#第3章 4幕 — 湖底の叫喚大王 ★ クライマックス
目次
敵ではない。悲劇の凝結体だ。君たちがその前に立つ時、君たちは「戦いに」来たのではなく、「聞くために」来たのだ。
GM刻印: この幕の勝敗は戦力ではない。叫喚大王の最後の一言を誰が受け止めるかである。
本編参照
補足内
- 前: 3幕水中探索
- NPC: 12-05 叫喚大王
- 妖魔: 12-06 叫喚大王ステータス
- 報酬: 12-07 クライマックス分岐
- 流派解禁: 叫喚流
#香 — 本堂の結
水中大神宮の本堂の扉が開く。扉は水圧によって自然に内側へ押し込まれる。扉の向こうは闇ではない。最も深い赤だ。溶鉱炉の底の色。その赤の中に、膝をついた何かがいる。
膝をついた者の姿は最初、人に見える。老いた漁夫の姿。しかし近づけば、その体は数百の口でできている。それぞれの口が別々の言葉をつぶやく。ある口は名前を呼んでいる。ある口は子供の泣き声をまねる。ある口は海の亡霊の声を出す。ある口は — PCの一人の声を出す。
彼の額には小さな紙灯籠が一つ掛かっている。水中で消えずに燃えている。その灯りが、彼がなお「人」であった唯一の証拠だ。
彼が君たちを見る。数百の口が一瞬止まる。そして一つの口がゆっくり動く:
「来ると思っていた。 お前たちは彼らの末裔か。」
#法 — 4幕ゲームデータ
#幕メタカード
| 項目 | 値 |
|---|---|
| セッション | 12セッション目 (4セッション中4番目 · 章クライマックス) |
| 想定時間 | 4~5時間 |
| 主舞台 | 水中大神宮跡本堂 (水深40m、聖域内部) |
| 戦闘可能性 | 非常に高い (3形態ボス戦または3選択儀式) |
| ボス | 叫喚の大王 (主級妖魔、12-06) |
| 核報酬 | 2~4個 (選択による) |
| 滞在制限 | 呼吸符残量 (3幕末基準1~3枚) |
| 特殊環境 | 本堂内部は聖域 — 煮え湯適用なし、蒸気毒性なし、ただし水中戦ルールは維持 |
#聖域ルール (本堂内部限定)
水中大神宮本堂は100年前の封印の中心。内部にはまだ聖域の残痕が残っている。
| 区分 | 本堂外部 (水中) | 本堂内部 (聖域) |
|---|---|---|
| 煮え湯 | 活力 -1/間合 | なし |
| 蒸気毒性 | 判定 -1 | なし |
| 呼吸符消費 | 1枚/1時間 | 1枚/3時間 (3倍延長) |
| 火器 | 不可 | 限定的許可 (符火・儀式用のみ) |
| 体術補正 | +2 | +2維持 |
| 音声伝達 | 水中音声歪曲 | 明瞭 (会話・交渉可能) |
| 悲鳴の反響 | あり | なし — 悲鳴を上げても反響は戻らない |
GM描写キー: 本堂内部に入った瞬間、音が戻ったという感覚をプレイヤーに伝える。「水中なのに声が聞こえる」。聖域であることを即座に感じ取れるように。
#遭遇 — クライマックス構造
#進入段階 (0~15分)
本堂の扉が開く。PC全員が本堂に入る。聖域ルール発動。
開始独白 (GM朗読):
「水中なのに息が入ってくる。音が戻る。本堂中央、石の床に膝をついた者がいる。老いた漁夫の姿だ。しかし彼は君たちを振り返り、百の口で同時に語る。—『来ると思っていた。』」
#会話の5段階 (必須進行)
GMは会話の5段階を必ず通すこと。各段階がPCの選択幅を広げる。急いで戦闘に入らないこと。
#段階1 — 名前
叫喚大王が先に語る:
「私はミズウラ最後の漁夫。名は忘れた。百年が過ぎ、私の名はこの口どもがすべて分け合った。お前たちは私を何と呼びに来たのか。」
PCの応答によって彼の態度が初期分岐:
| PC応答種別 | 彼の反応 | 初期好感 |
|---|---|---|
| 「叫喚の大王よ」 (敬意) | 数百の口のうち一つが微笑む | +1 |
