日本語版 v1.3.3

#第1章 3幕 — "血の高原で"

目次

セッション3詳細。 等活の荒野深層探索。血の高原 → 崩壊した社跡発見。PC 2段。将級妖魔への接近遭遇 + 帰還の最初の手がかり。

本編参照

- 必須: ダイス体系 · マヌーバ体系 · 間合・一呼吸

- 必須: 妖魔図鑑: 鬼

- 参考: 非戦闘判定 · 軍学・感知

この補遺内参照

- 必須: 霊界移動ルール · 霊界位相 · 等活GMガイド

- 必須: 核経済 · 結界システム

- 必須: 家臣6人 · 若き領主

- 同じ章: 章概要 · 2幕 · 4幕 · 章NPC · 章妖魔


#香 — このセッションの感覚

#導入朗読

"外に出て二日目だ。最初の夜は結界の内側で過ごした。二つ目の夜は — まだわからない。"

"領地が背後にある。二つの丘の向こうに。その二つの丘は、今朝にはもう見えないほど遠くなった。霊界は歩みごとに領地を遠ざける。"

"前方に血の高原がある。平原が一度盛り上がり、その盛り上がった場所に赤いものが溜まっている。水ではない。水が乾き、薄い膜として残ったものだ。踏めば足裏が赤くなる。"

"高原の中心に — 何かが立っている。崩れた神社。鳥居が半ば傾き、木目に漢字の一行がまだかすかに残っている。日本語だ。ここには以前にも誰かがいた。"

#感覚カード — 3幕の空気

  • : 鎖が揺れる音が遠くから。地面から上がってくるような小さな息づかい。時おり誰かが小さく笑う音 (幻覚かもしれない)。
  • 匂い: 鉄臭さに血の匂いが混じった。古い血、固まった後で再び溶けた匂い。
  • : 二つの月が空の真ん中にある。光が地面に触れ、赤い影を作る。PCの影が普段より指一本分赤い。
  • 触感: 足裏が粘つく。息に血の味が染み込む。舌先が少し鈍る。

#感覚密度

この幕は「領地から遠い場所」の感覚である。2幕が「結界の外」を教えたなら、3幕は「結界が見えない場所」を教える。GMは「帰れるのか」という疑問を感覚として植え込む。


#法 — このセッションで使うルール

#このセッションに初めて登場するルール

ルール使用箇所参照
等活 "復活の刻" (深度2)遺跡内部進入時03-06
認定判定 (復活の刻解除)精神耐性目標値1103-06
将級妖魔接近遭遇古代鬼 (会話可能)10-06
考古学判定遺跡解読本編 04-03
安定核収穫 (条件付き)古代鬼撃破時のみ01-03

#このセッションにも持続適用されるルール

  • 霊界露出度
  • 分隊命令活力
  • 間合戦闘

#判定目標値ガイド (3幕専用)

判定目標値試行者
血の高原地形読解 (安全経路)13偵察・地理技能者
鎖残骸識別 (黒縄の前兆?)14感知・退魔技能者
遺跡鳥居銘文解読14軍学技能者 (古典語)
古代鬼との会話開始15 (交渉判定)交渉・風格
古代鬼との戦闘 (防備)防備 14全員
血を撒く小鬼分隊 (防備)防備 11全員
復活の刻認定判定12 (精神)被害を受けたPC
遺跡内部危険感知13感知・退魔

#主要遭遇 — 3幕構造

#遭遇 1 · 鉄色の平原の二歩目 (20分)

  • 場所: 2幕で引き返した地点の10間合先
  • 登場: 地形変化描写 · 遠くに見える血の高原
  • 目的: 領地から遠い感覚の強化。霊界露出度累積公開。

#遭遇 2 · 血を撒く小鬼の群れ (40分)

  • 場所: 高原進入路
  • 登場: 血を撒く森の小鬼6~8体、10-06 妖魔参照
  • 目的: 等活固有妖魔との初対決 (2幕の復活餓鬼とは異なるパターン)。

#遭遇 3 · 血の高原の中央 (40分)

  • 場所: 高原中心。崩れた社。
  • 登場: 環境 · 残骸 · 回復する鬼1体 (首長 · 将級) 遠くから観察可能
  • 目的: 将級妖魔の存在を先に見せる。交戦はまだ選択。

#遭遇 4 · 遺跡解読 (50分)

  • 場所: 社内部
  • 登場: 遺跡 · 復活の刻発動 · 手がかり片
  • 目的: 帰還の最初の手がかり発見。キャンペーン全体プロットの最初の糸口。

#遭遇 5 · 古代鬼との対面 (60分)

