵 2d10 + 體 | ダメージなし。成功時捕縛(1 間合移動不可)。黒縄共通ギミック適用。 | 間合1回 |
特殊:
- 分隊突撃 (戦術:型): 分隊命令時、全構成員がひとつの対象へ一斉押し出し。部隊運用 §分隊戦術 一斉射撃表を適用。命中強度が1段階上昇した場合、押し出し 2 区域。
- 身振り警告 (戦闘前): 初遭遇時、1 間合は攻撃せず「帰れ」の身振りだけ。PCが自発的に退却すれば戦闘回避可能。
交渉可能可否: 制限付き可能。
- 退路確保:
2d10 + 美 + 交渉 >= 13。「私たちは通るだけだ。」成功時、道を空ける。ただし同じ道を戻ることはできない (鎖の母の特別許可なしに)。 - 情報要求:
>= 15。極めて短い単答1回 (「母は穴の底にいる」程度)。 - 一般会話: ほぼ不可。言葉を失った存在。
捕獲素材 (撃破時):
- 編まれた鎖筋 (1個/体): 黒縄流2段伝授媒介。
- 兵士の核 (1個/分隊): 黒縄兵の頭部中心。陰陽師術法材料。
GM運用: この戦闘の勝敗基準は戦力ではなく位置である。PCが3 区域以上後ろへ押し出されると迷路外へ追い出され、セッション進行に影響(その経路失敗)。GMは地形と押し出し方向を視覚的に管理せよ。交渉で迂回する経路が最も経済的である。
#妖魔 4 — 黒縄使 (黑繩使, 将)
#香
森の奥深い空き地。黒い獣が四足で立っている。体長 3~4 m。龍と蛇と犬の特徴が混じっているが — 肉がない。代わりに全身が生きて動く鎖束。尾は別に動き、宙を薙ぎ、口からは黒い煙。目は赤い鉄の光。
それがPC一行を見つけると、ゆっくり頭を上げる。そして — 囁く。獣が言葉を話すのだ。
「道に迷ったのか? ……ならば私が教えてやろう。この森の最も深い場所へ。」
使は黒縄大母の直属の配下である。彼女の鎖の一筋が獣の形を得たものだ。知能がある。狡猾である。だが大母の命令には逆らえない。大母がPCを歓迎すれば使も歓迎し、大母がPCを殺せと言えば、使はためらわない。
#法
黒縄使 (黑繩使) — 将 戦力 3、防備 14、活力 10。 勇+2、技+2、體+1。 支配力 +4。
技法:
| 技法 | 類型 | 活力 | 判定 | 効果 | 制限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鎖の牙 | 攻撃A (勇) | 2 | 2d10 + 勇(+2) >= 防備 | 1 戦力。会心時、追加で捕縛付与。 | — |
| 尾巻き | 攻撃B (技) | 3 | 2d10 + 技(+2) vs 敵 2d10 + 體 | ダメージなし。成功時捕縛(1 間合移動不可)。捕縛維持中、黒縄裂け共通ギミック適用。 | 間合1回 |
| 背骨防御 | 防御 | 予約 2 / 即興 3 | 2d10 + 體(+1) >= 敵攻撃 | 被撃無効。鎖束で攻撃を遮断。 | — |
| [免許] 闇吐き | 攻撃 (智) | 5 | 2d10 + 智(+0) >= 防備 | 同じ区域全員(敵味方含む)判定。各2 戦力。命中者全員捕縛。 | 戦闘1回 |
特殊:
- 鎖の根: 使の背骨をなす核心鎖1筋。核心切断 (自分の小康 2d10 + 勇 >= 15) 成功時、使は1 間合行動不可。一戦闘1回。
- 大母の呼び声: 4幕戦闘で黒縄大母が「使召喚」行動を使うと、このユニットが大母の区域に1体出現。大母活力 4 消費。
- 群れ戦術: 同じ区域に使が2体以上いれば、攻撃技法判定 +1。
交渉可能可否: 困難だが可能。
- 条件: 大母との交渉が先に成立しているか、進行中でなければならない。大母の意志なしに使単独交渉は不可。
- 目標値:
2d10 + 美 + 交渉 >= 15(大母の黙認下で)。「母がお許しになった」と明示。
捕獲素材 (撃破または自発的解散時):
- 赤い目 (1対/体): 黒縄流3段伝授触媒。
- 鎖の尾 (1個/体): 黒縄流2段伝授媒介。
- 黒い煙の凝結 (1瓶/体): 毒薬代用 (領地倉庫)。
