日本語版 v1.3.3

#領地週間イベント — 一週間を振る100のこと

目次

この文書は何か。 鏡山領で毎週月曜朝に起こる100件の事件をd100で整理した表。肯定30、中立40、否定30。一週間のトーンを一度に決める。

本編参照

- 必須: 領地管理非戦闘判定

- 参考: 三道六心戦国の地

- この補充内: オープンワールド索引士気・恐怖結界核経済NPC索引


#香 — 一週間が始まる形

月曜の明け方四時。まだ日は昇っていない。

井戸端に最初に来る者は、いつも年老いた女だ。釣瓶縄をほどき、石の上に足を置き、半ば目を閉じたまま水を汲む。その女の顔を見れば、今週の領地が見える。

ある月曜。 女が小さく鼻歌を歌う。釣瓶は軽く見える。誰かが来て挨拶をする。井戸へ運ばれる水桶が他の週よりひとつ多い。誰かが新しく生まれたのだ。

ある月曜。 女は何も言わない。釣瓶を下ろす時、手は震えない。だが引き上げる時、目を閉じる。釣瓶縄に新しい結び目がある — 先週切れたからだ。誰が結んだのかは聞かない。

ある月曜。 女が来ない。井戸端に足跡がない。釣瓶縄は昨日と同じ位置にある。誰かが来て縄を引く。釣瓶が上がる。その中に何が入っているかは — その週のダイスが決める。

この表は、その月曜の明け方の100の顔である。


#法 — 振り規約

#基本の振り

  • ダイス: d100(2d10一の位+十の位、00は100)
  • タイミング: 毎週月曜朝の井戸端シーン、またはPC起床直前
  • 公開振り: プレイヤーの前で振れ。結果をすぐ描写する。
  • 再振り禁止: 同じ週にすでに出た結果が再び出てもよい。許可。

#数値適用規則

  • 士気・結界HP・核在庫の変動は、振った直後に領地シートへ記録。
  • 「選択肢」項目はPCが介入可能。介入成功なら数値緩和、失敗なら悪化。
  • 複数影響がある場合は括弧内に表記: (士気 +1, 結界HP -2)

#修正値(任意適用)

GM裁量で次を適用できる。

条件修正
領地士気 8以上振り +10(肯定側へ)
領地士気 3以下振り -10(否定側へ)
結界HP 30以下振り -5
先週、主級妖魔を討伐振り +10
先週、PC重傷振り -10

#領域区分

ロール範囲分類個数
01~30肯定30
31~70中立40
71~100否定30

#表 — 領地週間イベント d100

#肯定区間(01~30)

