日本語版 v1.3.3

#第2章妖魔図鑑 — 黒縄の顔たち

目次

「この森のすべては鎖から始まる。鎖が育てば草となり、草が集まれば獣となり、獣が夢を見ると兵士となる。」

本編参照

- 必須: 妖魔図鑑テンプレート戦闘進行区域ギミック

- 参考: 非戦闘判定・交渉マヌーバ体系ダイス体系

この補充内参照

- 必須: 黒縄地獄ガイド黒縄流流派11-00 章概要11-05 NPC11-04 4幕

- 参考: 霊界知性体一般論


#この章の妖魔要約

#名前等級登場幕特殊ギミック
1生鎖1·2幕地形型捕縛装飾・技法なし
2縛魂卒 (分隊)2·3幕精神攻撃・交渉誘導

The Bound Souls in vertical hanging chains, heads bowed or faintly smiling, having chained themselves into a cold peace; faces blank | 3 | 黒縄兵 (黑繩兵) | 練 (分隊) | 2·3·4幕 | 押し出し捕縛・分隊突撃 | | 4 | 黒縄使 (黑繩使) | 将 | 3·4幕 | 鎖操作・自前活力・免許所持 | | 5 | 黒縄大母 (黑繩大母) | 主級 | 4幕 | ボス・交渉可能・三元選択 | | ボーナス | 雑魚プール4種 | 雑 | GM自由 | 装飾用・技法なし |


#黒縄共通ギミック

#1. 捕縛

黒縄妖魔の特定技法が命中すると、ダメージの代わりに捕縛が発生することがある。捕縛されたPCは1 間合移動不可。行動は可能。

解除: 自分の小康に 2d10 + 體 >= 13 成功で解除。失敗するとさらに1 間合維持。

#2. 鎖裂け (維持累積ダメージ)

捕縛が2 間合連続で維持されると、鎖が引かれて対象の肉を裂く。各間合開始時に1 戦力。捕縛が解ければ裂けも止まる。

#3. 契約の糸 (交渉成立時)

黒縄妖魔との交渉が成立すると、双方の手首に見えない黒い糸が巻きつく。

  • 約束維持: 双方の心変動なし。同盟維持。
  • PCが違反: PC三道六心 方向へ1段階移動。三道六心 参照。
  • 妖魔が違反: 妖魔側の結束 -2、次の遭遇時PC側交渉 +3 (裏切り者の烙印)。

GM原則: 契約を軽く許可するな。一度糸が巻かれたら、セッションが終わるまでプレイヤーの手首にその感覚が残らなければならない。


#妖魔 1 — 生鎖 (雑)

#

地面が黒い。黒い土の間から、腕ほど太い鉄輪が稲のように生えている。先端は生えたばかりの幼い輪 — 細く、濃い鉄色。歩くたび、足元からじゃらりという音が聞こえる。だが動きはしない。風だけがある。

PCのひとりが腰をかがめて幼い鎖の輪をつかもうとすると、幼い輪はひとりでにうごめく。生きているわけではない。感知もない。ただ近づくものへ反射的に伸びる。

鎖の母は一行がこの場面に出会った時、静かに言う:

「それらは私が植えたものではないの。この土地が自分で育てる。私がしていることは — 刈らないことだけ。」

この森のすべての命は、この「草」から始まる。食われた虫は溶けて鉄粉となり、鉄粉はまた地面に染み込み、新しい鎖を育てる。草を踏むな。だが踏まずにこの森を通ることはできない。

#

生鎖 — 雑 戦力 0、防備 —、活力なし。 支配力 +0.5 (個体) / +1 (群落 3~5筋装飾)。

技法: なし。自前行動なし。区域の地形装飾として扱う。

特殊:

  • 伸び反応 (地形ギミック): 生鎖が配置された区域で移動 +1 活力消費。「草が足首に絡みつく」。回避するには自分の小康に 2d10 + 技 >= 11 成功。
  • 根の浄化: その区域の鎖をすべて切断・焼却するには、自分の小康に 2d10 + 勇または智の高い方 >= 13 1回が必要。成功時、区域地形ギミックを除去。失敗時、次の間合開始時に新しい幼い鎖が再生(1 間合復元)。

交渉可能可否: 不可。知能なし。

捕獲素材:

