#籠城時計と内部事件 — 耐える時間の装置
目次
Scene Tool.
04-01 守城・籠城ガイドが「何が資源か」を定義し、本文書がその資源を削る進行装置を担う。時計は数値体系ではなくGM運用装置である — マスが満ちるのを見ながら、PLが残り時間を目で数える。時計前進そのものではダイスを振らない。本巻が別に置くd100装置は二系統だけ — この籠城d100内部事件表(§法4)と廃墟d100表束(06-02)である。
#香 — 釣瓶が遅れて上がる
城門に閂を掛ける音が、城内のすべての時間を変える。
初日の井戸の釣瓶は軽かった。七日が過ぎると、釣瓶はさらに遅く、さらに重く上がる — 縄が長くなったのではなく、水が遠くなったのだ。俵を数える手が毎日一マスずつ短くなり、櫓の上の目は東の稜線から離れない。籠城で敵は刀ではない。敵は時間であり、時間は内側から先に擦り減る。
#モード概要 — 時計が答える質問
中心質問: 救援・脱出・降伏のうち、どれが先に到着するか?
時計はこの三つのどれかに届くと止まる(§終了条件)。防御側が勝とうとするものは、時計を満たし切る前に一つの出口へ届くことであり、攻撃側が勝とうとするものは、時計を最後まで回して資源を0に干上がらせることである。
目盛り単位は場面で固定する。 ラウンド・ターンは使わない — 間合は一場面内部の戦闘進行単位であり(活力は一間合の行動経済)、時計はそれより一層上の場面単位である。二つの層を混ぜない。
日換算ボックス。 領地季節行動(
co-03-10)とつなぎたい時だけ、時計一マス ≈ 半日~一日とゆるく換算する(GM裁量、ルールではない)。時計の本単位はあくまで場面である。
#法 1 — 時計の目盛り
時計 = マスが決まったトラック。マス数がそのまま「耐えられる場面数」の上限である。
| ダイヤル | マス数 | 雰囲気 |
|---|---|---|
| 絶望的籠城 | 5マス | 救援はない — 耐えて崩れるか、脱出するか。 |
| 標準籠城 | 8マス | 基本。救援・脱出・降伏が拮抗。 |
| 救援間近 | 12マス | 長く耐えれば道が開く — ただしその分、内側が先に膿む。 |
目盛りを満たすことは一マス前進である — d10・d100・2d10のどれにも掛けない。時計前進はダイスを振らないGM運用装置である(確率は§法4の内部事件表でのみ振る)。マスは紙に描いてPLへ見せる — 残り時間が見える時、「耐える選択」が重みを持つ。
#法 2 — 時計前進条件
時計が一マス前進する四つのトリガー:
| トリガー | 前進 |
|---|---|
| 場面終了 | 一つの籠城場面(補給・防御・摘発など)が終わるたび基本1マス |
| 圧迫加速 | 攻城側の火攻・城門圧迫・結界破壊成功(03 攻城)が追加1マス |
| 失敗加速 | 籠城側の核心揺らぎ確認(補給確保・民心取り締まり・摘発)失敗時追加1マス |
| 資源0加速 | どれかの資源が0に届けば即時追加1マス + 強制内部事件(§法4) |
減速(巻き戻し)はない — 原則として。ただ一つの例外: 救援軍信号・決定的協商成功のようなシナリオ級事件でのみ1マス回復する。常時回復装置は置かない — 圧力が解ければ時計の意味が消えるためである。
前進は頻繁で、減速は希少である。そうしてこそ時間が敵として機能する。
#法 3 — 資源消耗連動 (背骨)
追跡資源6種をco正本から直接引く(新規数値作成なし)。時計一マス = 抽象的カウントダウンではなく、具体的損失である。
| 資源 | 出典正本 | 前進時消耗 | 0到達時 | 接続技能 |
|---|---|---|---|---|
| 食糧・井戸 | 補給所 + 02-02 井戸 | 1段階消耗 | 飢え・脱水 — 戦力回復制限、補給所効果消滅 | 生存・感知(毒) |
| 民心 | co-03-10(1~10) | 避難民・配給縮小で-1 | 0 = 蜂起; ≤2 分隊結束力-1; ≥7 民兵+1(結束力4)喪失 | 煽動・交渉 |
| 兵力 | co-03-10・co-06-06 | 分隊損失・結束力低下 | 防御区域放棄(守る分隊なし) | 軍学・分隊命令 |