| 「あなたは誰だ」 (中立質問) | 最初の段階通過、段階2へ | 0 |
| 「妖怪」 (敵対) | 数十の口が一斉にすすり鳴る | -1 |
| 名呼び (前幕で得た名 — 「サブロウ」) | 本堂が震動する。 この名は3幕封印石刻印で取得可能 | +3 |
#段階2 — 過去
彼が尋ねる:
「お前たちは領地から来たのか。その領地の名は何という。」
PCがカガミヤマ(鏡山)と答えると、彼は長く笑う。この笑いは悲しみの音だ。
「その名が付けられる前、この海域にあった領地は我らだった。我らはイリザキ(入崎)と呼ばれていた。百年前のある夜、船は帰らなかった。理由は、お前たちがすでに水面の下で読んだのではないか。」
GMノート: ここでは封印石記録を確保したPCにだけ正確な手がかりを与える。未確保なら、この会話で最初の解読が行われる。
#段階3 — 頼み
彼がPCを見る:
「私はお前たちに一つ願おうと思う。三つのうち一つを選べ。」
彼は三つの選択肢を示す:
- 再封印 — 「私を再び閉じ込めよ。この海域を再び眠らせよ。私は百年、さらに眠ろう。」
- 和解 — 「私を解き放て。この海域をお前たちと共有しよう。代わりにお前たちの帰還を助けよう。」
- 討伐 — 「私を殺せ。この苦痛を終わらせよ。お前たちは私の力の一部を持って行け。」
#段階4 — 条件の開示
PCが一つの選択を選ぶ時 (または悩む時)、彼は条件を明かす:
| 選択 | 必要儀式 | PC消耗 |
|---|---|---|
| 再封印 | 封印石欠片7個 (3幕回収)、陰陽師の手印儀式、PC全員の「功徳心」累積 ≥ 20 | 功徳心各4+、陰陽師衰弱度 +1 |
| 和解 | 誓願文作成 + 朗読、PC全員中2名以上が「本心の悲鳴」遂行 | 2d10+美+風格 目標値 13判定 × 2 |
| 討伐 | 叫喚大王の3形態ボス戦勝利 | 戦力・核・活力全面消耗 |
#段階5 — PCの答え
PC全員が相談後に答える。この時、意見が割れたら:
- 過半数の選択を実行。反対PCに「お前たちがそれを選ぶなら、私はお前たち全員に同じ顔で応じよう」と警告。
- 意見が完全に割れたら(2:2)、叫喚大王は待ってくれる — 長く。ただし時間消耗 = 呼吸符消費。議論が30分を越えたら、強制的に一人のPCが答えなければならない。
#選択1 — 再封印儀式
#構造
- 段階A: 封印石欠片7個配置 (体術判定 + 精神耐性、各欠片ごとに1間合)
- 段階B: 陰陽師手印儀式 (ゲンショウが10間合の間儀式遂行、PC防御)
- 段階C: 叫喚大王自ら眠りへ戻る (演出)
#妨害要素
儀式中、「叫喚の子ら」が本堂外で扉を叩く。PCの一部が防御しなければならない。
| ウェーブ | 規模 | 出現妖魔 |
|---|---|---|
| 1ウェーブ (3間合目) | 卒級分隊1個 | 沈みゆく魂 (12-06) 5体相当 |
| 2ウェーブ (7間合目) | 練級分隊1個 | 溶けた漁夫 (12-06) × 2 + 沈みゆく魂4 |
| 3ウェーブ (9間合目) | 将級1体 | 海坊主の手 (12-06) × 1 |
#儀式判定
陰陽師ゲンショウ主導。PCが毎間合補助。
- 10間合累積判定合計 ≥ 70で儀式完遂
- 間合ごとにPC 1人が2d10 + 功徳心/2判定。成功値(二つのダイス合計)が累積される。
- 失敗時: ゲンショウ衰弱度 +2、PC 1人心の揺らぎ +2。儀式は続くが、叫喚大王の眠りが不完全になる (エンディング影響)。
#儀式完遂の演出
「叫喚大王の数百の口が一つずつ閉じる。最後の口が一言を残す。—『今度は、お前たちが覆うのだな。』彼の額の灯りが消える。本堂は再び聖域となり、封印石の欠片が自ら合わさって床に埋まる。水が少し冷たくなる。」
