#第3幕 — 契約あるいは裏切り
目次
"約束は言葉ではない。約束は生きている糸だ。断てば血が流れる。"
本編参照
#香 — 祠の肌理
迷宮を抜けて空き地に足を踏み入れた瞬間、君たちの息づかいが変わる。森全体を押しつぶしていた金属質の圧が、一気に消える。代わりに、許しの空気が残る。ここは、許された者だけが入る場所だ。
空き地の中心、石造りの祠の前に座布団が置かれている。座布団は一つではない — 君たちの人数分だけ用意されている。鎖の母はすでに君たちを待っていた。彼女が先に来たわけではない。君たちと一緒に到着したわけでもない。だが茶は、たった今沸かしたように 湯気を立てている。
鎖の母は黙って茶碗を一つ取り、PCの先頭に差し出す。受け取れば、手のひらが温かくなる。受け取らなければ、彼女は茶碗を自分の前に戻してから — 微笑む。拒むことも許されている。
彼女は目を閉じ、口を開く。声は低いが、はっきりしている。
"お願いがあるの。聞いてくれても、断ってくれてもいい。ただ、聞かずに席を立つことだけはしないで。"
そして彼女が目を開いた時、君たちはその目の奥で、もう知っている — この願いは単なる願いではない。これは契約の始まりだ。
#法 — 第3幕ゲームデータ
#幕メタ
| 項目 | 値 |
|---|---|
| セッション番号 | セッション 7 (第2章の三回目のセッション) |
| 実プレイ時間 | 3~4時間 (RP中心) |
| 主要場面数 | 4個 (茶の儀式 / 願いの聴取 / 契約選択 / 裏切りの余地) |
| 主要判定 | 感知, 交渉, 精神耐性, 結界, 契約判定(新規) |
| PC成長期待値 | 3段後半 → 4段序盤 |
| 主要NPC | 鎖の母 (深化), ハルヒコ (回想登場) |
| 主要妖魔 | なし (戦闘のない幕が基本) |
#結界HP変動
| 時点 | 変動 |
|---|---|
| セッション開始 | 0 (2幕終了状態を継承) |
| セッション中 | 0 ~ -3 (契約成立時、結界と鎖の母の共鳴 — -5回復可能) |
| セッション終了時 | ±0 (霊界滞在基準) |
特記事項: 契約が成立すると、鎖の母は結界に +5を供給する。彼女の鎖の一部を結界へ引き込み、混ぜるためである。ただしこの場合、領地結界の「肌理」が黒縄色に一層変わる (描写上の変化)。
#遭遇 — 場面別進行
#場面 1. 茶の儀式 — 席の重み
- 位置: 祠の空き地。座布団の上での座談。
- 時間: 2幕終了直後、1間合の儀式。
#描写
君たちはそれぞれ座布団の上に座る。座布団は温かくも冷たくもない。ただ、ちょうどよい。座った瞬間 — 膝が自然に折れ、席が「合わせられる」。ここの座布団は、座る者の背丈に合わせる。
鎖の母はゆっくり茶を注ぐ。急須の形がおかしい — 持ち手が鎖の輪でできている。彼女が注ぐたび、輪がかすかに動く。しかし急須そのものは揺れない。
茶の色は黒い。味は苦くない。飲んだ後、口の中には鉄の味ではなく草の味が残る。飲まないPCに、彼女は強要しない。
#判定: 座る礼
| 接近 | 判定 | 目標値 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 格式を整えた座り方 | 風格 (自発) | — | 自動成功。好感度 +0.5。 |
| 不快感を隠す | 精神 | 10 | 成功時、自然さを保つ。失敗時、彼女が気づき「楽に座っていいよ」と言う。 |
| 断って立ったまま | — | — | 不許可ではないが冷淡。以後の判定に不利 -1。 |
#茶の機能
茶は盟約の媒介だ。飲んだ者は、以後の鎖の母との会話で交渉 +1。飲まなかった者は、彼女の真意を半分程度にしか読めない (感知判定 目標値 +2)。
GMはこのメカニズムを明示的に説明しない。PCが茶を飲んだ者と飲まなかった者の差を体感できるようにする。
#場面 2. 願いの聴取 — 森の心臓
- 位置: 場面 1から続く。祠の石段前。
