日本語版 v1.3.3

#領地地理 — 鏡山の地図

目次

本編参照

- 必須: 戦国の土地 · 区域戦術

- 参考: 移動・遠征 · 領地管理

- この補充内: 結界システム · 領地施設 · 結界境界イベント


#香 — 掌ほどのこの土地

地図を広げれば、領地は掌ほどだ。 畳めば懐に入る。

北から南まで半日にも満たない距離。子どもの足でも半日。昔はこの孤立が祝福だった。戦国の乱世がここまで届かなかったからだ。国人であるカミジョウ家が3代守ってこられたのは、勇猛だったからではなく、誰も覗き込まなかったおかげだった。

今は違う。この小ささが牢獄の大きさだ。結界の内側なら半日で端から端まで行ける。その端に立つと — 手を伸ばせば結界に触れられる。触れるな、と陰陽師は言う。結界が人の体温を覚えると、その側の領域が薄くなるのだと。

800人がこの掌の上で暮らしている。東端で起きたことを、西端では一時間以内に知ることができる。 距離は隠せない。秘密は隠せない。死は隠せない。

朝霧が晴れると地図が見える。城砦一つ、神社一つ、井戸一つ、鍛冶場一つ、農地五片、村の家120軒。それがすべてだ。そのすべてが、我々が守るものである。


#法 — 領地全体構造

#基本寸法

項目
領地面積2里 × 2里 (現実 4km × 4km)
結界半径 (球形)1里 (2km) — 領地中心基準
結界高度約500間 (900m) — ドーム頂点
地面高低差北高南低 — 約80間 (140m)差
住民居住面積領地中心0.7里 × 0.7里 (1.4km四方)
農地面積領地面積の約30%

#方位・地形

  • : 山(鏡山支脈)。結界外へ出ると黒縄地獄の捕縛の森
  • : 小川・貯水池。結界外は叫喚地獄の煮える湖
  • : 旧官道につながる。結界外は等活地獄の血を流す荒野
  • 西: 崖・廃石場。結界外は境界不明、霧。(現セッションでは不明)

西は3章以後に探索解禁。 1~2章の遠征は北・東・南の3方位に限定。


#6区域詳細

領地内部は6つの主要区域に分かれる。各区域は区域戦術ルールの単一区域として扱う。戦闘発生時は、その区域の地形特性を適用する。

#1. 城砦 — 本館

位置:  領地北側の丘陵、鏡山南斜面下段
規模:  本棟1、付属建物3、内庭1
人員:  領主家7 + 家臣20 + 下人15 (合計42)
資材:  石・木・土壁

カミジョウ家の住まいであり、領地行政の核心。3代目の建物で、父の生前最後の増築は15年前。戦国の城郭と呼ぶには小さく、官邸と呼ぶには武器が多い。

  • 内庭 (うちにわ): 毎朝会議が開かれる砂利敷きの庭。中央に古い松が一本。
  • 主室 (しゅしつ): 領主アキヒサの執務室。父の巻物が保管されている。
  • 客殿 (きゃくでん): 外部客の応対用。漂流以後ほぼ空き部屋。一時的な避難所としても使用可能。
  • 櫓 (やぐら): 本棟に付属した3階の物見櫓。結界全体を見渡す。01-04施設参照。

GM運用: 城砦シーンは政治的・私的場面に適する。決闘・訓練シーンも内庭で。

#2. 神社 — 結界の中心

位置:  領地北東の森、城砦から徒歩20分
規模:  本殿1、拝殿1、社務所1、祭器庫1
人員:  陰陽師ホシノ・ゲンショウ + 巫女2 + 神主1 + 雑役3 (合計7)
資材:  高級檜・漆器・霊石

領地結界の物理的起点。ホシノ・ゲンショウが結界維持儀式を行う場所。本殿地下に合核祭壇を設置可能(01-05アップグレード)。

  • 本殿 (ほんでん): 神体(神體)が奉安された場所。一般人立入禁止。結界維持儀式はここで行う。
  • 拝殿 (はいでん): 一般参拝者用。住民が毎朝訪れる場所。集団祈祷で士気 +1ボーナス可能(01-06参照)。
  • 社務所 (しゃむしょ): 陰陽師の執務室兼宿所。ゲンショウの個人空間。
  • 祭器庫 (さいきこ): 儀式道具の保管庫。核貯蔵庫としても活用可能。