領地に良いことが起きた週。士気上昇、結界強化、分隊補充。

ロールイベント説明影響
01双子誕生鍛冶屋夫婦に双子が生まれた。男児二人。ゲンショウ老人が名を付けた。選択肢: PCが出席 → 士気追加 +1。士気 +2
02豊作予想より米一俵が多く出た。農夫ノブコが領主へ直接持ってきた。士気 +1, 蔵 +1段階
03鍛冶場のよく抜けた鉄今週鍛えた槍三本が、普段の倍に耐える。選択肢: 分隊へ優先配給するか、遠征隊へ渡すか。分隊攻撃 +1(1週)
04老人の昔話村で最も年老いたキクエが子どもたちを集め、海馬狩りの話をした。領地の古い英雄譚。士気 +1, 恐怖 -1
05結界に宿った露朝の結界表面に露が宿った。ホシノが「良い兆し」と言う。結界HP +2
06迷い犬の帰還3週間前に城門の外へ飛び出した犬が帰ってきた。毛に血が付いているが生きている。士気 +1
07井戸水の甘み誰かが一口飲み、「今日は甘い」と言う。広がる噂が良い。士気 +1
08志願者三人まだ剣を握ったことのない若者三人が分隊編入を志願。選択肢: 受けるか断るか。分隊スロット +1(臨時)
09鍛冶屋の新しい剣鍛冶屋モトイが持ち主のない剣一振りを領主へ献上。ほのかに光る。PC 1人 武器 +1(1章)
10子どもの手描き絵子どもが城門にチョークでPCの顔を描いておいた。拙いがそっくり。士気 +1, PC縁 +1
11豊かな山菜村の女たちが結界内側の森から山菜を籠いっぱいずつ採ってきた。食糧 +1週
12古い盾発見倉庫の隅で埃をかぶった盾二枚を発見。先代領主のもの。防具 +1(1人分)
13ホシノの澄んだ目今週、ホシノ老人の眼差しが普段より澄んでいる。結界注入効率が+10%。結界HP +3(日曜)
14領主の祭祀カミジョウ家の小祭。アキヒサが先代位牌の前で拝礼する。住民が見る。士気 +2
15古参農民の農事実演古参農民ソエモンが新しい間隔植え法を見せた。次の収穫から適用。食糧産出 +10%(永続)
16月が二つに見えなかった夜昨夜、月が完全にひとつだった。一月ぶりだ。住民たちの口数が増える。士気 +1, 恐怖 -1
17子どもの初めての一歩城内の乳母の孫が初めて歩いた。アキヒサが直接見て笑った。士気 +1
18南門の新しい花枯れていた梅が一輪咲いた。領地全体が見る。選択肢: 花を摘んで神社へ供えるか、そのまま見るか。士気 +2 または 結界HP +3
19ゲンショウの弟子八歳の少女オリンが「私も陰陽師になりたい」と神社を訪れた。ゲンショウがうなずいた。ホシノ後継可能性 +1
20井戸の鯉先月干上がって見えた井戸に鯉が一匹泳いでいる。誰が入れたか分からない。士気 +1, 不審
21共同食事住民が自発的に広場へ集まり、一釜の飯を炊いた。アキヒサも一椀。士気 +2
22古い手紙女が死んだ夫の古い手紙を領主へ差し出した。「領地のために使ってください。」金貨 +3
23霊的訪問神社に小さな狐が一匹入った。ゲンショウが「稲荷様の使い」と言う。結界HP +5
24見張り塔の新しい網見張り塔番ダイスケが新しい監視網を組んだ。夜間視界 +1。見張り塔 +1段階効率
25若者の初手柄分隊の若者コジロウが、一人で卒妖魔一体を倒して帰ってきた。士気 +1, 分隊 +1
26春雨半日半日ずっと柔らかな雨が降った。農地が潤った。食糧 +1週
27偶然の合一鍛冶場と医員が協力し、止血符短刀を作った。戦闘後1回自動止血。装備 +1(1人分)
28アキヒサの名言アキヒサが月曜会議で言った言葉が住民の口にのぼる。「帰る場所がなくても、残る場所はある。」士気 +2, 指導力 +1
29古い酒甕倉庫で熟成10年の酒甕を発見。節気に使うことに。金貨 +5, 節気効果 +1
30結界の一度の息結界が一度大きく息をした。領地全体が聞いた。ホシノが泣く。だが笑う泣き方だ。結界HP +10

#中立区間(31~70)

