#基礎前提 (Axioms)
目次
この文書は、混世霊妖譚のすべての規則の根である。以下の9つの前提が変われば、下位規則はすべて変わる。新しい規則を作るときは必ずこの前提に基づかなければならず、前提と衝突する規則は存在できない。
権威宣言(Canon Declaration)。 本文書は、混世霊妖譚の最上位前提を定義するCanon文書である。下位規則・付録・フィクション・バランス文書が本前提と衝突する場合、本文書が優先される。下位文書の衝突は誤りとみなし、
co-99-meta/co-99-01-authority.mdの手順に従って修正する。
関連項目: ゴールデンルール · 用語集 · ウィキホーム · 権威体系
#前提 1: 10面体世界 (十面體世界)
#香 — 運命の面
戦国の乱世において、武士が振るう刃の軌跡は十の可能性を宿す。十の面を持つダイス二つがぶつかるとき、その合計が作る曲線は — 世の大半のことは平凡に流れるが、ごくまれに奇跡と破滅が訪れるという — この世界の真実を含んでいる。
#法 — 規則
- 使用ダイス: 10面体(d10) ただ二つ。ほかの多面体は一切使用しない。
- 基本判定 (2d10): 10面体二つを同時に振って合計する。
- 範囲: 2 ~ 20
- 平均: 11
- 分布: ベルカーブ (極端な値ほど珍しい)
- 公式:
2d10 + 修正値 >= 目標値 - 百分率判定 (d100): 同じ10面体二つを使うが、一つを十の位、一つを一の位として読む。
- 範囲: 01 ~ 00(=100)
- 分布: 平坦 (すべての値が同じ確率)
- 用途: 詳細結果表、遭遇表、戦利品表など
- ダメージダイスなし: 命中判定が成功すれば、別途ダメージを振らず、ただちに戦力が減少する。
- 小数点処理: すべての数値計算で小数点は四捨五入 (0.5は切り上げ)。例外なし。詳細は判定と耐性 §小数点処理参照。
設計意図: 10面体二つだけで、このゲームのすべての判定を処理できる。ポケットにd10が二つあれば十分である。
#前提 2: ゾロ目と運命 (雙目與命運)
#香 — 双子の目
2d10を振ったとき、両方のダイスが同じ数字を示す瞬間がある。まるで二筋の運命が一点で交わるように。その瞬間、平凡な一撃は会心の一撃となり、些細な失敗は致命的な破滅へ変わる。
そして、この運命の交差点を意志の力でねじることのできる者たちがいる。それが運である。
#法 — 規則
ゾロ目 (雙目)
2d10を振ったとき、両方のダイスが同じ目であれば発動する。(例: 3-3, 7-7, 10-10)
- 発生確率: 10% (100通りの組み合わせのうち10通り)
| 条件 | 結果 | 名称 |
|---|---|---|
| ゾロ目 + 判定成功 | 会心: 2戦力または特殊効果 | 会心 |
| ゾロ目 + 判定失敗 | 失着: 無防備または武器破損など | 失着 |
| ゾロ目 10 (合計 20) + 成功 | 天命: 決定的瞬間表(d100)参照 | 天命 |
| ゾロ目 1 (合計 2) + 失敗 | 業報: 致命的失敗表(d100)参照 | 業報 |
運命介入
運の能力値を持つキャラクターは、2d10を振った直後、ダイス一つの値を±1調整できる。
- 使用回数: 戦闘ごとに運修正値の回数。ただし運修正値が1未満でも最低1回。運+3なら3回、運+0なら1回。
- 調整範囲: d10一つを+1または-1。(1を0へ下げたり、10を11へ上げたりすることはできない: 1~10の範囲を維持)
- 活用例:
- 合計12を13へ上げ、成功境界を越える。
- 4-5を5-5へ変え、ゾロ目を作って会心を誘発する。
- 3-3(ゾロ目失敗)を3-4へ変え、失着を回避する。
- 運命介入で作ったゾロ目10も天命として認める。
設計意図: 運は「幸運の女神が微笑む回数」である。受動的なボーナスではなく、プレイヤーが決定的瞬間に能動的に介入する資源。使うべき時に使わなければ惜しく、早く使いすぎれば本当に必要な時には残っていない。この緊張感が運の本質である。