- 時間: 茶の儀式後、半間合。
#鎖の母の願い
彼女は茶碗を置く。そして語る。急がずに。だが一息に。
"この森の一番深いところに、封じられた何かがあるの。"
"私は、それが誰なのか知っている。いいえ、正確には — 知っていたの。昔に。今は名前も忘れたし、顔も忘れた。"
"それが目覚めれば、この森は変わる。良い方にも、悪い方にも。私にはどちらかわからない。でも、それがそこにそのままある限り、この森もそのままなの。"
彼女はしばらく止まる。息を整える。
"願いはこれ。君たちが封印の穴に行って、封印の状態を見てきてほしい。悟らせないで — 私が先に決められていないから。君たちも、決める前には触れないで。"
"戻ってきて、私に話して。その時、私たちで一緒に決めよう。"
#願いの層
この願いには三つの層が隠れている。PCがどの層まで読み取るかによって、契約の深さが変わる。
| 層 | 内容 | 明らかになる判定 |
|---|---|---|
| 表層 | 「封印状態を確認してほしい」 | 基本聴取 — 誰でも読む |
| 中層 | 「確認して、まず私に知らせてほしい (領地帰還前に)」 | 感知 目標値 11 |
| 深層 | 「君たちは、私が決められなかったことを代わりに決めてもよい — ただし、その責任は君たちに行く」 | 感知 目標値 15 |
深層まで読んだPCは、この願いが鎖の母の自己回避であると知る。彼女は100年間、この決定を先送りしてきた。今回PCを使い、決定を押しつけようとしているのだ。
#聴取判定
各PCは感知または精神判定。2d10 + 該当能力:
| 結果 | 意味 |
|---|---|
| 7以下 | 表層だけ理解。「願いなのだな」で終わる。 |
| 8~11 | 表層 + 中層。先に知らせてほしいという条件を見抜く。 |
| 12~15 | 深層まで到達。彼女の回避が見える。 |
| 16以上 | 深層 + 彼女の隠した動機まで読む — 「彼女は目覚めないことを望んでいる」。 |
#場面 3. 契約の選択 — 四つの答え
- 位置: 場面 2から続く。
- 時間: 鎖の母の願いを聞いた後、PC相談の間合を取れる。
#選択肢
PCは分隊として答える。相談時間を取ってよい (半間合)。鎖の母はその間、静かに待つ。
| 選択 | 名前 | 効果 |
|---|---|---|
| A. 受諾 (誠実な契約) | 「そうしよう」 | 4幕で協力者獲得、戦闘難易度 -1 |
| B. 受諾後に裏切り (偽りの契約) | 内心では別の計画 | 4幕で両面戦闘、報酬単独 |
| C. 拒絶 (直接拒絶) | 「できない」 | 4幕で敵対、PC感知 +1永久 |
| D. 条件付き受諾 (第3案) | 「我々はあなたの願いと領地の事情を共に秤にかける」 | 4幕で均衡、報酬・難易度は中間 |
GMは四つの選択肢を強制しない。PCが創造的に第5の選択を提示すれば受け入れる。例: 「そこまで同行してほしい」または「封印の場所を絵に描いてほしい」。
#契約判定 (新規ルール)
選択肢 A(誠実)またはD(条件付き)を選んだ場合、鎖の母は契約儀式を提案する。
"約束を糸で結んでおく? 言葉だけの約束は、ここでは軽すぎるから。"
PCが同意すれば、鎖の母は自分の手首の細い鎖を一筋抜き、PC代表の手首にそっと巻く。そして彼女も自分の手首に巻く。二つの鎖の端が互いに触れた瞬間、光を放って一つに溶ける。
これが契約の糸だ。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 拘束力 | 契約を守る限り、互いの位置と感情状態を共有 (4幕が迫ると鎖の母が即座に感知) |
| 破棄罰則 | 契約を破ると糸が切れ、衰弱度 +2、三道 侠愛 -2 (永久) |
| 鎖の母の反応 | 破棄時、裏切られた悲しみに涙を一粒。その後は永遠に敵対 |
| 解除方法 | 契約完遂時に自然消滅。それ以外は破棄以外の解除不可 |
#選択肢別三道影響
| 選択 | 仁義 | 侠愛 | 善道 |
