日本語版 v1.3.3

#サイドクエスト 07 — 鏡の中の自分

目次

本編参照

- 必須: 三道六心 · 非戦闘判定 · ダイス体系

- 参考: 精神耐性 · 背景

この補足内参照

- 必須: サイド索引 · 霊界位相 · 地獄GMガイド

- 必須: 霊界移動 · 結界システム

- 参考: 霊界の知性体 · 隠棲陰陽師


#§ 概要

項目
段数区間5~7段
推奨セッション1セッション (3~5時間)
領地時間消費1~2日 (移動含む)
強制イベントいいえ
核心メカニクス心理判定連鎖 · 三道六心の全軸同時試験 · 鏡との対話
推奨アーク配置第4章 1~2幕の間 (キャラクター成熟後)
最終質問「自分自身を知ったなら、自分自身のままでいられるのか?」

#一行要約

叫喚地獄のある区域にある鏡の部屋。PCは一人ずつ入る。鏡はもう一人のPC自身を映す——別の選択をした自分。四つの鏡は四つの可能性。最後の五つ目の鏡は、まだ選ばれていないものの鏡。出る道は一つ——自分が何者であるかを認めること。

#設計意図

キャラクター背景の深度を再確認するサイド。三道六心の偏向が積み重なった時点で、その軸を確定または転換する機会。ゲーム全体で最も内面的なセッション。


#§ 香 — このクエストの空気

#導入朗読

「叫喚地獄の境界線で、一人の女がPCを迎える。女は人ではない。彼女の皮膚は鏡だ。PCが彼女を見ると、PCの顔が映る。彼女が言う。」

「『待っておりました。あなた方が来ると、あの方が言われました。』」

「『あの方』とは誰か、とPCが問うと、女は笑う。笑みは鏡面に一瞬しわを作る。そして消える。」

「『ついておいでなさい。ここから120歩。鏡の部屋です。そこで——あなた方はあなた方に会うことになります。』」

#感覚カード — このクエストの肌理

  • : 部屋の中では自分の心臓の音だけが聞こえる。他のすべての音は遮断される。自分の呼吸すら聞こえない。心臓だけ。
  • 匂い: 部屋の中には何の匂いもない。完全な無臭。逆説的に感覚を強くする。
  • : 青い霊火が五つ。五つの鏡それぞれの前にある。揺れない。
  • 触感: 床石は冷たくも温かくもない。皮膚と同じ温度。床が自分の皮膚のようだという錯覚

#香の核心

絶対的内面性。外部世界のすべての刺激が遮断された部屋。PCはただ自分自身と対話しなければならない。GMはこのクエストで演技より質問を重視する。鏡の台詞は短く鋭く。

#鏡の女台詞サンプル

「私に名はありません。顔もありません。私が映すものがすべてです。私はあなたが何を見たのか知りません。あなたが出た後も知らないでしょう。それが私の安らぎです。」

「五つの鏡があります。四つはあなたが生きなかった人生。一つはあなたが生きている人生。どの鏡の前にどれほど長く立つかは、あなたのものです。」


#§ 構造 — 4幕場面概要

#幕 1 — 鏡の女との出会い (叫喚境界, 30分)

女の登場。領地外の鏡の部屋についての説明。参加決定。準備。

#幕 2 — 部屋入場 · 最初の鏡との対面 (鏡の部屋, 30分)

PC 1人ずつ入場 (または同時入場中の個別体験)。最初の鏡 → 理想的自我。心理判定連鎖。

#幕 3 — 四つの鏡の巡回 (60~90分)

四つの鏡を順に対面する。各鏡は別々の三道六心軸の極端。各10~15分。判定 · 対話 · 決定。

#幕 4 — 五つ目の鏡 · 現在の自分 (45~60分)

最後の鏡の前。「まだ選ばれていないもの」の鏡。PCは何を選ぶかを宣言する。三道六心軸を確定または転換。帰還。


#§ NPC

#鏡の女 (カガミノオンナ)

Kagami-no-onna: woman in white hempen robe whose entire skin is mirror, long black hair, no eyes but a present gaze; no reflected image

  • 外見: 身長160cm。髪は長く黒い。皮膚全体が鏡面。衣は白い三衣。目はないが視線はある (どこを見ているかは分からない)。
  • 役割: 案内者。判断しない。部屋への出入り以外には介入しない。
  • 口調: 遅い。敬語。中立。
  • 特徴台詞: 「あなたが選んだものは私のものではありません。私はただ扉を開くだけです。」
  • 隠された事実: 彼女自身も過去に鏡の部屋へ入った者。数百年前に入り、戻れなかった者。彼女は自分の五つ目の鏡を拒否した結果、鏡になった。この事実はPCが知覚 目標値 17に成功すれば推測可能。