世界の雑音。数値変動がない、またはわずか。叙事・トーン・雰囲気。

ロールイベント説明影響
31犬の吠える夜昨夜、北側の家の犬たちがずっと吠えていた。理由は分からない。
32隣家争い二軒の間で庭境界の争い。アキヒサが仲裁。選択肢: 公正に vs 肩入れ vs 無視。士気 ±1(選択次第)
33釣瓶縄交換井戸の釣瓶縄が古びて切れた。新しい縄を掛ける。半日仕事。
34城門の埃東城門の前に、なぜかいつもより多く埃が積もっている。風向きのせいか。
35夜の水鶏昨夜、野で水鶏が鳴いた。霊界に来て初めて。
36子どもの質問子どもがアキヒサに「私たちはいつ家へ帰るのですか」と尋ねる。選択肢: 真実 vs 希望 vs 沈黙。士気 ±1
37古い瓦本館屋根の瓦二枚が落ちた。修理半日。金貨 -1
38城壁の苔北城壁に苔が生える。異界の湿気のせい。選択肢: 削るか置くか。結界HP ±1
39鵞鳥の騒ぎ農場の鵞鳥一羽が朝中鳴いていた。卵を失った。食糧 -0.5週
40鍛冶屋の病鍛冶屋モトイが風邪をひいた。二日休息が必要。鍛冶場効率 -10%(1週)
41果物配達南門側の果樹園から小さな柿一籠。平常どおり。
42古い草鞋城門前に持ち主のいない草鞋が片方。選択肢: 聞いて回るか、そのままにするか。
43月明るい夜昨夜、月がやけに明るかった。眠れなかった住民が多い。士気 ±0(疲労 ±0)
44鳥一羽霊界で初めて見る黒い羽の鳥が一羽、結界内へ入ってきた。選択肢: 捕まえるか、そのままにするか。叙事手がかり
45太鼓の音が聞こえる遠い北から太鼓の音が聞こえた。誰かが「昨日も聞いた」と言う。恐怖 +1
46忘れられた約束二人の隣人が去年の約束をめぐって争う。アキヒサが調整。士気 ±0
47倉庫点検家臣コバヤシが倉庫を点検し、在庫を数え直す。選択肢: 一緒に行うか。在庫 +正確度
48老女の祈り老女が一日中、神社前で祈る。死んだ夫のため。
49雨の日終日雨。遠征隊が出発延期。偵察 +1日遅延
50猫の子村猫が子を五匹産んだ。子どもたちが喜ぶ。士気 +0(雰囲気)
51城門の落書き誰かが北門に漢字で「待」(待つ)の一字を刻んだ。叙事手がかり
52古い家臣の日記倉庫で先代家臣の日記帳を発見。選択肢: 読むか封じるか。叙事手がかり
53日の昇らない朝霊界天候のせいで、日が昇ったように見えなかった。闇が午前まで続いた。士気 -0(沈滞)
54市場なき市の日本来は市場の日だが、売る物がない。 住民はただ互いに座っている。士気 -1
55井戸の妙な味井戸水から鉄の匂い。二日間。やがて元に戻る。恐怖 +1
56東門巡回欠番警備一人が巡回を抜かした。酔っていた。選択肢: 処罰 vs 訓戒 vs 黙認。士気 ±1
57古い面倉庫で能面(能面)ひとつを発見。アキヒサの祖父が使っていたもの。叙事手がかり
58狐の嫁入り日が差したまま雨が降った。虹が結界内にかかった。半刻。士気 +0
59赤子の熱赤子が二日間熱を出した。医員アサがうまく治めた。士気 +0
60ゲンショウの沈黙ホシノ老人が一日中何も言わない。誰も理由を知らない。恐怖 +1
61住民会議家臣が月曜の住民会議を招集。選択肢: PCが発言するか。士気 ±1
62二度見た人住民一人が、自分の隣人を同じ時刻に別々の場所で見たと言う。幻覚だろうか。恐怖 +1
63古い扇アキヒサが先代の握り扇を取り出し、会議で使い始めた。指導力 +0(象徴)
64猿の鳴き声近くの森で猿が鳴いた。領地周辺に猿はいない。恐怖 +1
65米一升紛失蔵から米一升がなくなった。鼠か人か。選択肢: 調べるか。士気 -1(調べなければ)
66鍛冶場の鉦の音今週、鍛冶場の槌が鉦のように鳴る。理由は分からない。
67南門の腐った木南城門の木の一部が柔らかくなった。修理1日。城門 -0.5段階
68女のため息洗い場で女が一日中ため息をついた。言葉はなかった。士気 -0(沈滞)
69北の霧北側結界の向こうがやけに濃い霧。三日間。偵察視界 -1
70休みの日今週は何も起こらなかった。本当に何も。士気 +0(稀な平和)

#否定区間(71~100)

