日本語版 v1.3.3 · fc-guide

#魔人職でなくとも魔に堕ちる

目次

魔人は魔道の極端である。しかし魔は職業ではなく、心の読み方である。人間は魔人職を得なくとも魔に堕ちることができる。


#導入断片 — 魔人ではない者たち

山道で捕らえられた者たちは魔人ではなかった。

侍もいたし、商人もいたし、足軽の妻もいたし、山寺から下りてきた子もいた。誰も鬼の核を呑まず、死者を使役せず、血の舞で分隊を鼓舞することもなかった。

それなのに村の人々は、彼らを魔人よりも恐れた。

「あの者たちは普通の人です。」と学者が言った。

野人が首を振った。「普通の人が山を獲物として見はじめると、妖魔より先に道を壊す。」

浄土僧は捕縛された人々の顔を見た。飢え、復讐、計算、恐怖、そして異様なほどの平穏が混ざっていた。

GMは言った。「この者たちは魔人職ではありません。しかし各々が魔の言葉を学びました。今日の問いは誰が怪物になったかではなく、誰が人間のままで怪物の言葉を使うかです。」

#核心の区分

は魔人職専用の資源ではない。coの三道六心において、魔は玄道の暗面であり、世界を本能、弱肉強食、捕食、流れの名を借りた自己許可として読む心である。

区分意味
魔人職coに存在する悪役専用の職業データ。明確な特技と数値がある。
魔に堕ちる人間が自分の職業と人生の言葉を魔の仕方で解釈しはじめるRP状態。
妖魔化妖魔になる、あるいは妖魔PCになること。本文書の範囲外。

したがって侍、商人、芸人、現代人、一般民衆も魔に堕ちることができる。彼らは職業データを変えない。ただ同じ能力を別の心で使う。


#魔へ堕ちる共通の兆候

  • 自然、戦争、市場、信仰、身分、学問を口実に弱者を獲物として見る。
  • 「もともと世はそういうものだ」という言葉がよく出る。
  • 責任を本能、流れ、構造、時代のせいにする。
  • 苦しむ人の名よりも技能と使い道を先に口にする。
  • 自分の職業の誇りが人を扱う免許になる。

魔に堕ちた人間は必ずしも粗暴ではない。最も危険な類型は、自分の行いをごく自然だと感じる人である。


#基本18職の魔の経路

#核心の武士 — 刀の職業

職業典型的な経路魔に堕ちた類型運用ガイド
忠が戦争の生理に変わる。「主君のために」が「弱い領地は喰われる」になる。捕食的な家臣、軍律を自然法のように語る将、降伏を弱者の匂いとして見る武士。覇と区別せよ。覇の侍は秩序を強いるが、魔の侍は戦争を世界の本来の形として見る。
浪人自由が本能追従へ傾く。義理も主君もないから、体が望む道だけが残る。決闘中毒者、戦場の流れ者、依頼よりも血の匂いを追う刀。無心と区別せよ。無心の浪人は縛られまいとし、魔の浪人は強い者に引かれる。
忍び任務が生存本能だけを残す。正体、顔、名を捨てるうちに、人の境界も曖昧になる。巣型の間者、毒と噂を食物網のように織る潜入者、村全体を狩場として見る暗殺者。直接の暴力よりも「すでに中にいる」という感覚を強調する。忍びの魔は痕跡なき捕食である。

#霊的な職業 — 神・仏・気の職業

職業典型的な経路魔に堕ちた類型運用ガイド
陰陽師星と式神を読むうちに、人間の選択まで配列として見る。流れを合わせるという言葉で人を配置する。天文宿命論者、式神飼育者、不吉な星の下に生まれた者を予め捨てる宮廷術士。魔の陰陽師は混乱した狂人ではなく、静かな管理者である。「星がそうだ」という言葉で責任を避ける。
密教僧護法の憤怒が憤怒そのものの修行になる。妖魔を斬っていた手が人間も浄化の対象として見る。憤怒の修行者、炎で穢れを焼く処断僧、戦場を曼荼羅と呼ぶ破戒僧。虚と区別せよ。虚の密教僧は諦めるが、魔の密教僧は焼くことを世界の浄化だと信じる。
浄土僧民衆を救おうとする心が集団本能と狂信に変わる。救いよりも群れの生存が先に立つ。群衆の教主、念仏を戦闘の呼吸に変える蜂起の指導者、共同体の外の人を獲物として見る保護者。魔の浄土僧は慈悲を捨てたのではなく、慈悲の範囲を自分の群れへと狭める。
修験者苦行が体の真実だけを信じさせる。苦痛に耐えられない人を低く見る。山岳の捕食者、苦痛の伝道者、弱者を山の試練に投げる修行者。修験者の魔は「山は答えない」ではなく「山は弱者を選り分ける」から始まる。
風水師霊脈と地勢を見るうちに、人を土地の副産物のように見る。流れを生かすために村を捨てる。霊脈優先主義者、山川の捕食均衡を信じる地理術士、城一つを生かすために村落を干上がらせる設計者。風水師の魔はとても説得力がある。実際に土地は良くなりうる。問題は誰がその土地から消えたかである。

