#GM 用名品武器製作ガイド
目次
Scene Tool — 自作名品製作手順。 本書は GM がキャンペーンの中で 自作の名品武器 を作る時に従う 7 段階手順を定義する。本編
co-07-02 § 名品規則要約のデータ構造に従う — 技法スロット・等級・入手原則すべて本編標準。
このガイドは強力な報酬を増やす文書ではない。 物語とデータの理由を合わせる文書である。新たな名品一振りは 一つのシナリオの動機 と 一人の PC のアイデンティティ を変えられねばならない。
#導入断片 — まだ存在しない名品
GM は空のデータ欄を見つめた。攻撃の名も、呪いも、所有条件もまだなかった。しかし最初の場面はすでにあった。雨の降る橋の上で、主を失った刀が誰かの足元に置かれることになる。
「その刀はどんな効果があるのですか?」プレイヤーが尋ねた。
GM はすぐには答えなかった。「まず誰が主だったかを決めなければなりません。そしてなぜ橋の上に置かれたかも。」
「では、データは後ですか?」
「後ではなく、ついてくるのです。」GM は空欄の上に一文を書いた。雨の日にだけ鞘が開く。「この一文が生まれれば、効果も、呪いも、所有条件も方向を得ます。」
その日に作られた名品は、最も強い武器ではなかった。しかし登場した瞬間、誰もが問いを抱いた。誰が雨の橋にこの刀を置いて去ったのか。そしてなぜまだ乾いていないのか。
#§ 香 — 新しい名が刀に出会う
刀が一振り作られる。刀工の手から。平凡な刀なら、そのまま市中に出て、ある侍の腰に差され、百人を斬り、ある時点で折れる。しかしある刀は — 作られる過程そのものが一つの逸話となる。刀工が生涯最後に作った刀であったり、一つの神社の霊脈の上で精錬された刀であったり、一つの家門の危機を前に最後に鍛造された刀であったり。
その逸話が刀の名となる。名が付けば — 刀は自分の逸話を次の行へとつなぐ主を見る。名品の始まり。
本書の 7 段階は、その名の最初の行を共に書く手順である。
#§ 法 — 7 段階手順
新たな名品 1 振りを作る GM の 7 段階。
#1 段階 — 時代の選択
| 時代 | 本書での位置 | 推奨刀派・人物 |
|---|---|---|
| 平安 (794〜1185) | §02-01 | 山城(三条宗近)、頼光 4 天王 |
| 鎌倉 (1185〜1333) | §02-02、§02-03 | 備前、相州、粟田口 |
| 室町 (1336〜1573) | §02-03 | 正宗系譜、美濃、村正一族 |
| 戦国 (1467〜1603) | §02-04 | 信長、武田、稲富流 |
| 江戸 (1603〜1868) | §02-04 | 新選組、示現流、柳生 |
時代を決めれば刀派・刀工・所有者の候補が自動的に狭まる。 一つの名品は一つの時代の中に位置を占める。時代を決めなければ逸話が矛盾しうる。
霊界鬼物の例外: 時代に逆らう刀を作りたければ
co-07-02 § 霊界鬼物のルールに従う。霊界鬼物は本来の時代に存在しえない武器であり、[霊界鬼物] のタグが付く。
#2 段階 — 所有者の選択
この刀が誰の手にあったか。所有者が刀工より名刀の逸話を作る。
| 所有者類型 | 逸話の方向 |
|---|---|
| 武将(大名) | 家門の宝・戦場の決定的武器 |
| 剣豪 | 決闘の刀・流派の頂点 |
| 僧兵・僧侶 | 浄化・退魔・信仰 |
| 忍び | 潜入・暗殺・秘密 |
| 女性武士・巫女 | 神社・決闘・奉納 |
| 無名の武士 | 百戦の刀・一生の武器 |
| 姫・皇子 | 儀礼・王権の象徴 |
| 外人 | 折衷様式・異国の影響 |
所有者を決めれば刀の活動シナリオが定まる。「この刀がどの場で最も輝くか」が明確になる。
#3 段階 — 武器カテゴリの選択
co-07-01-weapon-catalog.md の武器カテゴリから原型武器を選ぶ。原型武器の攻 A・攻 B・防御技法が新たな名品の基本となる。
| カテゴリ | 時代適合 |
|---|---|
| 太刀 | 平安 〜 鎌倉 |
| 打刀 | 室町後期 〜 江戸 |
| 脇差 | 室町後期 〜 江戸 |
| 小太刀 | 鎌倉 〜 江戸 |
| 大弓 | すべての時代 |
| 半弓 | すべての時代 |
| 槍(素槍・十文字・鎌槍) | 鎌倉 〜 江戸 |