GM運用: 4幕ボス戦で大母が出現させる中間ユニット。PC数 × 0.8 程度が適正体数 (4人パーティ = 2~3体)。大母と使を同時に扱う間合管理が核心なので、使は「活力消費中心の攻撃」を運用し、素早く溶けていく方が叙事的によい。
#妖魔 5 — 黒縄大母 (黑繩大母, 主級, ボス)
#香
森の最も深い場所、穴の底。そこに彼女がいる。鎖の母と同じ顔。しかし背丈は 3 m。全身に腰ほど太い鎖が数千筋巻かれ、その鎖は彼女の身体から伸びて森全体の根となっている。
彼女は立ち上がれない。穴の底に釘づけられたように固定されている。だが彼女の視線と声は自由だ。彼女がPCを見上げる。初めて会う者の眼差しで。同時に、100年間知っていた者の眼差しで。
「……来たのね。長く待っていた。」
「一つだけ聞こう。 — おまえたちは何を解きに来た? それとも、何を縛りに来た?」
彼女は鎖の母の分離した執着である。100年前、愛が執着となり、執着が縛りとなった時、鎖の母から離れ落ちた人格。彼女は理解されることを望む。同時に恐れている — 理解されれば自分の存在理由が消えるのではないかと。この矛盾が彼女のすべてだ。
PCは三つの道を選べる: 戦闘・交渉・犠牲。どの道を選んでも、彼女は封印に関する知識の一片を渡す。この知識は第3章 叫喚の鍵である。
#法
黒縄大母 (黑繩大母) — 主級 戦力 7、防備 17、活力 13。 勇+3、技+1、體+2、智+2、美+3、運+1 (能力値合計 +12; 主級許容範囲最上段)。 支配力 +1.5 + 美オーラ。
技法:
| 技法 | 類型 | 活力 | 判定 | 効果 | 制限 |
|---|---|---|---|---|---|
| 鎖の一撃 | 攻撃A (勇) | 3 | 2d10 + 勇(+3) >= 防備 | 2 戦力。命中時、対象へ捕縛追加付与。遠距離(隣接区域まで)。 | — |
| 子守歌 | 攻撃B (美) | 4 | 美対立(2d10 + 美(+3) vs 敵 2d10 + 勇) | 区域全員判定。失敗時、次の1 間合行動不可 (「眠り」)。成功時も次の判定 -1。 | 間合1回 |
| 鎖再生障壁 | 防御 | 予約 2 / 即興 3 | 2d10 + 體(+2) >= 敵攻撃 | 被撃無効。さらに毎小康、戦力 1 回復 (核心5筋無力化状態では回復不可)。 | — |
| [免許] 100年の子守歌 | 型 (美) | 6 | 美対立(2d10 + 美(+3)+2 vs 敵全員 2d10 + 勇) | 戦場全員判定。失敗時2 間合行動不可 + 三道六心 虛 方向へ1段階移動。青銅鏡所持時、判定 +3 抵抗。 | 戦闘1回 |
特殊:
- 鎖の根: 大母は穴に釘づけられており、移動不可。しかしすべての攻撃が遠距離(隣接区域含む)可能。移動制限の代価として射程利点。
- 核心5筋: 穴の周囲5地点に大母の鎖根が露出。PCが同じ間合に5筋すべてを切断 (各 2d10 + 勇 >= 15) 成功時、大母の鎖再生障壁無力化が永続。以後、攻撃が直接通る。
- 使召喚: 自分の小康に活力 4 消費時、黒縄使 1体を自分の区域または隣接区域に出現させる。一戦闘2回。
- 狂乱局面: 戦力半分(3)以下、または間合 10 超過時に進入。効果: 子守歌範囲が隣接区域まで拡大 + 攻撃技法活力 -1 (最低 1) + 結界HP間接被害、毎間合 -2。
- 台詞圧迫 (叙事道具): 大母は毎間合一言ずつ投げる。台詞に応じてPCは任意の三道六心確認へ誘導される。三道六心 参照。例:
- 「おまえの剣はおまえのものか? それとも与えられたものか?」 → 攻撃前
眞判定 目標値 13。 - 「この鎖は重いだろう? おまえはもっと重いものを背負っている。」 →
慈または虛刺激。 - 「私は痛くない。100年、痛んできたから。」 →
覇刺激。
交渉可能可否: 可能 (主軸経路)。
| 接近 | 判定 | 目標値 | 成功時結果 |
|---|---|---|---|