領地に悪いこと。士気低下、結界弱化、死傷者または資源損失。

ロールイベント説明影響
71家畜の斃死牛一頭が一夜で死んだ。霊界の毒気に見える。食糧 -1週
72争いが拳へ住民二人の争いが殴り合いに。一方の鼻が折れた。選択肢: 領主が裁く vs 家臣が裁く vs 放置。士気 -1
73住民一人が消える朝、住民一人がいない。門口に草鞋がそのまま。誰も消えた理由を知らない。士気 -2, 恐怖 +1
74井戸の血痕明け方の井戸端に血痕三滴。傷ついた動物か人か不明。選択肢: 調べるか。恐怖 +1
75鍛冶場の火が消える鍛冶場の炉が明け方に消えた。初めてだ。火を入れ直す。鍛冶場 -1日
76見張り塔番の失敗ダイスケが夜間移動する妖魔一体を見逃した。結界が代わりに受けた。結界HP -3
77子どもの病子ども一人が高熱。医員アサが徹夜した。朝には安定。士気 -1
78狂った叫び住民一人が広場の真ん中で叫んだ。「我々はもう死んでいる!」 誰も言い返せなかった。士気 -2, 恐怖 +1
79南門のひび南門の柱にひびが入った。小さいが明らか。修理3日。城門 -1段階
80盗難事件倉庫から銀三両盗難。犯人不明。選択肢: 捜査 vs 恩赦令 vs 放置。士気 -1 または -2
81自殺未遂女が井戸へ身を投げようとした。隣人が止めた。選択肢: PCが会ってみるか。士気 -2, 恐怖 +1
82米の黴倉庫の米の一部に黒い黴。すべて捨てねばならない。食糧 -2週
83侍家臣の病家臣コバヤシが痢疾にかかった。一週間休息。分隊判定 -2(1週)
84夜の囁きある家で夜通し誰かの囁きが聞こえた。その家には誰もいない。恐怖 +2
85死んだ鳥の雨空から死んだ鳥が二十羽落ちた。結界内側だ。士気 -1, 恐怖 +1
86結界の引っかき傷結界北面に深い引っかき傷。一夜中、何かが引っかいた。結界HP -5
87ホシノの喀血ホシノ老人が今朝、初めて血を吐いた。誰にも言わなかったが、医員アサが見た。恐怖 +2
88分隊死傷偵察中に一人が戻らなかった。卒妖魔の奇襲。遺体回収失敗。士気 -2, 分隊 -1
89核変質倉庫の卒核二個が黒く変質し、使えなくなった。選択肢: 焼いて埋めるか、研究するか。核 -2, 結界HP -4(焼かなければ)
90子どもの消失六歳の子ども一人が昼に消える。夕方、城内で発見。何も話さない。士気 -2, 恐怖 +1
91怨みの声住民数人が広場に集まり、「領主が我らをこの地獄に落とした」と叫んだ。選択肢: 解散 vs 対話 vs 処罰。士気 -1 または +1
92賭博事件分隊員三人が一晩中賭博。一人が銀二十両を失って泣いた。士気 -1
93神社の火災神社付属倉庫に小火。ゲンショウが一人で消した。符の半分が焼失。結界HP -3, 核加工 -1週
94反転した夜明け朝日が昇らなかった。西から昇った。一週間。恐怖 +2, 士気 -1
95井戸の中のもの誰かが釣瓶を上げると、人の指一本が入っていた。領地住民のものではない。恐怖 +2
96結界の色変化結界北面が青から黒赤色に変わった。一時的か不明。結界HP -7
97領主の悪夢アキヒサが夜通し悲鳴。朝には記憶なし。選択肢: PCが同席するか。アキヒサ縁 ±1
98集団吐き気昼食後、二十人が同時に吐き気。原因不明。侵食された核が台所近くにあったのか。士気 -2, 露出度 +1(PC中1人)
99裏切り者疑惑住民一人が隣人を「異界と内通している」と告発。選択肢: 調査 vs 仲裁 vs 裁判。士気 -2 または ±0
100結界が一度消える結界がちょうど半刻完全に消えた。誰も入ってこなかったが、皆が見た。ホシノが昏倒。結界HP -15, 恐怖 +3, ホシノ衰弱度 +1

#解説 — 領域別トーン案内

#肯定区間の使い方(01~30)

肯定イベント30個は一方的な贈り物ではない。 各イベントは小さな選択肢、または一行分のRP機会を含む。PCが介入すれば+1が+2になり、介入しなければ本来の+1が残る。特に15~20番台の共同体事件はアキヒサの成長曲線を助ける。

肯定区間は二つの層に分かれる。

小さな祝福(01~20)。日常の肌理を少し撫でるもの。双子誕生、豊作、老人の昔話、井戸の甘み、志願者三人。数値は+1~2。しかし積み重なると領地が静かに生き返る。

大きな祝福(21~30)。一週間の形を変えるもの。アキヒサの名言、結界の一度の息、霊的訪問。数値は+2または+3以上。ここで結界HPが一度大きく上がる。

肯定区間でGMが見落としやすいこと: プレイヤーの反応を待つこと。 「豊作でした」の一行で終えず、「農夫ノブコが米一俵を直接領主へ持ってきました。彼女の目は赤いです」と広げよ。肯定イベントは描写が長い時に力を得る。

#中立区間の使い方(31~70)

中立40個は領地を生きたものにする世界音である。数値変動なし = 「飛ばせ」ではない。選択肢なし = 一行描写して進めよ。 重要なのは、この40個があることで肯定と否定が孤立した事件に見えなくなることだ。

中立区間は三つの層に分かれる。

雑音(31~45)。犬の吠える夜、釣瓶縄交換、狐の嫁入り。数値変動なし。一行描写して進めよ。この十五個がなければ領地は生きていない。

小さな岐路(46~60)。隣家争い、井戸の妙な味、二度見た人。PCが関われば方向が変わる。GMは「今週、この小さなことが見える」と示し、プレイヤーが反応するかを決めさせる。

不吉な平穏(61~70)。鍛冶場の鉦の音、北の霧、休みの日。数値は動かないが、背後に何かが近づいている予感。特に70番「何もない日」は稀なので、プレイヤーはむしろ不安になる。

#否定区間の使い方(71~100)