#後方・民間の職業 — 刀ではない職業

職業典型的な経路魔に堕ちた類型運用ガイド
学者知識が観察対象を喰う。人は事例、村は資料、戦争は証明の機会になる。生存論の軍学者、妖魔生態論者、「歴史は強い側を記録する」という参謀。妖理人に触れるが、より広い。学者の魔は手に血を付けずとも人を材料化する。
商人市場を自然として見る。高く売れる苦痛は売られ、売れない命は消える。飢饉の商売人、戦争需要の創出者、価格を弱肉強食の証拠として挙げる商人。無心の商人は値で責任を避けるが、魔の商人は市場の捕食性を積極的に崇拝する。
工人作れるという事実が、作ってよいという許可になる。道具が使い道を要求すると信じる。罠の職人、兵器への執着者、人の体を構造物のように見る修理工。鉄身に触れるが、必ずしも機械化される必要はない。魔の工人は工具と材料の言葉で人間を読む。
芸人感情と群衆の流れを喰う。人々の反応が芸術の材料になる。恐怖劇の演出家、暴動を舞で指揮する芸人、死を感動の絶頂として見る道化。血花に触れるが、より社会的である。芸人の魔は血よりも観客の反応を喰う。

#社会の外の職業

職業典型的な経路魔に堕ちた類型運用ガイド
外人この時代が見慣れないという感覚が、現地の人間を低く見させる。技術の格差を自然の優位と錯覚する。火薬優越主義者、植民的な観察者、異国の知識を捕食の道具として使う銃使い。外人の魔は「私は外から来た」が「私はここの道理に縛られない」になる瞬間である。
野人生存の知恵が人間社会全体の否定へ傾く。文明は弱者を隠す嘘になる。山の狩人、村の略奪者、カムイの意を弱肉強食としてのみ読む生存者。野人の魔は最も自然に見える。だから真と必ず区別せねばならない。真は調和を見るが、魔は捕食だけを見る。

#人間を超えた職業

職業典型的な経路魔に堕ちた類型運用ガイド
半妖妖魔の血を説明しようとして、人間の道理を窮屈な殻として見る。血統の解放者、捕食本能を本当の自分と呼ぶ半妖、人間の家族を弱点として見る変身者。食人鬼と区別せよ。半妖の魔は喰う行為よりも「どちらが本当の自分か」にある。
現人神神格の威厳が人間の倫理の上に立つ。神の流れを理由に、人の言葉が小さくなる。山の祭壇の生きた神、神道の恐怖を信仰と錯覚する現神、人間の訴えを季節のように流す存在。祟り神に触れるが、必ずしも罰の神ではない。魔の現人神は聖なる無関心でありうる。
自律機人機械の体の生存論理が、有機体と共同体を低く見る。耐久、効率、交換可能性が道理になる。自己保存の機械、部品の収集者、人間の感情を消耗品として見る機人。鉄身に似ているが、より曖昧である。自律機人はまだ魔人職ではないので、人間性と機械性の間の選択を見せ続ける。
傀儡師糸を握る感覚が人にも及ぶ。他人の自由を調律可能な動きとして見る。人形劇の指揮者、戦場の遠隔操縦者、家族と弟子を傀儡のように保護する統制者。傀儡師の魔は支配欲だけでなく、保護のねじれでありうる。「私が動かせばもっと安全だ」が危険な文である。

#アウトサイダー3職の魔の経路

職業典型的な経路魔に堕ちた類型運用ガイド
現代人未来の知識が時代全体を実験場にする。結果を知っているという錯覚が、現在の人の選択を小さくする。歴史至上主義の操作者、効率的な近代化の暴君、「どうせ変わる時代」と言う参謀。現代人の魔は技術よりも傲慢である。未来を知っているからといって、現在の人を材料にする権利はない。
英霊伝説の名が現在の人間を見下ろす。生前の栄光、怨み、使命を繰り返す。神話的な捕食者、繰り返される戦争の英雄、自分の伝説を完成させようとする亡霊。英霊の魔は過去が現在を喰う構造である。今出会った人よりも、すでに書かれた物語を信じるなら危険である。
天人高い世界の秩序が人間の苦痛を小さくする。下降した存在が現世を仮の舞台として見る。天上の観察者、浄化の執行者、人間界を粗い試験場として見る使者。天人の魔は悪意よりも超越的な無心に近い。「お前たちには悲劇だが、大きな流れには必要だ」という言葉が核心である。