#四つの鏡の自我 (PC個別)

各PCは、自分自身の四つの変種を見る。これはGMとプレイヤーが事前協議後に準備すること。基本枠を提示する:

#鏡 1 — 安らかな自我 (安穏 · 無心の軸)

  • PCがすべての困難を回避した自我
  • 領地に入らなかった、または葛藤を避けた
  • 生きていて安定しているが、空虚

#鏡 2 — 無慈悲な自我 (魔の軸)

  • PCが倫理を完全に捨てた自我
  • 領地の資源を独占する、または住民を裏切る
  • 権力と富 · しかし孤独

#鏡 3 — 敗北した自我 (真軸の反転)

  • PCがキャンペーン途中で諦めた自我
  • 重要な決定から退いた自我
  • 平凡な生活 · 自己嫌悪の残滓

#鏡 4 — 極端な献身自我 (義 · 情軸の極端)

  • PCが原則 · 関係にすべてを捧げた自我
  • 健康と幸福を犠牲にした自我
  • 英雄視される · しかし自分自身として残っていない

#五つ目の鏡 — まだ選ばれていない自我

この鏡は逆向きに働く。PCが鏡の前で宣言したものが映る。この鏡は判定なしで作動する。宣言が即座に反映される。


#§ 各幕詳細

#幕 1 詳細 — 鏡の女との出会い

#場面設定

叫喚地獄の境界。低い丘の上。女が先に現れる。周囲で一瞬、風が止む。

#女の招待

PCのうち一人、または全員が鏡の部屋を体験できる。ただし同時入場時は各自の部屋が異なる——互いに会えない。

選択結果
個別順次入場各PCの体験が他のPCに共有される (帰還後報告)
同時個別入場各部屋で孤立 · 共有なし · 心理密度最大
拒否女は静かに消える · クエスト終了 · 後続叙事なし

#ゲンショウの警告 (事前相談時)

「あの部屋に入った者は、誰であれ同じ人間としては出てこない。より良い人になることもあり、悪い人になることもある。その判断は本人だけができる。領地の決定として送り出すなら、慎重でなければならぬ。」

#準備判定

判定目標値効果
精神整理技 13成功時、部屋内判定 +1
身体調整体 11成功時、帰還時の活力回復速度 +1
同行者信頼維持交渉 12部屋内で外部PCの合図を1回伝達可能

#幕 2 詳細 — 部屋入場 · 最初の鏡との対面

#場面設定

部屋の床は黒い黒曜石。天井は見えない。五つの鏡が半円状に配置されている。それぞれの前に青い霊火。鏡ごとに縁に小さな文字——鏡 1 · 鏡 2 · 鏡 3 · 鏡 4 · 鏡 5。

鏡 1~4は普通の鏡のように見えるが、映らない (黒い表面)。鏡 5はより大きく見え、少し反射する。

#鏡 1の前に立つ瞬間

鏡 1が目覚める。黒い表面からPCの姿がゆっくり現れる。だが——少し違う服。少し違う目。これが安らかな自我

#初対面台詞 (GMがPC背景に基づいて準備)

鏡 1のPC: 「どうして来たの? 私はここで一生過ごしたよ。領地の結界なんかに縛られずに。」

#対話判定

判定目標値結果
鏡との対話維持 (技)13成功時、三道六心の安穏/無心の影を認識
鏡の主張への反論 (勇)14成功時、この自我への否定 · 眞 +1
鏡の主張への共感 (情)12成功時、魔軸 +1 · 危険
鏡凝視からの脱出 (技)15成功時、次の鏡へ移動

#心理的損傷の可能性

鏡がPCの本当の欲望を正確に突いたとき、PCは恐怖 +1または活力 -2。これは部屋の中でのみ作動する。


#幕 3 詳細 — 四つの鏡の巡回

#鏡 2 — 無慈悲な自我

「お前は弱いから、その程度のことしかできなかったんだ。私がお前から役に立たないものを捨てた。だから私の方がお前より強い。」

#判定
判定目標値結果
鏡に「お前は私だ」と宣言勇 15成功時、魔軸認識 · 眞 +1
鏡否定技 14成功時、傷なし
鏡同調智 12危険 · 魔軸 +1

#鏡 3 — 敗北した自我

「君はずっと勝っているんだろう? 私は途中でやめた。それが間違いだったのかな。それとも——君が間違いなのかな。」

#判定
判定目標値結果
自己正当化智 13成功時、目の下に影 · 眞 -1
正直に答える技 14成功時、眞 +1 · 尊重
鏡を哀れむ情 11成功時、情 +1 · 鏡面に亀裂

