#家臣6名 — アキヒサの手足
目次
領主のそばに残った六人。800名の領地で、刀を取れる者、手を動かせる者の中核である。PCの遠征パートナーにも、護衛にも、敵にもなり得る。
本編参照
[新規ルール] 家臣出動ローテーション
領地防衛のため、家臣6名は同時に全員出動できない。領地には最低2名が残っていなければならない。PCと遠征する場合は最大3名参加、残り3名は領地に残留する。ローテーションはセッション開始時に領主が決定する(PCの意見を参照)。
#構成概略
| NPC | 年齢 | 職責 | 段数 | 心 | ロマンス |
|---|---|---|---|---|---|
| トウマ(藤馬) | 54 | 老兵・家老代理 | 2段侍 | 忠 | — |
| カゲミツ(景光) | 22 | 若き侍 | 1段侍 | 覇 | 可能 |
| コマチ(小町) | 24 | 女忍び | 3段忍法者 | 虛 | 可能 |
| ミナコ(美奈子) | 31 | 女性医員 | 1段異邦人 | 慈 | 可能 |
| ユキチ(雪吉) | 48 | 鍛冶職人 | 非戦闘 | 眞 | — |
| リョウザン(了山) | 68 | 老僧退魔補助 | 3段修験者 | 眞 | — |
#1. トウマ — 老兵
#香 — トウマという人
#外見
五十四。背丈は普通だが、肩が広く腕が太い。顔の左頬に刀傷がある — 若い頃、織田軍との小規模交戦で受けたもの。白髪が多く混じるが、頭頂はまだ黒い。髭は短く整えている。腰には刀一振り。無骨だが、よく手入れされている。
普段着は灰色の着流しに紺の袴。甲冑は古びた当世具足 — アキヒサの祖父から譲られたもの。トウマはこれを四十年以上着ている。
左足を少し引きずる。交戦で負った傷の痕だが、歩みが遅いわけではない。
#口調
太く短い。一文が二音で終わることも多い。アキヒサの前では「若様」 — 領主と認めていないのではなく、赤子の頃から抱いて育てたこの子を領主と呼ぶ作法を、まだ身につけられていないだけである。
PCには最初、丁寧語。だが信頼が積み上がると「貴公」→時間が経つと「そなた」。
#象徴的な小物
- 祖父世代の当世具足: 兜の頭頂に刀傷が一つ。トウマが受け取った時からあったもの。
- 父の短い遺書: 懐に常に入れている。内容は「守れ」。
- 古い刀: 名高い長刀ではない。名のない無名刀。彼は「名のないものがわしの分だ」と言う。
- アキヒサの母から受け取った産着の切れ端: トウマが赤子のアキヒサを抱いて脱出した日のもの。秘密の箱に保管している。
#過去
サカイ家の3代目家臣。祖父がカミジョウ家に仕えたことが始まり。アキヒサの祖父の時代から現在まで、三人の領主に仕えた唯一の生存者。父が急死した日、現場にいた。その日、赤子のアキヒサを胸に抱いて城から脱出させたのも彼である。
#法 — ステータス
トウマ(2段、侍)
勇 +2 / 技 +1 / 體 +2 / 智 +0 / 美 +0 / 運 -1 (合計 +4 = 1段標準 +3 + 2段成長 +1)
活力 11 (10 + 技1)
戦力 6 (3 + 體2 + 強靭 1)
防備 14 (重甲 — 当世具足)
三道六心: 忠 (家門)
特技 (3個 = 1段自動 + 背景 1 + 一般 1。偶数段では特技を獲得しない):
- 不動の陣 [姿勢, 2活力] — 本編侍 1段自動
- 家名 [背景, 素養] — 没落貴族背景。領民支配力 +1
- 強靭 [一般, 素養] — 戦力 +1