GM運用: 結界判定シーン・陰陽師RPシーン・重大儀式シーン。週日夜のセッションエンディングはここ。

#3. 村 — 中心居住地

位置:  領地中央、神社南側・城砦南側の交差点
規模:  家約120軒、中央広場1、路地多数
人員:  住民約480 (領地総人口800の60%)
資材:  茅葺・木造・藁屋根

カガミヤマの心臓。家々は中央広場(井戸中心)へ向けて放射状に伸びている。

  • 中央広場: 井戸のある庭。領地会合・祭り・告示はここで行われる。集団行事空間
  • 長屋通り: 職人・商人家族の連棟住宅。
  • 農民居住区: 村外郭。農地に最も近い側。
  • 共同体施設: 医院(醫院)、穀倉、製粉所。01-04施設参照。

GM運用: 住民相互作用シーンの基本舞台。ほとんどの日常場面。住民士気の現状をこの区域の音・匂いで演出する。

#4. 井戸 (井戶) — 中央広場の心臓

位置:  村中央広場の真ん中
規模:  直径1間(1.8m)、深さ12間(22m)
人員:  井戸当番2名 (週間交代)、利用者80名/日
資材:  石・木 (釣瓶)

この領地の唯一の飲料水源。井戸一つで800人の水。漂流前からそうであり、漂流後もそうだ。

  • 水質: 清い。霊界の気配は宿っていない — 地脈が結界の向こうまで抜けていると陰陽師は主張
  • 深さ12間は奇妙なほど深い。掘ればさらに深く出るかもしれないという。
  • 祈祷水: 毎朝、神社で最初に汲む水桶一つ。浄め水として使用。

GM演出ポイント:

  • 井戸が涸れれば領地は死ぬ。この事実だけで緊張感がある。
  • 井戸端は情報が最も早く巡る場所。住民会話シーンの基本背景。
  • 妖魔が井戸へ侵入するイベント → 結界危機との連鎖。01-04参照。

#5. 鍛冶場 — 火の心臓

位置:  領地西側外郭、村と農地の間
規模:  炉2、作業場1、倉庫1、宿所1
人員:  棟梁ノハチ(67歳) + 息子カンスケ(28歳) + 見習い3 (合計5)
資材:  耐火煉瓦・鋳鉄・木炭

領地の武器・農具を一手に担う唯一の職人施設。毎朝から夜まで槌音が聞こえる。その音が途切れたなら、何かが間違っている。

  • 主な産出: 槍、打刀、農具、釜、釘。
  • 月間生産: 武器約4本、農具約10点。
  • アップグレード: 01-05鍛冶場1~3段階 — 重甲・名品武器解禁。

GM演出ポイント:

  • 槌音のリズム = 領地の脈拍。
  • 鍛冶場焼失は致命打。武器補給停止 + 領地士気 -2。
  • 棟梁ノハチの息子カンスケは分隊補充待機者の有力候補。

#6. 農地 (田畑) — 領地の胃

位置:  領地南側平野、村から徒歩5~15分
規模:  五片 (大きな田3、畑2)、合計約120町歩
人員:  農夫380名 (領地人口の半分)
資材:  畦・灌漑水路 (井戸と結界地脈接続)

領地食糧自給の基盤。年収5,000石がここから出る。漂流以後、土壌が微妙に変わり始めた — 米粒が普段より少し黒くなり、収穫量が10%減った。

  • 田3片: 北・中・南田。水は結界北東の小川から灌漑。
  • 畑2片: 野菜栽培・銀採掘(銀は旧領地の特産品)。
  • 稲以外の作物: 蕎麦、豆、薩摩芋、大根、葱。
  • 家畜: 牛6頭、鶏60羽。馬は城砦に3頭(領主・家臣用)。

GM演出ポイント:

  • 農地イベントは週間補給判定と接続する。凶作時は士気 -2。
  • 農地の端が結界境界線。結界境界イベント発動可能。
  • 霊界の影響で作物がゆっくり変質していくことが長期緊張要素。

#霊界境界 — 3方位の風景

結界の外は、もはや日本ではない。三つの風景がそれぞれ別の地獄へつながる。(西は霧により3章以後探索可能。)