#鏡 4 — 極端な献身自我

「あなたもここまで来られる。私よりもっと遠くまで。けれど——その時、あなたはあなたではないでしょう。私のように。」

#判定
判定目標値結果
献身の代価を問う智 14成功時、義 · 情の極端の危険を認識
同意宣言勇 15成功時、義または情 +2 · 危険
反対宣言智 13成功時、均衡認識 · 智 +1

#四つの鏡巡回終了

四つの鏡をすべて経たPCは中央に立つ。五つ目の鏡の前。鏡はまだ静かだ。

#共通ルール — 四つの鏡巡回中

  • 各鏡の前に最大10~15分滞在
  • 途中移動可能 (鏡順は自由)
  • ただし各鏡1回対面必須
  • 失敗判定は累積し、恐怖 +1/3回失敗

#幕 4 詳細 — 五つ目の鏡

#場面設定

五つ目の鏡は他の四つより大きい。表面がゆっくり動く——水のような表面。PCが前に立つと、鏡がゆっくり反応する。

#鏡 5のルール

この鏡はPCの宣言を反射する。PCが「私はOOする者である」と宣言すれば、鏡がその自我を見せる。

#宣言例と反映

PC宣言鏡反映三道六心
「私は領地を最後まで守る者である」結界前に立つ老年のPC忠 +2, 確定可能
「私は正義より家族を上に置く者である」子どもの手を握るPC慈 +2, 確定可能
「私は真実から目をそらさない者である」机の上の刃を見つめるPC眞 +2, 確定可能
「私は生き残るためなら何でもする者である」血に濡れた手のPC魔 +2, 確定可能
「私は弱者の前に立つ者である」住民の前に立つPC慈 +2, 確定可能
「私はすべての可能性を計算する者である」地図の前に立つPC眞 +2, 確定可能

#宣言判定

判定目標値結果
宣言の真正性技 15成功時、三道六心軸固定 (本編ルール)
失敗軸は固定されない · 偏向のみ維持

#五つ目の鏡の反応

宣言後、鏡がゆっくり変わる。最初は反射だけ。次にPCの未来の姿。次に首を巡らせてPCを見る。そして鏡が言う——これまでの鏡とは異なるそれはPCの声だ、20年後の。

鏡 5 (PC自身の声): 「...分かった。お前の選択を。私はお前として行く。」

#帰還

鏡 5が扉を現す。PCが通過する。部屋の入口に鏡の女が待っている。女はPCを一度見つめ、うなずく。

鏡の女: 「新しい人になりましたか? それとも同じ人になりましたか? どちらであれ——二度とこの部屋へ来てはいけません。」

#領地帰還

結界再進入。他のPCたちと再会。対話。共有は自由——PCが望む分だけ。


#§ 段階別進行ガイド表

チェックポイントタイミングGMプレイヤー合図
鏡の女登場0:00朗読反応鏡の皮膚
招待 · 選択0:10オプション提示入場決定女の微笑
準備判定0:20目標値 3種判定呼吸整理
部屋入場0:30扉描写通過霊火五つ
鏡 1 (安穏 · 無心)0:40安らかな自我対話 · 判定心臓の音
鏡 2 (魔)0:55無慈悲な自我対話 · 判定圧迫
鏡 3 (真反転)1:15敗北した自我対話 · 判定
鏡 4 (忠 · 慈の極端)1:35献身の自我対話 · 判定空虚
鏡 5対面1:55水面描写宣言準備沈黙
宣言2:10鏡反映真正性判定未来の姿
鏡 5の応答2:25自分の声聴取20年後の声
扉開放2:35出口描写通過霊火消灯
女と再会2:45うなずき感謝または沈黙鏡面
領地帰還3:00結界通過他PCと共有青い光
セッション終了3:20三道六心確定キャラクターシート更新宣言の残滓

#§ 成功/失敗分岐

#完全な自己認識 (5鏡すべてと対話 + 宣言成功)

  • 三道六心の一軸を確定 (キャンペーン中、変動不可)
  • 活力 · 戦力一時 -2 (心理的疲労) · 1週後復帰
  • 恐怖 +1 (一時)
  • 永久効果: 三道六心確定軸の関連判定 +1 (永久)
  • キャラクター叙事密度が大幅上昇
  • 自己宣言文をPC日記に記録

#部分認識 (3~4鏡と対話 · 宣言失敗)