| 一般会話 | 2d10 + 美 + 交渉 | 13 | 封印記録ヒント1件提供。戦闘開始条件緩和。 |
| 美対立交渉 | 2d10 + 美 + 交渉 vs 大母 2d10 + 美(+3) | 15+ | 戦闘回避・自発的封印同意。眞または慈経路確定。 |
| 犠牲提案 (虚) | 2d10 + 美 + 交渉 | 17 | PC 1人が鎖の一部を背負うと提案 — 非常に稀な経路。成立時、自動無力化転換 + 犠牲PC三道六心 虛 方向へ永続2段階移動。 |
捕獲素材:
- 黒縄の涙玉 (高純度核 1): 交渉・犠牲経路時、贈り物として提供。撃破時、遺体から獲得。
- 鎖の根 (1個): 黒縄流3段伝授核心媒介。
- 大母の名 (非物質): 忘れられた本名。第3章 叫喚の封印解除鍵。
- 封印記録の手がかり (非物質): 経路を問わず1件必ず提供 — 「封印は三層だ。私は一層目。」第3章予告。
GM運用:
この戦闘は1~2時間を想定する。単純戦闘ではなく叙事的対面。下のペースガイドを参照しつつ、間合数を機械的に数えず、プレイヤーの感情リズムに合わせる。
| 間合 | 主イベント |
|---|---|
| 1~2 | 攻撃開始・大母の最初の質問・使 1~2体出現 |
| 3~4 | 最初の子守歌・核心5筋露出告知 |
| 5~6 | 鎖の一撃本格化・鎖の母登場有無 (経路依存) |
| 7~8 | 鎖の母介入 (PCが彼女を呼んだか、彼女が自ら降りてきた場合) |
| 9~10 | 狂乱局面進入有無決定 |
| 10+ | クライマックス・三元選択決着 |
三元選択決着:
- 戦闘勝利: 核心5筋無力化後、戦力 0まで。大母消滅。涙玉獲得。眞経路。
- 交渉成立: 美対立 目標値 15 成立。大母自発的封印。慈経路。涙玉贈与。
- 犠牲献納: PC 1人の犠牲提案 目標値 17 成立。大母無力化 + 黒縄の一部がPC内部へ移転。虚(虛)経路。PC永続三道移動。
#ボーナス — 下級雑魚プール (雑 4種)
このプールは黒縄内の背景装飾用「雑」として使う。戦力 0、防備 —、技法なし、支配力 +0.5(個体) / +1(群集 5体以上)。GMは区域雰囲気演出のため自由配置。
#ボーナス-1. 鉄塵虫 (鐵塵蟲)
手のひら大の鉄球に脚が六本。地面を這い回り、鉄粉を残す。踏むと滑る — 区域進入時 2d10 + 技 >= 10 失敗時、1 間合行動 -1。群集 5体以上なら区域地形ギミック「鉄粉畑」へ昇格(移動 +1 活力)。
#ボーナス-2. 鎖蝠
翼が鎖でできた蝙蝠。高い所にぶら下がり、PCが通るとじゃらりと音を立てて飛び散る。攻撃なし。しかし音が隣接区域の他の黒縄妖魔を覚醒させることがある — この区域で潛入判定 目標値 +2。
#ボーナス-3. 縛蜘蛛
鎖でできた脚8本、胴体は黒い石。蜘蛛糸の代わりに鎖網を区域の間に張る。該当区域間の移動時 2d10 + 技 >= 11 失敗時、1 間合移動不可 (引っかかり)。鎖網自体は切断可能 (目標値 11)。
#ボーナス-4. 鎖影
半透明の影。鎖の輪郭だけが見える。物理攻撃無効。しかし攻撃もしない — ただPCについて回る。同じ区域に3 間合以上留まるとPC三道六心確認を誘導 (虛 刺激)。退魔技能で消滅(目標値 11)。
GM原則: この4種は決してPCの戦力を削らない。すべて雰囲気と支配力装飾。「戦闘ではない」という本章の原則を再確認する道具として使え。
#付録 A — 黒縄ギミック統合要約
| ギミック | 発動条件 | 効果 |
|---|---|---|
| 捕縛 | 捕縛誘発技法命中 | 1 間合移動不可。體 >= 13 解除。 |
| 鎖裂け | 捕縛 2 間合連続維持 | 毎間合開始 1 戦力 (捕縛が解ければ止まる)。 |
| 契約の糸 | 交渉成立 | 双方の手首に黒い糸。違反時、心変動。 |
| 鎖の重さ | 縛魂分隊区域 | 同じ区域のPC予約スロット -1。 |
| 核心5筋 | 大母戦闘限定 | 同じ間合に5筋同時切断時、大母再生無力化。 |