  • 場所: 社の奥の祭壇
  • 登場: 古代鬼1体 (将級、知性体妖魔、会話可能)、10-05 NPCおよび10-06 妖魔参照
  • 目的: 霊界知性体との最初の真剣な会話 + 戦闘・交渉・協議の選択。

#遭遇 6 · 帰還 — 遠ざかった領地 (30分)

  • 場所: 高原 → 平原 → 境界地帯 → 領地
  • 登場: ゲンショウの遠隔感知反応
  • 目的: 2泊3日の遠征の締め。霊界露出度累積の処理。

#段階別進行ガイド

#段階 1 — 鉄色の平原の二歩目 (20分)

チェックポイントタイミングGMプレイヤー信号
出発0~3分2幕帰還翌日未明の設定準備物確認分隊構成再確認
平原再進入3~10分昨日の戦闘痕跡 (餓鬼の死体跡が空)観察死体が消えた感覚
露出度累積10~15分露出度 +2 (二日目)数値更新体がすでに重い
高原遠景15~20分遠く赤い高原のシルエット方位決定行くか行かないか

#段階 2 — 血を撒く小鬼の群れ (40分)

チェックポイントタイミングGMプレイヤー信号
発見0~5分高原進入路に集まっている6~8の小さな形観察背丈1尺の灰色の影たち
初攻撃5~10分鬼たちがPCに血を撒く (遠距離)防御・接近防備判定
近接戦10~25分3~4間合乱戦マヌーバ・分隊命令分隊員負傷リスク
決着25~30分鬼をすべて退治疲労チェック永久消滅 (復活なし)
収穫30~40分不安定核3~5個試行判定不安定核収穫

#血を撒く鬼の特殊

この妖魔は復活しない。2幕の復活餓鬼と対比される。「等活のすべての妖魔が復活するわけではない」ことを学ぶ。

代わりに彼らは血を遠距離から撒く攻撃を行う。命中すると、この戦闘終了時に露出度 +1が追加される。

#段階 3 — 血の高原の中央 (40分)

チェックポイントタイミングGMプレイヤー信号
高原進入0~10分地面が赤くなり始める足裏の粘つき感覚転換
社発見10~20分崩れた鳥居 · 半分残った柱接近するか最初の人工物
遠くに見える鬼20~30分社の反対側に膝をつく大きな形観察 · 接近判断将級規模の体感
進入決定30~40分社の中に入るか決定合意復活の刻発動直前

#遠くに見える鬼の意味

PCはこの鬼をすぐ攻撃できない。距離が遠すぎ(徒歩で3間合)、間に社がある。PCは社を先に調査し、その過程で鬼と向き合うことになる。

この演出は「ボスは見えているが、まだ会わない」緊張を作る。

#段階 4 — 遺跡解読 (50分)

チェックポイントタイミングGMプレイヤー信号
社進入0~5分鳥居の下を通過 · 空気の変化進入 · 慎重な歩み等活深度2進入
復活の刻発動5~10分被害を受けたPCの傷再生描写認定判定 目標値 11 試行ルールの最初の個人適用
内部描写10~20分祭壇 · 壁の記録 · ひっくり返った香炉調査 · 宝物探索日本語記録発見
銘文解読20~35分鳥居銘文 · 祭壇裏面記録軍学判定 目標値 13最初の手がかり片
遺物回収35~45分青銅鏡の欠片 · 折れた護符 · 日記ページ回収判断戦利品分配
鬼の登場45~50分古代鬼が社の中へ入ってくる戦闘待機 or 会話遭遇 5トリガー

#復活の刻の最初の個人適用

被害を受けたPC (2幕で負傷、またはこのセッション1幕で負傷) が社内部に入ると:

  • 1間合: 傷が再び開く。被害なし · 感覚だけ再生。
  • 2間合: 感覚がより鮮明になる。精神 -1 (一時)。
  • 3間合: 認定判定 目標値 11。成功時解除。失敗時反復。
  • 反復3回失敗: 露出度 +1 · 場面を離れるまで維持。

このルールはセッション中の最初の個人適用なので、GMが落ち着いて説明しながら進行する。

#銘文解読 — 最初の手がかり片

成功時、PCが読む内容:

"慶長八年(1603)、加南難国。我らの領地も落ちた。二つの月が立っている。結界は — ない。我らは地獄の幾つもの層を歩き、黒い糸の森を見た。その次は — 書きたくない。"

手がかりの意味:

  • "加南難国" → 本編世界のどこかの領地。GMが自分のキャンペーンの任意の地域へ接続可能。
  • "慶長8年" → 4年前。この社の主は4年前にここへ来た。
  • "黒い糸の森" → 第2章黒縄地獄の予告。
  • "書きたくない" → 彼らがどうなったかは記録なし (=全滅または変容)。

この手がかりはキャンペーン全体プロットの最初の糸口である。PCはこの瞬間、「我らの領地だけではない」と悟る。

#段階 5 — 古代鬼との対面 (60分)

チェックポイントタイミングGMプレイヤー信号
登場0~5分鬼が社の中へ入ってくる · 長槍を握る準備姿勢将級の圧
凝視5~10分鬼が無言でPCを見る最初の台詞選択交渉・戦闘分岐
分岐点10~15分PCの最初の言葉、または最初の攻撃選択 (3分岐)物語の分かれ
選択 A: 会話15~45分鬼の話 (下記)質問・傾聴手がかり獲得
選択 B: 戦闘15~45分間合戦闘 (将級水準)マヌーバ全・分隊動員安定核可能
選択 C: 回避15~30分後退判定 目標値 13判定 · 分隊後衛露出度 +2
結果45~60分選択による結果 · 遺跡離脱戦利品確認帰還準備

#古代鬼の正体 (GM専用)

この鬼の名はニシマ・ホウセイ(西間 鳳栖)。生前、4年前の加南難国領地の指揮陰陽師だった者。領地が霊界に落ちた後、彼の領地は全滅し、彼は鬼へ変容(本編ルール)してこの社に残った。彼自身が社の主であり、社の記録を残した者でもある。

彼はPCに悪意を持っていない。むしろ、自分が見て学んだことを伝えたいと思っている。しかし彼はすでに鬼なので、会話が難しい (交渉判定 目標値 15必要)。

#選択 A: 会話が成功した時

鬼がPCに伝えること:

"お前たちの領地も落ちた。……この高原の向こうへ行けば — 黒い糸の森がある。そこには — 答えがある。答えではなく — 答えになり得る可能性が。……お前たちの陰陽師は — 死にかけている。お前たちの領主は — まだ決められずにいる。片方を — 選ばなければならないだろう。私も — 選べなかった。だから — これになった。"

この会話の後、鬼は自ら消滅する。この将級妖魔の核はPCが収穫可能だが、収穫する瞬間に三道六心偏向分岐が発動する:

選択結果偏向
核を取る安定核1個獲得 · 結界HP +30可能覇 +1 または 魔 +1
核を残す (共に埋める)核なし · 代わりにアキヒサへの報告時、領主の心 +1慈 +1
鬼に「ありがとうございます」と言う核獲得 + 心偏向 眞 +1眞 +1

#選択 B: 戦闘が発生した時

古代鬼は「回復する鬼」テンプレート (10-06参照)。戦力が0になっても2間合後に戦力3で回復 (1回)。

PCは二度倒さなければならない。この過程で:

  • 分隊員1~2戦死の可能性
  • PC 1~2人重傷の可能性 (戦力1残り)
  • ゲンショウの遠隔結界引き上げ発動条件を満たす可能性 (結界HP -5)

撃破時、安定核収穫判定 目標値 15。成功時、+30回復分の核を獲得。

#選択 C: 回避が選ばれた時

後退判定 目標値 13。成功時:

  • 遺跡からは離脱するが、手がかりは確保
  • 露出度 +3追加
  • 古代鬼は追撃しない (彼は社に縛られている)

失敗時は戦闘強制 (選択 Bへ移行)。

#段階 6 — 帰還 — 遠ざかった領地 (30分)

チェックポイントタイミングGMプレイヤー信号
高原離脱0~10分振り返ると社はすでにぼやけている帰路移動 · 疲労チェック霊界は場所を記憶しない
平原帰路10~20分昨日の戦闘痕跡が消えている露出度累積公開体の重み
境界地帯20~25分結界が遠くに見え始める最初の安堵領地はある
城門到着25~30分ゲンショウ・アキヒサ待機 · 手がかり報告報告 · 数値公開次幕の前兆

#成功 / 失敗分岐

#「成功」の形

成功部分成功失敗
手がかり解読銘文完全解読 + 遺物回収部分解読解読失敗 (GM朗読で補足)
古代鬼処理会話または回避 (無戦死)戦闘後帰還分隊半数以上戦死
核収穫卒 3+ · 将 1 (または放棄)卒 2 · 将 0卒 1 · 将 0
露出度管理全PC 5以下1~2 PCが 6~71 PCが 8+

