日本語版 v1.3.3

#オープンワールドセクション索引 — 七つのダイス

目次

このセクションは何か。 領地が一週また一週を生きる間、どこで何が起こるのかをd100表6章 + 節気1章として広げたもの。章本編の合間にある空白の時間を埋める生きた背景

本編参照

- 必須: 非戦闘判定領地管理

- 参考: 三道六心妖魔図鑑戦国の地

- この補充内: 前提キャンペーンループ領地索引士気・恐怖結界核経済


#香 — 空白の時間の重さ

領地は一週間をこう生きる。

月曜の明け方、井戸端に水桶が並ぶ。火曜の朝、分隊が北門を開く。金曜の夕暮れ、帰らなかった者の名が柱に刻まれる。日曜の夜、結界が震える。その合間合間に、GMが埋めなければ空いたままの時間がある。

この空白の時間がオープンワールドである。

  • 誰かが泣いた。
  • 誰かが争った。
  • 北の森から鎖が一筋伸び、城門の前まで垂れ下がった。
  • ホシノ老人が昨夜奇妙な夢を見たという。
  • 井戸端で「領主が変わった」という言葉が広がり始めた。

この索引は、その空白の時間をダイスで振れるように整理した六つの表である。

一日を丸ごと振るわけではない。セッションが沈みかけた瞬間、GMが一度振る。d100を一度振れば、一つの場面が生まれる。


#法 — 七つの表の使い方

#一覧要約

番号文書何を振るかいつ振るか判定ダイス
20-01領地週間イベント領地内で起こる100種毎週月曜朝d100
20-02偵察遭遇領地外縁の偵察中偵察に出た時d100
20-03結界辺縁イベント結界自体に起こる異例週1回、または結界HP変動時d100
20-04噂の間領地・霊界の噂100個酒場・井戸端・城内シーンd100
20-05夢・悪夢PC・NPCの夢露出度蓄積・睡眠シーンd100
20-06節気行事新年・七夕・お盆・収穫・冬至該当する節気週2d10

#使い方の原則

  1. 一週間にすべての表を振らない。 ひとつ、またはふたつで十分。
  2. 振る時は公開で振れ。 プレイヤーがダイスを見る時、世界が生きていると感じる。
  3. 結果をすぐ読まない。 振った後、シーンの流れへ自然に溶かし込め。
  4. 数値影響は記録せよ。 士気 ±1、結界HP ±3は次の週に戻ってくる。
  5. 表にない結果も許可する。 d100が詰まった時はGM裁量で修正。

#表 — 七つの文書の深掘り要約

#20-01 領地週間イベント — 800人の一週間

領地内で一週間に起こる100種。肯定30・中立40・否定30の比率。

肯定は住民が自発的に何かをした時。老人が子どもに昔話を聞かせた。鍛冶場で鉄がよく抜けた。誰かが花を摘み、家の位牌の前に置いた。

中立は世界の雑音。雨が降った。犬が吠えた。井戸の釣瓶縄が擦り減った。

否定は生きている領地の疲労。誰かが争った。誰かが泣いた。誰かが逃げた。赤子が一晩中泣き、母があやさなかった。

主要数値影響:

  • 士気 ±1イベント 約40個
  • 結界HP ±2イベント 約8個
  • 核在庫 ±1イベント 約6個
  • 分隊判定影響イベント 約12個

振るタイミング: 毎週月曜朝、PC起床前または朝会議の直前。


#20-02 偵察遭遇 — 結界外の100の顔

領地結界の辺縁を偵察する時に遭遇するもの。難易度別4段階配分: 安全(25)・警戒(35)・危険(30)・致命(10)。

辺縁は完全な地獄ではない。等活地獄の遠い端、黒縄の最初の鎖が育つ場所、叫喚の熱い風が冷えて沈む場所。少しだけ越えた場所。そこで100種の出来事が起こる。

枯れ木から若芽が出る。地獄武者が一人で座っている。空から雪ではなく紙が降る。遠い異界の鐘の音が聞こえる。昨日死んだ住民が向こう側から歩いてくる。

難易度構造:

  • 安全25: 叙述・手がかり・核1~2個の回収
  • 警戒35: 妖魔1体、または目標値 11~13判定
  • 危険30: 妖魔2~3体、または目標値 15判定
  • 致命10: 主級妖魔、またはPC重傷リスク

振るタイミング: 偵察分隊派遣時、またはPCが結界外1間合以内を探索する時。


#20-03 結界辺縁イベント — 薄い皮膜一枚の100の震え

結界自体で起こる異例。弱化40・強化25・異例35の比率。

弱化は期待値。鎖が結界の上を引っかく。棘が刺さる。光がぼやける。数値は結界HP -2から-10まで。

強化は稀。住民の集団祈祷が結界へ絡んだ。通り過ぎる霊的存在が結界に礼を示して去った。井戸に溜まった一滴の水が結界内側に凍りつき、薄い補強となった。

異例は数値以上のもの。結界が見えない誰かの手を見せた。結界の向こうでPCの顔がPCを見た。結界が一度だけ — ただ一度だけ — 内と外を入れ替えた。

主要数値影響:

  • 結界HP ±2イベント 約60個
  • 結界HP ±5イベント 約20個
  • 叙事専用イベント 約20個

振るタイミング: 毎週日曜夜の結界維持判定直前、または結界HP変動が5を超えた時。


#20-04 噂の間 — 口から口へ渡る100のこと

領地住民60個 + 霊界噂40個。真40・虚言30・欺瞞30の比率。

真は収集可能な手がかり。北門警備が夜ごと一人で笑うという噂 → 確認すると実際に侵食された者。

虚言は根拠のない言葉。ゲンショウ老人は実はもう死んでいるという噂 → 事実ではない。しかし聞く者の心への影響は残る。

欺瞞は意図された嘘。誰かが流した言葉。侵食された住民、こちら側についた霊界存在、または裏切り者。追えば罠だが、その過程で裏切り者を捕まえられる。

主要軸:

  • 領地噂60(住民発40 + 家臣発15 + 領主発5)
  • 霊界噂40(偵察隊発20 + 漂流民発10 + 妖魔発10)

振るタイミング: 酒場・井戸端・城内応対シーン前、またはPCが「噂を聞いてみる」と宣言した時。


#20-05 夢・悪夢 — 眠る者に見える100のこと

PCまたはNPCの夢。予言35・警告35・誘惑30の比率。

予言は来る章のヒント。不正確で詩的だが、当たってから「あの時の夢だった」と回想される。

警告は来る1~2週以内の危険。「南の農地から血混じりの水が出る」という夢 → 実際に翌週の農地事件。

誘惑は霊界露出の一面。地獄の存在がPCの夢に入り、条件付き取引を提案する。受け入れると短期利益、長期露出度 ↑。

露出度蓄積別トリガー:

  • 露出度0~2: 振らない(平凡な夢)
  • 露出度3~5: d100を一度
  • 露出度6~8: d100を二度振り、高い方を選択
  • 露出度9+: d100を二度振り、低い方を選択(より危険な夢)

振るタイミング: PCが睡眠・休息を宣言した時、露出度確認後。


#20-06 節気行事 — 領地の五つの夜

新年・七夕・お盆・収穫・冬至の五つの節気。各節気ごとに住民RP・ミニシナリオひとつ・領主の役割・士気連鎖。

新年(旧暦1月1日) — 「新年の最初の鐘が鳴る。領地は霊界に来て初めての正月を迎える。」 七夕(旧暦7月7日) — 「割れた月の下で恋人たちが会わねばならない夜。霊界の空にも二つの星はある。」 お盆(旧暦7月15日) — 「冥府の門が最も薄くなる夜。すでに霊界にある領地では、この門はさらに薄い。」 収穫(旧暦9月中旬) — 「収穫と呼ぶが、収穫できる米は半分にも満たない。」 冬至(旧暦11月下旬) — 「最も長い夜。結界が最も長く試される夜。」

