日本語版 v1.3.3

#部隊運用 (Squad Operations)

目次

卒と練は分隊にまとめられ、主の命令で動く。分隊は制圧力の柱であり、前線の盾である。

Canon — 分隊・命令コスト。 本文書が分隊命令の活力コストの最終規則である。本文の表は、単純化されたコスト規則(§分隊命令コスト)の結果である。権威体系は co-99-meta/co-99-01-authority.md を参照。

関連項目: · · 制圧力 · 活力と呼吸 · 能力値 §智


#分隊構成

#香 — 軍の骨組み

戦場の華やかな主人公は主だが、実際に前線を保つのは名もない兵たちの分隊である。足軽 5名が槍を立てれば区域の制圧力が上がり、弓兵 4名が後列に立てば敵は不用意に前進できない。彼らは自分で判断しない。指揮官の一言で動く。

#法 — ルール

  • 分隊 = 同じ等級(卒 or 練) + 同じ武器のまとまり。
  • 人数: 通常 3~6名。
  • 自前の行動なし: 主/将の分隊命令でのみ行動する。
  • 制圧力への寄与: 区域に配置されているだけで制圧力ボーナスを与える。

分隊 vs 個別ユニット

分隊は分隊命令でのみ動く集団単位である。一方、式神・傀儡・将級副官は個別ユニットであり、分隊命令・総指揮・分隊戦術の対象にならない。個別ユニットの共通規則は上位文書にまとめられている。

詳細: ../co-06-00-index.md §個別ユニットと分隊ユニットの区分 · ../co-99-meta/co-99-02-core-principles.md 原則 2


#分隊命令

#香 — 一言で

老練な将の命令は短い。「前進。」「撃て。」「耐えろ。」その一言で兵たちは整然と動く。優れた智謀(智)を持つ者は、より少ない呼吸で複雑な命令を下せる。

#法 — ルール

主/将が自分の活力を消費して分隊に命令する。

基本費用: 2 活力 +2以上なら 1 活力。例外なし。

命令活力
+1以下2
+2以上1

命令種類:

命令追加費用効果
前進基本分隊を隣接区域へ移動。
心府突入+1活力分隊を心府へ投入。結束力 -1。
一斉射撃/攻撃基本分隊が射程内の敵 1体を攻撃。(下記参照)
盾壁形成基本分隊の制圧力寄与 x1.5。その間合は移動不可。
後退基本分隊を後方隣接区域へ移動。

一斉射撃/攻撃判定 (命中強度比例):

2d10 >= 対象防備 (修正値なし、分隊の集団火力)。

命中ロール結果の強度によって効果が変わる。別の補助ダイスはない — 命中ロール 1回ですべて決定する。

命中ロール結果卒/雑兵分隊対象練+ 分隊対象個別ユニット (将/主) 対象
外れ (目標値未満)0名除去影響なし影響なし
命中 (目標値到達)1名除去結束力 -11戦力
命中 + 合計 13以上2名除去結束力 -1 + 1戦力1戦力
命中 + 合計 17以上3名除去結束力 -2 + 1戦力1戦力 + 無防備
会心 (ゾロ目 + 命中)3名除去結束力 -2 + 1戦力2戦力
天命 (10-10 + 命中)分隊全員除去 または 結束 0 (GM選択)結束力 -3 + 2戦力即死 または 3戦力

失敗時: 外れ。心府対象なら誤認射撃チェック。

設計意図: ロール 1回ですべて決定 → 進行速度の向上。2d10の鐘形分布の強みを活用 — 大きな合計が大きな効果を生む。会心が分隊単位でも意味を持つ。


#結束力 (Cohesion)

#香 — 揺らぐ心

兵士は機械ではない。仲間が倒れ、妖魔が咆哮し、指揮官が見えなくなれば — 心は崩れる。結束力は、分隊が戦場に立ち続けられる意志の数値である。

#法 — ルール

結束力は分隊の士気/耐久度。基本 3。(練分隊 4。)

減少原因:

原因減少量チェック時点
分隊人数の半数以上を損失-1小康時に一括
主が戦闘不能-1 (全分隊)即時
妖魔恐怖-1 (精神耐性失敗時)小康時
心府進入/離脱-1 (それぞれ)即時
広域攻撃を受ける-1小康時に一括