否定30個は累積する。 一週間の-1は大したことではない。4週連続の-1は反乱である。否定イベントのうち85~100番台は恐怖 +1以上を伴い、これが5まで溜まると反乱条件が満たされる。慎重に振れ。

否定区間は三つの層に分かれる。

疲労(71~85)。家畜の斃死、争い、盗難事件。日常が疲労で崩れるもの。数値 -1~-2。PC介入で緩和可能。

恐怖の浸透(86~95)。結界の引っかき傷、ホシノの喀血、結界の色変化。ここから恐怖が数値として入る。恐怖 +1が累積すると士気は自然に下がる。

崩壊の信号(96~100)。結界が半刻消える、集団吐き気、領主の悪夢。一度出るだけで一章全体のトーンが変わる。100番は本当に運の悪い日にだけ出るが、出たらGMは一セッション丸ごとこの事件に集中するべきである。


#GM運用ガイド — 振りの3原則

#第1原則: 振ってから考える

結果を見て現場で設定を合わせる。例: 71番「家畜の斃死」が出た。領地に牛は何頭いたか。牛の名前は。誰の牛だったか。GMは振った直後30秒以内にこれらを決めなければならない。

牛三頭。名前はクロ、シロ、ハナ。死んだのはクロ。鍛冶屋モトイの牛。 こう決めれば、この事件は以後「モトイの悲しみ」の叙事につながる。振りは単なるダイスではなく、物語の種である。

#第2原則: 同じ結果も文脈で違って使う

79番「南門のひび」。1章開幕週に出れば「最初の兆し」だ。4章主級妖魔出現週に出れば「ついに来た」だ。5章後半に出れば「崩れる領地」だ。

同じロールでも、どの章にいるかが決定的である。 GMは現在の章を常に念頭に置き、イベントの重さを調整しなければならない。

#第3原則: プレイヤーが覚えられる量だけ振る

プレイヤーは一セッションに二つのイベントを覚える。三つを越えると薄まる。月曜に一度(この表)、金曜に一度(偵察/結界/噂のいずれか)。これが基本リズムである。

振るな。ただし選べ。 振るのは予測不能のためだが、ある場面では予測されたものの方が強烈だ。GMが今日78番を使いたいなら、振らずに78番を使え。


#イベントカテゴリ別分布

この100イベントを主題別にもう一度束ねると次の通り。GMはトーン選択の参考にする。

#共同体イベント(20個)

01, 02, 04, 06, 07, 11, 14, 17, 21, 22, 28, 30, 32, 36, 46, 54, 61, 78, 81, 91

住民集団の動き。士気変動を最も多く引き起こす。PCの指導力が試される場。

#資源イベント(15個)

02, 08, 09, 11, 12, 15, 22, 26, 27, 37, 65, 71, 75, 82, 89

米・核・金貨・装備の±。数値ゲームの核心。毎週最低ひとつはこのカテゴリから出るとよい。

#結界イベント(10個)

05, 13, 23, 30, 38, 76, 86, 93, 96, 100

結界HP直接変動。振りの5~10%がここに該当。主級妖魔突破とは別の追加変動。

#霊的・オカルトイベント(15個)

18, 19, 20, 23, 35, 44, 45, 51, 52, 57, 60, 62, 84, 94, 95

霊界侵潤の日常的な現れ。恐怖 +1多数。4章以後は頻度増加推奨。

#領主・アキヒサイベント(10個)

14, 28, 36, 46, 52, 57, 63, 91, 97, 99

アキヒサ個人の成長または危機。シーズン制キャンペーンで彼の弧を描く場。

#家臣・NPCイベント(11個)

03, 09, 19, 24, 25, 40, 47, 58, 83, 87, 92

個別NPCの叙事手がかり。特にホシノ(13, 60, 87)とアサ(77, 98)は反復登場。

#純粋叙事イベント(20個)

31, 34, 35, 41, 42, 43, 49, 50, 51, 53, 55, 57, 58, 59, 62, 63, 64, 66, 68, 70

数値変動はほぼない。トーンと雰囲気のための息継ぎ。これらがなければ領地はスプレッドシートになる。


#地獄5章連携

この100イベントの一部は、現在の章に応じて発現が変わる。

#1章(等活地獄近接) — 基本振り

すべてのイベントが本来の数値で発生。特に肯定イベント01, 17, 21, 28がよく出る週が理想的。領地に「まだ生きていける」と信じさせる時期。

#2章(黒縄地獄進入) — 否定加重

否定イベント発生時、恐怖 +1追加。黒い鎖の影響が領地内部へ染み込む。84, 85, 86番イベント頻度 +5%(GM調整)。

#3章(叫喚地獄進入) — 騒音加重

中立区間35, 45, 55, 60, 64番が出たら音に関する追加描写。霊界から聞こえる悲鳴のエコー。数値変動はないが、PC精神耐性 目標値 +1(睡眠時)。

#4章(焦熱地獄進入) — 結界加重

05, 13, 23, 76, 86, 96, 100番が出たら、数値を二倍で適用。例: 96番 結界HP -7 → -14。領地が最も苦しい章。GMは振り修正 +10(肯定側)の使用を推奨。