|---|---|---|---|
| A. 受諾 | +0 | +1 | +0.5 |
| B. 偽りの受諾 | -1 | -2 (実際に破棄した時) | -0.5 |
| C. 拒絶 | +0 | -0.5 (約束回避) | +1 |
| D. 条件付き | +0 | +0.5 | +1 |
#場面 4. 裏切りの余地 — 事後の戻り
- 位置: 契約成立後、祠を離れて封印の穴へ向かう道。
- 時間: 場面 3終了後、0.5間合。
#描写
祠を出ると、道が自ら開く。迷宮が東へ裂け、新しい通路が見える。その通路の先に、かすかな赤い光が漏れている — 封印の穴だ。
道を歩きながら、PCは相談する時間を得る。ここで裏切りの余地が最後に与えられる。鎖の母は祠に残っており、見ていない。今なら計画を変えられる。
#裏切り判定
PCが「契約はしたが、行って内容を見れば判断が変わるかもしれない」と決める場合:
| 接近 | 判定 | 目標値 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 公然たる契約破棄宣言 | — | — | 契約の糸が即座に切れる。鎖の母が感知。4幕で敵対。 |
| 「まず行って見てから」 | 精神 | 12 | 曖昧な状態を維持。4幕で再選択可能。 |
| 領地優先の主張 | 感知 | 10 | 鎖の母へ事後通告可能。裏切りではないが、冷淡になる。 |
#ハルヒコの再登場 (オプション)
PCが2幕でハルヒコと友好的だったなら、この道で彼に再び会う。彼は祠を離れる前、PCを待っていた。
"君たち、あの人と約束したんだね。……聞く前に、一言だけ言ってもいい?"
"あの人は100年間、決断を先送りしてきた人だ。君たちが決断を代わってあげるんじゃない。君たちが決断を共有しなきゃいけない。彼女は決断を押しつけようとしている。"
"これは警告じゃない。僕が彼女を愛していたから、僕は彼女の弱さを知っている。その弱さを君たちに見てほしくて言うんだ。"
この会話は、PCに鎖の母の自己回避を再確認させる。感知 目標値 11は自動成功 (ハルヒコの情報だけで)。
#ハルヒコの最後の贈り物
彼は去る前、小さな青銅鏡の欠片を渡す。
"これを封印の前で見せて。『黒縄大母』という存在が本物なのか、鎖の母の影なのかを見せてくれるはずだ。"
この鏡の欠片は4幕クライマックスで決定的な役割を果たす。詳細は 第4幕(クライマックス) — 森の主との談判 参照。
#段階別進行ガイド
#1段階 — 茶の儀式 (30分)
- 祠到着の描写。
- 座布団、急須、茶の感覚描写。
- 各PCの座り方RP。
- 茶を飲む判定。
#2段階 — 願いの聴取 (45分)
- 鎖の母の願いを朗読。
- 各PCの感知/精神耐性耐性。
- 層ごとの理解を公開。
- プレイヤー間の相談 (半間合)。
#3段階 — 契約選択 (60分)
- 四つの選択肢から一つを選ぶ (または創造的な第5案)。
- 契約儀式の演出 (A・Dの場合)。
- 契約判定および糸結び。
- 各PCの三道変動を記録。
#4段階 — 裏切りの余地および移動 (45分)
- 祠を離れる。
- 封印の穴へ向かう道を描写。
- ハルヒコ再登場 (オプション)。
- 青銅鏡の欠片を獲得。
- 封印の穴入口へ接近。
#成功/失敗分岐
#3幕成功条件
次のうち2個以上を達成。
- [ ] 契約選択を分隊が明確に合意。
- [ ] 鎖の母の願いの深層(またはそれ以上)まで読む。
- [ ] ハルヒコ再登場時、青銅鏡の欠片を獲得。
- [ ] PC間RPが互いのキャラクターの深さを示す。
#3幕失敗条件
- [ ] PC間の意見不一致で契約が分裂状態(一部受諾・一部拒絶) → 4幕で分隊結束 -2、判定不利。
- [ ] 契約成立直後に破棄宣言 → 鎖の母が敵対化、4幕難易度 +2。
- [ ] 願いの表層だけ理解 → 深層を4幕で遅れて知る (惨烈な展開)。
#中間分岐 (4幕進入条件)