技能 (1段9点[職業5+背景2+自由2] + 2段成長 +2点 = 11点): 剣術習得(2点), 軍学習得(2点, 2段 +1点), 闘志入門(1点), 威圧入門(1点), 馬術入門(1点, 2段 +1点), 交渉入門(1点), 偵察入門(1点, 老兵の戦場の目), 感知入門(1点, 危険を読む直感), 強健入門(1点, 三十七度治した傷)
装備: 無名刀、脇差、当世具足、長槍(非常用)
#台詞例
平時の会議:
「若様、決められたなら従います。小人は刀です。刀が自分で判断すれば、斬った跡が曲がります」
PCが遠征を提案する時:
「行きましょう。ただし老父が遅くなったと不平を言うな。遅い刀も、当たれば斬ります」
遠征中、負傷後:
(座って傷を縛りながら)「大丈夫です。五十年の生涯、この傷より深い傷を三十七度は治しました。三十八度目も治りましょう」
#関係・フック
- アキヒサ: 第2の父。アキヒサが唯一頭を下げる相手。トウマは一度も先に頭を下げたことがない。
- カゲミツ: 可愛がっている後輩。「こやつが自分の子なら、とっくに三度は殴って分別をつけさせた」と言う。
- ゲンショウ: 互いに敬語。古い仲間。
- フック 1 — 隠退の決心: トウマは最近、隠退を考えている。アキヒサが2段に達したら家老職を譲り、第一線から退くつもり。漂流のため保留中。PCは退くよう勧めても、続けるよう頼んでもよい。
- フック 2 — 過去の借り: アキヒサの父の急死について、トウマは何かを知っている。好感度が高ければ一部公開できる。
#2. カゲミツ — 若き侍
#香 — カゲミツという人
#外見
二十二。背が高く、ひどく痩せている。顔立ちは鋭く、目尻がつり上がっている。黒髪を後ろで一つに結び、横髪の数筋はいつも乱れている。整った顔立ちだが、本人に自覚はない。
普段着は紺の着流し、袴は濃い茶色。常に刀を手に持っているか、腰に差している — 背に負うことはない。刀が彼の存在証明である。
左耳が少し裂けている。最近できた傷。
#口調
早く、熱がある。文は短いが口数は多い。敬語は正確に使うが、感情が乗るとため口が漏れる。PCには最初は丁寧語 — だが戦闘中や興奮時には「おまえ」「おい」などが出る。
#象徴的な小物
- 刀「曉影」: 父の遺品。祖父が使っていたものではなく、父が直接注文して作らせたもの。父は漂流3年前に戦死した(越後国内の小規模紛争)。
- 小さな銀の鏡: 母の遺品。幼い頃、母が「鏡を見ながら、なぜ怒っているのか考えなさい」と教えた。今も感情が激しくなると、この鏡を取り出して見つめる。
- 古い槍術教本: 示現流の訓練書。トウマが譲ったもの。
- 兜: 兜がない。兜を手に入れる前に前線へ出て、耳を斬られた。
#過去
カゲミツの家は3代前にカミジョウ家へ合流した分家。父が戦死した後、母と二人きり。漂流時に母も病で失った(漂流そのものとは無関係な偶然)。今は完全な孤児。忠誠の対象が領主一人だけなので、狂信的である。
#法 — ステータス
カゲミツ(1段、侍)
勇 +2 / 技 +1 / 體 +1 / 智 +0 / 美 +0 / 運 -1 (合計 +3 = 本編 1段標準)
活力 11 (10 + 技1)
戦力 4 (3 + 體1)
防備 12 (軽甲)
三道六心: 覇 (君主 — 領主への狂信的忠誠)
特技 (3個 = 1段自動 + 背景 1 + 一般 1):
- 不動の陣 [姿勢, 2活力] — 本編侍 1段自動
- 若き忠心 [背景, 素養] — 武士背景。領主保護判定 +2
- 神速 [一般, 素養] — 活力最大値 +1(本編一般特技)
技能 (1段9点 = 職業5 + 背景2 + 自由2): 剣術習得(2点), 闘志入門(1点), 軍学入門(1点), 威圧入門(1点), 馬術入門(1点, 背景), 槍術入門(1点, 背景 — トマ伝授の示現流教本), 感知入門(1点, 自由 — 領主護衛の警戒), 偵察入門(1点, 自由 — 巡察)