#5章(無間地獄近接) — 全部加重

すべての否定イベント数値 ×1.5、すべての肯定イベント数値 ×1.5(決断の章)。極端の時期。恐怖と士気がともに揺れ動く。


#例 — 一週間の完全な振り

3章7週目の月曜朝。

GMがd100を振る。結果: 47

47 倉庫点検 — 家臣コバヤシが倉庫を点検し、在庫を数え直す。選択肢: 一緒に行うか。

GMはこれを次のように展開する。


月曜の明け方五時。コバヤシ・イワオが倉庫の前に立っている。手には灯籠ひとつ。灯りは細い。彼は振り返らずに言う。

「領主公にはご報告いたしますが、実は先週と数が合いません。米が一升足りず、卒核がひとつ多く、符用の藁が半束足りません。誰かが盗んだのか、あるいは私が先週数え間違えたのか。ご一緒に確認いただけますか。」

PCの選択肢:

  • 一緒に点検する → 詳細シーンへ。鼠の跡発見、または家臣自身の計算ミス確認。
  • 任せる → 「分かった」と流す。今週は過ぎる。次週また同じ問題。
  • 他の家臣に任せる → コバヤシの顔が固まる。家臣好感度 -1。

中立イベント47番がこのように3分のシーンへ展開される。数値変動なし。しかしこの場面があったから次週のイベントが孤立して見えにくくなる。


#複合振り — 複数イベント同時処理

稀に一週間で二回の振りが必要な場合。

#条件

  • 重大危機直後(主級妖魔討伐直後の月曜など)
  • 章転換週(1章 → 2章、2章 → 3章など)
  • 節気の翌週

#方法

  1. 一度振る。結果記録。
  2. 同じ範囲内で再び振る。または反対範囲で振る。
  3. 二つのイベントが接続するか確認。接続しなければひとつ放棄。

例: 最初の振り14番「領主の祭祀」(肯定)、二度目の振り78番「狂った叫び」(否定)。 → この二つを接続: 領主が祭祀を行っている最中に、住民一人が狂った叫びをあげる。 → 士気変動: 祭祀 +2 + 叫び -2 = 0。しかし緊張感は最高潮


#関連文書


#付録 — 頻度調整変異表

基本分布(肯定30・中立40・否定30)を領地状況に合わせて変奏したい時。

#安定期(士気7以上、結界HP 60以上)

肯定40・中立40・否定20。 調整: 振り結果で71~80範囲が出たら再振り1回を許可。

#危機(士気3以下、結界HP 30以下)

肯定15・中立30・否定55。 調整: 振り結果で01~15範囲が出たら16を足して再解釈。

#破局期(恐怖4以上)

肯定10・中立25・否定65。 調整: 否定イベントが恐怖を伴うなら恐怖 +2へ強化。85~100番台が頻繁に出る。

#奇跡期(主級妖魔連続討伐後)

肯定45・中立40・否定15。 調整: この期間2~3週間だけ適用。その後は原状復帰。


#付録B — イベント連鎖輪

単独イベントは孤立しない。ひとつのイベントが次週のイベントを引き寄せたり防いだりする。

#肯定 → 肯定の輪

  • 01 双子誕生 → 次週17 子どもの初めての一歩確率 +15%。
  • 14 領主の祭祀 → 次週22 古い手紙確率 +10%。(住民の心が領主へ向く。)
  • 30 結界の一度の息 → 次週05 結界に宿った露確率 +20%。

#否定 → 否定の輪

  • 71 家畜の斃死 → 次週82 米の黴確率 +15%。(霊界の毒気が蓄積。)
  • 78 狂った叫び → 次週91 怨みの声確率 +25%。(不満の連鎖。)
  • 86 結界の引っかき傷 → 次週96 結界の色変化確率 +30%。