#前提 3: 戦力普遍体系 (戰力體系)
#香 — 傷の重さ
この世界で戦士の強靭さは、数字ではなく何度の致命傷に耐えて立っていられるかで測られる。足軽一人は刃一つで倒れ、歴戦の練は三度の致命傷を受けても歯を食いしばって刀を離さない。そして伝説の武将は — 全身が血まみれになっても敵将の首を斬る。
#法 — 規則
- ヒットポイントは存在しない。 すべてのユニットは戦力(戰力, Wounds)の値だけを持つ。戦力は「耐えられる致命傷の回数」。0になれば倒れる。
- 防備: 鎧の基本値 + 盾/構えボーナスの合計。攻撃が命中するには
2d10 + 修正値 >= 防備でなければならない。基本10(無甲)~16(重装甲)。→ 装備 - 防備を抜く攻撃が命中すれば → 基本1戦力減少。
- 会心(クリティカル)または特殊武器/特技 → 2戦力以上減少。
- 戦力が0に到達 → 戦闘不能または死亡。(詳細)
等級別戦力基本値:
設計意図: ダメージダイスを振らないため、戦闘のテンポが速い。「当たったか、当たらなかったか」がすべてであり、防備と活力による戦術判断が生存の核心となる。一撃で即死する足軽の恐怖と、五度打たれても立つ鬼武者の威圧感が、一つの数値の差で表現される。
#前提 4: 活力・呼吸・マヌーバ (活力·呼吸·技法)
#香 — 呼吸と技法の交差
刀を手にした瞬間から、呼吸が変わる。吸い、斬り、吐き、防ぐ。一つの呼吸でできることは決まっている — その中で何を選ぶのか。敵が金棒を振り上げるのが見える。いま斬るのか、避けるのか、それとも反撃をあらかじめ仕掛けて待つのか。
このゲームの戦闘は「移動-攻撃」の反復ではない。刀を持つ武士には「横薙ぎ」と「突き」と「受け太刀」があり、三つはまったく別の状況で光る。敵が重い鎧を着ているなら — 防備を貫く「突き」。敵が駆け込んでくるなら — 刃で受ける「受け太刀」。この選択の連続が戦闘を作る。
#法 — 規則
- 活力: 行動資源であり、間合内のカウントタイムライン。最大
10 + 技。 - カウント: 最も高い活力から降順。敵と味方が交差して行動する。
- 一呼吸: 自分のカウントで連続行動できる限界 = 基本活力5。技能/装備/特殊効果で拡張可能。システム上の絶対上限は置かないが、公式バランス基準では7を超えないことを原則とする。
- マヌーバ: すべての行動はマヌーバ(技法/型/構え/素養/整備)から選ぶ。「移動」も「攻撃」もマヌーバである。
- 予約: 一呼吸の中で防御マヌーバを宣言(活力先払い)。事前に予約すれば実行費用0。即興なら1.5倍。
- 武器 = 戦法: 同じ刀でも形態によって技法が異なる。武器図鑑参照。
- 流派: 技能の免許マヌーバと秘技(名人段階の代替マヌーバ)を、より強い流派マヌーバへ置き換える。流派参照。
設計意図: 「移動-攻撃の反復」ではなく、「この呼吸でどのマヌーバを選ぶのか」が戦闘の本質である。武器が戦法を、区域が有利不利を、活力がタイミングを決める。
#前提 5: 区域戦場 (區域戰場)
#香 — 戦場の息遣い
戦場は方眼紙の上のチェス盤ではない。崩れた城壁の裏の修羅場、橋の上の狭い交戦、森の向こうを迂回する別働隊 — 戦闘の空間は区域という生きて息づく単位に分かれる。各区域には味方と敵が奪い合う主導権があり、その主導権の押し引きが戦線の形を決める。
#法 — 規則
- グリッド(格子)なし。マップは区域(Zone)単位で分割する。
- 基本区域: [味方後列] — [味方前列] ⇌ [敵前列] — [敵後列]
- 特殊区域: 心府(Core)、外郭、外部 — それぞれ固有の進入条件とギミックを持つ。
- 区域ごとに制圧力(Domination)の値で支配権を決める。
- マスター(GM)は区域を削除、追加、変形し、戦場の形を自由に操作できる。