#報酬
12-07 再封印分岐参照。中級核3個、叫喚流伝授資格、帰還エンディング必須条件1達成。
#選択2 — 和解儀式
#構造
- 段階A: 誓願文作成 (PC全員が一行ずつ考案、共同完成)
- 段階B: 朗読 (PC 1人が代表朗読、2d10+美+風格判定)
- 段階C: 本心の悲鳴 (PC 2名以上が遂行)
#誓願文の条件
誓願文はPCが直接作成しなければならない。GMは次の3要素が含まれるよう誘導する:
- 過去の承認: 「お前たちの領地が覆った罪を、我らは知っている」
- 未来の約束: 「我らはこの海域をお前たちのものと認める」
- 共存条件: 「我らの領地がこの海を通る時、お前たちの名を呼ぶ」
GM評価: この3要素すべてが明示的に出なければ判定難易度 +1。
#本心の悲鳴
PC 2人がそれぞれ自分の最も古い後悔を大声で叫ぶ。これが「本心の悲鳴」。
- 判定なし。演技(roleplay)の密度でGMが判断。
- 成功時: 叫喚大王の数百の口のうち半分が静かに涙を流す (水中だが視覚的に見える)。
- 失敗時 (形式的な台詞): 彼は顔を上げる。「それはお前たちのものではない。覚えて来た言葉だ。」和解ルート失敗 → 討伐ルートへ強制転換。
#完遂の演出
「彼は頭を下げる。数百の口の一つが言う。—『よい。 その言葉なら足りる。』彼の額の灯りがゆっくり冷える。完全には消えない。代わりに小さくなる。彼は今や本堂の一部となる。本堂の柱の間に彼が座っている。彼は目を閉じるが、息をしている。」
#報酬
12-07 和解分岐参照。中級核2個、叫喚大王の1回助力約束 (5章クライマックスで召喚可能)、定住エンディング有利条件1達成。
#選択3 — 討伐 (ボス戦)
#叫喚の大王 — 3形態戦闘
詳細ステータスは12-06 妖魔図鑑に記載。以下は運用要約。
#形態1 — 膝をついた漁夫 (主級戦力6 / 防備17 / 活力14)
- 基本攻撃: 「数百の口」 — 毎間合PC全員が各自
2d10 + 智 + 退魔または呪術のうち高い熟練度 >= 13抵抗判定。失敗時1戦力 ([霊体])。 - 特殊: 「お前の名で」 — 3間合ごと、PC一人の名を呼んで攻撃。そのPCは回避判定 -2。
- 環境: 本堂が揺れる。毎間合
2d10+技+歩法 >= 11落石回避判定。失敗時1戦力。 - 撃破条件: 戦力0到達時、彼は崩れながら形態2へ移行。
#形態2 — 剥がれた口たち (練級口分隊3個 / 各戦力2 / 防備13 / 活力10)
- 叫喚大王の体が100個の浮遊する口に分離する。戦闘処理は口分隊3個としてまとめる。
- 再凝集: 3間合ごと、残った口分隊1個が結束して叫喚大王の戦力1回復、または次間合防備 +2。この効果は戦闘あたり2回。
- 特殊: 口一つがPCの顔に張り付くと、そのPCは悲鳴感染状態 (毎間合判定 -1)。
#形態3 — 本来の自分 (主級戦力5 / 防備15 / 活力12、人間形)
- 数百の口が合わさり、昔の漁夫の姿そのままになる。彼はもう攻撃しない。ただ防御する。
- 条件: 3間合の間、連続して戦力ダメージを与えなければ和解ルートへ転換可能。(GMが慎重にPCへ機会を提示。)
- 戦力0到達時: 彼は崩壊。数百の口がすべて消える。最後の一言だけが残る。
#最後の一言 (GM朗読 · 選択肢)
GMはPCの行動に応じて次のうち一つを朗読:
| PC行動 | 最後の一言 |
|---|---|
| 無慈悲な攻撃だけをした | 「お前たちは我らを覆った者たちの子だ。やはりな。」 (呪い1回) |
| 最低1回、PCが憐れみの言葉をかけた | 「この苦痛を持って行ってくれて、ありがとう。」 (悲鳴の刃獲得) |