便宜規則: 「人数損失」と「広域被弾」は攻撃ごとに引かず、小康時に一括精算する。「主の戦闘不能」と「心府進入/離脱」は叙事的瞬間なので即時反映する。これにより戦闘進行中の結束力追跡負担が大きく減る。

回復:

方法回復量
芸人特技「戦場の花」(小康)+1
主の士気判定 (小康)+1 (成功時)
浄土僧特技「阿弥陀の盾」崩壊防止 (0到達時、1維持)

#分隊状態体系 (部隊狀態, Squad States)

分隊は戦闘中・戦闘後に三つの状態を行き来する。各状態は復帰経路と回復費用が異なる。一度混ぜて扱わないこと。

状態結束力戦力戦場維持制圧力寄与戦闘中復帰戦闘後処理
正常 (Active)≥1≥1O等級別正規値次の戦闘にそのまま出戦
崩壊 (Routed)0≥1区域から除去0小康の美判定で復帰可能次の戦闘前に自動再集結
潰滅 (Destroyed)0区域から除去0不可再編成必要 (金貨 + 季節時間)

#崩壊 (崩壞, Rout) — 結束力 0

分隊員が瓦解して逃走・隠伏した状態。戦闘力は消滅したが、大半は生きている。

発動条件:

  • 結束力 0到達 (減少原因の累積)。
  • 浄土僧「阿弥陀の盾」などで防止可能。

即時効果:

  • 分隊は現在の区域から除去。制圧力寄与 0。
  • 分隊は「戦場外」の抽象空間に存在する。戦闘中の命令不可。
  • 以後、その分隊を対象にした攻撃は追撃判定(離脱規則と同じ)を経なければ命中できない。

戦闘中復帰 (救援):

  • 小康段階ごとに主君が 2d10 + 美 >= 13 判定可能。
  • 成功: 分隊が結束力 1で復帰。主君の隣接区域に再配置。
  • 失敗: 次の小康で再試行。失敗そのものが潰滅に変わることはない。

戦闘後処理:

  • 戦力が 1以上残っていれば、結束力 1で自動回復。人数・装備・経験を保持。
  • 次の戦闘にそのまま出戦可能。

#潰滅 (Destruction) — 戦場復帰不可

分隊員の大半が死亡または戦闘不能。物理的に分隊が消滅した状態。

発動条件 (次のうち一つ):

  1. 分隊戦力 0到達: 戦闘中の累積被害で戦力が 0になる。
  2. 明示的例外効果: 天命表/業報表、シナリオ特殊効果、名品・秘技などが「分隊潰滅」を直接宣言する。

即時効果:

  • 分隊は戦場から完全除去。以後どの手段でも同じ戦闘内で復帰不可
  • 主君の分隊なら、主君は無指揮状態 (無指揮分隊適用)。
  • 同じ陣営の他分隊は結束力 -1 (士気打撃)。

戦闘後再編成:

分隊タイプ再編成費用所要時間
民兵隊級 (竹槍・郷土)雇用費用 ×2 (金貨 6)季節 1
傭兵団級 (卒 5名)雇用費用 ×2 (金貨 16)季節 1
盗賊団級雇用費用 ×2 (金貨 10) または略奪地の再確保季節 1
精鋭分隊 (練以上)シナリオ固有。GM裁量 (通常 雇用費用 ×3 + 季節 2)季節 2
名ある副官 (将級) 含む永久喪失。新NPC雇用の叙事が必要シナリオ単位
  • 再編成前、その分隊は出戦不可
  • 再編成期間中、主君の分隊スロット 1枠が空いている。
  • 名ある副官(将級)が潰滅に含まれるなら、そのNPCは永久喪失。叙事的な節目になる。

#状態追跡ガイド

  • キャラクターシートの分隊セクションに状態チェックボックスを置き、[正常/崩壊/潰滅]のいずれかを表示する。
  • 崩壊時は結束力 0、潰滅時は戦力 0も一緒に書いておくと混乱が少ない。
  • 潰滅時は再編成カウントダウン(残り季節)を記録する。
  • 主君の領地シートには「失った分隊」ログを残し、シナリオ・威名への影響を追跡する。