設計意図: マス数を数えるのではなく、「どの区域を掌握するか」を判断させる。戦術の単位は「1マス移動」ではなく、「前列死守 vs 心府突入」となる。
→ 詳細: 区域配置
#前提 6: 部隊階級5等級 (部隊階級)
#香 — 戦場の位階
戦場では数十、数百の存在が入り乱れる。すべての兵を一人ずつ追跡することは不可能であり、その必要もない。血の匂いに引き寄せられて群がる雑鬼の群れは刃一つで散り、足軽分隊は指揮官の一言で整然と動く。真に個別追跡が必要なのは、戦場の英雄と怪物だけである。
#法 — 規則
五つの等級で敵と味方の管理複雑度を調整する。
| 等級 | 戦力 | 個別追跡 | 行動方式 |
|---|---|---|---|
| 雑兵 | 0 | なし (数だけ) | 攻撃宣言時に即死。装飾物。 |
| 卒 | 1 | 分隊単位 | 防備のみ保有。命中 = 即死。分隊でまとめて運用。 |
| 練 | 2~3 | 分隊または個別 | 命中ごとに1戦力。クリティカル時2戦力。 |
| 将 | 3~4 | 個別 | 独自活力プール。敵の副官級。 |
| 主 | 3+體 | 個別 | プレイヤーキャラクターおよび敵将。全能力値/活力/戦力。 |
設計意図: 雑兵と卒は「背景」であり、将と主が「主人公」である。50人の足軽を一人ずつ管理せず、「槍兵隊5人」一つにまとめて制圧力+2を提供させれば、大規模戦闘の壮大さと卓上ゲームの管理可能性を両立できる。
→ 詳細: ユニット等級
#前提 7: 6能力値、それぞれ独自のシステム連動 (六能力値)
#香 — 六つの力
この世界の英雄は六つの資質で測られる。敵を恐れず向き合う勇気、刃先を正確に差し込む技巧、五度斬られても立つ肉体、戦場を一目で読む知略、配下の心をつかむ気品、そして死の門口から生きて戻る天運。
どの資質に優れるかによって、同じ戦場でもまったく違う戦い方をする。
#法 — 規則
6つの能力値。PCと一般キャラクターの修正値の基本範囲は-3 ~ +3であり、妖魔・英霊・ボスは該当等級やテンプレートが明示した値を優先する。
| 能力値 | 漢字 | 核心連動システム | 戦闘外活用 |
|---|---|---|---|
| 勇 | Courage | 攻撃修正値、突破判定、恐怖抵抗 | 威圧、決闘宣言、士気維持 |
| 技 | Finesse | 活力最大値(10+技)、先攻順序、精密行動 | 錠前、罠、曲芸、隠密 |
| 體 | Physique | 戦力算出(3+體)、過負荷抵抗、重甲適応 | 行軍、毒抵抗、疫病 |
| 智 | Wisdom | 指揮活力効率、呪術威力、地形把握 | 文献解釈、戦略、交渉の論理 |
| 美 | Presence | 制圧力オーラボーナス(+美)、交渉、士気鼓舞 | 魅力、芸術、嘘 |
| 運 | Fate | 運命介入(ダイス±1)、会心誘導、生死判定補助 | 賭博、偶然の発見 |
設計意図: すべての能力値が戦闘で固有の役割を持つ。「捨て能力値」はない。勇/技/體は直接戦闘、智/美は部隊運用、運は劇的展開を担当する。
→ 詳細: 能力値
#前提 8: 香と法の二重構造
#香 — 読む味
ルールブックは辞書ではない。プレイヤーが自分のキャラクターの技術を読んだとき、単なる「+2ボーナス」ではなく、「この技術を持つ者はどんな人間なのか」が浮かばなければならない。剣術免許を受けた者は、どのような姿勢で刀を握るのか。名人の境地に達した弓手の目に、戦場はどう見えるのか。
同時に、ゲーム中に素早く参照する必要があるときは、数値だけが明確に見えなければならない。
#法 — 規則
ウィキのすべての項目は、二つの層で構成される:
- 香(Flavor): 世界観内での意味、叙事的描写、RP活用例。その項目が世界の中でどのような存在かを伝える。単独で読んでも「感覚」が来るように。
- 法(Rules): 純粋な機械的数値、判定公式、活力費用、条件。プレイ中のレファレンス用。