| 最後に敬意を示した | 「お前たちの船が帰ることを。覚えてくれることを。」 (+叫喚流伝授資格保持) |
#報酬
12-07 討伐分岐参照。上級核1個、悲鳴の刃(叫喚刀)武器 (変容エンディング端緒)、長期余波 (叫喚の子らが4章で報復)。
#共通エンディング — 本堂の崩壊
#選択に関係なく
叫喚大王の問題が解決されると(三つのうちどれであれ)、本堂はゆっくり崩壊し始める。聖域を保っていた力が抜け、煮え湯が本堂の中へ染み込み始める。
- 3間合制限: PC全員が本堂から脱出しなければならない。
- 脱出判定: 二つのうち有利な判定。
2d10 + 勇 + 体術 >= 11/2d10 + 技 + 歩法 >= 11。 - 失敗時: 1戦力火傷、次間合活力 -3。
#水面上への帰還
PCが本堂を脱出する。呼吸符残量が1枚以下なら急いで上昇しなければならない (水中滞在超過時、活力 -1/間合)。
水面へ上がると朝だ。煮える海の蒸気は弱まっている。水面は以前より赤くない。
GM朗読:
「水面の上に頭が出る。息が澄んでいる。船が見える。カサクラの幽霊船も — 選択によっては — 横に浮かんでいる。船の帆が上がり、海は静かだ。この海が静かになったのは百年ぶりだ。」
#帰還航海 (1日)
煮え海水の水温が10度以上下がっている。航海は順調。主要イベントなし。GMは次を短く扱う:
- PCそれぞれの感想 (1行ずつ)
- 叫喚大王の選択についてのPC間会話
- 陰陽師ゲンショウの状態 (衰弱可視化、ただし微笑み)
- 結界が再び見える。領地が遠くで小さな半球として。
#領地帰還の場面
#結界開放
水門はPCの帰還を感知し、自ら開く。領主アキヒサが港(臨時)に出ている。
GM朗読:
「結界が開く。領主アキヒサが壇の上に立っている。その背後には住民全員が集まっている。彼が君たちを見る。彼の口が開く。しかし彼は最初、何も言わない。ただ長く見る。ついに彼が頭を下げる。—『戻ってくれて、ありがとう。』」
#報告の場面 (PC主導)
PCが封印石記録と叫喚大王の選択を報告する。この場面のディテールはプレイヤー主導。GMはアキヒサの反応だけを管理。
| 報告内容 | アキヒサ反応 | 心影響 |
|---|---|---|
| 再封印選択 + 封印石記録隠蔽 | 無表情。「そなたたちの判断を尊重する。」 | 義維持、眞方向不活性 |
| 再封印選択 + 記録公開 | 長く頭を下げる。「我らに資格はあるのか。」 | 義・眞同時加点 |
| 和解選択 + 記録公開 | 静かに涙。「よい選択だった。」 | 眞・情活性、定住方向 |
| 討伐選択 | 固い顔。「分かった。もうよい。」 | 義変質 (執着方向) |
#幕締め — ゲンショウの独白
セッション終了直前、陰陽師ゲンショウが最後に独白:
「私がこの領地の陰陽師になった日、師は私に一つだけ言われた。『この地を守る者は、いつかこの地の罪と向き合わねばならぬ』と。私はその言葉の意味を、今日ようやく知った。君たちがいなければ、私はその罪を知らぬまま死んでいたであろう。ありがとう。」
#GMチェックリスト — 4幕完了条件
- [ ] 叫喚大王の会話5段階すべてが進行した
- [ ] PCが再封印・和解・討伐のうち明確に選択した
- [ ] 選択の演出が悲劇のトーンを維持した (アクションだけで終わらない)
- [ ] 本堂脱出 · 水面帰還まで完了
- [ ] アキヒサへの報告場面を遂行
- [ ] ゲンショウの最後の独白を朗読
- [ ] 次章(第4章 焦熱)の予告手がかり1個以上を注入 (12-00)
#GM注意 — この幕で絶対に落としてはならないこと
#1. 叫喚大王は敵ではない
彼をモンスターとして扱えば、この章は失敗する。彼は悲劇の凝結体だ。プレイヤーが彼を攻撃しても、GMは彼の悲哀を描写し続けること。彼の攻撃も「攻撃」ではなく「訴え」なのだと分かるように。