| 狂乱局面 | 大母戦力半分または10 間合超過 | 子守歌範囲・活力効率増幅。 |
#付録 B — 戦闘ペースガイド
#B.1 妖魔別推奨登場頻度
| 妖魔 | セッションあたり出現 | 一度の体数 |
|---|---|---|
| 生鎖 | 常時 (地形) | 群落 3~5 |
| 縛魂 | セッション 1~2回 | 分隊 3~4 |
| 黒縄兵 | セッション 1回 | 分隊 3~4 |
| 黒縄使 | 3·4幕のみ | 2~4 (大母同伴) |
| 黒縄大母 | 4幕ただ1回 | 1 (ボス) |
| 雑魚プール | GM自由 | 雰囲気 |
#B.2 戦闘難易度標準
| 相手 | PC 2段 | PC 3段 | PC 4段 |
|---|---|---|---|
| 縛魂 (4体分隊) | 中 | 低 | 非常に低 |
| 黒縄兵 (4体分隊) | 非常に高 | 中 | 低 |
| 黒縄使 (2体) | 不可 | 高 | 中 |
| 黒縄大母 (+使 2~3体) | 不可 | 不可 | 非常に高 |
#B.3 戦闘回避方法
ほとんどの妖魔は回避可能。推奨接近:
- 生鎖: 地形回避判定 (技 >= 11) または迂回 (学識 12)。
- 縛魂: 会話または通過。先に攻撃しない。
- 黒縄兵: 交渉 (美 + 交渉 >= 13) または隠密。
- 黒縄使: ほぼ不可。ボス戦中間ユニット。
- 黒縄大母: 三元選択 (戦闘・交渉・犠牲)。
#付録 C — 妖魔別伝授媒介獲得
| 妖魔 | 獲得媒介 | 黒縄流段階 |
|---|---|---|
| 生鎖 | 幼い鉄輪 1~3 | 伝授条件 |
| 縛魂 | 鎖片 | 1段媒介 |
| 黒縄兵 | 編まれた鎖筋、兵士の核 | 2段媒介 |
| 黒縄使 | 赤い目、鎖の尾 | 2~3段触媒 |
| 黒縄大母 | 涙玉、鎖の根、名前 | 3段核心 |
章全体獲得期待値: 黒縄流1段媒介 2~3、2段媒介 1~2、3段媒介 0~1 (経路依存)。
#付録 D — 交渉可能妖魔運用原則
この章は交渉可能妖魔が中心となる最初の章である。本編 03-09 非戦闘判定 交渉節を基本規則とし、下の原則を追加適用する。
#D.1 交渉可能妖魔の三条件
- 意図がある — 単純な敵ではない。
- 会話が可能である —
2d10 + 美 + 交渉判定が成立。 - 裏切り可能である — 双方とも約束を破れる (契約の糸 参照)。
#D.2 交渉判定 目標値 参照
| 接近 | 基本 目標値 | 変動要因 |
|---|---|---|
| 情報要求 | 13 | PC名声 4+で -1 / 敵対状態 +2 |
| 同盟・通過許可 | 15 | 青銅鏡所持 -2 / PC三道 虛 共鳴 -2 |
| 犠牲・交換提案 | 17 | 明白な代価提示 -3 |
#D.3 交渉決裂後処理
- 相手は警戒状態 (次遭遇時、交渉判定 -2)。
- 相手の敵対水準上昇。
- 戦闘開始可能性増加。
#章妖魔終了チェックリスト
- [ ] 各妖魔戦闘成否記録。
- [ ] 獲得媒介数および段階。
- [ ] 縛魂のうち会話・解脱完了数。
- [ ] 黒縄大母最終処理 (撃破・封印・犠牲)。
- [ ] 封印記録手がかり受領有無。
- [ ] 黒縄流伝授条件充足有無。
- [ ] 契約の糸発動・違反記録。
#次の段階
- 報酬整理: 第2章 報酬・領地変化・次章接続
- 黒縄流伝授: 黒縄流
- 本編妖魔テンプレート: 妖魔図鑑 (妖魔圖鑑, Monster Templates)
- 第3章予告: 第3章 — 叫喚 (封印の第二層)
最後のGMノート: 黒縄妖魔の最大の特徴は、「殺すこと」が答えではない時が多いということだ。各遭遇でGMは「この妖魔を殺さずに解決する道があるか?」をまず問う。
黒縄妖魔の三原則:
1. 「すべての鎖は誰かの選択である。」
2. 「選択を断つことも、尊重することも、どちらも答えになりうる。」
3. 「妖魔の目をまず見よ。その目はすでにおまえの選択を知っている。」