| 結界 | 結界(維持費1活力/小康) | 維持費未払い・攻撃累積 | 破壊 → 霊的汚染流入 | 結界・退魔 |
| 負傷者 | 戦力回復(co-03-06 小康) | 回復資源占有 | 戦闘可能人員枯渇 | 医術・薬草 |
| 内通 | 感知(潜入対立)・虚言・交渉 | 摘発失敗累積 | 城門開放・井戸毒殺強制事件 | 感知・威圧 |
結界耐久(攻撃N回破壊)は
co原文の回数規約を引用する明示例外である — 一般耐久は戦力であり、活力は一間合の行動経済であって回復・被害資源ではないため、負傷者トラックには使わない。
#法 4 — 内部事件表 (d100)
本巻が置く二つのd100装置のうち籠城側である(もう一つは06-02 廃墟表束)。時計が一マス前進するたび(資源0加速時は強制)、d100を振ってその場面の内部事件1件を引く。d100は2d10の桁読み(co-03-01)である — 別の多面体は使わない。表のすべての効果は既存coメカニズムを発動するだけで、新しい効果を作らない。
| d100 | 事件軸 | 内容(既存co効果発動) |
|---|---|---|
| 01–18 | 補給 | 井戸が濁る — 補給所効果1回消滅 / 食糧腐敗 — 次の小康戦力回復無効 |
| 19–36 | 民心 | 配給争い — 民心 -1(≤2なら分隊結束力-1) |
| 37–54 | 兵力 | 夜襲被害・脱走 — 分隊1個の結束力-1(co-06-06); 結束0なら崩壊 |
| 55–72 | 霊界 | 結界亀裂 — 結界攻撃1回累積、破損時霊的汚染(精神耐性 勇 ≥ 11) |
| 73–90 | 内通 | 密書発覚・内応 — 即時摘発場面(感知・潜入対立)。失敗時、城門開放または井戸毒殺 |
| 91–95 | 複合危機 | 上の軸のうち二つが同時に(GM選択) — 最も過酷な場面 |
| 96–00 | 転機 | 稀な道 — 救援信号・敵内紛・協商使節。時計1マス回復または終了出口(救援)へ一歩 |
時計位置補正。 時計が6マス以上なら、出目に+20(上限00固定)。これは新しい判定式ではなく、表進入補正である — 後半ほど事件が過酷な高区間(霊界・内通・複合)へ押され、まさにその終端(96–00)でだけ転機が手に届く。 長く耐えた者にだけ、まれに救いの窓が開く構造である。序盤(補正なし)では転機はほとんど出ない。
分布は意図されたものだ — 不利な事件が多数(01–95)、転機は希少(96–00、5%)。同じ表一つで籠城ごとに違う物語が出て、分布が「時間が進むほど悪くなる」を保証する。
#終了条件と出口
時計が止まる三つの出口:
| 出口 | 条件 | 次の場面 |
|---|---|---|
| 救援 | 時計満了前の外部到着信号(転機事件・シナリオ) | 包囲解除 — 出撃・追撃または03 攻城逆転 |
| 脱出 | 秘密通路(02-02)・夜陰突破 | 05 潜入(城を捨てて抜け出す) |
| 降伏・陥落 | 時計満了または核心資源全滅 | 市街戦・本丸(心府)最後の防御、陥落後06 廃墟 |
三つの出口はすべて次のモードの入口である。籠城は終わっても、物語は終わらない。
#卓フック — GM用
テーマ。 孤立の倫理、裏切りの重さ。「救援軍は本当に来るのか」 — GMがあらかじめ決めても、時計の転機事件に任せてもよい(どちらか一つ)。
シナリオフック:
- 来ない救援 — 時計がすべて満ちても東は静かである。転機事件が一度も出なければ、それが答えだ。
- 内側から満ちる時計 — 敵が一マスも押せなくても、民心・内通だけで時計が満ちる。最も恐ろしい籠城。
- 結界で耐える城 — 妖魔を結界で止めて時間を稼ぐが、霊界事件(55–72)が累積すると敵より悪いものが入る。
ダイヤル再調整。 時計が早く満ちすぎるなら → 次の籠城は12マスダイヤルへ。遅すぎて伸びるなら → 5マスへ。マス数はGMが一キャンペーンの呼吸に合わせて選ぶ。
「城門を閉じた瞬間、時計は回る — そしてその時計は、敵ではなく内側が先に巻く。」