#分隊戦術 (部隊戰術, Squad Tactics)

#香 — 分隊にも技法がある

分隊の行動は「前進」と「射撃」だけではない。カグラの精鋭槍兵は三段槍壁を展開して敵の突破を止め、比叡の僧兵は退魔経文で妖魔の防備を削り、風魔の下忍は煙幕で視界を遮る。

この固有の戦闘能力を戦術(戰術)と呼ぶ。戦術は個人のマヌーバと同じ構造に従うが、分隊単位で発動し、指揮官の分隊命令で有効化される。

#法 — 戦術体系

#戦術の類型

表記類型発動方式説明
[戦術:型]アクティブ戦術分隊命令活力 + 追加費用指揮官が活力を消費し、分隊が特定行動を実行。
[戦術:構え]維持戦術分隊命令活力で宣言分隊が特定陣形を維持。指揮官が解除を宣言するか、分隊が移動するまで持続。同時に1個だけ
[戦術:素養]パッシブ戦術常時適用陣営基盤または分隊固有特性。活性化不要。

#等級別戦術スロット

等級戦術スロット備考
雑兵 (雜)0~1場所を埋める(制圧力寄与のみ)または単一基本攻撃 1個。
1 [戦術:型]基本。精鋭/特殊な卒は追加で1 [戦術:素養]を持てる。
卒 + 1追加 (型または構え)戦術的柔軟性。
将 (將)練 + 1追加将級部隊長はほぼ個人と同級の戦闘オプションを持つ。
フルキャラクターシート陣営基盤は素養特技として持つ。

#戦術発動規則

戦術発動費用 = 分隊命令費用(2活力、智割引適用) + 戦術自体の追加費用

例:
  智+2の学者がカグラ槍兵に「三段槍壁」を命令:
  分隊命令 = 1活力 (智+2割引)
  三段槍壁追加費用 = 基本 (追加なし)
  総費用 = 1活力

表の追加費用 基本は、分隊命令費用以外の追加活力がないという意味である。強力な戦術は +1活力+2活力のように別費用を記す。

#智修正値別分隊命令費用
智修正値分隊命令費用
+1以下 (基本)2 活力
+2以上 (智割引)1 活力

費用規則は2分岐の単純化規則である。分隊指揮型ビルドには智 +2以上を推奨。

#戦術スタットブロック形式

[戦術:型] 名前 (漢字) — 陣営名
追加費用: 基本 または +N活力 (分隊命令費用とは別)
判定: 2d10 >= 対象防備 (または自動)
効果: (一般効果)
対分隊: (分隊級対象時の追加効果 — 卒/雑兵多数処理用)
限界: 間合 N回 / 戦闘 N回 / —

#対分隊スケーリング

戦術は分隊対分隊戦闘に最適化されている。個人を一人ずつ処理するのは面倒だ — 戦術は分隊単位で効率よく敵を除去する。

対象等級一般攻撃成功時戦術攻撃成功時
雑兵1体除去1~4体除去
1体除去1~3体除去 (命中強度適用)
1戦力1~2戦力 (戦術依存)
将以上1戦力1戦力 (戦術追加効果適用)

#汎用分隊 (傭兵/民兵/盜賊)

#香 — 刀を借りる

勢力に属さない分隊。金貨で雇う者、村から徴集する者、裏路地でかき集めた者たち。陣営基盤はないが、それぞれに特色がある。PCがもっとも簡単に接触し、使役できる分隊。

#

#傭兵団 (傭兵團)

項目
等級卒 5名
戦力1防備12
武器刀(2活力)
雇用費用金貨 8 / 季節
結束力2 (金で買った忠誠)
陣営基盤なし

戦術:

戦術類型追加費用効果限界
傭兵の一撃[戦術:型]基本2d10 >= 防備。卒 1~3除去 (命中強度表適用) / 練+ 結束力 -1 または 1戦力。標準攻撃。
金に忠実[戦術:素養]基本毎小康に金貨 1を支払えば結束 +1 (最大 4)。未払い時 -1。常時

金があれば使える。金がなければ逃げる。もっとも正直な兵たち。

#民兵隊

項目
等級卒 5名
戦力1防備10
武器竹槍(2活力)
雇用費用金貨 3 / 季節
結束力3 (故郷防衛)
陣営基盤なし

戦術:

戦術類型追加費用効果限界
竹槍突撃[戦術:型]基本2d10-2 >= 防備。卒 1~2除去 (命中強度表適用、ただし最大 2まで) / 練+ 1戦力。弱いが安い。
郷土守護[戦術:素養]基本自分の領地区域で結束 +2、他地域で結束 -1常時

家を守る時は勇敢だ。遠くでは — 家に帰りたがる。

#盗賊団 (盜賊團)

項目
等級卒 4名
戦力1
防備11
武器短刀(1活力)
雇用費用金貨 5 / 季節 または略奪許可
結束力2 (利益で結ばれた集団)
陣営基盤なし

戦術:

戦術類型追加費用効果限界
奇襲略奪[戦術:型]基本潜入状態でのみ発動。敵卒 1~3除去 (命中強度表適用) + 金貨 1獲得。潜入解除。間合 1回
逃走本能[戦術:素養]基本結束 0到達時、自動逃走(崩壊)。ただし小康時に自動復帰(1)。盗賊は逃げても戻ってくる — 獲物があるから。常時

信用はできないが、安い。奇襲には使える。


#補助分隊 (補助部隊, Support Squads)

#香 — 刀ではない手

戦場のすべての手が刀を握るわけではない。ある手は矢を運び、ある手は太鼓を打つ。ある手は傷を縫い、ある手は軍旗を高く掲げる。彼らがいなければ、精鋭部隊も数日ともたない。

#法 — 4種補助分隊

#補給隊

項目
等級卒 5名 (表現単位。雑兵 10名に増やしても同じ)
戦力1
防備11
武器短刀(1活力、護衛用)。直接戦闘力はほぼなし

戦術:

戦術類型追加費用効果限界
補給線維持[戦術:素養]基本同じ区域の味方分隊の結束力回復 +1/小康。常時
消耗品補給[戦術:整備]基本小康時、同じ区域の味方 1体に消耗品 1個を自動補充。毎小康

弱点: 敵が後列突破した時の優先順位 1標的。倒されると味方補給が途切れる → 結束 -1連鎖。

#軍楽隊 (軍樂隊)

項目
等級卒 5名
戦力1
防備11
武器太鼓、笛、法螺貝。自己防衛可能 (戦闘力は弱い)

戦術:

戦術類型追加費用効果限界
士気鼓舞[戦術:構え]基本同じ区域の味方分隊は結束力 -1免疫 + 恐怖免疫 (構え維持中)。分隊移動時に解除。
太鼓の励まし[戦術:型]+1活力隣接 1区域の味方分隊 1個に即時結束力 +1間合 1回

弱点: 軍楽隊が全滅すると構え効果は即時消滅。士気鼓舞に依存していた分隊が同時に揺らぐ。

#医務隊 (醫務隊)

項目
等級卒 3名 (人数少なめ)
戦力1
防備10
武器自己防衛以外なし。直接戦闘を回避

戦術:

戦術類型追加費用効果限界
応急医術[戦術:整備]基本小康時、同じ区域の戦闘不能の味方 1体に医術判定。成功時、戦力 1で復帰。毎小康
戦場処置[戦術:型]基本同じ区域の味方 1体の戦力 1回復。間合 1回

弱点: 直接戦闘力 0。保護必須。後列突破にもっとも脆い。

#旗手隊

項目
等級卒 3名 (ネームド旗 1個)
戦力2 (旗 + 護衛)
防備12
武器護衛用槍(2活力)

戦術:

戦術類型追加費用効果限界
軍旗影響力[戦術:素養]基本同じ区域 + 隣接区域の味方分隊制圧力 +1常時
旗の揺らめき[戦術:型]+1活力次の間合開始時、味方全員の先攻修正 +2 (最初の呼吸限定)。間合 1回

弱点: 旗手隊全滅または旗奪取時、同じ軍の全分隊結束力 -2 (士気崩壊)。後方保護必須。

#補助分隊使用指針

  • 勢力別配布: 1勢力あたり 0~2個。正規軍はよく整っている。非正規/ゲリラにはほぼない。
  • 詳しい勢力別配布: 勢力 §補助分隊配布参照。
  • 分隊命令: 他の分隊と同じく、主/将の分隊命令費用で発動。