- 誠実ルート (A選択): 4幕で鎖の母が封印前に合流。協力者 1。
- 裏切りルート (B選択): 4幕で鎖の母の感知が発動。両面戦闘。
- 拒絶ルート (C選択): 4幕で鎖の母・黒縄大母の双方が敵対。
- 条件付きルート (D選択): 4幕で状況に応じ、PCが即席で再判断。最も柔軟な展開。
#GMコントロール
#契約を「本物」と感じさせる演出
契約儀式はゲームメカニズム以上の物語上の重みを持つ。GMは次の演出装置を活用する。
- 糸を巻く時、速度を落とす。 鎖の母が手首に糸を巻く描写に30秒以上割く。プレイヤーの緊張を高める。
- 糸が溶けて貼りつく瞬間の音を描写する。 「小さな鉄の音がした後、濁った空気が一口ぶん、君たちの方へ吹いた。」
- 契約後、PCに鎖の母の心拍を一瞬感じさせる。 「一拍。君と同じ拍だ。」
#裏切りを「簡単に」許さないこと
PCが契約を軽く見て裏切りを選ぼうとするなら、GMは代価を十分に見せなければならない。裏切りルートは選択可能だが、楽であってはならない。
具体的演出:
- 契約の糸が切れる時、鎖の母が遠くでため息をつく。その音がPCの耳に届く。
- 衰弱度 +2が即座に適用される。陰陽師が領地で悲鳴を上げる描写。
- 領地結界の黒縄色が赤く変わる — 「約束が流した血」の色。
#ペース管理
3幕はRP中心なので、戦闘より会話のリズムが重要。
| 場面 | 目標時間 | 超過時 |
|---|---|---|
| 茶の儀式 | 30分 | 20分に短縮、願いへ直行 |
| 願いの聴取 | 45分 | 判定 1回で終える |
| 契約選択 | 60分 | そのまま進行 — この章の核 |
| 裏切りの余地 | 45分 | ハルヒコ省略可能 |
#三道影響要約
| 行動 | 三道影響 |
|---|---|
| 茶を受ける | 善道 +0.5 |
| 願いの深層まで読む | 善道 +1 |
| 誠実な契約受諾 | 侠愛 +1 |
| 偽りの契約受諾 | 侠愛 -2 (破棄時), 現時点では -0.5 |
| 拒絶宣言 | 善道 +1, 侠愛 -0.5 |
| 条件付き受諾 | 善道 +1, 侠愛 +0.5 |
#付録 A — 鎖の母の隠された過去 (GM非公開)
この節はプレイヤーに公開しない。GMが鎖の母の深みを保つための参考資料。
#A.1 彼女の本名
ホウセキ・ハルカ。200年前、紀伊半島のある村の乙女だった。
#A.2 彼女が黒縄に入った理由
愛した者(ハルヒコ)を自分の執着で死なせたという罪悪感。彼は生きて戻ったが、彼女はその事実を知らなかった。彼女が死んで黒縄に来た時、自ら鎖に巻かれ、森の一部になった。
#A.3 彼女が「鎖の母」になったきっかけ
100年前、彼女が自ら森の中心に座り、鎖と同化しようとしていた時、森の奥深くの封印から何かの声を聞いた。その声が「彼女を母にした」。彼女はその時から森の管理者になったが、その声が何だったのかは知らない。
#A.4 封印の正体
黒縄大母(Kokujō Daimo)は、鎖の母の過去の執着が物理的実体になったものだ。彼女がハルヒコに執着した時のその感情が、森の最も深い場所に封じられたまま100年間育ってきた。大母と鎖の母は同じ存在であり、別の存在でもある。詳細は 第2章 NPC図鑑 および 11-04 参照。
#A.5 彼女がPCに頼んだ本当の理由
彼女は大母を解き放ちたいわけでも、永遠に封印しておきたいわけでもない。どちらの道も、彼女自身を定義してしまう。彼女は100年間、この両価性に耐えてきた。PCは彼女の代理決定者だ。
#付録 B — 契約の糸詳細ルール
#B.1 糸の物理的特性
- 細い。手首に巻いた時、ほとんど感じない。
- 色は灰黒色。光によって反射する。
- 鎖というより、髪の毛一本に近い。
- 切断抵抗: 一般武器では切れない。契約当事者の三道移動または意識的破棄だけが切る。
#B.2 糸の機能的効果
| 効果 | 発動条件 |
|---|---|
| 位置共有 | 契約期間中、相互のおおよその位置を認知 (半径500m内) |