#2. 会話の5段階を急がない
プレイヤーが即座に戦闘を宣言しても、GMは1段階の会話を強制進行する。名を尋ね、過去を短くでも聞かせること。その後プレイヤーが戦闘を望むなら、その時に許可する。
#3. 和解ルートの「本心の悲鳴」はGMの演技評価で決める
プレイヤーが表面的な台詞を言えば失敗に回す。演技密度が高ければ判定省略。この要素がこのルートの重みだ。
#4. 討伐ルートも尊重する
どの選択も「悪い」とプレイヤーに感じさせないこと。討伐は悲劇だが、正当な選択である。変容エンディングの端緒は、それ自体で価値ある物語。
#5. 本堂脱出の3間合制限を守る
この圧迫がこの幕の最後の緊張。時間管理を緩くすれば勝利の余韻が薄れる。
#4幕エンディング朗読文 (GM用 · セッション終了)
「夜が降りる。領地は再び静かだ。結界は堅い。台所から飯の煮える音がして、住民一人が君の名を呼びながら通り過ぎる。領主の家で蝋燭が揺れる。陰陽師の息音は穏やかだ。君たちは帰ってきた。しかし君たちの心の片隅では — 本堂のあの一言が、今も聞こえている。その言葉は君たちが生きている間、時おり戻ってくるだろう。」
「戦いは終わった。だが私の中で、何かが終わっていない。」 — PCの一人の4幕終了後独白 (プレイヤー台詞誘導文)
「帰れ。覚えてくれ。それが私がお前たちにする唯一の頼みだ。」 — 叫喚大王の最後の一言 (どの選択でも共通)
「そなたたちのしたことは、この領地の過去を変えられない。だがこの領地の未来は、今日から変わる。」 — 幼い領主アキヒサ、帰還報告を受けた後
#付録A — 本堂環境判定チェックリスト
GMが本堂進入直後、PC全員に一括適用する判定チェック:
| 判定 | ダイス | 難易度 | 失敗時効果 |
|---|---|---|---|
| 精神安定 (初遭遇) | 心揺らぎ d100確認 | 心数値以下 | 心の揺らぎ +1、1間合行動不可 |
| 水中適応 | 2d10+勇+体術 | 11 | 次間合活力 -2 |
| 呼吸符確認 | 簡単判定 | — | 符残量点検 |
| 功徳心感知 | 功徳心数値 | — | 大王の「数百の口」のうち一つがPCを注視 |
#判定連続ルール
- 本堂内部は聖域だが、PCの心数値が低い場合、数百の口の圧力で自然に崩れる。
- 心揺らぎ確認に失敗したPCは次の3間合の間、GMの私的台詞の対象となる (各間合1回、大王の一つの口がそのPCの心の最も弱い部分を突く)。
#付録B — セッション12運用フロー例 (4時間基準)
#0分 ~ 30分: 導入および聖域進入
- 3幕から続く水中探索の振り返り
- 本堂扉発見 · 進入
- 聖域感知および最初の大王遭遇朗読
#30分 ~ 90分: 会話の5段階
- 段階1 (名前) ~ 段階5 (PCの答え) 全過程
- 中間休憩1回
#90分 ~ 180分: 選択したルート遂行
- 再封印 / 和解 / 討伐のうち一つ
- 各ルート別構造 (儀式 · 誓願文 · ボス戦)
- 中間休憩1回
#180分 ~ 210分: 本堂脱出
- 3間合脱出判定
- 水面上帰還
#210分 ~ 240分: 領地帰還および報告
- 結界開放 · アキヒサの出迎え
- PC報告場面 (プレイヤー主導)
- ゲンショウ最後の独白
- 次章予告手がかり1個注入
#付録C — ルート別後続変化要約表
| 区分 | 再封印 | 和解 | 討伐 |
|---|---|---|---|
| 叫喚大王状態 | 封印睡眠 | 本堂柱 (覚醒状態) | 消滅 |
| 4章遭遇変化 | 安定的 | 開放・緩和 | 報復者追跡 |
| 5章クライマックス影響 | 帰還条件1達成 | 助力召喚権 | 変容エンディング端緒 |