  • 幼い鉄輪 (1~3個/群落): 黒縄流伝授条件媒介。22-02 黒縄流 参照。
  • 黒い樹液 (1瓶/群落): 薬草代用1回分。領地倉庫積載。

GM運用: この妖魔は戦闘ではない。区域の雰囲気と支配力装飾、移動コスト調整用。PCが「これは殺せるのか?」と尋ねたら — 「殺すものがない」と答えよ。育てることと刈ることの違いを、PC自身に感じさせよ。


#妖魔 2 — 縛魂 (卒)

#

鎖の森の奥深く。何百筋もの鎖が垂直に垂れる中、それぞれの鎖に人の形が一つずつ巻かれている。半跏趺坐、あるいは立った姿勢。頭を下げていたり、目を閉じていたり、薄く笑っていたりする。性別も、年齢も、服装もさまざまだ。

近づくと、そのうち一人が目を開く。彼はPCを長く見つめてから、かすれた声で言う。

「ここまで来るのは大変だったろう。……帰れ。こちらも悪くない。最初は重いが — 慣れれば温かい。」

彼の身体に巻かれた鎖は、彼が自分で巻いたものだ。この森に初めて着いた時、彼は抜け出そうとした。三日目、彼は諦めた。七日目、鎖の冷たさがむしろ安息なのだと悟った。今、彼は抜け出したいとは望んでいない。

しかしPCが鎖を強制的に解こうとしたり、彼を攻撃したりすると、彼の表情が変わる。鎖が彼の意志に応じて — 武器へ転じる。この戦闘は道徳的な重みを伴う。彼が先に戦いを仕掛けたわけではないことを、GMは必ず覚えておくこと。

#

縛魂 — 卒 (分隊) 戦力 1、防備 11、活力なし (分隊指揮時のみ)。 分隊編成: 3~4体。 支配力 +2 (分隊), +1 (単独・放浪)。

技法 (指揮官または放浪活力消費):

技法類型活力判定効果制限
鎖鞭攻撃A(指揮)2d10 + 勇(+0) >= 防備1 戦力。命中時、捕縛選択可能(ダメージの代わり)。
囁き攻撃B (美)(指揮)美対立(2d10 + 美(+1) vs 敵 2d10 + 勇)ダメージなし。失敗時、対象の次の判定 -2 (恐怖・混乱)。「こちらも悪くない。」間合1回

特殊:

  • 鎖の重さ: 分隊が区域に存在する間、同じ区域内PCのマヌーバ予約スロット -1 (最低 0)。「息が重くなる。」
  • 反転条件: PCが強制解縛・攻撃を始めなければ、この分隊は敵対化しない。単なる装飾状態を維持。反転発生時、即座に分隊結束 +1(怒り)。

交渉可能可否: 可能

  • 会話条件 目標値: 2d10 + 美 + 交渉 >= 13 (一般会話)。
  • 自由提案 (解く): 2d10 + 美 + 交渉 >= 15。成功時、彼は自発的に鎖を解いて消滅(解脱)。失敗時、沈黙後に交渉決裂。
  • 情報提供: >= 15。黒縄大母の位置、または彼女の過去の一片を提供。

捕獲素材 (分隊消滅または解脱時):

  • 鎖片 (1個/体): 黒縄流1段伝授媒介。
  • 彼の記憶 (非物質1件/体): 領地記録室へ収蔵可能。後続章の手がかりに使用。

GM運用: 分隊ではあるが「敵分隊」ではない。PCが先に触れなければ戦闘は始まらない。戦闘が避けられず開いた場合、そのセッションではPC三道六心 または 方向へ1段階移動の可能性があることを事前に警告せよ。11-05 NPCの個別英霊項目から、より深い会話フックを探せる。


#妖魔 3 — 黒縄兵 (黑繩兵, 練)

#

迷路の道筋。両脇の鎖壁の間に、人間の形が三つ、あるいは四つ立っている。だが肉がない。骨もない。全身が鎖で編まれた造形物。腕と脚は鎖束で編まれて人の輪郭を作り、頭は絡まった鎖の塊。目はないが、PCを見ていることは感じられる。

そのうち一つがゆっくり腕を上げ、後ろを指す。言葉はない。だが意味は明白だ — 「帰れ。」

PCが退けば、彼らは動かない。PCが進めば、彼らは前進を止める。殺そうとしているのではない。追い返そうとしているのだ。彼らが受けた命令は「この道を守れ」だけであり、「侵入者を殺せ」ではない。だから彼らの攻撃は押し出しでできている。殺さない軍勢。