| 薙刀 | 平安 〜 江戸 (女性武士・僧兵) |
| 忍者刀 | 室町後期 〜 江戸 |
| 棒(六尺棒・鉄棒) | すべての時代 |
| 短刀(懐剣・マキリ) | すべての時代 |
| 火縄銃・種子島 | 戦国 〜 江戸 |
| 甲冑 | すべての時代 (様式は時代別に異なる) |
| 道具・装身具 | すべての時代 |
時代整合の注意: 打刀は室町後期以降。火器は戦国以降。時代 1 段階で決めたものとカテゴリが衝突すれば — 霊界鬼物に再分類するか、時代を決め直す。
#4 段階 — 逸話の選択
刀が持つ一行の逸話。本書は次の七つのテンプレートを推奨。
| 逸話テンプレート | メカニクスの方向 |
|---|---|
| 鬼を斬った | 妖魔対象の強化。[童子切・三日月系列] |
| 主を選んだ | 拒否メカニクス。[薄緑系列] |
| 家門を滅ぼした | 家門の凶呪い。[村正徳川系列] |
| 主を生かした | 復活・治癒の祝福。[大典太・勾玉系列] |
| 刀工が死にながら完成させた | 最後の一打ち効果。[刀工の最後の槌系列] |
| 神社に奉納された | 霊的浄化 / 奉納儀式 / 結界。[奉納薙刀・小烏丸系列] |
| 名を失った | 真名封印。[霊界鬼物・薄緑系列] |
逸話一行が名品技法の効果を決める。
#5 段階 — 所有条件の選択
fc05-04-01 § 関係類型の七つ から一類型を選択。または §04-01 § 所有条件カタログ から具体的な条件を選択。
PC がシナリオの中で満たせる条件を置く。生涯満たし不可能な条件は使用しない。
血統条件の強度: 家門直系後裔の条件は強力だが、その分報酬は強く置く。直系後裔でない PC も「家門の認定」で満たせる迂回路を一つは置く(外部の保護者・親交・恩義)。
#6 段階 — 呪い/祝福の選択
fc05-04-02-curses-devotions.md の呪い 7 類型・祝福 5 類型から選択。または新たな呪い・祝福を作成。
呪い作成のチェック:
- 自動処罰ではなく選択メカニクスか?
- 呪いを回復するシナリオの道があるか?
- 活力・戦力の混同がないか?
- PC の職業シグネチャを封鎖しないか?
祝福作成のチェック:
- 本編名品の平均を超えないか? (+1〜2)
- PC のアイデンティティと整合するか?
- 神器献身を真似ていないか?
呪いと祝福の比率: 呪いのみの名品(金棒)、祝福のみの名品(源氏の鎧)、両方ある名品(村正・天狗の羽団扇)すべて可能。本書の新規名品は一つの名品に呪い・祝福を合計 1〜2 個推奨。
#7 段階 — 名品技法の作成
名品の 5 番目の技法スロット。本編 co-07-02 § 名品規則要約 の形式に従う。
| 技法 | 類型 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|------|------|------|------|------|------|
| **[名品] 技法名 (漢字)** | 形または攻撃 | 2〜5 | 2d10+(能力値)+(技能)+(ボーナス) >= 防備 | (被害・状態効果) | 間合 1 回 / 戦闘 1 回 / セッション 1 回 |
名品技法一行の作成:
- 類型: 大半は [型] (特殊技法)。一部は [攻撃] (攻撃ボーナス)。
- 活力: 2〜5。間合 1 回限度なら 2〜3、戦闘 1 回は 3〜4、セッション 1 回は 4〜5。
- 判定: 能力値 + 技能 + (選択的に +1〜3 のボーナス)。
- 効果: 一文で効果を定義。被害(戦力) + 状態(状態異常)・環境効果・味方効果。
- 限界: 間合 1 回 (最も多い)、戦闘 1 回、セッション 1 回。本名品技法の使用頻度の制限。
名品技法は 5 番目のスロットであって 6 番目ではない。 攻撃 A · 攻撃 B · 防御 · 免許技法 · 名品技法 = 5。スロットを増やさない。
+3 上限: 名品技法の +攻撃ボーナスは一般的に +3 以内。
ex2-00-05 §10の限定条件均衡に従う。
#§ 法 — データテンプレート
7 段階を経た名品の完成形態:
### [名品の名] (漢字)
#### 香 — [一行に圧縮]
[2〜3 段落の逸話 — 時代・刀工・所有者・事件]