  • 三道六心偏向 +1、一軸
  • 活力 -2 (疲労)
  • 恐怖 +1
  • 軸は固定されない · 後続機会あり

#鏡の攻撃成功 (鏡 2 · 4に共感時)

  • 魔または極端軸偏向 +2
  • 恐怖 +2
  • キャラクターのダークサイド覚醒
  • 後続セッションでNPCとの摩擦を演出

#鏡拒否 (中途脱出)

  • 変動なし
  • 活力 -1
  • 鏡の女が「戻っておいでなさい。いつか」
  • 後続機会を残す · 1回性ではない

#災厄 (鏡 3または4への過没入)

  • 三道六心の一軸を負の方向へ固定
  • 活力 -5 · 戦力 -2 (1週持続)
  • 心理的トラウマ · NPCに変化を気づかれる
  • 領地内関係の復元が必要

#§ 報酬

#基本報酬

資源最小最大
金貨00
士気00
00
結界HP00

物質的報酬なし。 このクエストの報酬は完全に叙事 · キャラクター次元

#特殊報酬

  • 三道六心軸確定: 最大の報酬。関連判定永久 +1。
  • 自己宣言文: PC日記に記録された「私はOOである」という文。キャラクター参考用。
  • 20年後の自分: 鏡 5の声が残した記憶。決定的瞬間の自己激励効果 (1回性、自律宣言)。
  • 鏡の女の最後の応答: 完全成功時、女がPCの真の名を一度呼んでくれる。この名は霊界でPCを守る符 (1回、霊界攻撃無効)。
  • 深い疲労の後の明晰さ: 1週後、すべての判定 +0 (回復)。ただし精神耐性は +2 (1週限定)。

#§ GMコントロール

#GM注意事項

  1. キャラクター背景の事前インタビュー必須。 セッション1週前に各プレイヤーと15~20分会話。四つの鏡の内容をプレイヤー別に合わせて設計。
  2. 鏡の台詞は短く鋭く。 説明しないこと。感情ボタンを押せ。
  3. 沈黙を許す。 PCが鏡の前で言葉を失い止まる瞬間を許す。その沈黙がこのクエストの密度。
  4. 他のPCは席を外してもよい。 鏡体験は個人的なもの。他のプレイヤーはしばらくゲーム外で休んでもよい。
  5. 三道六心確定の重み。 一度確定するとキャンペーン中は変わらない。プレイヤーがこの意味を理解しているか再確認。
  6. 判定数値より対話内容。 成功/失敗は数字ではなく、PCの宣言の真正性で。
  7. 共有は自由。 帰還後、他のPCに部屋内体験を話すかどうかはPCの選択。

#1セッション厳守

2セッション拡張禁止。このクエストは一セッションの強度が本質。延ばせば密度が分散する。

#リスク表

リスク対応
プレイヤーにキャラクター背景がない事前インタビューで構成 · またはクエスト延期
鏡の台詞に反応がないGMがPCの具体的な過去場面を直接挿入
判定連鎖失敗鏡の女が一時支援 (+1) · 一度だけ
他PCが退屈する各自の個別鏡体験を短く配分 (15分ずつ × PC数)
心理的過没入GMが「現実世界」への帰還場面を具体描写

#キャラクター別カスタム指針

このクエストはプレイヤー別カスタム設計。次の項目を事前確認:

  • PCの最大の後悔は何か?
  • PCが最も恐れる自分の側面は?
  • PCの親/師/仲間のうち、今最も会いたい者は?
  • PCが最後に宣言した誓いは?

回答に応じて鏡 1~4の内容を調整。

#後続の種整理

条件後続
鏡の女の名前完全成功PCが彼女の名前を発見 · 救済叙事
負の鏡固定災厄結末ダークサイドアーク · 救済または没落
自己宣言文完全成功キャラクター最終アーク基準点

#セッション終了チェックリスト

  • [ ] PC別三道六心確定軸記録 (ある場合)
  • [ ] PC別自己宣言文記録
  • [ ] 恐怖 · 活力変動
  • [ ] 鏡の女認識手がかり (知覚 目標値 17)
  • [ ] 後続叙事の種
  • [ ] 他PCとの共有範囲
  • [ ] 1週回復時間予約

#関連リンク


鏡はPCを映さない。鏡はPCが選ばなかった自分を映す。だから鏡は恐ろしい。PCではないものすべてがPCであり得たという可能性。このクエストはPCに「あなたは誰か」と問わない。「あなたは誰になると選んだのか」と問う。この差が、このセッションのすべてである。