鎖の母がこの場面を見ているなら、少し悲しい顔で囁く:

「あの子たちは私の意志を理解できない。ただ私の言葉を覚えているだけ。……私は『守れ』とだけ言ったから。」

#

黒縄兵 (黑繩兵) — 練 (分隊) 戦力 2、防備 13、活力なし (分隊指揮時のみ)。 分隊編成: 3~4体。 支配力 +3 (分隊), +1 (単独・放浪)。

技法 (指揮官または放浪活力消費):

技法類型活力判定効果制限
鎖押し出し攻撃A (體)(指揮)2d10 + 體(+1) >= 防備1 戦力 または 対象を1 区域強制移動 (入口方向)。攻撃者が選択。
絡め縛り攻撃B (技)(指揮)2d10 + 技(+1) vs 敵 2d10 + 體ダメージなし。成功時捕縛(1 間合移動不可)。黒縄共通ギミック適用。間合1回

特殊:

  • 分隊突撃 (戦術:型): 分隊命令時、全構成員がひとつの対象へ一斉押し出し。部隊運用 §分隊戦術 一斉射撃表を適用。命中強度が1段階上昇した場合、押し出し 2 区域
  • 身振り警告 (戦闘前): 初遭遇時、1 間合は攻撃せず「帰れ」の身振りだけ。PCが自発的に退却すれば戦闘回避可能。

交渉可能可否: 制限付き可能

  • 退路確保: 2d10 + 美 + 交渉 >= 13。「私たちは通るだけだ。」成功時、道を空ける。ただし同じ道を戻ることはできない (鎖の母の特別許可なしに)。
  • 情報要求: >= 15。極めて短い単答1回 (「母は穴の底にいる」程度)。
  • 一般会話: ほぼ不可。言葉を失った存在。

捕獲素材 (撃破時):

  • 編まれた鎖筋 (1個/体): 黒縄流2段伝授媒介。
  • 兵士の核 (1個/分隊): 黒縄兵の頭部中心。陰陽師術法材料。

GM運用: この戦闘の勝敗基準は戦力ではなく位置である。PCが3 区域以上後ろへ押し出されると迷路外へ追い出され、セッション進行に影響(その経路失敗)。GMは地形と押し出し方向を視覚的に管理せよ。交渉で迂回する経路が最も経済的である。


#妖魔 4 — 黒縄使 (黑繩使, 将)

鎖を引きずって現れる将級の黒縄使、体は一部のみ。

#

森の奥深い空き地。黒い獣が四足で立っている。体長 3~4 m。龍と蛇と犬の特徴が混じっているが — 肉がない。代わりに全身が生きて動く鎖束。尾は別に動き、宙を薙ぎ、口からは黒い煙。目は赤い鉄の光。

それがPC一行を見つけると、ゆっくり頭を上げる。そして — 囁く。獣が言葉を話すのだ。

「道に迷ったのか? ……ならば私が教えてやろう。この森の最も深い場所へ。」

使は黒縄大母の直属の配下である。彼女の鎖の一筋が獣の形を得たものだ。知能がある。狡猾である。だが大母の命令には逆らえない。大母がPCを歓迎すれば使も歓迎し、大母がPCを殺せと言えば、使はためらわない。

#

黒縄使 (黑繩使) — 将 戦力 3、防備 14、活力 10。 勇+2、技+2、體+1。 支配力 +4

技法:

技法類型活力判定効果制限
鎖の牙攻撃A (勇)22d10 + 勇(+2) >= 防備1 戦力。会心時、追加で捕縛付与。
尾巻き攻撃B (技)32d10 + 技(+2) vs 敵 2d10 + 體ダメージなし。成功時捕縛(1 間合移動不可)。捕縛維持中、黒縄裂け共通ギミック適用。間合1回
背骨防御防御予約 2 / 即興 32d10 + 體(+1) >= 敵攻撃被撃無効。鎖束で攻撃を遮断。
[免許] 闇吐き攻撃 (智)52d10 + 智(+0) >= 防備同じ区域全員(敵味方含む)判定。各2 戦力。命中者全員捕縛戦闘1回

特殊:

  • 鎖の根: 使の背骨をなす核心鎖1筋。核心切断 (自分の小康 2d10 + 勇 >= 15) 成功時、使は1 間合行動不可。一戦闘1回。
  • 大母の呼び声: 4幕戦闘で黒縄大母が「使召喚」行動を使うと、このユニットが大母の区域に1体出現。大母活力 4 消費。
  • 群れ戦術: 同じ区域に使が2体以上いれば、攻撃技法判定 +1。

交渉可能可否: 困難だが可能

  • 条件: 大母との交渉が先に成立しているか、進行中でなければならない。大母の意志なしに使単独交渉は不可
  • 目標値: 2d10 + 美 + 交渉 >= 15 (大母の黙認下で)。「母がお許しになった」と明示。

捕獲素材 (撃破または自発的解散時):

  • 赤い目 (1対/体): 黒縄流3段伝授触媒。
  • 鎖の尾 (1個/体): 黒縄流2段伝授媒介。
  • 黒い煙の凝結 (1瓶/体): 毒薬代用 (領地倉庫)。

GM運用: 4幕ボス戦で大母が出現させる中間ユニット。PC数 × 0.8 程度が適正体数 (4人パーティ = 2~3体)。大母と使を同時に扱う間合管理が核心なので、使は「活力消費中心の攻撃」を運用し、素早く溶けていく方が叙事的によい。


#妖魔 5 — 黒縄大母 (黑繩大母, 主級, ボス)

鎖と糸が集まる母の姿、顔は白紙のように虚ろ。

#

森の最も深い場所、穴の底。そこに彼女がいる。鎖の母と同じ顔。しかし背丈は 3 m。全身に腰ほど太い鎖が数千筋巻かれ、その鎖は彼女の身体から伸びて森全体の根となっている

彼女は立ち上がれない。穴の底に釘づけられたように固定されている。だが彼女の視線と声は自由だ。彼女がPCを見上げる。初めて会う者の眼差しで。同時に、100年間知っていた者の眼差しで。

「……来たのね。長く待っていた。」

「一つだけ聞こう。 — おまえたちは何を解きに来た? それとも、何を縛りに来た?」

彼女は鎖の母の分離した執着である。100年前、愛が執着となり、執着が縛りとなった時、鎖の母から離れ落ちた人格。彼女は理解されることを望む。同時に恐れている — 理解されれば自分の存在理由が消えるのではないかと。この矛盾が彼女のすべてだ。

PCは三つの道を選べる: 戦闘・交渉・犠牲。どの道を選んでも、彼女は封印に関する知識の一片を渡す。この知識は第3章 叫喚の鍵である。

#

黒縄大母 (黑繩大母) — 主級 戦力 7、防備 17活力 13。 勇+3、技+1、體+2、智+2、美+3、運+1 (能力値合計 +12; 主級許容範囲最上段)。 支配力 +1.5 + 美オーラ

技法:

技法類型活力判定効果制限
鎖の一撃攻撃A (勇)32d10 + 勇(+3) >= 防備2 戦力。命中時、対象へ捕縛追加付与。遠距離(隣接区域まで)。
子守歌攻撃B (美)4美対立(2d10 + 美(+3) vs 敵 2d10 + 勇)区域全員判定。失敗時、次の1 間合行動不可 (「眠り」)。成功時も次の判定 -1。間合1回
鎖再生障壁防御予約 2 / 即興 32d10 + 體(+2) >= 敵攻撃被撃無効。さらに毎小康、戦力 1 回復 (核心5筋無力化状態では回復不可)。
[免許] 100年の子守歌型 (美)6美対立(2d10 + 美(+3)+2 vs 敵全員 2d10 + 勇)戦場全員判定。失敗時2 間合行動不可 + 三道六心 方向へ1段階移動。青銅鏡所持時、判定 +3 抵抗。戦闘1回

特殊:

  • 鎖の根: 大母は穴に釘づけられており、移動不可。しかしすべての攻撃が遠距離(隣接区域含む)可能。移動制限の代価として射程利点。
  • 核心5筋: 穴の周囲5地点に大母の鎖根が露出。PCが同じ間合に5筋すべてを切断 (各 2d10 + 勇 >= 15) 成功時、大母の鎖再生障壁無力化が永続。以後、攻撃が直接通る。
  • 使召喚: 自分の小康に活力 4 消費時、黒縄使 1体を自分の区域または隣接区域に出現させる。一戦闘2回。
  • 狂乱局面: 戦力半分(3)以下、または間合 10 超過時に進入。効果: 子守歌範囲が隣接区域まで拡大 + 攻撃技法活力 -1 (最低 1) + 結界HP間接被害、毎間合 -2。
  • 台詞圧迫 (叙事道具): 大母は毎間合一言ずつ投げる。台詞に応じてPCは任意の三道六心確認へ誘導される。三道六心 参照。例:
  • 「おまえの剣はおまえのものか? それとも与えられたものか?」 → 攻撃前 判定 目標値 13。
  • 「この鎖は重いだろう? おまえはもっと重いものを背負っている。」 → または 刺激。
  • 「私は痛くない。100年、痛んできたから。」 → 刺激。