#北側境界 — 黒縄(黑繩)の森

風景:        結界外50間地点から黒い木々が生え始める。
             木は**鉄鎖**を骨としている。風が吹くと鎖同士が擦れる。
音:          鉄を引っ掻く音。絶え間なく。昼でも聞こえる。
匂い:        錆びた血の匂い。長く嗅ぐと舌先に錆の味。
視界:        森の中30間以上不可。距離がわからないように歪む。
初遭遇妖魔:   黒奴隷(卒)、鎖蛇(練) — 第2章主舞台

#東側境界 — 叫喚の湖

風景:        結界外へ100間の平地の先、巨大な煮える湖。
             水は赤く、常に煮えている。湯気は西へ流れる。
音:          水が煮える音 + 時おり人の悲鳴。
             (悲鳴は湖底に沈んだ旧漁村のもの)
匂い:        煮える血。塩。焼けた肉。
視界:        昼は湖半里まで。夜は湯気のため50間も見えない。
初遭遇妖魔:   溺死鬼(卒)、湖奴隷(練)、大蟹妖魔(将) — 第3章主舞台

#南側境界 — 等活の荒野

風景:        結界外へ果てしなく広がる乾いた平原。草はなく血痕だけ。
             古い獄車が点々と立っている — 一度負けると土を吐く。
音:          風の音。時おり遠くで太鼓の音(どこかはわからない)。
匂い:        古い血。埃。
視界:        平原なので遠くまで見える。しかし**地平線が上へ曲がっている**。
初遭遇妖魔:   蘇生鬼(卒)、永遠病者(練)、反復殺(将) — 第1章主舞台

#西側境界 — 霧の領域

風景:        3章以後解禁。崖の向こうに**霧で塞がれた境界**。
             霧の中に**かすかな門**の影が見える。距離不明。
音:          なし。音が吸収される。
匂い:        なし。匂いも吸収される。
視界:        10間以下。
初遭遇妖魔:   焦熱妖魔 (4章)、無間接点NPC (5章)。

#防衛構造 — 3層防衛線

領地防衛は内から外へ3層である。

#1層 — 結界 (最外)

  • 領地全体を覆う球形結界。
  • 結界HP 100システムは01-02参照。
  • 物理的には見えないが、結界線に近づくとかすかな青い震えが見える。
  • 結界に直接触れると手が痺れる + 活力 -1 (接触時間ごと)。

#2層 — 城門と柵 (中)

結界が破れても即座に領地中心が露出しないよう作られた物理防衛線。

方位構造物状態守備
北門石・木複合、3間幅良好警備2人昼間・3人夜間
東門木・板、3間幅中程度 (修繕必要)警備2人昼間・2人夜間
南門石・木複合、4間幅良好警備3人昼間・3人夜間
木柵、高さ2間良好 (老朽)巡回1回/2時間

西門はない。 西側崖が自然防壁。

#3層 — 城砦と村周辺 (內)

領地中心部の最終防衛線。城砦は小規模要塞として機能する。

  • 城砦外郭に石垣(高さ2間、厚さ1間)
  • 城砦内庭に非常鐘 — 鳴れば全領地警報
  • 村中心部の井戸周辺が最終避難所の役割
  • 避難所施設参照。

#3層突破シナリオ

結界(1層) → 城門/柵(2層) → 城砦周辺(3層)の順で突破された場合、領地崩壊エンディング。クライマックスでのみ発生可能。

  • 1層崩壊: 結界HP 0。
  • 2層突破: 北・東・南門のいずれか陥落。
  • 3層突破: 城砦内庭侵入。

各段階ごとに領地士気 -3、結界HP復旧不能状態へ移行。


#地図テキスト描写 — GM俯瞰図

                    [北]
              (黒縄の森 - 鎖)
                     ↑
                  ┌──╫──┐ 北門
                  │     │
         鏡山    │ 城砦│
          丘陵    │  ●  │
                  │     │
                  │ 神社│
                  │ ⛩  │
    [西]──────────╢井戸 ●╫──────────[東]
   (霧)           │     │         (叫喚湖)
   崖             │ 村  │          小川・貯水池
                  │ ▓▓ │
                  │     │
                  │ 鍛冶│
                  │ 場🔥│
                  │     │
                  │ 農地│
                  │ ≋≋≋│
                  └──╫──┘ 南門
                     ↓
                    [南]
              (等活の荒野 - 血)