| 感情共有 | 強い感情(怒り、悲しみ、恐怖)発生時、相手へ伝達 |
| 危険警告 | 契約者の一人が生命の危険に陥ると、他の契約者へ警報 |
| 距離制限 | 霊界の外へ出ると糸が細くなる (領地-黒縄間では有効) |
#B.3 糸の自然解除
契約事項が完遂されると、糸は一時間内に自然消滅する。両当事者の手首にもう一度温かさを感じた後、消える。
#B.4 糸の強制解除
- 黒縄の主が変わる瞬間 (4幕結末の一部) — 自動消滅。
- 片方の当事者死亡時 — 即座に消滅し、残った者は死者の最後の感情を一度感知。
- 両当事者の合意解除 — 特殊儀式が必要 (祠再訪)。
#付録 C — 青銅鏡の欠片詳細
#C.1 外形
- 大きさ: 手のひらほど。
- 材質: 古代青銅。古い緑青の痕跡。
- 表面: 引っかいた文字がある — "二身一鏡"(二つの身が一つの鏡)。
#C.2 使用法
4幕、黒縄大母の前で鏡を掲げて映す。鏡が大母の本来の姿を映す。その姿が鎖の母と重なるなら、二つの存在が同じ根であることが明らかになる。
#C.3 効果
鏡使用時:
- 鎖の母・黒縄大母の双方に真実自覚効果 (1間合)。
- PCは両者の関係の全貌を理解。感知 +3ボーナス。
- 黒縄大母の攻撃力 -2 1間合 (彼女の混乱)。
#C.4 1回用
鏡は使用後、塵となって砕ける。欠片を分けて各PCに少しずつ残すこともできるが、効果は同じく1回。
#付録 D — 代替シナリオ: 契約なしで3幕終結
#D.1 PCが拒絶(C)を選んだ場合の展開
鎖の母は何も言わず、一度だけ頭を下げる。
"わかる。君たちには君たちの道があり、私の願いは私のもの。ただ、封印の穴へ行く道は、この森が許さなければ開かない。私なしでは開かない。"
PCは次から一つを選ぶ:
- 封印を諦める → 領地へ帰還。4幕は「黒縄大母の外部侵攻」形態に変形。11-04 付録参照。
- 強制探索 → 森の反抗判定 (精神 目標値 15)。成功時、道を発見。失敗時、迷宮回帰。
- 別経路を探す → ハルヒコへ情報を求める。彼は一部助言可能、ただし「彼女なしでは難しい」と言う。
#D.2 PCが第5案を提示した場合
GMは創造性を歓迎する。例:
- 「私たちが同行しよう」 → 鎖の母が4幕舞台に同席。難易度 -2、ただし彼女が危険にさらされる。
- 「先に領地と相談して戻る」 → セッション終了後、領地帰還シーン。4幕遅延。衰弱度 +0.5。
- 「封印を強化しに行く。起こしに行くのではない」 → 鎖の母の好感度 +2、4幕開始時に大母覚醒ではなく「封印亀裂封鎖」シークエンス。
各第5案には、GMが4幕構造を一部修正して対応する。
#3幕終了チェックリスト
- [ ] 契約選択記録 (A/B/C/D/その他)。
- [ ] 契約の糸状態記録 (巻かれた/破棄/未締結)。
- [ ] 鎖の母好感度の最終数値。
- [ ] PC別三道変動記録。
- [ ] 青銅鏡の欠片所持有無。
- [ ] 結界HP更新。
- [ ] PC経験値支給。3段後半 → 4段序盤。
- [ ] 4幕進入分岐確定 (誠実/裏切り/拒絶/条件付き/第5案)。
#次段階
- 4幕進入準備: 第4幕(クライマックス) — 森の主との談判
- プレイヤーへ共有: 次のセッションはクライマックス。黒縄大母との談判。戦闘と交渉が同時に可能。
- GM記録: 契約の形とプレイヤーそれぞれの三道。これが4幕で黒縄大母の態度を決める。
第3幕は約束の幕だ。4幕は対面の幕になる。約束を抱えて行った者だけが、対面の重みを知る。
最後のGMノート: 3幕終了時、プレイヤーに問う。「君はこの約束を、領地へ戻ってからも覚えているか?」答えを記録せよ。その答えが第5章以降、キャンペーン全体におけるPCの自画像になる。
約束についての三文:
1. "約束は言葉ではない。約束は糸だ。"
2. "糸を断つことが勇気である時もあり、卑怯である時もある。"
3. "黒縄は約束を信じない者に平穏を与え、約束を信じる者に鎖を与える。"