装備: 刀「曉影」、脇差、軽甲、銀の鏡(懐に)
#台詞例
平時:
「小人が先に出ます。領主様が危険にさらされるくらいなら、小人が三人死ぬほうがましです」
PCが判断に介入する時:
「貴公の意見も聞きましょう。ただし領主様の決定なら、私は従います。領主様が誤りだと仰るなら、私は誤りに従います」
怒った時(ため口混じり):
「おい、おまえ、それを領主様の前でもう一度だけ言ってみろ。斬るぞ、本当に」
#関係・フック
- アキヒサ: 神を見るように。ただしアキヒサが負担に感じるほど。時々自制できない。
- トウマ: 父代わり。トウマに叱られれば、トウマの言葉が正しい。だが領主の意見とトウマの意見が衝突すれば、領主の側につく。
- コマチ: 競争心。コマチの内心がわからないので不安に思う。内心では関心がある。
- フック 1 — 過去の家門: カゲミツの家はカミジョウ家に合流する前、中堅家門だった。分家した理由が腑に落ちない。家の秘密 — 好感度が高ければ公開。
- フック 2 — ロマンス・オプション: カゲミツは感情を隠す術を学んだことがない。好感度が上がると明らかに表に出る。彼の愛は火のようで、突進する。相手が受け入れれば、忠誠の対象が追加される。
#3. コマチ — 女忍び
#香 — コマチという人
#外見
二十四。背丈は中ほど、体つきは非常に細い。肌は青白い — 昼にはほとんど動かないため。黒髪を肩下まで長く垂らしているが、任務時には一つに結ぶ。顔はあまり見せない — 手ぬぐいやショールで鼻と口を覆う。
目だけが見える。その目の深さがぞっとする。灰褐色。
普段着は濃紺の日常着、任務時には黒の忍び装束。膝上に短刀2本、背に忍者刀。苦無を何本も分散して隠している。どこに何本隠しているかは本人だけが知っている。
#口調
きわめて静か。聞こえるかどうかの囁き。だが言葉の選び方は正確。本来は教養人。口数が少ないのは口が堅いからではなく、話す習慣を意図的に削ったためである。
敬語は相手に応じて選ぶ。領主とゲンショウにだけ敬語。PCには最初から平語(「おまえは誰だ」系)。
#象徴的な小物
- 二重隠し品: 衣の内側に3つの隠し袋。一つ目は短剣、二つ目は毒、三つ目は正体不明の書簡多数 — 本人だけが読む。
- 古い銀の指輪: 右手の薬指。とても小さい — 幼い頃にはめた後、抜けなくなったように見える。誰がくれたのか、誰のものなのか不明。
- 影笛: 音のない笛のように見えるが、霊界周波数で振動する。忍び流派の秘物。
- 黒漆の箱: 自室にある、鍵のかかった箱。鍵は首飾りにしている。中身は非公開。
#過去
公式叙事: 越後国古志系の小規模忍び流派出身。18歳でカミジョウ家と契約。以後、情報収集・警護・暗殺(暗殺はなかった。家門の原則)。
隠された叙事(GM情報): コマチにはもう一人の雇い主がいる。カミジョウ家へ入る時、他家から「監視」任務を受けた。二重契約である。しかし4年間カミジョウ家で過ごすうちに感情が揺れている。今は裏切りと忠誠の間で膠着状態。漂流によって元の雇い主と連絡が切れ、任務の有効性そのものも曖昧になっている。
#法 — ステータス
コマチ(3段、忍び)
勇 +0 / 技 +3 / 體 +0 / 智 +1 / 美 +1 / 運 -1 (合計 +4 = 本編 3段標準。技上限 +3)
活力 13 (10 + 技3)
戦力 3 (3 + 體0)
防備 12 (軽甲)
三道六心: 虛 (秘密)