各節気には、領主アキヒサの公式な役割が与えられる。彼がうまく果たせば士気 +2。逃せば-2。

振るタイミング: 該当する節気週に必ず発動(振るものではなく、起こるもの)。


#連動マップ — オープンワールドの内側回路

六つの表は孤立した6枚ではなく、つながった一つの体である。

[週間イベント 20-01] ──→ [士気] ←── [噂 20-04]
        │                 │            ↑
        ↓                 ↓            │
    [結界HP] ← [結界 20-03] ← [偵察 20-02]
        │                             │
        ↓                             │
     [核在庫] ←────────────── 回収 ──┘
        │
        ↓
     [露出度] ───→ [夢 20-05] ──→ [誘惑受諾]
        ↓                              │
     [節気 20-06] ←────────── 定期行事 ┘

#代表連鎖

  • 噂(20-04)発生 → 士気 -1 → 週間イベント(20-01)の否定確率 ↑ → 再び噂発生。悪性ループ。
  • 偵察遭遇(20-02)成功 → 核回収 → 結界強化(20-03) → 住民安堵 → 士気 +1 → 肯定週間イベント(20-01)。健全ループ。
  • 夢(20-05)誘惑受諾 → 露出度 +1 → 次の夢がより危険 → 蓄積 → 節気(20-06)で爆発。悲劇ループ。

#週間運用ルーチン(GM用)

#標準の週1回振りパターン

曜日シーン振る表備考
月朝井戸端20-01 d100 × 1一週間のトーン
火~木遠征・偵察20-02 d100 遠征間合ごと1遭遇
金夕帰還20-04 d100 × 1帰還後に聞こえる噂
土夜小康20-05 d100(条件付き)露出度3+ PCのみ
日夜結界注入20-03 d100 × 1維持判定直前
節気週節気当日20-06 該当節気自動発動

GMが疲れないコツ: 一週間に三表以上振るな。トーンが消える。

#トーン配分原則

領地の一週間には感情曲線がある。

月 緊張 → 火 行動 → 木 絶頂 → 金 安堵 → 土 疲労 → 日 恐怖 → 節気で爆発

緊張週: 主に20-01否定20-03弱化。 安堵週: 主に20-01肯定20-02安全。 恐怖週: 主に20-05誘惑20-03異例。 祭り週: 20-06がすべて。他の表は振らない。


#難易度・数値影響標準

すべてのd100表は次の標準を共有する。

影響数値頻度(表ごと)
士気 +1+115~20回
士気 -1-115~20回
士気 +2+23~5回
士気 -2-23~5回
結界HP +2+25~8回
結界HP -2-28~10回
結界HP ±5以上±5~155~8回
核在庫 ±1±13~5回
恐怖 +1+15~8回
露出度 +1+13~5回
叙事専用(数値 無)10~15回

この範囲内で、各表が固有のトーンを持つ。


#新規規則警告

このセクションの六つの表は、本編にはないこのキャンペーン固有のd100イベントセットである。

  • 本編は遭遇表を妖魔図鑑に戦闘中心で整理する。
  • このセクションは非戦闘叙事イベント比率70%以上。
  • 特に夢・噂・結界異例は、数値で完全には追跡されない感覚リソースを消費する。
  • 本編への逆輸入禁止。

#表選択フローチャート

オープンワールドが凍りついた感じがする時、GMが使う流れ。

今週は静かか?
  いいえ → [20-01] 否定区間だけ振り直せ
  はい
    PCが結界外に出たか?
      はい → [20-02] 振れ
      いいえ
        PCが誰かと会話中か?
          はい → [20-04] 振れ
          いいえ
            PCが眠ろうとしているか?
              はい → [20-05] 条件確認後に振れ
              いいえ → [20-03] 結界側の雰囲気を一行描写

#接続セクション


#使用のコツ — 三度の試験で得たもの

最初の試験。 GMが毎週すべての表を振った。セッションが市場の騒音のように聞こえた。プレイヤーは何が重要なのか分からなかった。失敗

二度目の試験。 GMが表をまったく無視した。領地は「背景」としてだけ残った。士気数値が動かなかった。失敗

三度目の試験。 GMが一週間に二表だけ選んだ。ひとつは必ず振り、ひとつは状況を見て決めた。成功


「領地では毎週100のことが起こる。我々が見るのは、その中のひとつだ。それだけでも、すでに多い。」 — 家臣コバヤシ・イワオ、月曜会議をまとめながら。