#カグラ藩の特記事項 (C8)

カグラ藩は旗手隊を別に保有しない。陣営基盤「正規軍律」自体が旗手隊効果(均一な結束力維持)を内蔵しているため — 外部士気補助なしで軍が回る。カグラ藩は補給隊 + 医務隊のみを運用する。これはカグラ藩のアイデンティティであり、他勢力が似た効果を得るには旗手隊が必要である。


#分隊非戦闘活用

Variant. GMが採用した時だけ使う分隊運用の選択規則である。戦闘数値には影響しない。

#香 — 兵の顔

分隊は戦力と防備だけを持つ駒ではない。その中には、かつて大工だった兵、船を操っていた兵、薬草を知る兵もいる。戦場は彼らを一単位にまとめるが、シーンによっては、その手業と経験が表に出ることがある。

#法 — 分隊熟練者確認

PCに必要な技能を持つ人物がおらず、そのPCが分隊を率いているなら、GMは分隊熟練者確認を許可できる。これは、偶然有能な兵が目に留まるシーンである。

発動条件:

  • PCが現在、分隊 1個以上を率いていなければならない。
  • 該当技能を持つPCまたは主要NPCがシーンにいない。
  • その分隊内に該当技能を持つ人物がいる可能性がなければならない。
  • 各セッションに1回だけ申請できる。
  • 一つの分隊は熟練者を1名だけ保有できる。

判定:

分隊を率いるPCが次の判定を行う。目標値はGMがシーン難易度に合わせて決める。特別な事情がなければ標準11を使う。

2d10 + 運 + 天運 >= 目標値

天運技能がなければ、天運ボーナスは +0 として扱う。未熟練ペナルティは適用しない。

結果:

  • 失敗: その分隊内では適切な人物を見つけられない。
  • 成功: 該当技能を入門で持つ熟練者 1名が見つかる。
  • 会心: 該当技能を習得で持つ熟練者 1名が見つかる。
  • 天命: 該当技能を習得で持ち、さらに関連技能 1つを入門で持つ熟練者 1名が見つかる。

記録:

熟練者の名前、所属分隊、技能を分隊シートに記録する。

制限:

熟練者の技能は状況判定にのみ使う。戦闘に向いた技能であっても、分隊の攻撃、防備、戦力、戦術、制圧力には直接ボーナスを与えない。

生死確認:

熟練者が属する分隊が敗走または全滅したなら、その分隊を率いるPCは運判定で熟練者の生存を確認する。失敗したなら、熟練者は永久に死亡する。

成長ガイド:

生き残った熟練者は、主要NPC、副官候補、またはその分隊が練へ昇格する時に優先して名前を受ける人物として考慮できる。

#法 — 分隊背景熟練

分隊の背景が特定の作業に明らかに合っているが、別に熟練者を立てるにはシーンが軽い時に使う簡易処理である。

発動条件:

  • 分隊の出身、任務、装備、兵種がその作業に合っていなければならない。
  • その作業は非戦闘作業でなければならない。
  • その分隊に、すでにより具体的な規則があってはならない。

効果:

その分隊は、その作業で未熟練ペナルティを受けない。この時、分隊は該当技能を入門相当として扱う。

判定:

分隊だけで処理する場合、次の判定を使う。

2d10 + 0 >= 目標値

たとえば工兵隊を動員すれば、単純な解除、架橋、陣地補強、障害物除去を +0 で判定できる。

重複制限:

この処理は、明示された補助分隊効果、勢力固有兵種効果、有名分隊の固有素養・固有戦法を置き換えたり強化したりしない。すでに航海熟練応急医術偵察 +3偽装判定 +3のような具体的な規則があるなら、その規則を優先する。

熟練者との関係:

同じシーンで分隊背景熟練と分隊熟練者確認を同時に適用しない。素早く背景だけを反映したいなら分隊背景熟練を使い、名前のある人物を立てたいなら分隊熟練者確認を使う。

戦闘制限:

この規則は戦闘、分隊命令、分隊攻撃、防備、戦力、結束力、制圧力には影響しない。


#合戦 (合戰, Mass Battle)