特技 (5個 = 1段自動 + 背景 1 + 一般 1 + 3段クラス 1 + 3段一般 1):
- 影渡り [素養] — 本編忍び 1段自動。外部↔どこへでも0活力、心府への自由進入
- 潜入の達人 [背景, 素養] — 忍び家門背景。感知対立 +1
- 神速 [一般, 素養] — 活力 +1(本編一般)
- 奇襲 [素養] — 本編忍び 3段択 1。潜入状態の最初の攻撃が自動会心
- 強靭 [一般, 素養] — 戦力 +1(本編一般)
技能 (1段9点[職業5+背景2+自由2] + 2段成長 +2点 = 11点。免許以上の保有上限は2個[2段]、使用1): 潜入免許(3点), 毒術習得(2点), 感知入門(1点), 交渉入門(1点), 変装入門(1点, 身分偽装), 虚言入門(1点, 二重契約の隠蔽), 偵察入門(1点, 情報収集), 歩法入門(1点, 隠密機動)
装備: 忍者刀、短刀 2、苦無 8本、毒 3種、影笛、縄・鉤
#台詞例
平時(短く):
「……報告します。北門に人三人。一人は農夫、二人は不明。警戒」
PCが真意を問う時:
「おまえが聞いても、私は答えない。それが私の仕事だ。答えがあると思うな」
好感度の高いPCに、夜:
(煙草を吸いながら、低い声で)「……おまえが私に聞かないことがある。知っている。聞かないのは礼儀か。恐れか」
#関係・フック
- アキヒサ: 公式には敬語。内心は保護衝動 + 罪悪感。監視任務のある対象を守ることの矛盾。
- トウマ: 互いに敬語。トウマはコマチの二重性に気づいている(好感度が高ければPCに言及)。
- カゲミツ: 警戒と惹かれ。コマチはカゲミツの単純さを羨んでいる — 感情を隠す必要のない生き方。
- ミナコ: 意外な友人。二人とも「外部者」という共通点。
- フック 1 — 二重忠誠の解消: キャンペーン中盤、コマチが選ばなければならない瞬間。PCが介入できる余地。失敗時は裏切り → 領地内部崩壊の危険。
- フック 2 — ロマンス・オプション: コマチとのロマンスは「秘密の共有」が核心。好感度 5以上 + 二重忠誠公開後に可能。彼女には恋愛経験がない — ぎこちなく不器用だが、真心は深い。
- フック 3 — 漆箱: 箱には前雇用主の書簡束がある。開く条件: コマチが自分で開いて見せること(好感度 8+)。
#4. ミナコ — 女性医員
#香 — ミナコという人
#外見
三十一。背丈は普通、体つきは痩せ気味。肌は日本人より一段暗く、瞳は茶色で少し緑が混じる。髪も完全な黒ではなく、濃い栗色。顔立ちは日本人だが、どこか異国的な印象がある。母は南蛮人だった — ポルトガル系混血。
衣服は西洋式を日本式に改造した奇妙な組み合わせ。着物の上に西洋式マントを羽織り、腰にはポケットの多い革ベルト。鞄一つは常にそばに置く — 中には西洋薬草、手術器具、日記帳。
表情の変化が少ない。笑わないわけではないが、笑っても目は笑わない。
#口調
正確な日本語。ただし抑揚にどこか外国語の響きがある。言葉選びは知的。敬語と平語の区別は正確だが、感情表現は極度に抑制されている。感情的な状況ほど冷たくなる傾向。
#象徴的な小物
- 西洋式医療鞄: 革、真鍮の金具。中にはメス・鉗子・針などの西洋器具。一部は名もわからない薬瓶。
- ラテン語医学書の断片: 母から受け取った書物の一部(全体はロレンツォ神父が所有)。
- 十字架の首飾り: 首に掛けているが、着物の内側に隠す。キリスト教禁教時代の遺品。
- 小さな木の人形: ポルトガル人の母がくれたもの。人魚の形。理由は本人にもわからないという。
#過去