交渉可能可否: 可能 (主軸経路)

接近判定目標値成功時結果
一般会話2d10 + 美 + 交渉13封印記録ヒント1件提供。戦闘開始条件緩和。
美対立交渉2d10 + 美 + 交渉 vs 大母 2d10 + 美(+3)15+戦闘回避・自発的封印同意。眞または慈経路確定。
犠牲提案 (虚)2d10 + 美 + 交渉17PC 1人が鎖の一部を背負うと提案 — 非常に稀な経路。成立時、自動無力化転換 + 犠牲PC三道六心 方向へ永続2段階移動。

捕獲素材:

  • 黒縄の涙玉 (高純度核 1): 交渉・犠牲経路時、贈り物として提供。撃破時、遺体から獲得。
  • 鎖の根 (1個): 黒縄流3段伝授核心媒介。
  • 大母の名 (非物質): 忘れられた本名。第3章 叫喚の封印解除鍵。
  • 封印記録の手がかり (非物質): 経路を問わず1件必ず提供 — 「封印は三層だ。私は一層目。」第3章予告。

GM運用:

この戦闘は1~2時間を想定する。単純戦闘ではなく叙事的対面。下のペースガイドを参照しつつ、間合数を機械的に数えず、プレイヤーの感情リズムに合わせる。

間合主イベント
1~2攻撃開始・大母の最初の質問・使 1~2体出現
3~4最初の子守歌・核心5筋露出告知
5~6鎖の一撃本格化・鎖の母登場有無 (経路依存)
7~8鎖の母介入 (PCが彼女を呼んだか、彼女が自ら降りてきた場合)
9~10狂乱局面進入有無決定
10+クライマックス・三元選択決着

三元選択決着:

  1. 戦闘勝利: 核心5筋無力化後、戦力 0まで。大母消滅。涙玉獲得。眞経路。
  2. 交渉成立: 美対立 目標値 15 成立。大母自発的封印。慈経路。涙玉贈与。
  3. 犠牲献納: PC 1人の犠牲提案 目標値 17 成立。大母無力化 + 黒縄の一部がPC内部へ移転。虚(虛)経路。PC永続三道移動。

#ボーナス — 下級雑魚プール (雑 4種)

このプールは黒縄内の背景装飾用「雑」として使う。戦力 0、防備 —、技法なし、支配力 +0.5(個体) / +1(群集 5体以上)。GMは区域雰囲気演出のため自由配置。

#ボーナス-1. 鉄塵虫 (鐵塵蟲)

手のひら大の鉄球に脚が六本。地面を這い回り、鉄粉を残す。踏むと滑る — 区域進入時 2d10 + 技 >= 10 失敗時、1 間合行動 -1。群集 5体以上なら区域地形ギミック「鉄粉畑」へ昇格(移動 +1 活力)。

#ボーナス-2. 鎖蝠

翼が鎖でできた蝙蝠。高い所にぶら下がり、PCが通るとじゃらりと音を立てて飛び散る。攻撃なし。しかし音が隣接区域の他の黒縄妖魔を覚醒させることがある — この区域で潛入判定 目標値 +2。

#ボーナス-3. 縛蜘蛛

鎖でできた脚8本、胴体は黒い石。蜘蛛糸の代わりに鎖網を区域の間に張る。該当区域間の移動時 2d10 + 技 >= 11 失敗時、1 間合移動不可 (引っかかり)。鎖網自体は切断可能 (目標値 11)。

#ボーナス-4. 鎖影

半透明の影。鎖の輪郭だけが見える。物理攻撃無効。しかし攻撃もしない — ただPCについて回る。同じ区域に3 間合以上留まるとPC三道六心確認を誘導 ( 刺激)。退魔技能で消滅(目標値 11)。