#香 — 5万名を追跡するな

関東の平野で二つの大名陣営が向かい合う。5千 vs 7千。これらすべてを一人ずつ追跡するのは不可能だ。— そして、その必要もない。英雄の刀は戦場の一点を貫き、その一点が運命の秤を傾ける。

#法 — 合戦スケーリングガイド

#核心原則

5人分隊 1個は「5名」ではなく、「戦場の一単位」である。5名かもしれないし、50名かもしれないし、500名かもしれない。ルールは同じである。

#スケール表

大規模単位分隊表現備考
100名部隊卒分隊 1個 (戦力 1)標準
500名部隊卒分隊 3個 + 練 1 + 将 1「百人隊長」まとめ
1000名部隊卒分隊 5個 + 練分隊 1個 + 将 1部隊長
5000名軍卒分隊 10個 + 練 5個 + 将 3 + 主 1主力

#将と主の再解釈

大規模合戦では、将/主は単一キャラクターではなく「指揮分隊」である。本人 + 護衛兵 5~10名をまとめ、1ユニットとして扱う。

#スケール時の変更事項

  • 戦力数値はそのまま (分隊あたり 1戦力は絶対値ではなく相対比率)
  • 活力/制圧力/結束力はいずれも同じルール
  • ただし、ひとつの分隊が消えても「全軍瓦解」ではない (叙事的決定)

#GM助言 — 一点に集中せよ

大規模合戦全体をルールで実装しないこと。5千 vs 7千の戦闘は「主人公が活躍する一つの区域」に圧縮する。その一つの区域の勝敗が全体戦勢に影響する、という叙事をGMが与える。

良い合戦シナリオの構造:

  1. 導入: GMが全体戦況を描写 (数万の軍勢、旗、太鼓の音)
  2. 任務付与: 「そなたらの部隊は敵本陣の側面を攻撃せよ」
  3. 一区域戦闘: 5人分隊 vs 5人分隊規模に圧縮された戦闘
  4. 結果反映: この戦闘の勝敗が全体戦勢に及ぼす影響を叙事で表現

プレイヤーが5万名を一人ずつ追跡する必要はない。彼らの刀が一点を貫くことこそが、ルールの目的である。

詳細: 合戦シナリオガイド §戦勢の核心 5類型参照。


#無指揮分隊 (無指揮部隊, Leaderless Squads)

#香 — 旗が倒れる

主の旗が倒れる。配下は迷う — 誰の命令に従えばよいのか。逃げる者、持ち場を守る者、刀を抜いて前へ出る者。無指揮状態は、分隊の本来の性格が露わになる瞬間である。

#法 — 無指揮差等表

#発動条件

指揮官(主/将)が戦闘不能または戦場離脱した時に発動。分隊は結束力を即時 -1し、次の間合からカウント 1に自動行動をロールする。

#部隊属性決定 (シナリオ開始時)

分隊の無指揮表はシナリオ開始時に決定される。シナリオ中に分隊の任務が変わっても、表はそのまま維持する — 無指揮状態は本来の性格を露わにする瞬間であり、任務によって変わるものではない。

GM決定ガイド:

分隊タイプ使用表
正規軍 (カグラ藩など標準)正規軍表
明確な防御任務 / 援軍待機防御任務表
狂信 / 忠誠 (一向一揆、比叡僧兵)狂信表
強制徴集兵 / 農民軍徴集兵表
本能的存在 (小鬼、野獣、魔人)狂暴表

#無指揮行動表 (1d10)

1d10正規軍表防御任務表狂信表徴集兵表狂暴表
1~3後退 (外郭へ)持ち場を守る討った者へ一斉攻撃瓦解最も近い敵を攻撃
4~6持ち場を守る持ち場を守る討った者を攻撃瓦解最も近い敵を攻撃
7~9一斉攻撃持ち場を守る持ち場を守る後退持ち場を守る
10瓦解 (結束 0)一斉攻撃討った者を攻撃持ち場を守る瓦解

行動解説:

行動効果
後退最も近い味方後列または外郭へ移動。結束力追加 -1。
持ち場を守る防御姿勢、制圧力半分。行動なし。
一斉攻撃最も近い敵に自動一斉射撃判定。命中強度表適用。
討った者を攻撃指揮官を討った敵へ無条件に攻撃。他の敵は無視。(狂信分隊専用)
最も近い敵を攻撃本能的攻撃。敵の強度を問わない。
瓦解結束力 0。分隊解体。次の間合から行動なし。