#結界HP変動 (3幕決算)

原因変動
自然減少 (週2の最後の週間)-3
ゲンショウの遠隔引き上げ (使用時)-5
不安定核3個注入+30
安定核1個注入 (獲得時)+30
3幕終了時結界HP標準: 93~103、上限100適用 → 100最大

3幕が終わると結界HPが満杯に近い場合がある。これは意図された設計 — 4幕で主級妖魔がこれを一気に削る物語を作るためである。

#陰陽師衰弱度変動

原因変動
遠隔引き上げ使用時+1
未使用0
3幕終了時衰弱度0または1/10

#住民士気変動

条件変動
PCが「我らの領地だけではない」手がかりを公開-1または+1 (共有方法による)
安定核公開+1
戦死者発生-1
遺跡青銅片を領主に献上+1

#GMコントロール — 3幕特有の注意点

#手がかり伝達のドラマ

銘文解読場面は、この章全体の物語上の核心である。この一場面でPCは「我らの領地だけではない」と知る。GMは:

  1. 解読判定を簡単に与えすぎないこと。失敗時は別の判定で迂回提供 (感知・退魔で「感じ」として読む)。
  2. 朗読はゆっくり。一文ごとに2~3秒休む。
  3. 「書きたくない」を最もゆっくり。

#古代鬼ニシマ・ホウセイの演出

ニシマは敵ではない。GMはこの点を明確に理解しなければならない。PCがこの事実を掴む時、この章の感情的中心が立つ。

  • 鬼の言葉は短く、途切れる。「お前たち — 領地も — 落ちた。」という形。
  • 彼の体はゆっくり崩れていく。会話が長引くほど欠片が落ちる。
  • 彼の目は澄んでいる。鬼の目ではない。人間の目だ。

#復活の刻の演出

  • 傷が再び開く描写は過度にしない。「血色が差す」程度。
  • 認定判定成功時、PCが何を認めたのかを尋ねる。その答えがキャラクターの心を露わにする。
  • 認定判定失敗の反復があれば、GMがPCに「今この瞬間、あなたが向き合うのを恐れているものは何か」と尋ねる。

#分隊戦死の重み

3幕で分隊員戦死が発生したら、名前がなければならない。2幕まで「分隊員四人」だけだったなら、戦死者に即座に名前を与える。例: 「ウチダ・コギロウ、農民出身、二人の子の父」。

この名前は4幕と次の章まで記憶される。

#速度調整

状況調整
プレイヤーが遺跡で時間を使う古代鬼をより早く登場させる (侵入信号)
プレイヤーが鬼を即攻撃する鬼が一言「待て」を先に言う (智判定機会)
プレイヤーが会話に執着する鬼の崩壊速度を加速 (時間制限)
プレイヤーが解読に失敗する青銅鏡の欠片に短い文1行を補助手がかりとして

#危機管理 — 二度目の全滅防止

1段~2段PCパーティにとって、将級妖魔は脅威である。PC 2人以上が戦力1以下に落ちたら:

  1. 古代鬼が「十分だ」と言って退く (ただし、このシナリオは会話最低1回成功後にのみ可能)。
  2. 分隊員が代わりに突進 · 1人即死でPCを救助。
  3. 遺跡が崩れ、強制脱出 (手がかり半分だけ確保)。

#トーンの罠を避ける

  • 手がかりをあまり明示的に説明しない。「黒い糸の森」が第2章であることをGMが直接言わず、プレイヤーが推測するようにする。
  • ニシマを悲劇の象徴として使いすぎない。彼は一度の場面のための存在。感情過剰はむしろ重みを減らす。
  • 血の高原をホラーのように扱わない。中心は恐怖ではなく悲しみである。

#セッション終了宣言

信号台詞例
時間到達"城門が閉じる。青銅片が卓上に置かれる。"
感情クライマックス"アキヒサが銘文の写しを受け取る。彼の指が一度震える。"
フェードアウト"ゲンショウ翁が目を閉じる。その口が少し開く — 名を発音しようとして止まったように。"

#4幕への橋

セッション終了後、GMは次のセッション前に一文を予告する:

"その夜、結界が一度強く揺れた。誰かが — 外から — 結界を叩いた。"

この一文が4幕の真紅コオニ攻城戦を予告する。


#次へ


"私は — 答えを — 持っていない。持っているのは — この身だけだ。この身を — 見せよう。" — ニシマ・ホウセイ(西間 鳳栖)、4年前に落ちた領地の最後の陰陽師、鬼へ変容した後の最後の言葉。