#肯定 → 否定相殺

  • 28 アキヒサの名言 → 次週91 怨みの声確率 -50%。
  • 14 領主の祭祀 → 一月間73 住民一人が消える確率 -30%。

#否定 → 肯定反発

  • 81 自殺未遂 → 次週21 共同食事確率 +20%。(共同体が互いを気遣う。)
  • 88 分隊死傷 → 次週25 若者の初手柄確率 +25%。(誰かが空いた場所を埋めようとする。)

振り修正規則: 上の輪が発動する時、GMは本来の振りに±10~20を調整し、目的イベント側へ押してよい。または自然な振りをそのまま受け入れ、叙事だけ調整してもよい。


#付録C — イベント別詳細拡張(重要10個)

100個すべては拡張しないが、特によく出て重要度の高い10個の拡張解説

#14番 領主の祭祀

カミジョウ家の小祭は本来、毎年家門創建日(旧暦2月18日)にだけ行っていたが、霊界漂流後は隔週または月1回行うようになる。アキヒサが直接、先代の位牌の前で香を焚き、拝礼する。

完全演出:

  • 神社前庭。住民50~80人が囲む。
  • アキヒサは白い上衣、黒い袴姿。
  • ホシノ老人が太鼓を一度打つ。香に火がつく。
  • アキヒサが位牌の前で三度拝礼する。
  • 礼が終わると、住民一人が後ろで小さく拍手。広がっていく。

PC参加方式:

  • 列の前方に立つ: 士気 +2維持。
  • 香をともに焚く: 士気 +3、アキヒサ好感度 +1。
  • 不参加: 士気 +1へ減少。噂「大事な日に領主の仲間がいなかった。」

#28番 アキヒサの名言

一週間の月曜会議でアキヒサが一文を口にする。毎回違う形に設定できる。

名言候補(d10振り):

ロール名言
1「帰る場所がなくても、残る場所はある。」
2「我々はまだ米を食べる。それが答えだ。」
3「泣いてもよい。泣いた後、また立とう。」
4「この結界ひとつが我が家門だ。他は要らぬ。」
5「私が若いことは分かっている。だから、お前たちがいる。」
6「今夜眠れるなら、明日は来る。」
7「死者の名を忘れるな。生き残った者の務めだ。」
8「領地とは土地ではない。お前たちだ。」
9「勝つこと負けることが大事なのではない。耐えることだ。」
10「私はまだ領主の名にふさわしくない。ふさわしくなるために戦う。」

波及:

  • 領地全体がこの言葉を覚える。次週の井戸端で引用される。
  • 士気 +2。
  • 指導力点 +1(キャンペーン全体)。

#30番 結界の一度の息

ホシノ老人が生涯初めて見る現象。結界全体が息をする。領地内側から空気が吸い出され、また戻ってくる感覚。

完全演出:

  • 明け方五時。井戸端の女が最初に気づく。
  • 釣瓶の中の水が少し上へ盛り上がり、また下がる。
  • 眠っていた犬たちが同時に目を開く。
  • ホシノが神社から走り出る。裸足。泣いている。
  • 彼は言う: 「あの方が我らを見た。名も知らぬ方が。我らを拒まなかった。」

数値:

  • 結界HP +10。即時。
  • ホシノ衰弱度 -1。
  • 士気 +3。
  • ただしゲンショウの喀血 +1(以後87番発生確率 +15%)。

#73番 住民一人が消える

領地で最もよく出る恐怖。月曜朝、誰かの家の門前に草鞋がきちんと置かれている。主はいない。

消失の可能性(d10):

d10可能性
1-2夜に結界外へ出た。自発的。遺体は見つからない。
3-4地下へ消えた。霊界の地が開いた。門口に小さな黒い穴の痕跡。
5-6家の中で消えた。戸は施錠され、中には誰もいない。
7-8別の住民が殺害。遺体は後で発見。犯人は誰か。
9-10最初からいなかった人。他の住民はその名を覚えていない。PC日誌にだけある。

数値:

  • 士気 -2。
  • 恐怖 +1。
  • 消えた者が分隊員なら分隊 -1。

後続:

  • 次週井戸端の噂 +1。(20-04噂表と連携)
  • 2週後に同じ型がまた発生したら士気 -3。

#87番 ホシノの喀血

ゲンショウ老人が、結界維持の代価を初めて身体で払う瞬間。医員アサが発見する。

完全演出:

  • 神社裏手。早朝、アサが薬草を採りに来た。
  • 岩のそばの白い布に赤い染み。まだ乾いていない。
  • 布をどけると、ホシノが壁にもたれて座っている。口元に血。
  • 「大丈夫だ。年寄りとはそういうものだ。」
  • アサは黙って手を握る。ホシノはその手を強く握り返す。

数値:

  • 恐怖 +2。
  • ホシノ衰弱度 +1。
  • 好感度システム: アサとホシノ間の縁 +1。
  • PCがこの事実を知ったら、ゲンショウの衰弱追跡開始。

#88番 分隊死傷

このキャンペーンで最もよく、最も痛く出るイベント。偵察に出た分隊員一人が帰ってこない。

完全演出:

  • 金曜夕方。偵察隊が帰還。出た時は八人、戻ったのは七人。
  • 分隊長が領主の前に膝をつく。「コハチを失いました。」
  • 死因: 卒妖魔の奇襲。遺体は黒縄地獄の内側へ引きずられた。
  • アキヒサは黙って頭を下げる。しばらくして「ご苦労だった」と言う。

数値:

  • 士気 -2。
  • 分隊 -1(永続、補充まで)。
  • 次週の志願者判定 目標値 +2。

後続:

  • 次週21番共同食事発生確率 +10%。
  • 3週後25番若者の初手柄発生確率 +20%。

#89番 核変質

倉庫に保管中だった卒核二個が黒く変質する。ホシノはすぐに見抜く。

変質の原因(d10):

d10原因
1-4保管期間超過(2週+)。GM意図的。プレイヤーへ「君たちは使うべきだった」という教訓。
5-7霊界気配の侵入。倉庫近くに結界弱点。20-03表と連動。
8-10他の核が霊界気配を広げた。「主」等級核が近くにあったなら自然な帰結。

選択肢:

  • 焼いて埋める: 安全。ただし核 -2損失。
  • 研究する: ホシノまたは陰陽師PCが研究。成功時「変質核活用法」解禁(新規規則)。失敗時、結界HP -4。
  • 放置する: 二日後、倉庫に霊界気配が拡散。他の核も変質リスク。

#96番 結界の色変化

領地全体が見ている恐怖イベント。結界北面が青い光から黒赤色へ変わる。

完全演出:

  • 日暮れ時。広場に人々が集まり、北の空を見ている。
  • 普段は透明な青い結界が黒赤い血の色。
  • 子どもが言う。「あれ、何ですか?」
  • 誰も答えない。
  • ホシノが神社から出て見る。沈黙する。その顔は青白い。

数値:

  • 結界HP -7。
  • 恐怖 +2。
  • 士気 -2。

後続:

  • 次週100番発生確率 +15%。
  • 3週以内に100番が出なければ色は戻る。だが痕跡は残る。

#100番 結界が一度消える

この表で最も重い結果。 結界がちょうど半刻の間、完全に消える。

完全演出:

  • 予告なし。昼前。
  • 結界の青い光が消える。空が透明になる。
  • 領地外の地獄風景が直接見える。
  • 黒い鎖の育つ森。沸騰する湖。燃える都市。すぐ近くに。
  • 住民が床に伏せる。誰も声を出せない。
  • 半刻後、結界が戻る。
  • ホシノ老人が神社で昏倒しているのが見つかる。

数値:

  • 結界HP -15。
  • 恐怖 +3。
  • ホシノ衰弱度 +1(三回目累積時、昏睡)。
  • 士気 -3。

後続:

  • このイベント後、一週間の領地雰囲気が完全に変わる。
  • 住民5名が自発的に住処を移す(城砦側へ集まる)。
  • 20-05夢表の振り条件を緩和(全PCに適用)。
  • 1章または2章で出たら、キャンペーントーンが早期に暗くなる。GM判断で3章以後へ遅らせてもよい。

#41番 果物配達

最も些細に見えるが、感情的に強い中立イベント。 領地南側の果樹園から柿一籠が届けられる。

完全演出:

  • 月曜午前。子ども一人が柿の籠を城門前に置いて走っていく。
  • 「果樹園のおばあちゃんからです!」
  • 籠には十二個。そのうち三個は半分腐っている。
  • 家臣が領主に知らせる。アキヒサが受け取る。

このイベントの力:

  • 数値は動かない。しかしこれがあってこそ領地はスプレッドシートではない。
  • PCが柿ひとつを食べたら? ごく小さな甘み。プレイヤーの口に長く残る。
  • 腐った柿をどうするかの選択肢: 堆肥に、ジャムに、捨てる。小さな選択が積もる。

「一週間の最初の音は釣瓶の音だ。釣瓶がどんな音を立てるかで、その週が決まる。」 — 井戸端の老女キクエ。

「ダイスを振るのは神に問うことではない。自分自身に問うことだ。」 — ホシノ・ゲンショウ、アキヒサへ占術の意味を説明しながら。