#練級の臨時指揮権

  • 同じ区域に練級ユニットがいれば、次の小康段階に臨時指揮権を握ることができる。
  • 臨時指揮宣言後、その分隊は再び通常の分隊命令で行動可能。
  • 制限: 臨時指揮中の練は自分の行動 vs 分隊指揮のうち1つを選ぶ
  • 自分の行動: 通常の練として分隊命令を受けて行動
  • 分隊指揮: 自分の活力で分隊命令を発動 (将の分隊命令費用と同じ)
  • 臨時指揮権を握った練が戦闘不能になれば、再び無指揮状態。
  • 同じ区域に練が複数いれば、GMまたは結束力が最も高い一人だけが指揮可能。

#臨時指揮 → 永久昇級

臨時指揮権を握った練が戦闘を生き残り、分隊結束力が 0に到達していなければ、シナリオ終了後に将へ昇級可能 (GM裁量)。上記の分隊昇級表の「将級部隊長の成長」と同等。


#分隊昇級 (部隊昇級, Squad Advancement)

#香 — 戦争が兵を作る

最初は震える手で槍を握っていた農民も、戦闘を重ねれば鉄の眼を持つ精鋭になる。分隊も経験を積めば成長する。その中から名を知られる部隊長も現れる。

#法 — 昇級条件

条件昇級効果
戦闘 3回 生存卒 → 精鋭卒[戦術:素養] 1個を追加習得。GMが選ぶか、秘伝書で付与。
戦闘 5回 生存 + GM判断卒 → 戦力 +1、防備 +1、戦術スロット +1 (型または構え 1個追加)。
練 戦闘 5回 + 叙事的節目練 → 戦術スロット +1。ネームド部隊長登場 — 名前と性格を付与。NPC性格生成器を活用。
将級部隊長の成長将 → 主級NPC個人キャラクターシートに転換。フル職業 + 陣営基盤。GMの叙事的判断。

#昇級制限

  • 昇級には叙事的説得力が必要。戦闘回数を満たすだけではならない。
  • 分隊全体が昇級するのではなく、分隊が上位等級分隊に置き換わる形。
  • 例: 卒 5名分隊が練へ昇級すると、人数は 3名に減る (精鋭化)。
  • 将級以上の昇級はキャンペーン節目 (領地防衛戦成功、大妖魔討伐参加など)。

#分隊装備規則 (部隊裝備)

#香 — 分隊に名刀を持たせたら?

名品刀を卒分隊に支給しても、その刀の真の力(名品技法)を発動することはできない。だが刀そのものが良いため、少しよく斬れる。分隊は道具の極限を引き出す存在ではない — 道具を手段として使うだけである。

#

装備タイプ分隊適用効果備考
一般武器標準適用 (分隊基本攻撃)
名品武器関連判定 +1。免許/名品技法未適用良い刀だが、卒が名人技法を使えるわけではない。
神器関連判定 +1。祝福/呪い未適用。献身技法未適用神器の祝福/呪いは主/将級個人だけが発動。卒/練分隊では単純な名品扱い。
精鋭武装 (精銳武裝)分隊全体の攻撃判定 +1金貨消費: 卒 3金貨、練 5金貨。永久。
戦術書 (戰術書)[戦術:型] 1個を永久追加金貨 10~20。市場購入可能。
秘伝書 (秘傳書)[戦術:構え] または [戦術:素養] 1個を永久追加シナリオ報酬/流派連携。唯一品。

#戦術書/秘伝書規則

  • 戦術書/秘伝書には神器がない。戦術は人間が作ったものだからである。
  • 戦術書: 量産可能。写本制作可能 (学者判定 >= 13、金貨 5)。
  • 秘伝書: 唯一品。写本不可。失えば終わり。
  • ひとつの分隊が保有できる戦術書/秘伝書合計: 2個まで

→ 戦術書/秘伝書の名品一覧は装備と消耗品に収録。


分隊は前線の柱である。柱が崩れれば戦場が崩れる。柱が育てば — 城になる。