(※ このテキストマップはセッション開始時にプレイヤーへ公開推奨。進行に応じて西側霧境界の解禁を表示。)


#週間移動ルール (領地内)

領地内部の移動は基本的に即時。ただしいくつかの例外がある。

移動区間時間判定
城砦↔村中央徒歩15分不要
村↔神社徒歩20分不要
村↔鍛冶場徒歩10分不要
村↔農地端徒歩5~15分不要
城砦↔結界端 (北)徒歩40分不要
結界端巡回 (全体)徒歩2~3時間不要、ただし夜間時は士気 -1

#夜間移動

夜の領地は変わる。

  • 結界がかすかに光る → 領地全体が青い気配。
  • 単独移動禁止の規範 (住民は2人以上で動くようにする慣習)。
  • 結界端への接近は非常に危険 — 妖魔が結界外から見ているという噂。
  • 夜間移動時は2d10を振る。1-1大失敗時、「結界境界の奇妙なもの」を見る(結界境界イベント参照)。

#地理と施設の接続

区域主な施設アップグレード解禁
城砦本館、物見櫓2章以後
神社神社本殿1章以後
医院、井戸、避難所それぞれ条件
鍛冶場鍛冶場1章以後
農地農場、倉庫2~3章
城門城門 (3つ)1章以後

各施設の詳細は01-04領地施設、アップグレード経路は01-05参照。


#GM運用のコツ — 地理を生きたものにする

#掌ほどの感覚を保つ

  • 距離を時間単位で言う。「徒歩15分」は明確だ。
  • 住民を名前で呼ばせる。「あの家の前を通った」より「ゴロベエの家の前を通った」。
  • 同じ場所へ何度も戻らせる。井戸・中央広場・神社拝殿は反復背景。

#方位感覚を作る

  • セッション開始時に「今日の北の空はどうか」を一文描写。
  • 鎖の音・水が煮える音・荒野の風 — 境界方位の固有の音を領地内でもかすかに。
  • 結界外の風景変化は大結界イベントの伏線

#この地理でできる場面

  • 夜の井戸場面: 一人で水を汲む住民、結界外から誰かが見ているような感覚。
  • 農地巡視場面: 領主が稲に触れて変質の有無を確かめる。
  • 物見櫓場面: 遠征帰還を待つ家族。午後中ずっと立って。
  • 鍛冶場場面: 槌音が止まったことがある。職人が病んだから。領地は一日中おかしかった。
  • 結界境界場面: 境界線に立って外を見ているうち、住民が無意識に手を伸ばす。

#地図公開のリズム

  • 1章: 領地中心部だけ明確。結界外部3方位は「霧」扱い。
  • 2章: 北側黒縄の森解禁(探索完了地域のみ)。
  • 3章: 東側叫喚の湖解禁。
  • 4章: 南側等活深部まで解禁。
  • 5章: 西側霧境界解禁。

#シート様式 — GM追跡用

[地理状態シート]
現在週: ___週目

方位別緊張度 (0~5):
  北(黒縄): ___
  東(叫喚): ___
  南(等活): ___
  西(霧): ___ (3章後)

6区域状態:
  城砦:    正常 / 警戒 / 非常 / 陥落
  神社:    正常 / 警戒 / 非常 / 陥落
  村:      正常 / 警戒 / 非常 / 陥落
  井戸:    正常 / 汚染 / 閉塞 / 枯渇
  鍛冶場:  稼働 / 減速 / 停止 / 破壊
  農地:    正常 / 減産 / 凶作 / 不毛

防衛線状態:
  結界:    結界HP ___/100
  城門:    北 ___/4, 東 ___/4, 南 ___/4
  柵:      ___%健在
  城砦:    正常 / 準備 / 非常

今週の境界イベント:
  ___

次週予想:
  ___

専用シートは80-04-domain-sheet.md参照。


#接続文書


「私の掌の上にあるすべてを、これから私と君たちが守る。それは小さい。だから守れる。」 — カミジョウ・アキヒサ、最初の週間会議開会の言葉。