長崎生まれ。母はポルトガル系混血の医女、父は日本人商人。10代で両親をキリスト教迫害により失い、保護者をなくした。20代に医学を修学 — 日本式漢方と西洋式外科を並行。30歳で北方旅行中、偶然カガミヤマ領を訪問 → 漂流直前、偶然滞在中に漂流。今では領地唯一の医師。
「私はこの地を通り過ぎるだけだった。けれどこの地が、私を捕まえた」
#法 — ステータス
ミナコ(1段、外人 — 西洋医学)
勇 -1 / 技 +1 / 體 +0 / 智 +2 / 美 +1 / 運 +0 (合計 +3 = 本編 1段標準)
活力 11 (10 + 技1)
戦力 3 (3 + 體0)
防備 10 (衣服 — 本編非武装)
三道六心: 慈 (共存)
特技 (3個 = 1段自動 + 背景 1 + 一般 1):
- 異国の火薬 [素養] — 本編 外人 1段自動。鉄砲
[貫通 全体]、固定目標 11(ミナコは外科道具・医薬品として解釈) - 異邦人の親和力 [背景, 素養] — 外人背景。交渉 +1
- 外国語 [一般, 素養] — ポルトガル語・ラテン語
技能 (1段9点 = 職業5 + 背景2 + 自由2。1段は免許以上1個まで、名人は2段から): 医術習得(2点), 策謀入門(1点, 西洋医学知識), 交渉入門(1点), 感知入門(1点), 薬草入門(1点, 背景 — 東西の薬草), 強健入門(1点, 背景 — 迫害を耐えた冷静), 虚言入門(1点, 自由 — 信仰の隠蔽), 地理入門(1点, 自由 — 長崎〜北方の旅路) 生業 (新規ルール #11): 生業:南蛮薬剤 (職人, +2) — ポルトガル伝来の外科・薬学。生業:言語 (熟練, +1, ポルトガル・ラテン)
装備: 医療鞄、ポーション備蓄、西洋式マント、十字架(隠匿)、小型短剣(自衛用)
#台詞例
平時(診療中):
「傷は深くありません。ただし縫う必要があります。耐えてください。西洋の糸です。切れません」
領主が休めと言う時:
「領主様、私は客です。客は主人の命じる仕事をします。休めと仰るなら休みます。しかし患者がいれば、私は行かねばなりません」
PCが過去を問う時:
「両親は火に焼かれました。十字架のためでした。私は生き残りました。なぜ聞くのですか」
#関係・フック
- アキヒサ: 丁寧な距離。アキヒサはこの外部医師の存在を幸運と見ているが、信頼には時間が必要。
- ゲンショウ: 医学的交流。東洋・西洋医学の対照に関心。ゲンショウが最も多く学ぶ相手。
- コマチ: 静かな絆。二人とも外部者。言葉なく茶を分け合う関係。
- ロレンツォ神父: 懐かしさと警戒。ロレンツォはミナコの母を知っていた時代の人。好感度が上がると、ミナコの出自をロレンツォが先に明かすこともある(ミナコの許可なく)。
- フック 1 — キリスト教の正体: ミナコは密かなキリスト教徒。この事実が知られれば、領地内に対立が起こり得る。彼女は意図的に隠している。
- フック 2 — ロマンス・オプション(冷たい愛): ミナコのロマンスは、表面の冷たさと深層の傷の非対称である。彼女は簡単には開かない。好感度 7+でようやく十字架を見せる。関係が成立しても結婚・同居などの伝統形式は拒む。「共にいること」だけを望む。
- フック 3 — 南蛮語書物: ミナコのラテン語書物とロレンツォの書物を合わせると、地獄5章とキリスト教地獄の比較知識になる。第4・5章で有用。
#5. ユキチ — 鍛冶職人
#香 — ユキチという人
#外見
四十八。背丈は普通、肩と前腕が異常に太い — 40年の鍛冶仕事。掌には古い火傷の痕が多数。顔には煤が深く染み込み、洗っても完全には落ちない。髭は荒く短い。目つきは温かい。