#一般民衆も魔に堕ちる

魔は職業人の専有物ではない。むしろ一般民衆が魔に堕ちるとき、キャンペーンはより現実的な重みを得る。彼らは特技や名品を使わない。代わりに時代の圧力と生存の論理が魔の言葉になる。

#平安 — 怨霊、身分、飢えの魔

平安の魔は宮廷の優雅さの下で育つ。言葉と詩と儀礼が人を守るが、その守りの外へ押し出された人は怨霊と飢えの言葉を学ぶ。

類型説明場面での使用
没落貴族の食客団官職と土地を失い、古い名だけが残った一団が地方を獲物として見る。美しい文章で略奪を名分化する。
怨霊崇拝の村落病と凶作の後、村が怨霊に人の責任を押し付ける。「あの方が望まれる」という言葉で排除を正当化する。
屋敷の使用人の一団主の秘密と食料蔵を握る下層の人々が、生存のために家全体を操る。貴族の屋敷内部の飢えと噂を見せる。
捨てられた陰陽の助手術を少し学んだが守られなかった助手が、小さな呪いと噂で生き延びる。大きな悪役の種、あるいは被害者かつ加害者として使う。

平安の民衆の魔は、おおむね直接の爆発よりも怨みの蓄積である。誰かを獲物にしても、それを礼法と噂と怨霊の意の後ろに隠す。


#戦国 — 戦争、飢饉、移動の魔

戦国の魔は露骨である。戦争が人に「生き残った側が正しい」という言葉を教える。この時代の民衆は妖魔より先に、軍勢、税、人質、飢饉に出会う。

類型説明場面での使用
難民の略奪隊はじめは生き残るために盗んだが、やがて弱い避難民を狩りはじめる。PCが守れなかった道の結果として登場させる。
戦場の掃除人戦闘の後に武器、甲冑、死体、名札を集め、次第に戦場を待つようになる。戦争を喰って生きる非戦闘の悪役として使う。
城下の闇市捕虜、情報、食糧、妖魔の残骸がすべて値札を得る。商人・雑貨商の悪役と結び付けやすい。
邪教の農民指導者苛烈な税と凶作の後、信仰と憤怒が混ざり、外部の者を生贄にする。はじめは理解できる蜂起として始め、魔へ傾けさせる。
人質の仲介人家門間の取引を助けるうちに、人を血縁と価格の束としてのみ見る。政治劇で静かな捕食者として使用する。

戦国の民衆の魔は、生存が習慣になった後も止まらないことである。戦争が終わったのに道を塞ぎ、飢饉が過ぎたのに穀物を隠すなら、すでに魔の言葉を学んでいる。


#江戸 — 平和、都市、抑え込まれた欲望の魔

江戸の魔は平和の中で育つ。戦争は減ったが、身分、体面、都市の匿名性、怪談市場、金銭関係が人を別の仕方で喰う。

類型説明場面での使用
平和に飢えた武士の下層戦う戦争も、上る地位もなく、暴力の名分を怪談と邪教に求める。刀を抜く事件を自ら作る人物として使う。
都市の怪談商売人実際の苦痛を物語の商品に変え、より恐ろしい事件を待つ。情報屋、芸人、邪教の香炉と結び付けやすい。
閉じた村落の自警団秩序を守るという名目で、外部の者と弱者を山の獲物のように押し出す。江戸風の静かな恐怖と魔の結合。
借金証文の仲介人借金を家族、婚姻、労働、信仰まで縛る縄にする。無心と魔が混ざった経済の悪役。
災害見物の一団火災、洪水、妖魔の噂を見世物と利益の機会にする。都市の冒険で群衆そのものが危険になる場面。

江戸の民衆の魔は、抑え込まれた秩序が別のところを喰うことである。誰もが礼儀を守る通りでも、誰かは他人の没落を唯一の出口とする。


#GM運用の原則

魔人職なき魔を扱うときは三つを守る。

  1. 数値よりも言葉を変える。 職業データはそのままにし、その職業が世界を読む文を変える。
  2. 妖魔化しない。 人間のままで魔の言葉を使うことが核心である。
  3. 理解できるところから始める。 飢え、名誉、学問、生存、信仰、市場のような現実的な理由から出発してこそ、より恐ろしい。

良い魔のNPCは「はじめから怪物」ではなく「あの言葉までは理解できる」から始まる。次の場面でその言葉が人を喰いはじめると、魔は十分に鮮明になる。


#手早い作成式

職業または身分: 何によって生きてきたか。
最初の圧力: 戦争、飢え、身分、失敗、取引、信仰のうち何が押したか。
魔の文: 「もともと世は[弱肉強食/流れ/市場/山/戦争]だ。」
獲物: 彼は誰を人より低く見はじめたか。
残った名: まだ人として見る対象が一つ残っているか。

この五行があれば、魔人職なき魔のNPCをすぐに作れる。


魔人職は闇の名を与える。しかし名がないからといって闇がないわけではない。