この二つの層は同じページに共存するが、明確に分離される。### 香セクションと### 法セクションに分かれる。
設計意図: 香は「なぜこのゲームをしたいのか」に、法は「このゲームをどう遊ぶのか」に答える。どちらも必要であり、混在すればどちらも正しく機能しない。
#具体適用例
| 項目 | 香 | 法 |
|---|---|---|
| 侍1段特技「不動の陣」 | 刀を抜き、一歩を前に、一歩を後ろに。存在そのものが前列全体を満たす構え。「ここから一歩も動かない」という宣言。 | [構え]。2活力宣言、維持。その区域の味方制圧力+3(前列+4)、敵突破目標値+2、移動不可。移動するか構えを解除すれば終了。 |
| 陰陽師1段「式神使役」 | 呪文で神霊・獣・精霊を呼び出して使役する陰陽道の核心。式神は術者の意志で動く。 | [型]。2活力。式神1体召喚。式神は戦力1、防備12、制圧力+1であり、陰陽師の0活力([型])操作アクションで動く。操作は一間合2回上限。 |
| 浪人1段「風の刃」 | 主君なき者の自由。狭い道も、絡み合う戦場も、風のように通り抜ける。 | [素養]。敵制圧力が高い区域/心府への移動時、活力-1(最低1)。心府自由進入/離脱。 |
| ゾロ目 + 成功 | 運命の二つの目が一点で交わる瞬間。平凡な一撃が会心となり、刃が骨を断つ。 | 2d10の二つのダイスが同じ目 + 目標値到達。基本1戦力 → 2戦力。武器/特技により追加効果。 |
読み方: 香だけを読んで感覚をつかんでもよく、法だけを読んで判定してもよい。二つを共に読んだとき、はじめてなぜこの規則がこの数値なのかが納得できる。これが混世霊妖譚ルールブックの編集原則である。→ ルールブック磨きの原則
#前提 9: 世界観 — 妖魔がうごめく戦国時代
#香 — この世界について
時は戦国。領主たちの野望が血に染まる地の上に、霊界(靈界)の門が開いた。鬼が山から下り、天狗が空から見張り、怨霊が戦場の死体の山から立ち上る。人間たちの戦争は、いまや妖魔との戦争でもある。
この混沌の中で、大名の軍勢は退魔師を雇い、陰陽師は式神を使役し、異国から来た者たちは火薬の力で妖魔に立ち向かう。プレイヤーはこの乱世の指揮官となり、少数の精鋭部隊を率いて妖魔を討伐するか — あるいは妖魔の力を利用するか — する。
#法 — 規則根拠
- 時代的基盤: 日本の戦国時代(センゴク、15~16世紀)。侍、足軽、僧兵、商人、職人、芸人が共存する身分社会。
- 超自然要素: 日本妖怪伝承 + 密教/陰陽道。退魔、結界、式神、呪術が実在する世界。
- 数値基盤: OSR(B/X, OSE)データを戦国時代の文脈へコンバート。
- 鬼 = Ogre (戦力4、防備14)
- 天狗 = Harpy (戦力3、防備13)
- 足軽 = 1HD人間 (卒、防備12)
- 公式18職(基本6 + 拡張12)(+ 魔人12種): 戦国時代の社会構造から派生。武士(侍/浪人/忍び)、霊的(陰陽師/密教僧/浄土僧/修験者/風水師)、後方(学者/商人/工人/芸人)、外部(外人/野人)、非人間(半妖/現人神/自律機人/傀儡師)。
設計意図: D&Dの「剣と魔法」ではなく、「刃と妖魔」。西洋ファンタジーとの差別点は、身分社会の位階、妖魔という非人間的脅威、そして少数部隊戦術というスケールにある。
#前提間の依存関係
前提 1 (10面体) ──→ 前提 2 (ゾロ目/運命) ──→ 前提 7 (運能力値)
│ │
└──→ 前提 3 (傷) ──┘
│
前提 4 (活力) ─────┤
│
前提 5 (区域) ──┤──→ 戦闘システム全体
│
前提 6 (階級) ──┘
前提 7 (能力値) ──→ 前提 3, 4, 5すべてに数値連動
前提 8 (香/法) ──→ ウィキ全体の書式に適用
前提 9 (世界観) ──→ 香テキスト + クラス/モンスター設計根拠
この文書が変更された場合、すべての下位規則文書を再検討しなければならない。