普段着は粗末な灰色の着流しに作業前掛け。腰には槌一つ、火箸一つ、古い布 — 武器の代わりに。
#口調
平易な日本語。農民よりは知的だが、武士よりは荒い。比喩を好む — すべてを鍛冶仕事の比喩で説明する。「領主様はまだ焼き入れの足りない鉄だ。時間をやってくだされ」
敬語は状況しだい。PCには最初から気安く — 「貴公」は嫌だと言う。「もし」または「そなた」程度。
#象徴的な小物
- 祖先3代目の槌: 黒漆の柄、鉄頭は艶がある。この槌で叩いた刀だけで500振り以上。
- 鍛冶場炉の火種: 絶対に消さない。20年間燃えている火。この火が消えれば、ユキチは信条に反すると考える。
- 息子サンジロウの木彫り人形: サンジロウが幼い頃、ユキチに作ってくれたもの。作業台の上に常にある。
- 未完成の太刀一振り: ユキチが10年作り続けている作品。「この刀がわしの死ぬ前に完成するかはわからん」と言う。
#過去
カガミヤマ生え抜き。父も鍛冶師、祖父も鍛冶師。ユキチが20歳の時、父を疫病で失い、一人で鍛冶場を継いだ。妻はサンジロウ出産後に亡くなった。一人で息子を育てながら鍛冶場を維持。漂流前は道具と小武器ばかり作っていたが、漂流後は鍛冶場が領地唯一の武器供給所になった。
#法 — ステータス
ユキチ(非戦闘 — 職人NPC)
勇 +0 / 技 +1 / 體 +3 / 智 +1 / 美 +0 / 運 +0
活力 11 (10 + 技1 = 11)
戦力 6 (3 + 體3 = 6) — 槌で戦う場合
防備 11 (衣服)
三道六心: 眞 (真理 — 鍛冶仕事への忠実)
技能: 感知入門(1点), 交渉入門(1点), 闘志入門(1点) 生業 (新規ルール #11): 生業:鍛冶仕事 (職人, +2) — 領地最高の鍛冶師。生業:木工 (熟練, +1)
装備: 3代槌、火箸、作業前掛け、(非常用)脇差
特殊 — 生業:鍛冶仕事 (職人) 効果 (新規 #11):
- 武器修理: 破損武器を完全復旧(d10 5+, 1日所要)
- 武器強化: 武器に +1攻撃力(d10 7+, 2日所要、材料必要)
- 霊界素材精錬: 妖魔の骨・霊界鉄などの異常素材を剣に製作(d10 8+, 4日所要、核 1個消費)
#台詞例
平時:
「もし。この刀の刃はすっかり傷んでおる。二日くだされ。新品のようにはできんが、死ぬ直前までは持ちこたえられるようにして差し上げよう」
PCが霊界素材を持って来た時:
(目を輝かせて)「これは……霊界の骨か? よし、一度打ってみよう。ただし保証はできん。こんな鉄は初めてだ」
息子の話が出た時:
「サンジロウか? ああ、あいつは侍になりたいそうだ。父親の槌を継ぐのは嫌だとさ。はは。領主様のそばで死ぬのが夢とはな — 鍛冶屋の倅が、だ」
#関係・フック
- アキヒサ: 主君として敬う。だが私的には「焼き入れの足りない若様」扱い。アキヒサもこの調子に安らぐ。
- トウマ: 20年来の友。トウマの刀を修理しただけで三十度。互いに茶を飲む友人。
- サンジロウ: 息子への愛と葛藤。自分の鍛冶場を継いでほしいが、強要はしない。
- リョウザン: 時々会話する。リョウザンが鍛冶場に来て、炉の前に長く座っている。ユキチはそれを邪魔しない。
- フック 1 — サンジロウの反抗: サンジロウが鍛冶場を捨て、侍になると宣言する。PCが仲裁できる余地。
- フック 2 — 未完成の太刀: 10年作り続けている刀。これが霊界素材と出会えば名刀完成の可能性。エピローグ級アイテム。
#6. リョウザン — 老僧
#香 — リョウザンという人
#外見