| 住民士気 | +1 | 0 (分裂) | 0 (中立) |
| アキヒサ心 | 義・眞 | 眞・情 | 義 (執着色) |
| 功徳心 | +3全員 | +5全員 | -1全員 |
| 装備獲得 | 防水符5 | (なし) | 悲鳴の刃 |
「戦いは終わった。だが私の中で、何かが終わっていない。」 — PCの一人の4幕終了後独白 (プレイヤー台詞誘導文 · 再使用)
#付録D — 3選択ルート失敗修正ガイド
GMがセッション中にルート運用で起こし得る失敗 · 修正法。
#失敗1: 討伐ルートへ簡単に入りすぎた
症状: PCが会話段階1~2で即座に攻撃宣言。GMが許可。
修正:
- 叫喚大王が攻撃されても、形態1は即座に形態3へ移行しない。代わりに彼は攻撃せずに打たれる1間合。
- その1間合の間、GMが朗読: 「彼の数百の口が言う。— お前たちは聞こうともしないのか。」
- この朗読後、PCが考えを変える機会を与えることを推奨。攻撃継続時、討伐ルート確定。
#失敗2: 和解誓願文が形式的
症状: PCが「私たちは認める、未来を約束する、共存する」と単語だけを並べる。
修正:
- GMが中断を求める: 「その言葉は長い。しかし叫喚大王はその言葉の重みを感じられない。書き直してほしい。」
- この要求はプレイヤーの演技を誘導するもの。強要ではない。必要なら2d10+美+交渉判定で代替可能 (目標値 15で成功扱い)。
#失敗3: 再封印儀式中の3ウェーブ難度が高すぎる
症状: PCの戦力が半分以下の状態でウェーブ3(海坊主の手)が出現。
修正:
- 海坊主の手は撃退しなくてもよい。本堂扉の外でのみ攻撃。本堂内のPCは被害なし。
- 代わりに儀式判定に -2ペナルティだけを適用。判定は-2不利益を受けた状態で続く。
#失敗4: 本堂脱出失敗
症状: PC全員が脱出判定失敗。煮え湯流入で戦力崩壊。
修正:
- 完全全滅防止ルール: PC全員が脱出判定失敗時、カサクラの1回助力権が自動発動 (保有時)。幽霊船が水中へ降下してPCをすくい上げる。
- 助力権未保有時: 陰陽師ゲンショウが自分の衰弱度 +3の代価で緊急水門を開く演出。PC全員脱出成功 + ゲンショウが半失明状態になる。
#失敗5: アキヒサ報告場面がぎこちない
症状: PCが報告を短く終えてしまい、アキヒサの心影響を伝えられない。
修正:
- GMがアキヒサの最初の問いを先に投げる: 「その海で見たものを、私が知ってもよいのか?」
- この問いにPCが答える形式で報告が進むよう誘導。
#付録E — 4幕「本心の悲鳴」プレイ例
PCが演技で本心の悲鳴を遂行する3つの模範例 (プレイヤー参考用):
#例1 — 直接の後悔
PC: 「私は弟を守れなかった。彼の最後の顔が今も見える。すまない。すまない。すまない。」 (3回反復)
GM評価: 演技密度高い。本心の悲鳴成功。
#例2 — 間接告白
PC: 「私は毎晩、母が私を呼ぶ夢を見る。母は私が母を捨てた日を覚えている。私はその夢で毎日答えられない。今 — この海で — 初めて答える。『はい、母上、私はここにおります。』」
GM評価: 叙事的深み。本心の悲鳴成功。
#例3 — 沈黙の悲鳴
PCは何も言わない。頭を下げ、長く息を止める。その息が途切れる時、小さな音が一つ漏れる。— 「あ……」
GM評価: 非言語的演技も認める。本心の悲鳴成功。
#失敗例 (参考)
PC: 「ええと、つまり、私が過去に、うーん……後悔していることはあって、それが少しあれで、それを今叫べばいいんですか?」
GM判定: メタ的台詞。失敗。もう一度試せるよう許可。
「この幕をうまく運用できれば、プレイヤーはセッション後しばらく言葉を失うだろう。その沈黙こそが、この幕の成功指標である。」 — GM運用最終指針