#### 法 — [原型武器] 基盤 + 名品技法
**基本技法**: [原型武器] と同じ。
| 技法 | 類型 | 活力 | 判定 | 効果 | 限界 |
|------|------|------|------|------|------|
| **[名品] [技法名] ([漢字])** | [形/攻撃] | [2〜5] | [2d10+能力+技能+ボーナス >= 防備] | [効果] | [間合/戦闘/セッション N 回] |
**祝福 [素養]**: [祝福効果] (ある場合)
**呪い [素養]**: [呪い効果] (ある場合)
**所有条件**: [関係類型 + 具体的な条件]
**入手シナリオ**: [シナリオカテゴリ、本書または他の fc との連結]
#§ 法 — 誤った例 / 修正例
#誤った例 1 — スロットを増やす
誤り: 「この名品は名品技法スロットが二つだ — 強い一撃用と潜入用。」
名品スロットは 1 個。二つの効果を一つの名品技法に入れるには — 条件付き効果 で一スロットに統合する。
修正: 「[名品] X — 効果 A。潜入状態で使用時 効果 B に代替。」
#誤った例 2 — 神器の真似
誤り: 「この名品は献身技法で神格 X の加護を発動。」
名品に献身スロットなし。神器に格上げするには co-07-03 の領域。
修正: 献身効果を 弱い祝福 に変換。「祝福 [素養]: 神格 X の加護 — (小さな効果)。」
#誤った例 3 — 活力・戦力の混同
誤り: 「呪い: 毎呼吸、行動力に被害 1。」
活力は行動力、戦力は致命傷の耐久だ。混合表現禁止。
修正: 「呪い: 毎呼吸 活力 -1」(行動力の損失)または「呪い: 毎戦闘終了時 戦力 -1」(被害)。
#誤った例 4 — PC 封鎖
誤り: 「所有条件: 宮本家直系後裔のみ。他の者が持てば武器効果なし。」
宮本家は架空の家門であっても — キャンペーンの中に宮本直系後裔がいない PC は、生涯この名品を使えない。PC 封鎖。
修正: 「所有条件: 宮本家直系後裔または家門の認定(シナリオで獲得可能)。」迂回路を置く。
#誤った例 5 — 時代の矛盾
誤り: 平安時代のシナリオに打刀の名品が登場。
平安には打刀がない。太刀のみある。
修正: 同じ効果の太刀の名品に変換。または霊界鬼物に再分類。
#§ 法 — 名品 vs 神器の判定
新たな武器を作る時、名品か神器かを 7 段階の終わりに再確認。
§01-02 名品と神器のチェックリスト を適用。
| チェック三つ未満 | 名品 | 本ガイド 7 段階のまま進行 |
|---|---|---|
| チェック三つ以上 | 神器 | 本書の権限外。神器は co-07-03 の領域に委ねるか、神器級の効果を名品の弱い変形として書き直す。 |
#§ 法 — シナリオ報酬として登場させる
新たな名品 1 振りは一つのシナリオの報酬 — または一つのシナリオの動機。推奨:
| 登場時点 | 効果 |
|---|---|
| シナリオ開始前 — 前兆 | 刀工・NPC が PC 分隊に刀の物語を漏らす。PC がその刀を探しに出る。 |
| シナリオ中盤 — 初めての出会い | PC が刀を見る。使用資格の試験。 |
| シナリオのクライマックス — 入手 | PC が資格を満たし、刀を手に入れる。 |
| シナリオ後 — 段階進行 | §04-01 § 関係段階 の段階がゆっくり上がる。 |
一つのキャンペーンの中に新たな名品 1〜2 振り程度が適当。多すぎれば名品の重みが軽くなる。
#§ 法 — 7 段階チェックリスト
新たな名品の作成後の最終点検:
- [ ] 時代 が明確か? (または霊界鬼物のタグがあるか?)
- [ ] 所有者 が明確か? 誰の手にあったか?
- [ ] 武器カテゴリ が時代と合うか?
- [ ] 逸話 が一行に圧縮されるか?
- [ ] 所有条件 が PC がシナリオで満たし可能か?
- [ ] 呪い/祝福 が自動処罰でないか? 回復の道があるか?
- [ ] 名品技法 が 5 番目のスロットの中に正確に入るか? +3 上限内か?
- [ ] 活力・戦力 の混同がないか?
- [ ] 名品と神器 の境界を再確認したか?
- [ ] 本編登載の名品と 役割が重ならないか?
#参考リンク
新たな名品はデータで完成しない — 登場する場面を得る時に完成する。