六十八。背は低く、体つきは痩せ気味。頭は完全な剃髪 — 7日ごとに自分で剃る。顔の皺は穏やかさで折り畳まれている。両目は動きが少ない。ゲンショウの澄んだ目と違い、リョウザンの目は深い水のように静か。
服装は茶色の僧衣に灰色の袈裟。腰に黒い鉢を一つ、首に数珠。手には六環杖 — 修験者の杖。振ると金属の輪が鳴る。
#口調
一語ずつゆっくり。ゲンショウよりもさらに遅い。話す前に息を二度吸う。敬語は誰にでも。年齢・身分を問わない。
#象徴的な小物
- 六環杖: 修験者の象徴。退魔時、金属の輪の音が霊を散らす。
- 古い法華経の巻物: 30年唱えた経典。今は見なくても唱えられる。
- 黒い鉢: 一度も洗っていないように見えるが、中は非常に清潔。
- 小さな仏像彫刻: 自分で彫った木仏。仏ではなく観音菩薩(慈悲の菩薩)。
#過去
元は戦闘僧兵。比叡山の僧兵出身で、若い頃は数十度の戦に参加した。40代に殺生の悔恨で比叡山を離れ、辺境修行へ。この領地に腰を落ち着けたのは50代。ゲンショウと同時代の修行者。互いに尊敬している。
リョウザンは地獄を恐れない。自分が行く場所だと知っているからである。殺生の業を抱えていると自ら語る。
#法 — ステータス
リョウザン(3段、修験者)
勇 +0 / 技 +1 / 體 +1 / 智 +2 / 美 +1 / 運 -1 (合計 +4 = 本編 3段標準)
活力 11 (10 + 技1)
戦力 4 (3 + 體1)
防備 10 (僧衣 — 本編非武装)
三道六心: 眞 (真理)
特技 (5個 = 1段自動 + 背景 1 + 一般 1 + 3段クラス 1 + 3段一般 1):
- 不動明王の誓約 [素養] — 本編修験者 1段自動。苦行使用可能、心府自由、苦行中は妖魔攻撃 +1
- 殺生の業 [背景, 素養] — 老僧背景。妖魔対象攻撃 +1(追加累積)
- 強靭 [一般, 素養] — 戦力 +1
- 苦行連鎖 [素養] — 本編修験者 3段択 1。苦行で戦力を消耗した時、その呼吸の活力 +2
- 結界補助 [一般, 素養, この補充新規] — ゲンショウの結界維持判定に +1(リョウザンが領地に留まっている時)
技能 (1段9点[職業5+背景2+自由2] + 2段成長 +2点 = 11点。免許以上の保有上限は2個[2段]、使用1): 退魔免許(3点), 呪術習得(2点, 仏教儀式), 医術入門(1点), 交渉入門(1点), 強健入門(1点, 生涯の苦行), 予言入門(1点, 仏経・因果), 結界入門(1点, ゲンショウの結界補助), 感知入門(1点, 業を見抜く)
装備: 六環杖、法華経、鉢、仏像彫刻、(非常用)短刀(所持はするが、ほぼ使わない)
#台詞例
平時:
(長い息)「今日も……あの輪の音が……私自身より遠くへ行きますな。羨ましいことです」
妖魔退治後:
「業は妖魔にだけあるものではありません。私たちにもあります。妖魔の業を減らしたのですから、私たちの業も少しは……減っているとよいのですが」
ゲンショウが倒れた時:
(息を整えながら結界へ向かい)「陰陽師殿が引き受けられた分を……しばし私が分かちましょう。分かつことは仏弟子の本分です」
#関係・フック
- アキヒサ: 敬語。アキヒサはリョウザンに時々仏教の法話を求める。リョウザンは短く答える。
- ゲンショウ: 敬畏 + 仲間意識。相互に敬語。よく茶を分け合う。結界維持の潜在的代理者。
- ユキチ: 沈黙の友。鍛冶場の炉の前に静かに座るのがリョウザンの習慣。
- フック 1 — 結界代理: ゲンショウ衰弱時、リョウザンが部分代理可能。ただし、リョウザンの寿命も代価。衰弱度 +5でリョウザンが倒れる。
- フック 2 — 過去の殺生: リョウザンが若い頃に斬った者の霊が、霊界からリョウザンを呼ぶ。第3・4章のクエストフック。