GM原則: この4種は決してPCの戦力を削らない。すべて雰囲気と支配力装飾。「戦闘ではない」という本章の原則を再確認する道具として使え。


#付録 A — 黒縄ギミック統合要約

ギミック発動条件効果
捕縛捕縛誘発技法命中1 間合移動不可。體 >= 13 解除。
鎖裂け捕縛 2 間合連続維持毎間合開始 1 戦力 (捕縛が解ければ止まる)。
契約の糸交渉成立双方の手首に黒い糸。違反時、心変動。
鎖の重さ縛魂分隊区域同じ区域のPC予約スロット -1。
核心5筋大母戦闘限定同じ間合に5筋同時切断時、大母再生無力化。
狂乱局面大母戦力半分または10 間合超過子守歌範囲・活力効率増幅。

#付録 B — 戦闘ペースガイド

#B.1 妖魔別推奨登場頻度

妖魔セッションあたり出現一度の体数
生鎖常時 (地形)群落 3~5
縛魂セッション 1~2回分隊 3~4
黒縄兵セッション 1回分隊 3~4
黒縄使3·4幕のみ2~4 (大母同伴)
黒縄大母4幕ただ1回1 (ボス)
雑魚プールGM自由雰囲気

#B.2 戦闘難易度標準

相手PC 2段PC 3段PC 4段
縛魂 (4体分隊)非常に低
黒縄兵 (4体分隊)非常に高
黒縄使 (2体)不可
黒縄大母 (+使 2~3体)不可不可非常に高

#B.3 戦闘回避方法

ほとんどの妖魔は回避可能。推奨接近:

  • 生鎖: 地形回避判定 (技 >= 11) または迂回 (学識 12)。
  • 縛魂: 会話または通過。先に攻撃しない。
  • 黒縄兵: 交渉 (美 + 交渉 >= 13) または隠密。
  • 黒縄使: ほぼ不可。ボス戦中間ユニット。
  • 黒縄大母: 三元選択 (戦闘・交渉・犠牲)。

#付録 C — 妖魔別伝授媒介獲得

妖魔獲得媒介黒縄流段階
生鎖幼い鉄輪 1~3伝授条件
縛魂鎖片1段媒介
黒縄兵編まれた鎖筋、兵士の核2段媒介
黒縄使赤い目、鎖の尾2~3段触媒
黒縄大母涙玉、鎖の根、名前3段核心

章全体獲得期待値: 黒縄流1段媒介 2~3、2段媒介 1~2、3段媒介 0~1 (経路依存)。


#付録 D — 交渉可能妖魔運用原則

この章は交渉可能妖魔が中心となる最初の章である。本編 03-09 非戦闘判定 交渉節を基本規則とし、下の原則を追加適用する。

#D.1 交渉可能妖魔の三条件

  1. 意図がある — 単純な敵ではない。
  2. 会話が可能である2d10 + 美 + 交渉 判定が成立。
  3. 裏切り可能である — 双方とも約束を破れる (契約の糸 参照)。

#D.2 交渉判定 目標値 参照

接近基本 目標値変動要因
情報要求13PC名声 4+で -1 / 敵対状態 +2
同盟・通過許可15青銅鏡所持 -2 / PC三道 共鳴 -2
犠牲・交換提案17明白な代価提示 -3

#D.3 交渉決裂後処理

  • 相手は警戒状態 (次遭遇時、交渉判定 -2)。
  • 相手の敵対水準上昇。
  • 戦闘開始可能性増加。

#章妖魔終了チェックリスト

  • [ ] 各妖魔戦闘成否記録。
  • [ ] 獲得媒介数および段階。
  • [ ] 縛魂のうち会話・解脱完了数。
  • [ ] 黒縄大母最終処理 (撃破・封印・犠牲)。
  • [ ] 封印記録手がかり受領有無。
  • [ ] 黒縄流伝授条件充足有無。
  • [ ] 契約の糸発動・違反記録。

#次の段階

最後のGMノート: 黒縄妖魔の最大の特徴は、「殺すこと」が答えではない時が多いということだ。各遭遇でGMは「この妖魔を殺さずに解決する道があるか?」をまず問う。

黒縄妖魔の三原則:

1. 「すべての鎖は誰かの選択である。」

2. 「選択を断つことも、尊重することも、どちらも答えになりうる。」

3. 「妖魔の目をまず見よ。その目はすでにおまえの選択を知っている。」