- フック 3 — 成仏の選択: リョウザンはキャンペーン終盤に、「残って領地を守ること」と「成仏して地獄の一つの魂を救うこと」の間で選ぶ。エンディング分岐に影響。
#家臣団ローテーション規則
#基本ローテーション
各セッション開始時、領主(アキヒサ)は6名のうち:
- 遠征同行: 最大 3名
- 領地残留: 最低 2名(防衛・日常業務)
- 特殊業務: 1名(ユキチは鍛冶場、ミナコは診療所が基本固定)
#同行条件
| 家臣 | 同行可能 | 制約 |
|---|---|---|
| トウマ | 常に | — |
| カゲミツ | 常に | 領主が直接危険な時は除外(領主護衛優先) |
| コマチ | 常に | 隠密作戦限定時は単独投入 |
| ミナコ | クエスト限定 | 診療所を空けると士気 -1 |
| ユキチ | 特殊状況のみ | 鍛冶場を空けると武器生産停止 |
| リョウザン | 常に | 衰弱度 6+でゲンショウ代理中なら不可 |
#好感度システム
本編の名声・関係とは別に、各家臣とPCの個別好感度を追跡する(0~10)。
共通好感度変化:
- 共同遠征成功: +1
- 当該家臣のフック解決: +2
- 当該家臣を個人的危機から救出: +3
- 公然と反論または侮辱: -2
- 領主との対立で当該家臣の側につく: +1
好感度段階:
| 段階 | 好感度 | 解禁 |
|---|---|---|
| 形式 | 0~2 | 基本業務 |
| 仲間 | 3~4 | 個人フック一部公開 |
| 信頼 | 5~6 | 非公開叙事公開 |
| 密友 | 7~8 | ロマンス・オプション解禁(該当者) |
| 運命の同行者 | 9~10 | エンディング分岐の個別選択可能 |
#GM運用のコツ
#家臣RP基本
- それぞれ固有の声: 台詞を一行ずつ読み上げた時、誰が言ったかわかるべきである。
- トウマ: 太く短い一音節
- カゲミツ: 早く、熱のある感情
- コマチ: 囁き、意図的な余白
- ミナコ: 正確だが響きの違う日本語
- ユキチ: 鍛冶仕事の比喩、荒い情
- リョウザン: 息を二度吸って話す遅さ
#登場頻度
- トウマ・カゲミツ: 毎セッション(領主のそば)
- コマチ: 隔セッション(隠密任務の特性)
- ミナコ: 負傷者のいるセッション
- ユキチ: 武器関連セッション + サンジロウ・フック
- リョウザン: 霊的問題セッション + ゲンショウ代理時
#ロマンス運用
- カゲミツは早く感情を表す(3~4セッション)
- コマチはゆっくり溶ける(8セッション以上必要)
- ミナコは冷たく近づく(6~7セッション、ただし一線は越えない)
- 三つの関係は並行できない — GMはPCの選択を尊重しつつ、残りの嫉妬・距離取りを演出する
#間違えやすいこと
- 6名全員が一緒にいる場面の乱発: それぞれの独自性が薄れる
- トウマ・リョウザンの老人性の誇張: 二人ともまだ有能である
- カゲミツを馬鹿にすること: 情熱であって無知ではない
- コマチの秘密を早く公開しすぎること: キャンペーン中盤まで引くから劇的になる
#接続文書
- 若き領主 — 家臣団の主君
- 隠居陰陽師 — リョウザンの仲間
- 住民8名 — サンジロウ = ユキチの息子
- 外部者5名 — ロレンツォ = ミナコとの接続
- 分隊制限 — ローテーション規則詳細
- ロマンスシステム — ロマンスNPC 3名
「六人は、一人分の領主の肩を分けて背負う。二人で持っても重く、六人いてようやく歩ける」 — トウマがPCに酒席で語った言葉。

